モバP「三船美優に選択を」 (27)

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三船美優「一歩、踏み出して」
の続編です。


蛇足です。
エロだけでいい人は>>9くらいまで飛ばしてください。

「トップアイドルを目指すか、それとも引退をして人並みの幸せを得るか。選べますか」

 自分でアイドルの世界に引きずり込んで置いて、こんなことを聞かなければならないことに憂鬱な気分になる。
 俺は担当アイドルである三船美優と肉体関係を持ってしまった。別にそれを今更悔いるつもりはない。言ってしまえば望んでやったことで、美優さんと関係を結べたことは俺にとってこれ以上ないくらいの幸せだといっていい。そして、それを手放す気は全くなかった。

 しかし、じゃあお二人お幸せに、とはならない。美優さんは今をときめく話題の人気アイドルで、おれはその担当プロデューサー、関係を暴露しようものならまともな生活は望めない。会社内、いや、部所内では二人惹かれあっていたことは察していたのかもしれない。もしかしたら、ようやくくっついたのか、だなんてのんきな事すら思ってすらいるのかもしれない。

 だが、世間はそれを許さないだろう。夢を売る立場である美優さんがそれを破壊することは許されないことで、少々の祝福と膨大な中傷を受けるに違いない。そんな被害を俺は担当プロデューサーとして出すわけはいかなかった。

 そして、俺は会社に許されない。これまで先行投資を行ってきてようやく利益を回収できる。言ってしまえば商品を傷物にしててあまつさえそれを自分のモノにしようとしている。もっと実力があるプロデューサーならばどうにでもしてしまうのだろうが、俺にそこまでの力はない。首を切られてしまえばそれまでで、そんな状態で交際結婚と考えられるほど楽観的な性格はしていない。
 どうしても円満に、安全に、ことを進める必要があった。

 それに。

「まだ、美優さんの意志を確認していないんだよな……」

 美優さんは俺が直接スカウトしたアイドルで、出会った当初は本当に悲観的な性格をしていた。
 まあ、俺はその儚げで、触れば壊れてしまうような、妖しい雰囲気に一目みて惚れていたのだが。

 以前、何があったかはいまだにあまり知れていないが、愛犬が亡くなって心の拠り所を失って。仕事もうまくいっていなかったのだろうか? 初めて話した時は変わろうと思っても変われないと言っていた。
 その時の美優さんは正直目も当てられない、と言ってもよかったとすら思う。人と距離を測るのが、幸福を感じるのが、極論を言えば生きるのが下手ですらあったのだ。

 だからこそ、アイドルだなんて世界に足を踏み入れる気になったのかもしれない。
 最初は戸惑うことも多かった。俺が突拍子もない仕事を持ってきて美優さんを困らせたことも数あったし、美優さん自身がどう動いていいのかわからず結果的に相手先に迷惑をかけてしまうこともあった。だが段々とキャリアを積み、実績を重ね、気づけばはや数年。じわじわと知名度を上げていき直近で行なわれたプロダクションの総選挙では3位になるほどの人気を得た。

 仲のいいアイドルも増えたようで、高垣さんや川島さんとお酒を飲みに行っている姿をよく見かけるし、事務所では年少組の世話をしている。
 最初のころなんかは、見知らぬ人が見れば怒っているとすら取られていた表情もすっかりなくなり、笑顔もよく見る。自然に出てきているという感じだ。

 そう、本当に楽しそうなのだ。アイドルという仕事が。ここにいることが。
 だからこそ、身勝手に動いて奪いたくはなかった。

 アイドルとプロデューサーが付き合っている例はなくもない。訳のわからないことにファンに認められているアイドルもいるし、外にはばれないようひた隠しにしている奴もいる。もしかしたら、本当に二人だけの秘密にして付き合っている例もあるのかもしれない。
 俺としてはそんなリスクは取りたくない。だが、美優さんは? まだまだ、この世界にいたいだろう。
 俺からやめてくれと押し付けることはできない。言う権利が存在していない。
 俺は、俺たちは。

「……はぁ、どうするべきかねえ」

「どうかしたんですか? Pさん」

 声に出てしまっていた。前の机にいる千川さんに声をかけられる。とはいえ人に相談できる内容ではない。

「あっ、すみません。声に出てましたか……なんでもないですよ」

「そんな溜息つかれて、なんでもないと言われても」

「……み、」

「み?」

 無意識で美優さんと呼ぼうとして思いとどまる。元々社内の人間は苗字でしか呼ばないよう心がけている(城ケ崎姉妹や年少組などの例外はある)ので一発で怪しまれるだろう、千川さんならなおさらだ。悪魔のように勘が鋭いのだ。

「……三船さんのこれからについて考えていたんですよ。本格的に人気が出てきましたからね。上司からもちょっと圧力を感じますし」

「はぁ……たしかにそうですね。最近はラジオのパーソナリティをしたり、ドラマにも出たり。いろんな方向を模索してる感じですね? そろそろ方向性を絞ってもいいかもしれないですね」

