桃華「聖夜のプレゼント、ですわ」 (20)
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
書き貯めあり、短めです。
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(梨沙ルーム)
梨沙「…うん、今夜は冷えるみたいだからね、気をつけて」
イヴ『大丈夫ですよ~、お外は寒いですけど、身体は凄くポカポカしてますから~』
梨沙「…アンタホントに大丈夫?なんか声が鼻声っぽいけど」
イヴ『大丈夫ですったら~、少~しお熱がある位ですし、サンタ業に支障はないですよ~』
梨沙「だったらいいけど…」
イヴ『ほら、良い子はそろそろ寝る時間ですよ~?』
梨沙「…そうね、今日はそろそろ寝るわ、じゃあイヴ、サンタさん頑張ってね」
イヴ『はい~、お休みなさい~』プッツーツー
梨沙「イヴ大丈夫かしら…」
(ありすルーム)
ありす「靴下の用意よし!サンタさんをお迎えするためのミルクとクッキーもよし!」
ありす「あとは…トナカイさん用のニンジンですね…よし!」
ありす「最後にサンタさん宛ての手紙を添えて…準備は万全です!」フンス
ありす「さて、後は早く寝るだけですね、良い子は早寝です…サンタさん、来てくれるかな?」
(桃華ルーム)
桃華(スヤスヤ…)
桃華「ううん…さんたさん…」
(ありすルーム)
ありす「…う~ん…う”~ん…」
(ポワワワ~ン)
梨沙『やっほ、サンタよ!』
ありす『梨沙さん…何してるんですか…』
梨沙『アタシは梨沙じゃないわ!サンタよ!』
ありす『はぁ…じゃあそのサンタさんがどうしたんですか?』
梨沙『サンタなんだからプレゼントを持って来たに決まってるじゃないの!』
ありす『はぁ…』
梨沙『アンタには素敵なお友達を用意してあげたわ!』
ありす『お友達?』
梨沙『まぁぶっちゃければ人形ね』ゴソゴソ
梨沙『はい』ヒョイッ
ありす『えっ…おっきぃ…』
(ドサッ)
桃華『うふふ!お人形の桃華ですわ!ありすさん、可愛がってくださいましね?』
ありす『桃華さん!?桃華さんまで何をしているんですか!というか重いから降りて…!』
桃華『あら、重いだなんて失礼ですわ!そんなことおっしゃるありすさんには…こうですわ!』ギューッ
ありす『抱きつかないで下さい!く…苦し…』
梨沙『じゃあアタシは余所に行くから~、仲良くね~』
ありす『あっ!梨沙さん待って…!』
桃華『ありすさん~ん♪』スリスリ
ありす『ふにゃぁ~~~!!!』
(ポワワ~ン)
ありす「う”~ん…うう”~~~ん…」
(梨沙ルーム)
梨沙『これ…夢?なんかクリスマスツリーが置いてあるわね』
梨沙『…自分で夢だってわかっている夢ってのも珍しいわね~』
桃華『梨沙さん…』
梨沙『あら?桃華の声…?一体どこから…?』
桃華『梨沙さん…目の前のツリーですわ…』
梨沙『…ん?…アンタなんで鈴帆みたいなコトやってんのよ』
桃華『知りませんわ!梨沙さんのイメージの産物です!』
梨沙『あ~…そういえばこれ、アタシの夢だったわね』
桃華『確かにわたくしのデビュー衣装はツリーがモチーフでしたけど…これはあんまりではなくって!?』
梨沙『ごめんって…でもなんで桃華がアタシの夢に?』
桃華『夢で逢いたいと思っていただけていただなんて…』
梨沙『寝言は寝てから言ってね』
桃華『夢の中でそれをおっしゃるのはなかなかナンセンスですわ』
梨沙『…うっさい!で、結局なんなのよ?』
桃華『…梨沙さん、ツリーの下には大体何がありますか?』
梨沙『何って…大体はプレゼントよね』
桃華『その通りですわ!ですので、わたくしの根元にあるそのプレゼントを差し上げます』
梨沙『これは…タブレット?』
桃華『ええ、音声認識でなんでも調べたりしてくれるスグレモノですわ!』
梨沙『へ~…じゃあ、「ハーイ、Siri」』
ありす『Siriじゃありません、橘です』
梨沙『…うん、大体読めてたわ』
ありす『でも…梨沙さんならありすって呼んでも…』
梨沙『のっけからデレッデレね!?』
