佐倉「さ……寒いよー……」
御子柴「おい野崎!! なんだよこのさむいさむいマウンテンってのは!!」
野崎「聞いたことないか?」
鹿島「ないよ……」
野崎「とあるゲームに登場する山だ」
堀「は?」
野崎「今回は年末特別企画と題して3チームに別れてパワースターを手に入れるというものだ」
瀬尾「なんかよくわかんねーけどすげー面白そう!!」
若松「よく分からないのに面白そうなんですか……」
佐倉「でもなんでこんなことを……?」
野崎「発案者に聞いてくれ」
前野『いやースーパーマリオ64、面白いなーー!!』
前野『……そうだ!! 夢野先生達に冒険させてみよう!!』
前野『うん!! 流石僕!! ナイスアイデア!!!』
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佐倉「ちょっと待って野崎くん!! 色々とツッコミ所満載だよ!!?」
野崎「佐倉、色々と言いたい気持ちは分かるが一々ツッコんでたらキリがないぞ」
佐倉「う、うん……」
若松「それで野崎先輩……チームというのは……」
野崎「実は前野さんによって既にチームは振り分けられている」
御子柴「はぁ!!?」
野崎「更にチーム別にパワースターの手に入れ方も決められている」
佐倉「ええっ!!?」
瀬尾「なんかめんどくさそー。 自由にやっちゃ駄目なの?」
野崎「それは駄目だ!! ちょっとでも前野さんの作ったルールに逆らったら……」
佐倉「逆らったら……?」
野崎「『もう一回僕の教育が必要』と題して俺の担当が再び前野さんになる!! それはなんとしても避けなければ……」
佐倉「そ、そうだね!!」
堀「マジで何者なんだよその人」
野崎「それでパワースターは3チームに分かれて探すんだが……」
御子柴「なんだよ、まだなんかあんのか?」
野崎「一番先に手に入れたチームは願い事を一つだけ叶えられるそうだ」
佐倉「!!!!!!」
瀬尾「マジで!? すげーやる気出てきた!!」
鹿島「その願い事って……なんでもいいの?」
野崎「らしい」
佐倉(なんでも願い事を一つだけ……)
佐倉(私と野崎くんが……結ばれますようにって願いでもいいってこと?)
佐倉(……)
佐倉(絶対勝たなきゃ!!)
野崎「それじゃあチームとスターの手に入れ方を発表する」
佐倉(野崎くんとがいいなぁ……)
野崎「まずは若松と瀬尾チーム」
若松「ええっ!?」
瀬尾「やったー」
野崎「手に入れるパワースターは『スーパースノースライダー』だ」
若松「な、なんですかそれ……」
野崎「あそこにある煙突に入るとスライダーがある。 それを最後まで滑りきるんだ」
瀬尾「いいねそれ!! 面白そう!! 行こうぜ若!!」
若松「ちょ、ちょっと!! 待ってくださいよ!!!」
佐倉「結月達、凄い速さで行っちゃった……」
御子柴「寒くても元気だな、あいつ」
野崎「次は……」
鹿島「私と堀先輩!! 私と堀先輩!!」
野崎「その通りだ」
鹿島「やったーー!!」
堀「俺と鹿島か……俺達はどうやって手に入れるんだ?」
野崎「ここから先に進むと顔を探している雪玉があります。 喋ります」
佐倉「喋るの!?」
野崎「その雪玉を上手く誘導して顔のついてる雪玉とくっつければスターが貰えます」
堀「なるほど……よし鹿島、速攻終わらせるぞ」ダッ
鹿島「はいっ!」ダッ
野崎「よし、じゃあ最後は……」
佐倉「!!!」
佐倉(ちょ、ちょっと待って!! 残ってるのって私と野崎くんとみこりん……)
佐倉(野崎くんは3チームって言ってたし……てことは!! てことは!!)