「個人的にもう少しゆっくりさせたいところなんですが……、グラビアなんかの仕事も安定してありますし。正直僕もびっくりしたんですが、役者としても結構地力ありますしね」

「なんていってると、あっという間に埋もれていく」

「!」

「なんてことを言われたんですか?」

 本当に勘が鋭いなぁと苦笑する。実際言われたことだ。
 しかし、今の俺にとっては人気が出ても落ちても都合がいいのだが。間違って口に出そうものならはたかれそうだ。

「私は一介の事務員ですから、口出しは出来ませんけど。一度美優さんと話し合ってはいかがです?」

「ん……。そうですね、そうしてみます。今まで舞い込んできてた仕事に手いっぱいで話し合う余裕なかったですからね」

「アイドルとのコミュニケーション不足は不和の元ですから。気を付けてくださいね?」

「ええ。アドバイス、ありがとうございます。……、そろそろ美優さんの迎えの時間ですね。ちょっと空けます」

 そういって席を立つ。

「そのまま直帰で?」

「時間は……もう四時半ですか。そうですね、そうします」

「分かりました。お疲れ様です」

「はい。では」

 千川さんと話しているとどこからどう弱みを握られるかわからないので、かなり無理やりだったが逃げることにする。今日は珍しく事務所に他のプロデューサーもアイドルもいない。入れ替わりで誰かくるのかもしれないが、それまでは俺に話しかけてくるだろう。普段ならうれしいが今悩みを抱えてる状態では勘弁願いたい。
 荷物を取りまとめて、PCの電源を落とす。コートを着込んでもう一度千川さんにあいさつした。

「それじゃあ、お疲れ様です」

「ええ、」

 そういって事務所を出た。
 千川さんが口を動かしていたがなんて言ったのかは聞こえなかった。まあ多分「お疲れさまでした」とかだろう。


「『美優さん』ですか。……へえ?」

………………………。

 もちろん、美優さんからの誘いを断れるわけはない。家は駅から少し外れたマンションだった。上京してきた時からそこに住んでいるらしい。

 「ご飯を用意しますので少し待っていてくださいね」なんて言われたものの手持無沙汰でどうすればいいのかわからなくなる。さすがにここにきて仕事をするほど酔狂ではない。
 適当に部屋を見渡す。イメージ通り片付いた部屋、とはいえ何もないわけではない。仕事から興味を持ったことがあると言ってたのも本当のようで美優さんの趣味に使うものがちらほらと置いてあるのが分かる。
 少し部屋を見ている間に美優さんの料理が終わったようだ。随分と手際がいい、慣れているのだろう。

「……お待たせしました。すいません、今日はあまり時間が取れなかったので簡単なものですが……」

「いえ、ありがとうございます」

 出てきたのはカルボナーラだった。無難な選択であることに安堵する。美優さんは無意識にお袋の味なるものを再現してきたリ、グラタンだとか妙に凝ったものを用意してくるかと正直思っていた。
 バレンタインのときなんか……いや、この話を思い出すのはやめておこう。

「あとは……少し、お酒とか……、チューハイ。ジュースですけど」

「ん……そうですね。一本くらいなら。まあ電車かタクシーで帰ります」

「それじゃあ……、いただきます」

「いただきます」

 酒の入ったグラスをカチンと鳴らす。一口飲んだあと、早速パスタを啜った。……美味しい。インスタントのできあえというわけではなさそうだ。

「美味しいです。こう、上手いこといえないですけど」

「それは……私の仕事ですね。ともあれお口にあったなら、なによりです」

「それにしても、今日は突然……正直びっくりしましたよ。高垣さんとか川島さんなんかと美優さんの家で飲んだり?」

「そうですね……そういうこともしてみたいな、とは思ってるんですけど。家に上げたのはPさんが初めてですよ」

「それは……光栄なことで」

 美優さんはしれっとこういう事を言うから困る……。顔が赤くなってしまってないだろうか。
 食事を進めながら、会話を弾ませる。アロマテラピーの話をしてもらった。最近の美優さんの流行りはジュニパーなるものなんだとか。冬の寒い時に丁度いいものらしく匂いを嗅がせてもらうとたしかに体が温まる気がした。

 特に滞りもなく食べ終わり、最後にハーブティをもらう。なんとも上品な食事会だった。

「ご馳走様でした。美味しかったです」

「お粗末様でした。先に洗い物をしちゃいますね」

「すいません。重ね重ね……」

「いえ、気に入っていただけたなら……後々も困らないかな、と」

 美優さんが洗い物をしている間にしれっとものすごい発言をされた気がする。
 とはいえいい感じに酔いが回っているので俺の妄想かもしれない。案内されたソファで休む。
 いつもより体が熱い気がする。酒に弱いとはいえここまでではなかったはずだが……。