桃華『ありすさんに色々質問をしてみると答えて下さいますわよ』
梨沙『ふ~ん…?じゃあ、アタシはこの後トップアイドルになれる?』
ありす『そんなの梨沙さんの努力次第です、答えられるわけないじゃないですか』
梨沙『うぐっ…確かにそうだけど…』
桃華『では、わたくしはこれで』ズリズリ…
梨沙『あのまま横にスライドするのね』
ありす『明日の朝起きたら桃華さんに謝る事を推奨します』
梨沙『そうね…』
(桃華ルーム)
ありす『こんばんは』
桃華『あらありすさん?サンタさんの格好をなさって…ふふっ、可愛らしいですわね』
ありす『…ありがとうございます』
桃華『それで、何のご用ですの?』
ありす『桃華さんには可愛らしいペットを差し上げます』
桃華『これは…綾瀬さんが可愛がってらっしゃるあの…個性的なお顔のお人形ですか、色はオレンジ色ですけど』
ありす『では、私はこれで』
桃華『えっ?それだけですの!?』
ありす『一晩で全世界を回らないといけないのでサンタは忙しいんです』
ぴにゃ?(ずももも…)
桃華『無言で佇まれるとなかなかのプレッシャーですわね…』
(ありすルーム)
ありす『はぁ…それで、桃華さんは今お人形なんですね』
桃華『ええ、人間のお友達はいつかお別れになってしまうかもしれませんけど、わたくしはありすさんが望む限りずっとお友達でいて差し上げられますわ!』
ありす『ずっと…』
桃華『ええ!さあありすさん、わたくしを愛でてくださいまし!』
ありす『桃華さん…いえ、お人形さん、私にはあなたは必要無いです』
桃華『…どうして?』
ありす『私が桃華さんや梨沙さんとお別れするなんてあり得ませんから、あの二人の代わりなんて必要ありません』
桃華『…そうですか』
ありす『ご期待に添えなくてごめんなさい』
桃華『ふふっ、わたくしが入りこめないだなんて…良いお友達をお持ちですのね』
ありす『桃華さんの顔をしたあなたに言うのもあれですけど…はい、良い…友人です』
桃華『ふふふっ』
ありす『ちなみになんですけど』
桃華『なんですの?』
ありす『ここであなたを受け入れていたらどうなったんですか?』
桃華『それはもちろん、この夢の中でわたくしと永遠に一緒に遊ぶ事に…』
ありす『怖いですよ!イキナリ何を言いだしているんですか!!!』
桃華『ふふっ、冗談ですわ!わたくしを受け入れて下さらなかったありすさんへのちょっとした仕返しです♪』
ありす『まったく…』
桃華『うふふっ』
(梨沙ルーム)
梨沙『じゃあアタシはパパと結婚出来る?』
ありす『出来るわけないでしょう』
梨沙『うぐぐ…じゃあアタシは将来セクシーになれる?』
ありす『私よりは可能性あります』
梨沙『あ~…確かにありすは成長しても胸小さそうね』
ありす『うるさいですね、自爆しますよ?』
梨沙『そんなことできんの!?』
ありす『周囲一帯ペンペン草一本残りません』
梨沙『物騒過ぎるわよ!…ちなみに晴は成長したらどうなるの?』
ありす『向井さんクラスです』
梨沙『あ~…なんか納得』
ありす『…ん、梨沙さん、お目覚めの時間が近いみたいですよ』
梨沙『そんなことも分かるの?アンタとこうやって長々と話してるのもなんだかんだ面白かったわよ』
ありす『それは良かったです、最後に一つくらいは質問を受けられそうですけど…どうします?』
梨沙『じゃあ最後に…桃華とありす、そしてアタシは…ずっと仲良く出来る?』
ありす『当然です』
梨沙『…そうよね!』
(桃華ルーム)
桃華『とりあえずお散歩に出てみましたけど…』
ぴにゃ?(ずももも…)
桃華『やっぱりちょっと不気味ですわ』
『君』
桃華『ひゃぁ!』
ぴにゃ?『おっと、驚かせてしまったかね、済まない』
桃華『しゃ…しゃべれますの!?』
ぴにゃ?『うん』
桃華『は~…ぴにゃこら太さんの中にどなたか入ってらっしゃるの?』
ぴにゃ?『私はぴにゃこら太ではないよ』
桃華『えっ?』
りさ父『梨沙の父です、いつも娘がお世話になってます』
桃華『ええっ!?梨沙さんのお父様が…ぴにゃこら太さんなんですの?』
りさ父『だからぴにゃこら太ではないんだけど…うん、似てるとは言われるかな』
