姫川友紀「センチメンタルな六月五日」 (62)
はぁ……○○プロデューサーまだかなぁ……
せっかくのいい気分も、酔いといっしょに醒めちゃうよ〜……
「はーやく帰ってこーい……」
ベッドの上をごろごろごろごろ……寝っ転がったまま掛け時計を見ると、
ただいま0:30……試合終わってから、三時間も経ってるんだ……
っていうか、もう日をまたいじゃってるし……
まだ、あの大歓声が耳に残ってる……目を閉じれば、あの打席がよみがえって、
ピンポーン……
やっときたっ! 玄関に一目散っ!
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「もー、おっそいよー○○プロデューサー!」
「どれだけ待ったと思ってるのっ!?」
「すまんすまん。あんまり早く家を出ると、一回帰った意味ないからな!」
―――今日は六月五日。
あたしとプロデューサーは、東京ドームへと足を延ばす……
なんでかって、もちろんキャッツの試合があるからっ!
最近お互いに忙しくて、一緒に野球観れなかったから、
今日は久々に嬉しい日だったんだ!
「もー、おっそいよー○○プロデューサー!」
「どれだけ待ったと思ってるのっ!?」
「すまんすまん。あんまり早く家を出ると、一回帰った意味ないからな!」
―――今日は六月五日。
あたしとプロデューサーは、東京ドームへと足を延ばす……
なんでかって、もちろんキャッツの試合があるからっ!
最近お互いに忙しくて、一緒に野球観れなかったから、
今日は久々に嬉しい日だったんだ!
「もー、おっそいよー○○プロデューサー!」
「どれだけ待ったと思ってるのっ!?」
「すまんすまん。あんまり早く家を出ると、一回帰った意味ないからな!」
―――今日は六月五日。
あたしとプロデューサーは、東京ドームへと足を延ばす……
なんでかって、もちろんキャッツの試合があるからっ!
最近お互いに忙しくて、一緒に野球観れなかったから、
今日は久々に嬉しい日だったんだ!
そんな日にね、きっちりキャッツは白星をあげてくれて、
今日は飲むぞーっ! ってもうスイッチ入っちゃってさ!
一緒に帰って祝勝会しようね! って言ったら、
○○プロデューサーも、盛大に祝うぞー! って言ってくれて、
最高の気分で、二人歩いてたんだ!
でもね、帰る途中にね、○○プロデューサーが小さい声で、
「尾行されてる。友紀を送ったら、一旦家に戻るから」
って耳打ちしてきてさ。それで、時間を置いてから来るって、
自分の家に帰っちゃったんだ……
おかげで、祝勝会は三時間もおあずけ……
仕方ないってわかってる、わかってるけどさ……
一人でいる間にね、やることが無かったわけじゃないんだ。
テレビを点ければ、ニュースで試合のハイライトやってる。
ネット巡回すれば、今日の試合のことで盛り上がってる。
自分のブログやツイッターで、野球ファンであり、あたしのファンでもあるみんなと、
感動を共有することだってできる。
それは、とっても嬉しいことだよ! でもね……?
やっぱり、○○プロデューサーが居ないと、物足りないんだっ!
あたしの気持ちをいちばんキャッチしてほしいのは、○○プロデューサーだからね!
前まではさ、あたしもそんなに有名じゃなかったから、
パパラッチとか気にしないで、思いっきり観戦できたんだよね。
今日は、そこそこ有名になってからは、初めての観戦だったのに、
あたしは何も考えてなくて、ただキャッツを応援することしか頭になくて、
でも○○プロデューサーは考えてくれてて、
あたしはその通りに動けばよくて、
家まで送ってもらって、そこで○○プロデューサーと別れて、
だけど、○○プロデューサーがいないと淋しくて……
はぁ……○○プロデューサーと、ビール飲みながら、いっぱいいっぱい語らないと、
他のことなんか、手につかないって、思い知らされちゃったなぁ……
結局、テレビも観てないし、ネットも見てないし、ブログもツイッターも、後回し。
一人でベッドの上を転がりながらね、
ただ、今日の試合のことを思い出して。
ただ、○○プロデューサー、来ないかなーって。
……早く、会いたいなーって。
もう少し遅かったら、一人で祝杯あげてたかもねっ! でも、
「うん! 間に合ったから、許してあげるねっ!」
「ん? 何かリミットがあったのか?」
「こっちの話だよっ! さーさー、早くビール! ビール!」
「おう、待ってました! やー、今日の酒はうまいぞ〜!」
「キンキンに冷えてるよっ! ほら、コップ持って!」
「おう、サンキュ! 友紀にお酌してもらえるなんて贅沢だよな〜」
「あははっ! ○○プロデューサーなら、いくらでもしてあげるよっ!」
「でもホントにいたのっ? パパラッチなんてさー……」
「いたって、マジで。気付かないもんか、アレ?」
「逆に、なんで○○プロデューサーは気付くの?」
「警戒してるからなー。友紀のアイドル人生に瑕はつけたくないから」
「それはありがたいけどさ……」
心配性だねっ! 不真面目よりはいいかもしれないけどっ!
「この話はやめやめ! 今日はキャッツの祝勝会だろ?」
「あはは、そうだったねっ!」
「じゃあ、今日の試合を一言で言ってみようっ!」
「えー、一言か……あれしかないだろ」
うんっ! ○○プロデューサーなら当然分かるよね!
「じゃーいくよっ? せーのっ」
「「サンキューガッツ!!!」」
……えへへ。やっぱりそうだよねっ! 信じてたよっ!
ガッツの復活は、最高に嬉しかったね!
○○プロデューサー、ちょっと涙目になってたよ!
あたしも、もらい泣きしそうになっちゃった……あはは。
それから、今日の試合のこと、いっぱい話したんだっ!
と言っても、あたしが一方的にまくしたてる感じだってんだけど、
○○プロデューサーはずっとニコニコしながら聞いてくれて、
相槌うってくれて、あたしが聞いてほしいところはちゃんと聞いてくれて、
それであたしはもっと喋りたくなって、止まらなくなって、
いつの間にか、時間はあっというまに過ぎちゃってて……
「お、もう三時か……そろそろお暇しよっかな」
「あ、そうだね……」
「明日、遅刻するなよー? あと、戸締りちゃんとしてな!」
友紀はぬけてるとこあるからなーって、立ち上がって、
あたしに背を向けて、玄関の方に歩いていく……
「ん……どうした友紀? 忘れ物でもあったか?」
とっさに、あたしは○○プロデューサーの手を握ってた。
「友紀……?」
「……○○プロデューサーのこと、やっぱり許してあげないっ」
「ええー……何のことだよ?」
「あたしを三時間も待たせたことっ!」
「ああ、それか……ホントにごめんな? 埋め合わせは、なんでもするから、な?」
「なんでもする、って言ったね?」
「俺に出来ることなら、な」
「出来るよ。○○プロデューサーしか、出来ないことだよ……」
「なんだ?」
「……もう三時間、あたしと一緒にいて……?」
書き溜めはここまでなんだけど
純情ルート(短い)or色情ルート(長くなる)
>>+3で
色情
>>19
色情ルートね。
投下は月曜夜だと思うので、しばしお待ちを。
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