「お待たせしました、すいません」

「いえ……、それ、似合いますね」

 エプロン姿の美優さん、素晴らしい。今度はこういう方向性を推しても……。

「Pさん……、お仕事の事考えてません?」

 美優さんがエプロンを外しながら頬をふくらます。たしかに失礼だった。

「すいません……」

「今は、プライベートですから……ね?」

 美優さんが隣に座ってきた。不思議といい匂いがする。

「私、アレ以来特に……Pさんとこういう風に暮らせたら……なんて、考えてしまって」

「……、」

「それで、今日……一度、家に呼んでみたいな、なんて……」

「まあ……仕事から帰ってきたら美優さんがいる生活は、してみたいですね……」

 浮ついた台詞。本心とはいえ口に出してみると顔から火が出そうなほど熱くなった。
 とはいえ、美優さんの反応は良好、それならいくらでも恥ずかしい言葉を言える。

「ふふ。ほんとですか? ……うれしいです」

「美優さん……」

「Pさん……」

 目と目が合う。美優さんの頬が少し赤い。
 じりじりと美優さんがこちらに近づいてきた。蠱惑的な瞳になぜか逆らえない。
 抵抗する腕に力が入らない。その間に、どんどん近づいてきて唇が重なった。

「ん……美優さん。最初からこういうつもりで……?」

「さぁ……、どうでしょう」

 妖艶な笑み。俺の抱えてる悩みだなんてどうでもいいと一蹴されている気分。美優さんに抱きしめられた。触れた部分が熱くなってくる。俺の方からも抱きしめ返した。

「……その……、前にPさんとしてから……忘れられなくて……。回りくどいことして……すいません」

 まあ、直接セックスしたいとは言えないだろう。とはいえそのために美優さんの家に呼ばれるとは思いもしなかったが。直接情欲をぶつけられて俺も気が乗ってくる。

「美優さん……こっちへ」

「はい……」

 名前を呼ぶとそれに対応して抱きついてきた。顔を上げて目を閉じる。どうやらキスをねだっているらしい。お望み通りに唇を重ねた。
 そのままお互いの動きが止まって。緩く、純粋な愛を確かめ合うようなキスが数十秒続く。
 名残惜しげに顔が離れた。目を開けて、にこりと微笑まれる。まるで、映画のワンシーンのようだった。

「Pさん……体、熱くはないですか?」

「え? はぁ、まぁ。お酒を飲みましたから。それなりには」

「それだけ、じゃないですよ。あのアロマの効果も、ありますから……」

「……っ、美優、さん。貴方は……」

「私は卑しい、貴方としたいがために……こんな……淫乱みたいな」

「………………、」

 卑しいのは俺だ。美優さんの言っている意味とは違うのだろうけれど。
 自分の保身だけを考えて、美優さん本人をないがしろにしていた。
 アイドルの可否についても、今も。
 事が事だ。言ってくれればよかったのに、だなんて無責任な台詞は言えない。とはいえ、俺だけでものを考えず、もう少し美優さんの事を見ておくべきだったのかもしれない。美優さんが人との距離を計るのが上手くないのはよく知っていただろうに。

「大丈夫ですよ、美優さん」

 だから、受け入れる。

「しましょう? ……続きを」
 
 とはいっても、何かを考えての事ではないが。
 そもそも突っぱねるなら前回突っぱねている。受け入れた時点で俺ももう同罪なのだ。
 そして一度、味わってしまえばもうなかったの頃には戻れなくなっていて。

「……はい」

 美優さんは指を俺の首に這わせる。あまりの冷たさに思わずぞくりと震える。
 いや、俺の体が熱いのか。
 美優さんは腕を下ろすとそのままワイシャツのボタンを手際よく外していく。

「美優さん……、心配しなくても俺は貴方を愛しています。その気持ちに嘘をつく気はありませんから」

「Pさん……」

「さて……、ここまでしたんです、なにかしたいことがあったんでしょう?」

「……お見通し、ですね。とはいっても大したことではないんですけど。私、Pさんに色々ともらってばかりですから……今日くらいは、奉仕といってはあれですけど。気持ちよくなってほしいな、と思いまして」

「はぁ……、なんだかいたせりつくせりで申し訳ないですね……」

 俺としては特別何かをしている自覚はないのだが。まあ、もらえるものは貰っておきたいというか前回の情事が奉仕の範疇に入っていないのだとしたら、どれだけのモノが来るのだろうかという下卑た考えが巡ってしまう。
 前回、いきなり精液を飲まれたのは記憶に新しい。

「それじゃあ……そうですね。ベッドに行きましょうか」

 美優さんに案内され寝室へ向かう。ここもどことなくいい匂いがした。多分アロマかハーブを焚いたかしているのだろう。促されるままベッドに腰をかけると美優さんが足の合間に入ってきた。