桃華『はぁ…それでは梨沙さんの所にいらした方が良かったのではなくて?』
りさ父『そうしたいのは山々なんだけど…ちょっと手違いがあってね』
桃華『はぁ…』
りさ父『だから…娘の友人である君に頼みたいんだ、これを娘に渡してあげて欲しい』
桃華『…これは?』
りさ父『私から梨沙へのクリスマスプレゼントだよ、お願いするよ』
桃華『はぁ…勝手にわたくしの所にいらしたと思ったらお願いごとだなんて…』
りさ父『ダメかな?』
桃華『そんなことは言っておりませんわ、親友である梨沙さんのためですもの、このくらいお安いご用ですわ!』
りさ父『…うん、ありがとう!陰ながら君達「ももぺあべりー」のこと、応援しているからね』
桃華『うふふ、陰ながらでなくとも、表立って応援してくださっても構いませんことよ?』
りさ父『ははっ、そうだね…じゃあ要件も済んだし、私はそろそろ行くよ』
桃華『あら、もうですの?』
りさ父『いつまでも君の安眠を妨害するわけにもいかないしね』
桃華『自覚があったようでなによりですわ』
りさ父『………じゃあ、これからも娘をよろしくね』
桃華『ええ、この櫻井桃華にお任せですわ!』
(ありすルーム)
チュンチュン…
ありす(ボーッ…)
ありす「変な夢を見ていた気がします…」
ありす「あれっ?靴下の中に…お人形?」
(梨沙ルーム)
チュンチュン…
梨沙「なんだったのかしら…あの夢」
梨沙「枕元に…なにこれ、タブレット?」
(桃華ルーム)
桃華「起きてみたら本当にプレゼントがあるだなんて…」
桃華「とりあえず、後で梨沙さんにお会いしてみましょうか」
(女子寮・談話室)
ありす「…お二人の夢にもお互いが出てきただなんて」
梨沙「不思議なコトもあるものね」
桃華「まぁわたくしの夢ですと厳密には梨沙さんではありませんでしたけど」
梨沙「というか!なんでアタシのパパがあのブサイク顔なのよ!アタシのパパはもっとカッコイイわよ!」
桃華「そんなこと言われましても夢ですし…それをおっしゃるのでしたら梨沙さんだって!わたくしがツリーの役だったじゃありませんか!」
梨沙「うぐっ…ちょっとありす!こんな時どうすればいいか教えなさい!」
ありす「知りません、とりあえず謝っては?」
梨沙「うう…夢と同じ事言う…」
桃華「まあ良いですわ、それでこれがわたくしのお部屋にあったプレゼントなのですけど…」
梨沙「どれどれ…あっ!これアタシが欲しいって思ってたアクセじゃない!」
ありす「まさか…本当に?」
梨沙「もしかしてだけど、アタシ達のプレゼントが入れ替わったりしてたり?」
ありす「確かに、そのタブレットは私が欲しがっていた機種ですが…」
桃華「あら、そのお人形は…良い仕立てですわね、我が家のコレクションに良いかも知れませんわ」
梨沙「そういえばアンタ実家には人形沢山あるんだっけ?」
桃華「ええ、あまりオープンにしてはいませんけど、ちょっとしたものですわよ」
ありす「では…桃華さん、この人形は桃華さんに差し上げます」
桃華「あら、嬉しいですわ」
梨沙「アタシも桃華から貰ったのがあるから、このタブレットはそっちにあげるわ」
ありす「ありがとうございます」
桃華「それにしても不思議ですわね…どうしてこのような事が…」
梨沙「さぁ?どこかの体調不良でおっちょこちょいなサンタが配り間違えたんじゃないの?」
ありす「ふふっ、なんですか?それ」
桃華「でも、そう考えると少し楽しいですわね」
梨沙「そうね、まぁなんだかんだ本来受け取るべき所にプレゼントが着くんだし、良いとしましょ」
ありす「…そうですね」
桃華「とんだプレゼント交換会になってしまいましたけどね」
梨沙「じゃあプレゼント交換会らしく、皆で同時に渡しっこでもする?」
ありす「別に構いませんよ」
桃華「うふふっ、良いですわね」
梨沙「じゃあ、せーのっ!」
桃華・ありす・梨沙『メリー・クリスマス!』
おわりです。
ももありさ改めももぺあべりーを今後ともよろしくお願いします。
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