野崎「そして最後は佐倉……」
佐倉「うん!!」
野崎「そして御子柴……」
御子柴「おう」
佐倉「うんうん!!」
野崎「……の二人だ」
佐倉「」
佐倉「ま、待って!! 野崎くんは!? 野崎くんはどこのチームなの!!?」
野崎「実は言いそびれてしまったんだが……俺は好きなとこに行っていいらしい」
御子柴「なんかお前だけ優遇されてるな」
佐倉「ど、どのチームに行くつもりなの?」
野崎「勿論お前達のチームだ」
佐倉「!!! な、なんで!!? いいの!?」
野崎「ああ」
佐倉(も、もしかして……野崎くんは……私と……)
野崎「ほかの2チームは先に行って見失っちゃったからな」
佐倉「ですよね……」
御子柴「なぁ野崎、俺達はどうすんだよ?」
野崎「ここに子ペンギンがいる」
子ペンギン「ミャー」
佐倉「うわあ!! 可愛い!!」
野崎「この子を親ペンギンの元まで連れて行くとスターが貰えるんだ」
御子柴「なるほどな……さっさとクリアしようぜ」
子ペンギン「ミャー」
御子柴「まぁ……俺がかっこよすぎて親よりも俺が好きになったりするかもしれねぇな」
子ペンギン「……」
御子柴「///」
佐倉「野崎くん、親ペンギンはどこにいるの?」
野崎「この山を下って行くといるそうだ」
佐倉「結構時間かかりそうだね」
御子柴「さみぃな……早く終わらせようぜ」
野崎「そうだな、締め切りも近いしな」
佐倉「ついでにネタも見つかるといいね!!」
野崎「そうだな」
鹿島「あ!! 先輩、雪玉ってあれじゃないですか!?」
堀「あの台に乗ってるやつか……如何にもって感じだな」
雪玉「今いい頭探してるんです!! もし良かったらそこまで連れてってくれませんか?」
堀「おう、案内するぜ」
鹿島「堀先輩、顔がどこにあるか知ってるんですか?」
堀「探す必要なんかねぇよ」
鹿島「……へ?」
堀「身体、うちの鹿島なんかどうだ? いい頭してるだろ?」
鹿島・雪玉「!!?」
堀「……鹿島がこの雪玉と合体してクリアってことにはなんねーのか?」
雪玉「僕は雪の身体がいいんです!!」
鹿島「探すしかないですね……」
堀「だな……つってもどこにあるかさっぱり……」
鹿島「よっと」
堀「!!」
鹿島「私が先輩をおぶっていきます!!」
堀「いや、おぶらなくても普通に行けるから」
鹿島「えー……でもこうやって一緒にくっついてないと離れちゃいそうだし……」
鹿島「それにこの吹雪の中だからはぐれちゃわないですか? 先輩、背が小さいから見つかりにくいかも……」
堀「お前は一言余計なんだよ!!」ガン!!
鹿島「あんっ!!」
ヒュウウウウ
堀「!! やべぇ、だいぶ遠くまで飛ばしちまった……」
雪玉「あの……僕の身体……」
瀬尾「いやっほおおおおおおお!!!」シュー
若松「うわあああああああああ!!!」シュー
瀬尾「楽しーーーーー!!!」シュー
若松「全然楽しくないですよ!!!」シュー
瀬尾「落ちちゃったからもう一回最初からだー」
若松「……瀬尾先輩」
瀬尾「何?」
若松「何回もやりたいからってわざと落ちるのやめてくださいよ!! 俺まで強制的に最初からになるんですよ!!」
瀬尾「えーだって面白いじゃーん」
瀬尾「よーし!! もう一回行くぞーー!!」
若松「今度はちゃんと滑ってくださいよ!!?」
瀬尾「分かってるって!!……やっほーーーーーう!!」シュー
若松「……ってさっきより速い!? 待ってくださいよ!!!」シュー
若松「……」シュー
若松「瀬尾先輩が見えなくなった……」
若松「俺が元の位置に戻らないってことは……まだ滑ってるんだよな……」
若松「……それにしてもこの先……難しいコーナーか沢山ある」
若松「普通に考えたら瀬尾先輩にこんなのできるわけないし……」
瀬尾「壁にぶつかったらそのまますり抜けて変なとこに来ちゃった」
野崎「佐倉、ここから先は急な下り坂だ」
佐倉「ほ、本当だ……」
野崎「俺にしっかり掴まっててくれ」
佐倉「え!? いいの!?」
野崎「ああ」
子ペンギン「ミャー」
野崎「そうだな、行こう」
野崎「御子柴、お前は一人で……」
ガシッ
御子柴「俺も掴まるに決まってんだろ!! 怖えよ!!」
野崎「」
子ペンギン「ミャー」
野崎「……」←子ペンギンを抱っこしている野崎
佐倉「……」←その野崎にしがみついてる佐倉
御子柴「……」←その佐倉にしがみついてる御子柴