「Pさん……、ここ、もう大きくなってますね……」

「そりゃあ……、あれだけ煽られたら、期待しちゃいますよ」

 美優さんがズボン越しに股間を撫でてくる。情けないことに期待感と前回のことを思い出しただけで勃起してしまっていた。

「すっきりさせてあげます……」

 俺の返事も待ちきれないとばかりに俺のズボンを下ろす美優さん。勃起したそれをまじまじと、恍惚とした表情で見つめている。
 美優さんの指が陰茎に絡むと、思わず声が漏れた。くすりと笑われてなんとなく恥ずかしくなる。

「ふふ、動かしますね?」

 丁寧な上下運動。亀頭が段々と先走りで濡れてきて、くちくちと音が鳴る。
 美優さんのほのかな息遣いが聞こえてくきた。時折震えてしまう股間に逐一反応して、「わ」と声を出してみたり、微笑みを返してくれる。

「気持ちいいですか?」

「見れば、わかるでしょう……?」

 緩く、緩く。搾り取ろうなどというよりは本当にゆっくり気持ちよくなる行程を楽しんでもらおうというようなしごき方で、下世話な話、自分でするなら絶対にありえないような力の入れ具合と遅さだった。
 しかし、美優さんにされているという事実ともうすでに弱点がばれたのか手玉を取るかのように的確に気持ちよくなる場所を探し当ててくれる。そこに酒や、アロマによる体の火照りが混ざっていてすでに先走りは止まらない。
 しかし、美優さんはその先走りも遠慮なく指に絡めて、亀頭を擦ってくれる。
 段々と余裕も崩れ、気づけば口で息を整えていた。美優さんはそれを見て嬉しそうだ。

「本当に気持ちよくなっているみたいですね……それなら」

 美優さんが手を離して、少し距離を取る。情けないことに「あ……」なんて阿呆な声が出てしまった。

「そこで見ていてくださいね……?」

 美優さんは一言そう告げると、着ている服のボタンを取り外し始めた。そのまま服を落としてしまう。それに留まらずスカートのチャックを下げる。当然重力には逆らえず落ちていく。下着が丸見えになる。

「美優さん……?」

 気づけば、美優さんは上下ともに下着姿になっていた。目が釘付けになっていて、逸らすことすら出来ない。背中に手をまわしてほんの一瞬の間が開いた後、ぱちんという音がした。あまりにも簡単に乳房が丸見えになる。
 何かの芸術品のようだ、などと思ったのも一瞬であとは下卑た妄想しか出来なくなる。この光景を見れるのは俺だけなんだという独占欲と所有欲は心を支配していて、顔の表情が歪んでいるかもしれなかった。

「Pさん、今日はちょっと新しいことに……」

 気づけば裸になっていた美優さんがもう一度こちらに近づいてきた膝を折った。そのまま俺の足の間に入ってくると美優さんは自身の乳房を持って……、俺の陰茎に挟んできた。

「……!?」

「動かしますね?」

 予想だにしていない美優さんの行動で思わず硬直する。動けないのをいいことに乳房を動かされる。視覚的な衝撃も相当なものだったが、柔らかな乳房の感触が俺のもの全部を包んでいて、あまりのも簡単に声にならない呻きが漏れた。上下左右、自由に動かされる感覚は他では味わえないものでその初めての感触に虜になってしまう。ときどきアクセントのように乳首が当たって、そのたびに背中がぞくぞくする。

 先走りがさっきとは比べ物にならないほど出てしまうが、それもお構いなしに動かすのでにちゅにちゅといった音が部屋に響き続ける。淫猥な音と、卑猥な光景と、淫靡な肉の塊で、三方向から同時に責め立てられている。

 指でしごいていたときとは全く動きが変わっていて、明確に搾り取ろうという意志だけが俺に伝わってくる。耐えようという考えをすること自体むしろドツボにハマっているという感じで、快感から逃れようと目を上に向けると、むしろ快感がダイレクトに伝わってきて。
 だからといって目線を下に向けると美優さんが自身の乳房を動かして俺に奉仕している姿だけが目に入って、相乗効果で興奮が進む。

「Pさん……、とても気持ちよさそうですね……、うれしいです」

「は、あ……美優、さんの……おっぱい、気持ちよすぎ……て」

「ふふ、子どもみたいな言葉遣いになってますね……これですか」

 美優さんが乳房を動かすと、簡単に体が震えてしまう。もう、完全に手玉に取られていた。

「もう、我慢できないです……」

「そうですね…………しますか?」

 その問いに既に頷くことしかできない。なんとか美優さんから離れてベッドに寝転がると、その上に跨るように乗ってくる。
 美優さんも随分と興奮していたようで、陰部が濡れそぼっているのが簡単に分かった。
 股間を筋に擦らせる。素股だけでも信じられないほど、気持ちがいい。このまま滑らせて入れてしまおうか。

