もっと評価されるべきアイドルでSSを書こうと思い立った。
過去作
chapter1 P「俺の事務所はアイドルが少ない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1481704641/)
諸注意
このSSは以下の成分を含みます。
・モバPのことをPと表記します
・Pへのオリジナル設定
・アイドルへのオリジナル設定
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481755499
とりあえずスレだけ新しくしておいて、続きはまた後で書きます。
前スレに次スレURL貼ってくれた方ありがとうございます。
簡単にキャラ紹介
P…今作の主人公。大手である346プロダクションから独立し、新しく『アイドルプロダクション(仮称)』を設立。
佐々木千枝…現在、唯一の『アイプロ』のアイドル。自分の失敗で一方的に女の子にいじめに遭うようになってしまった。そんな弱い自分と向き合うために、アイドルになることを決意した頑張り屋さん。
鷺沢文香…『アイプロ』の事務員。主に雑務やホームページの運営を担当する
日下部若葉…『アイプロ』の事務員。主にアイドル達の日程管理やメール関連を担当する
今後活躍するであろう子達
小関麗奈
工藤忍
???
鷹富士茄子
前スレのあらすじ
プロダクションを独立させ、新たなスタートを切ったP。
ついに最初のアイドル、佐々木千枝を迎え入れ、レッスンを始めようとしていた。
そんな時、事務員である日下部若葉から、アイドル志望のメールについて連絡され……
―レッスンスタジオー
若葉『プロデューサーさ~ん! ホームページの方に、アイドルになりたいって子が連絡をくれてますよ~!』
P「本当ですか!? その子の名前は?」
若葉『えーっと、確認しますね……名前は……』
若葉『小関麗奈ちゃん、13歳の女の子だそうです~!』
P「わかった。ほかに情報は?」
若葉『えーっと、その子のお家の住所とか、電話番号とか、そういうことなら書いてあります~』
P「よし。じゃあ、若葉はその子に連絡して、事務所に来れそうな日とか聞いといてくれ!」
若葉『了解です~!』
ピッ
千枝「どうしたんですか?」
P「若葉から。新しくアイドルの子が増えるかもしれないって連絡だ」
千枝「本当ですか! うれしいですね!」
P「ああ。そっちは若葉に任せたから、俺たちは予定通り、初レッスンをしていくぞ!」
千枝「はい。千枝、お歌なら先生に褒められたことあります♪」
P「よし、じゃあ聞かせてくれ」
―事務所―
文香「…………」カタカタ
文香「…………」コクコク
文香「……おいしい」
若葉「えーっと……ピ・ポ・パっと」
若葉「…………」
???『はい』
若葉「あ、どうもこんにちは~。小関麗奈さんのご自宅のお電話でしょうか~?」
麗奈『待ってたわよアンタを! アイプロってところの人ね!?』
若葉「あ、ご本人さんでしたか~。一度事務所に来ていただいて、面接の方をと思っているんですけれど」
麗奈『すぐ行けるわ! いいから迎えに来なさいよ!!』
若葉「え、えぇ~っと……」
麗奈『さっさと来てよね! 1時間以内に!!』
ブチッ
若葉「あっ……うぅ~」
若葉「文香ちゃ~ん。私、外出してきますね~」
文香「……はい。わかりました」
若葉「帰りはそこまで遅くならないと思うので~」
文香「お気をつけて……あの」
若葉「はい?」
文香「……紅茶、もう一杯、いいですか?」
若葉「あ、もう飲んじゃったんですか?」
―住宅街―
若葉「え~っと……マップだとこの辺に……」
【小関】
若葉「あっ、ここかな? ……普通の一軒家って感じですねぇ」
ピーンポーン
若葉「すみませーん。麗奈ちゃんに用があってきました~。アイプロの日下部と申します~」
「あ!! ちょうどいいところに!!」
若葉「え?」
麗奈「さぁ、四の五の言わずにアタシを助けなさい!!」
若葉「……え~っと……なぜ穴に落ちてしまってるのですか?」
麗奈「やってきたアンタにイタズラを仕掛けようとしたのよ。そして、間違えて落ちた。それだけよ!!」
若葉「それは大変ですね。助けます~」
麗奈「頼んだわよ!」
若葉「さぁ、私の手を取ってください~! むむむぅ~!」
麗奈「…………届いてないんだけど」
若葉「落とし穴深く掘りすぎですよ~!」
麗奈「うっさい! アンタがチビなのも悪いでしょ!?」
若葉「あっ、言っちゃいましたね! 言ってしまいましたねぇ~!?」
麗奈「とにかく急いで! たしか物置の中にロープがあったと思うから、それを使いなさいよ!!」
若葉「は、は~い!」
麗奈「聞き分けの良い子ね。嫌いじゃないわ」
若葉「子供じゃないですよ~!」
その後、なんとか麗奈を救出した若葉
若葉「ぜぇ、はぁ……ふぅ。事務員も楽じゃないですねぇ~」
麗奈「助かったわ。さあ、事務所へ案内しなさい!」