御子柴「……俺と佐倉、逆がいいんじゃねえのか?」
佐倉「いやだ」
堀「どこまで飛んだんだあいつ……」
堀「……!!」
鹿島「ほ、堀先ぱ~い」
堀「鹿島!! 大丈夫か!?」
鹿島「な、なんとか……」
堀「悪いな、思わず蹴り飛ばしちまった……」
鹿島「私はなんともないですけど……身体は?」
堀「あ!」
雪玉「……」ゴロゴロ
堀「まずい!! あいつ、坂だから止まらねえぞ!!」
鹿島「しかもめちゃくちゃ大きくなってますよ!!」
雪玉「……」ゴロゴロゴロゴロ
鹿島・堀「うわあああああああ!!」
瀬尾「お前馬鹿だなー。 何落ちちゃってんの」
若松「す、すいません……そういえば先輩はどこに行ったんですか?」
瀬尾「壁の中」
若松「ええっ!? 壁にめり込んでたんですか!?」
瀬尾「違うって、壁をすり抜けて穴の中を滑ってたの」
若松「壁に頭をぶつけて幻覚を……」
瀬尾「おい」
ペンギン「そこのあなた達!! よかったら私と勝負してくれませんか!?」
若松「うわあっ!? ペンギン!!?」
瀬尾「すっげー!! でっけー!!」
ペンギン「私に勝ったらパワースターあげますよ!!」
瀬尾「マジで!? やろーぜ若!!」
若松「か、勝てるんですかね……」
瀬尾「だーい丈夫だって!! こっちは二人いるんだからなんとかなるだろ!!」
ペンギン「よーい……」
瀬尾「ドン!! 遅れるなよ若!!」
若松「ま、待ってくださいよーー!!」
佐倉「うわああああああああ!!」スーッ
御子柴「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」スーッ
野崎「……」スーッ
子ペンギン「ミャーミャー!!」
野崎「なんとか坂は滑りきったな……ここから先は平面だ」
野崎「みんな平気か?」
佐倉「うん!! 平気!!」
野崎「佐倉……随分嬉しそうだな」
佐倉「! え、えっとね!! 思ってたより楽しかったから!!」
佐倉(本当は野崎くんとくっつけたからね)
御子柴「……」ガグガクブルブル
野崎「逆に御子柴は正反対だな」
御子柴「早く帰りてえよぉ……」
野崎「今度はこの橋を渡るんだ」
佐倉「物凄く狭いね……」
御子柴「野崎ぃ!! しがみつかませろぉ!!」ブルブル
野崎「ああ」
スローマン「……」ピョンピョン
佐倉「雪だるまがピョンピョン飛んでる!!」
野崎「飛んでいる所をタイミングよくくぐるしかないな」
御子柴「タイミングよくって……くぐれるの一瞬だけじゃねえか!!」
野崎「佐倉……くぐれそうか?」
佐倉「う、うん!!」
御子柴「なぁ野崎……リタイアって選択肢はねぇのか?」
野崎「ない!!」クワッ
御子柴「そ、そんな怖え顔すんなよぉ!!」
野崎「!!」
野崎(これは……恐怖のあまり怯えるマミコ!! いい絵になる!!)
野崎「お前はそれでも男か!! 根性なし!!」
御子柴「うるせえ!! 怖えもんは怖えんだよ!!」
野崎「……そうか」ニコニコ&スラスラ
御子柴「……お前の考えてることが分からねえよ」
堀「……うーん」
鹿島「先輩!! 起きてください!!」
堀「ここは……?」
鹿島「だいぶ下まで来ちゃったみたいです」
堀「そうか……あっ!!」
鹿島「どうしたんですか?」
堀「あんな所に……パワースターがあるじゃねえか!!」
鹿島「あ! 本当だ!! でもどうやって……」
堀「……見た感じ、壁を蹴って上に登ればいいっぽいな」
鹿島「あ、じゃあ私取りに行きますねー」
堀「ああ、頼んだ」
鹿島「手に入れました!!」
堀「……今度の演劇は壁蹴りもいれるか」
鹿島「どうやっていれるんですか!?」
鹿島「でも先輩、私達の手に入れるスターって雪玉のじゃ……」
堀「!! そういやそうだったな……けどまぁ見失っちまったもんはしょうがねえし……とりあえず元の場所に戻れる方法を探そう」
鹿島「あ! あそこ!! 大砲ありますよ!!」
堀「大砲……?」
ペンギン「……」スーッ
瀬尾「すげーー!! あいつはえーー!!」スーッ
若松「関心してる場合ですか!? このままじゃ負けますよ!!」スーッ
瀬尾「そうだ!! あの壁行こうぜ!!」
若松「まだそんなこと言ってるんですか!?」
瀬尾「いいからいいから!! しっかり掴まってろって!!」
若松「う、うわあああ!! ぶつかるーー!!」
スッ……