「あ、あのPさんっ」

「な、なんですか?」

「Pさん、その……」

「……なんです?」

 なんだか言いづらそうだ。ここでじらすのは美優さんの趣味ではないと思うが……。

「すいません。……今日は、これ……を、ですね……」

 美優さんがそう言いながら、どこからともなく取り出したのは……コンドームだった。……思わず二回ほど瞬きする。どこからどうみてもコンドームだ。避妊具だった。
 固まってしまった俺をみて、美優さんが慌てたように喋る。

「え、と。あのですね……前に、その、したときは大丈夫な日、だったんですけど……、やはり、その……避妊はしておかないと……と、思いまして」

「……、」

 急にふと現実に引き戻されたような虚脱感。下手をしたらそのまま萎えていたかもしれない。しかし、そうはならなかった。
 美優さんの言葉を俺なりに解釈してしまう。

「あの……P、さん……?」

 俺とセックスをしたい、快楽を得たい。だが、まだ子どもは欲しくない。妊娠をして人生を振り回されたくない。というところだろうか?
 まあ、そこまで分かりやすく考えてはいないと思うが、美優さんに思うところがあったのは確かだろう。そう考えるとむしろ興奮は増してくる。大方間違いはないと思う。そもそも今日だって美優さんの方から誘ってきたのだ。
 そこから挿入直前になってゴム。本当に美優さんは男を悦ばせる天才なのかもしれない。それも、絶妙なラインを狙ってくる。本人は自覚はないのだろうが。

 だからこそ、とでもいうべきか。
 そもそも、避妊をして男の責任を果たした気になっても意味はなく、プロデューサーたる俺がアイドルとこのような行為をしている時点で、犯罪のようなタブーを犯しているのと同じ。
 むしろ、その後ろめたい行為が二人を燃え上がる薪になっている節すらあって。
 本当にどうしようもなかった。俺も。……美優さんも。

「大丈夫ですよ、美優さん。俺も結構不安でしたから……そしたら、その。着けてもらえますか?」

「は、はい……、分かりました」

 美優さんは袋からコンドームを取り出すと慣れない手つきで、裏表を確認している。
 亀頭に密着させられる。締め付けらるような感触と美優さんの指が気持ちいい。

「ふぅ……よかったです。駄目なんて言われたら……どうしようかと」

「いや、流石に言いませんけどね……」

「いえ……、仮に生がいいといわれてしまったら……、その、受け入れてしまいそうで……」

「……、」

 こ、この人は……。
 もうすでに根元まで装着した状態だったので何も言わなかったがこれがつけられる直前だったら逆に押し倒してそのまま挿入していたかもしれない。

「もう……、それより。今日は美優さんが動いてくれるんでしたよね?」

 美優さんの言葉に一回一回驚いていたら気が持たない。

「はい……今日は私が、貴方を気持ちよく……それに……私ももう、我慢、できず……」

 美優さんが腰を浮かす。濡れそぼった陰部からは愛液が太ももまで垂れている。美優さんもはやる気持ちを抑えてコンドームを付けていたのだろう。ソレを躊躇なく股間に擦りつけてきた。ゆるく腰を動かす、素又の体勢。美優さんの腰が上下に動く。目的はコンドームを濡らすこと。

「ふ……、あ、ぁ……はぁ……」

 まだ挿入もしていないのに美優さんは声を抑えられないらしい。夢中で擦りつけている。とはいえ俺はゴムを付けているので、思っていたほどの快感は受けられない。美優さんの痴態だけは間近で見せられて、もどかしい気持ちになる。

「美優さん」

「あ……す、すいません……。つい、夢中に……」

 思わず急かす。肉棒を擦っていた割れ目が亀頭の方へ。手持無沙汰だったので美優さんの手を取った。優しく握り返される。
 ちゅぷ、という粘ついた音がして肉棒が美優さんの膣に沈んでいく。正常位では見られない光景にゾクゾクする。

「美優さん、よく見えますよ……」

「あ、う……もう……」

 コンドームを付けていても想像以上に圧迫感が伝わってきて思わず声が漏れた。前回ほどじゃないが十分に気持ちがいい。もともと美優さんの膣がキツいということもあって、むしろコンドームがあったほうが丁度いいのかもしれなかった。

「は、ふ……Pさんのやっぱり、おっき……」

「それが好きなんでしょう?」

 そういうと、恥ずかしそうに頷く。変なところで初心だ。愛おしい気持ちになる。

「……少し、このままでも……?」

「え……、あぁ……大丈夫、です」

 腰を動かしたい衝動をひたすらに抑えつける。気を紛らわす為に前を見ても目の前には一糸纏わぬ美優さんがいて。挿入したせいか肩で息をしているような状態になっている。汗をじっとりとかいた体を思わず嘗め回すように見てしまう。……、逆効果だ。

