騎士「自分、不器用なので!」 (3)
「くそっ…!また囲まれているぞ!」
「…こうなるのも時間の問題だったな…」
「おい!諦めるな!まだ…!」
「…無理だろ…見ろよあれ…」
「…ぐ…!」
「俺たちより数段良い鎧を着込んでる兵士が、俺達の数倍」
「…無理だろ、勝てねぇどころか死んじまう」
「…俺達はもう、このまま死ぬしかないのか…」
騎士「諦めるにはまだ早いぞ」
「…騎士…お前まだ生きてやがったのか」
「…もうとっくに死んじまったと思ってたよ、バカ騎士」
騎士「ふはは、何を言う」
騎士「俺は生きているぞ、生きてまだ戦える」
「…」
「…」
騎士「諸君ら、立て!」
騎士「あの日抱いた瞳の炎は偽りか!?あの日掲げた高い志は嘘か!?」
騎士「…あの日の誓は、この身がが滅ぼうとも消えたりは」
騎士「しないっ!!!」
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「おい見ろよ、またあいつがバカやってやがる」
騎士「…ははは!」
「ははは、じゃない!貴様、いつまで経っても兵法をわきまえんな!」
騎士「はい!自分、不器用なので!」
「不器用とかそういう問題じゃない!飛び道具を持っている敵に突っ込むな!」
騎士「何故ですか!?」
「何故ですか!?じゃない!やれと言ったらやれ!」
騎士「…」
「あの落ちこぼれ、本当に不器用だよな」
「こんな1体1の訓練、適当に流しちまえばいいのによ」
「バーカ、それが出来ねぇから不器用なんだろうが」
「だな」
騎士「こうですか!?」
「だからさぁ!」
「あいつは気持ちが先に行きすぎてんだよ、だから突っ込むことしか出来ねえ」
「勿体ねぇよなぁ、フィジカルだけでいえばダントツなのによ」
騎士「む!?君たち何をサボっている!」
「…あとこういう所で空気が読めなかったりな」
「…だな」
騎士「分かったぞ!お互い飽きたんだな!?だったらパートナーを変わろう!」
「うわっ!ちょ、引っ張んなオラ!」
「ははは、どんまい」
騎士「さぁ、行くぞ!」
「だから突っ込んでくんなっつってんだろ!」
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