若松「!!」
瀬尾「な? だから言ったろ」
若松「まさか本当だったなんて……」
瀬尾「よっしゃー!! ゴール!!」
若松「ペンギンさん、まだ来てませんね……」
ペンギン「……」スーッ
瀬尾「あ、来た」
ペンギン「失格!!」
瀬尾「は?」
ペンギン「ショートカットは反則!! 今度はちゃんとフェアでやりましょう」
瀬尾「なんだよそれー」
若松「……やり直しみたいですね」
瀬尾「……よし、決めた」
若松「へ?」
瀬尾「奪う」
若松「ええっ!!?」
野崎「とうとうここまで来たな」
佐倉「うん!!」
御子柴「おい、あそこにでけえペンギンがいるけど……あれじゃねえか?」
子ペンギン「ミャーミャー」
野崎「そうみたいだな」
佐倉「もうすぐゴールだね!!」
ギュッ
佐倉「!!!」
野崎「しっかり手を握らないとな、最後の最後で誰かが落ちたら困る」
佐倉「野崎くん……」
佐倉(あったかい手だぁ///)
野崎「やっと親ペンギンの所まで……ん? 人影が四つ……」
佐倉「!! あ、あそこにいるのって……」
鹿島「大砲で飛んだのはいいですけど……どこなんですかねここ」
堀「また雪玉から離れたのか……?」
瀬尾「よっしゃー!! スターゲット!!」
若松「本当にいいんですかね……」
御子柴「なんだよ、みんな来てるじゃねえか」
若松「あ!! 野崎先輩達!!」
佐倉「の、野崎くん!! 鹿島くんチームも……結月チームも……」
野崎「ああ、パワースターを持ってる……」
御子柴「じゃあ……俺達の負けかよ?」
野崎「悔しいがそうみたいだな……」
佐倉「そんな……」
瀬尾「ねーねー。 これって私達の勝ちじゃね?」
鹿島「うーん……私達が手に入れた時間と先生達が手に入れた時間が分からないからなぁ」
佐倉「結月、身体ボロボロだけど……大丈夫?」
瀬尾「うん。 あのスライダーのペンギン、思ってたより強かった」
野崎「スライダーのペンギン……?」
若松「野崎先輩……?」
野崎「お前達が手に入れるのはスライダーを滑りきった後にもらえるスターだ。 ペンギンからもらえるやつじゃない」
瀬尾「えっ」
堀「じゃあ……そのスターは無効か?」
野崎「そうですね」
鹿島「やった!!」
佐倉「おめでとう鹿島くん!!」
鹿島「私達優勝ですよ先輩!!」
堀「……」
鹿島「……先輩?」
堀「なぁ野崎、俺達は麓にあるスターを手に入れたんだけどよ」
野崎「麓……?」
堀「ああ、鹿島が壁を蹴って手に入れたんだ」
野崎「!!」
堀「これって……雪玉のスターじゃねえよな?」
野崎「……そうですね」
鹿島「ええっ!? じゃあ私達も……」
堀「ああ」
佐倉「じゃ、じゃあ……優勝は……」
ペンギン「この子を見つけてくれてありがとうございます!! お礼にスターを……」
ピカーッ
御子柴「!!」
野崎「俺達みたいだな」
佐倉「やったー!!」
野崎「佐倉、好きな願い事を言うといい」
佐倉「ええっ!? 私が!? いいの!?」
野崎「ああ、俺達三人の中で一番頑張ったのは佐倉だからな」
佐倉「そ、そんな……私よりみこりんの方が何倍も頑張って……」
御子柴「俺のことは気にすんなよ、さっさと願い言っちまえよ」
佐倉「みこりん……」
野崎「さあ佐倉、願いを」
佐倉「う、うん!!」
瀬尾「ちぇ、いいなー」
佐倉「私の願いは……」
野崎「願いは……」
御子柴「願いは……」
鹿島(よかったね千代ちゃん、やっと野崎と……)
堀(長かったな)
若松(どんな願い事をするんだろう……)
佐倉「次の恋しよっが巻頭カラーもらえますように!!」
一同「!!?」
野崎「さ、佐倉……?」
佐倉「私、野崎くんのカラー絵が好きなの!!」
野崎「佐倉……」
佐倉「駄目……かな?」
野崎「……ありがとう」
御子柴「……佐倉らしいな」
堀「確かにな」
瀬尾「なんの話してるか全然分かんねー」
鹿島「わ、私も……」
若松「ローレライさんと会えるって願いが叶わなかった……」
こうして戦いは幕を閉じた。
前野「いやー流石僕!! みんなの仲を深めようと考えたゲームは無事成功!!」
前野「次は宮前くんをレインボークルーズに連れてって痩せさせようかなー!! 流石優しい僕!!」
宮前「やめろ」
~終わり~
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