「ふふ、Pさん……中で暴れてますね……?」

 美優さんがこちらに抱き着いてきた。背中に手を回す。胸、腕、お腹、太腿。あらゆる肉の感触がダイレクトに伝わってくる。

「あの、もう……我慢できないです」

「ごめんなさい……動きますね……?」

 そのまま、口を塞がれた。気持ちよさに目を細める。ねっとりとしゃぶるような下品なキス。意外とこういうのがお好みなのだろうか。されるがままにされてみると、思いっきり口内にベロを絡ませられ、遠慮なく唾液を送り込まれた。思わず飲み込む。
 それと同時、美優さんの腰が上下し始めた。こちらは打って変わって気持ちよさを共有するかのような緩い動き。とはいえ動いてくれるだけで十分。いきなり激しくされると身がもたない。

「ん……、ちゅ、じゅ、ぢゅるる……」

「ふー…、ん、ぐ、ぐ」

 こちらの唾液を全部吸い取られるような勢い。舌の擦れから聞こえる音は気に留めてはいないらしい。散々味わったところでようやく解放された。

「ぷは……ふふ、Pさんの、美味しいですね……」

 美優さんの表情は恍惚としていて、頬は酒でもかけられたのかと思うくらい真っ赤。汗と愛液、アロマに唾液とあらゆる匂いが俺の性欲を直接刺激していて、そして匂いを発する美優さん本人はそれ以上に淫靡な雰囲気を漂わせていて思わずごくりと唾を飲み込んだ。
 肘を伸ばして俺を覆うような体勢になると、腰の動くスピードが上がった。ぱんぱん、とリズミカルに音が鳴る。俺の精を搾り取ることだけを目的にしたその姿はサキュバスの様。

 美優さんは腰を上下にするたびにおっぱいがたわんでいる。たゆん、たゆんという擬音すら聞こえてきていて、趣味の悪い動画でしか見たことがないような揺れるソレを見てるだけで興奮がさらに高まってくる。思わず手で抑えると美優さんが喘いだ。

「はっ、あ……そこ、気持ちいいです……!」

 どうやら存分に触っていいらしい。本来ならば緩く楽しんで徐々にエスカレートしていきたいところだが俺ももう我慢など効かない。もう興奮ですっかり勃っている乳首をつまむ。

「あ。ぁん! はっ! あぁ……」

 つまんで挟み込むようにすると美優さんの嬌声が部屋に響く。それと同時、膣内がきゅうきゅうとしまる。それでも腰を上下にするのはやめないようで、搾り取られているような感覚。
 リズミカルだった腰の動きが変則的になる。腰を沈めるときは遅く、飲み込むように。思わず目が釘付けになる。こちらは腰を一ミリも動かしていない。美優さんの意志が快楽を求め、俺のモノを貪るために腰を振っているという事実が興奮高めていく。

「は、ぁー……美優さん、気持ちいいですよ……」

「はぁ、はぁ……で、も……まだ、余裕ありそう、ですね……? ふぅ……、なら」
 
 美優さんはそういうと掻きまわすように前後にも動かし始めた。正常位ではできない動きで、亀頭がぐりぐりと中で擦られているのが分かった。前回で弱点を知られてしまったのか? と思うほどに責める場所が的確で、快感に耐える事しかできなくなってしまう。コンドームを付けていなければ今の責めで射精していたかもしれないと思うほどだった。

「Pさん、今の責め方が……お好きで……」

「さ、ぁ……どう、です……かね」

 強がっては見るが、美優さんが一瞬口の端を見上げたのを俺は見逃さなかった。見透かされただろう、と思うと同時腰の動きが激しくなる。ぱん、ぱんと肉を叩く音。段々とあらゆる行為行動が快感へと変換されていく。

 美優さんももうかなり盛り上がっているようで、俺の目はもう気にせず快感に身を捩り、綺麗な髪を振り乱している。膣の奥まで竿を届かせることしか考えていない動きで、その最奥に届くとあまりの狭さに気が狂うほどの快感が駆け巡ってきた。呼吸はもう俺も美優さんもこれ以上ないくらい荒くなっていて、はぁはぁと深呼吸することしかできない。
 膣の締まりは不規則になり突然の快感に身構える事すらできない。

「はぁー……! はぁー……! Pさん、Pさん……!」

 普段じゃ考えられないよく通る声。美優さんは目を閉じていて、快感を味わうことだけに集中しているらしい。舌もだらしなく垂れていて、動物の交尾のような節操のなさ。

「あ、駄目……っ、イく、イく、イく……」

 駄目なんて言っておきながら収まることはない、むしろ腰の動きはさらに激しくなりがくがくと震えている。ピストンがこれ以上ないくらい早くなる。

「イく……イっちゃう……イ……!!」

 何十回と動いた末、膣がこれ以上ないくらい狭まり、美優さんの動きが止まった。そのままびくんびくんっと、全身が痙攣してドロリと愛液が垂れてきている。
 全身で絶頂した快感を受け止めているのが傍から見てもよくわかった。目元はこれ以上ないくらい卑しくて、唾液が垂れているのも気にしていない。緩く、腰を動かしてさらに余韻に浸る。

「はぁ……あ、は……イっちゃ、いました」

「気持ちよさそうでしたね……そんなによかったですか」

「はぁ、あ……、はい。……Pさん、は?」

「気持ちはよかったんですけど……まだイってないんですよね」

「……え?」

「次は俺の番でいいですよね?」

「そんな、Pさ、まって……私、イったばかり……!」

 散々俺の事を玩具のように扱っておいてそんな言い訳も通用しまい。手始め、仕返しとばかりに思いきり腰を突き上げた。

「おっ……!?」

美優さんの体がもう一度痙攣した。体を仰け反らせて締まったお腹がよく見える。その期を逃さず腹をつかんだ。そこに遠慮なく腰を打ち込んでいく。ずこずこずこっという容赦のない音が聞こえてくるが、それに比例して得られる快楽も段違い。

「ふあ! あっ!? だめっ、Pさぁ、んっ! 壊れちゃ、」

 抵抗する美優さんの事などまるで考えない行動。とはいえ無理やり逃れる事ができないわけではない。それをしないということは大丈夫なのだろうと勝手に判断する。
 あの美優さんが人目も憚らず声を荒げている姿がむしろスパイスになっていて、腰の動きをさらに加速させていく。今更止まれるわけなどなかった。

「あっ!? は。……あー!? だめ、だめだめだめ!?」

「おかしくなるくらい、気持ちよくしますから……!!」

 駄目だなんていいながら、むしろ抱き着いてくる。舌を口に入れることすら叶わず唾液を垂らしている。その舌を捉えて絡ませる。背中に手を回して尻を揉む。胸板にはおっぱいが当たる。全身で美優さんを味わう。快感に快感が折り重なり続けて頭がおかしくなりそうだった。
 ぶしゅぶしゅっと音がする。潮を噴いたらしい。俺の太腿までびしょ濡れになった。気づけば俺も美優さんも腰を振っていて互いに快感を共有している。きもちよくなりたい以外に考えられなくなって二人に思考は簡単に一つになっていた。
 ようやく、本当にようやくという感じで射精欲が噴き出してきた。陰茎を擦る快感が全身に駆け巡る。
 中に出して大丈夫だろうか? そういえばゴムをしていたか。もう何も考えられなくなって腰を振る前に何をしていたかさえまともに覚えていない。どのみちもう中で出す以外の思考などできない。そこまで考えて避妊具を付けていたことをようやく思い出す。一抹の安心感はあったが種付けできない残念な気持ちの方が強い。
 
「美優、美優さ……も、出る、出ます……!」

 美優さんは言葉を発さず、代わりにもういちど抱き着いてきた。俺も背中に手を回す。腰を奥まで押し付ける、美優さんも思い切り腰を沈めてきた。

 その最奥でようやく射精した。長く快楽を得ていて我慢していたせいか、びゅーなんていう音が聞こえてきていて、まるで蛇口を思い切りひねったかの様に精を吐き出す。美優さんの体がまたも震える。もう、何回、いや何十回イったのだろうか。
 十秒もほど射精していた気すらする。とにかくようやく止まって一息……はつけず思い切り深呼吸。

「は、あぁ……。はぁ、はぁ、はぁ……」

「はぁー、はぁー、はぁー……」

 美優さんが力なくこちらに倒れこんできた。それを優しく受け止める。
 射精したあと特有の冷静な思考が戻ってくる。……やりすぎた。
 二人とも汗だくで、俺の汗だけでシーツはコップの水をぶちまけたかのようにびしょ濡れになっている。どちらにしろ、美優さんの噴いた潮でもうまともにシーツを使えそうにはない。

「はぁ、はぁ……も、頭が、おかしく、なっちゃう、かと……」

「す、すみません……、途中からなにも考えられなくなって……」

「……きもちよかった、ですから……ね?」

「……、は、はい……」

 本当にずるい人だ……。もう一度優しく抱きしめた。

「汗、すごいかいちゃいましたね……シャワー、浴びないと」

「はぁ……、とりあえず、抜かないと」

「ん、はい」

 美優さんが腰を浮かす。コンドームの中にあふれんばかりの精液が詰まっていた。これを自分で出したという事実に引いてしまう。

「Pさん……たくさん出しましたね……これを、出されていたら……」

「みょ、妙なこと言わないでください」

 美優さんが丁寧にゴムを外してくれる。顔の方までソレを持っていってじーっと見つめている。

「それを飲むのはダメですよ」

「……! の、飲みません!」

 警告すると我に返ったようで、慌てながらゴムの入り口を縛ってゴミ箱に捨てた。なんとなく名残惜しそうだった気がする。止めなければ飲んでいたのだろうか……?

……………………。

 美優さんの厚意に甘え先にシャワーを浴びて汗を流した。
 なにやらいい匂いのするバスタオルで体を拭きながら、ふと洗面台を見てみると懇切様々な化粧品が置いてあって少しびっくりした。しかし考えてみれば出会った当初から自分を着飾るのに無頓着というわけではなかった気がする。それは荒木さんや鷺沢さんの領分か。
 体を拭き終えて服を着る。着替えがないのは嫌だが汗は殆どないだけましだろうか。
 髪は……、まあいいか。美優さんにもシャワーを浴びてもらおう。さっさと部屋に戻ることにする。

「……すいません。スーツの処理も任せてしまって」

「いえ……、私も汗を流してきますね……」

「分かりました」

 美優さんを見送ったあとベッドに腰をかけて、スーツを確認する。すっかり綺麗になっていた。取り替えたのだろう。
 ようやく一息着く。

「はぁ~……」

 結局言いたいことを言えず、やることだけやってしまった。自己嫌悪に苛まれる。
 ずぶずぶと美優さんという沼に沈んでいくのが見なくてもわかる。もう抜け出せそうにはない。
 このまま溺れる前になんとかしなくては。……、いや、溺れてもいい状況にしなくては、か。
 こんな調子で関係をさらに進めていったら、確実にどこかに漏れる。それが会社なのか、マスコミなのか、ゴシップ紙なのかは分からないが良い方向には進まない。
 特に美優さんくらいの年齢だと熱愛発覚だなんて面白おかしく書かれてしまう。未成年のように一瞬だけ話題になって流れてもくれないだろう。それもプロデューサーとだなんていったら会社から切り捨てられてもおかしくない。美優さんとは近づけなくなった挙句に二人とも仕事を失う事すらあり得る。

「…………Pさん?」

「…………、」

「Pさん……大丈夫、ですか?」

「あ、……すいません」

 いつの間にかシャワーを浴び終えていたらしい。全く気付かなかった「ちょっと考え事をしてまして」と言葉をつづけた。

「なんでしょう……、相談、乗りますよ……?」

「…………、」

 ここ以外にいうタイミングがないだろう。
 一寸先さら分からない足場に歩を進めなければならない。
 とても、怖い。だが停滞して、誰かに壊されるよりは。

「美優さん」

「はい……?」

 意を決する。

「このまま二人でトップアイドルを目指すか、それとも引退をして人並みの幸せを得るか。選べますか」

終わりです。

需要があったらあと二本くらい書きたい。

モバP「アイドルに慰められたい」
モバP「アイドルに慰められたい」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1482673934/)


とかもよろしくお願いします。

すいません>>5>>6の間に本文を入れ忘れてました……。

「お疲れ様です、美優さん。今日は現場にいられず済みません。仕事は大丈夫でしたか?」

 仕事が終わった美優さんを助手席に乗せる。シートベルトを付けたのを確認して、車を走らせた。

「ええ……でも、楓さんのプロデューサーさんがいましたし」

「だから、不安というか……、あの人、高垣さんに振り回されっぱなしなとこあるんで」

「ふふ、でも……、楓さんものびのび出来ているみたいですし」

「まぁ……、二人とも仕事できるしなあ……」

「それに、Pさんも私だけに時間を割けるわけではないのは分かってますから。ほかの担当アイドルの事もありますし」

「えぇ、まぁ。とはいえ今は美優さんをガッツリ推していく方針ですけどね。他のアイドルはレギュラー番組持ってたり、年末年始特番でも結構顔出してましたから。美優さんが改めていろんな人の目に触れるようになってきて、ちょっと方向性を模索しているところはあるんで。……、それでいきなりバラエティ路線もどうかと思って、年末なんかは大人っぽいって言いますか。ああいう仕事を入れてみたんですけど」

「命燃やして恋せよ乙女。ですね、貴重な経験でした。仕事を通して表現の幅を広げられたかな……と、思ってます」

「気に入っていただけたなら、なによりです。美優さんへの仕事はちょっと尖っているところはありますから。今回も演歌でしたし」

「そうですね……。でも、Pさんがくれるお仕事から色々興味を持つことも多くて……」

「ならいいのですが、っと、そろそろ美優さんの家の近くですね」

「あ……、ありがとうございます」

 ……。さて、そろそろ話すべきか。美優さんの家の最寄り駅の近くに駐車をしてエンジンを切る。

「あの」「あの」

「……ふふ、すいません。美優さんから、どうぞ?」

「すみません……。えっとですね……、」

 美優さんが少し顔を俯けて指をいじいじと動かしている。なにかの決意を固めたのか顔を上げるとても紅くて綺麗。一瞬で目を奪われた。

「……今夜、うちに来ませんか……?」

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