若葉「わかりました。近くに車を停めてありますから、行きましょ~」
麗奈「おー!」
若葉(私よりも背が高い……むむむむ……)
―事務所への帰り道―
P(千枝の歌の技術は確かに平均より高い……けど、ダンスが苦手みたいだな……笑顔もまだぎこちないし、自然な表情をさせるためのレッスンを考えておかないと……)
千枝「あの、プロデューサーさん?」
P「ん? どうした?」
千枝「その、えっと……千枝……わがままかもしれないですけど……飲み物がほしいです」
P「あっ、そっか。水なくなっちゃったもんな。ほら。これで好きなもの買ってこい。あっちに自販機あったから」
千枝「わぁ、ありがとうございます!」
P「おう、いってらっしゃい」
P「さて、それじゃあ俺は……」
???「水臭いじゃん、Pさん」
P「……え?」
忍「……アタシを置いていくなんてさ」
P「……忍? 忍なのか!?」
忍「そうだよ」
P「ああ……なんだろう、ほぼ毎日顔を合わせてたせいか、そこまで日が空いてないのに、ずいぶん久しぶりに感じるな」
忍「Pさんがいなくなってから、2週間くらいかな? ……やっと見つけたよ」
P「でも、偶然だな」
忍「偶然じゃないよ。アタシはここにPさんが来るって読んでた」
P「マジか。なんでわかったんだ?」
忍「Pさんが使うレッスンスタジオって言ったら、ここくらいしかないから」
P「……そっか。よくお前と一緒に来たもんな」
忍「アタシとだけじゃない。穂乃香さんや柚だって……」
P「ああ、もちろん覚えてるさ」
千枝「プロデューサーさん、上の飲み物に手が届かなくて……あっ」
忍「……どうも」
P「千枝。ちょっと待っててくれ」
千枝「……はい」
忍「Pさん、どうして急にいなくなったの? 話聞かせてよ」
P「…………どうしても何も、ただ上のやることと意見が合わなかった。それだけだよ」
P「千枝、行こう」
千枝「は、はい……」
P(まさか忍に会うなんて……でも、もう俺はお前のプロデューサーじゃない。お前だって俺に関わらない方が……)
忍「逃げないでよ!!」
忍「そうやって何にも言わずに、黙っていなくなっちゃって……アタシずっと不安だったんだよ?」
P「…………」
忍「アタシ、納得できてないよ……お願い。お願いだから……うっ、ぐすっ……」
P「……参ったな……千枝」
千枝「はい?」
P「事務所の近くのカフェに行こう。そこで休憩だ」
千枝「あ、わかりました!」
P「忍も。来たいなら来いよ」
忍「…………行く」
―事務所―
文香「…………」ペラッ
文香(残されると、それはそれで……退屈ですね)
文香「…………」コクコク
文香「……あっ」
文香(……なくなっちゃった)
文香「…………」ペラッ
―某所―
ブロロロロロロロ……
若葉「なるほど~。それで麗奈ちゃんはアイドルになろうとしたんですね」
麗奈「そうよ! 世界中の誰もが、アタシの前に膝まづく……その瞬間を見せてやるのよ! ……運がいいわね、ここのプロデューサーは。この麗奈様がトップアイドルになるためのお手伝いができるんだから……フフフフ、アーハッハッハッハゲフッ、ゴホッ……」
若葉「水いりますか~?」
麗奈「……気が利くわね」
―カフェ―
P「コーヒー2つと、ぶどうジュース1つ」
店員「かしこまりました。少々お待ちください」
スタスタ
P「……で? 忍は何が聞きたいんだったっけ?」
忍「なんでアタシたちを見捨てて、新しいアイドル候補連れてるの? ってこと」
千枝「え、えっと、プロデューサー? どういうことですか?」
P「ああ、千枝、わかんないよな。ごめん、話す必要ないかと思って黙ってたんだよ」
P「俺さ、元々別のプロダクションに所属してたんだ」
千枝「え、そうだったんですか!?」
P「忍はそこで俺がプロデュースしてたアイドルだよ」
忍「工藤忍。一応、名前くらいは名乗っておかないとね」
千枝「あ、えっと」
忍「佐々木千枝でしょ? 知ってる。ホームページで見た」
忍「で、質問にはいつ答えてくれるの?」
P「言っただろ? 上司の方針と俺の考えが合わなかったんだって」
忍「上司の方針って? Pさんの意見って?」
P「そこまで話さなくちゃだめか?」
忍「納得いかないんだもん」
P「はぁ……分かったよ」
P「……美城常務、いるだろ?」
忍「うん」
P「あの人、アイドルに対してすごい情熱を注いでる。それに、かなりの凄腕だ」
忍「それも知ってるよ」
P「でも、あの人は、アイドルのイメージが俺と根本的に違う」
千枝「イメージ、ですか?」
P「ああ。あの人の思い描くアイドルは、雲の上の存在だ。まさに憧れ。男女関係なく、誰も手が届かないところにいる。所謂神のような存在」
忍「それに対してPさんは……」
P「普通の子が、アイドルという形で、自身を表現する。着飾るのは衣装だけで、そこにいるのは等身大の人間で、ステージでその子たちが輝く姿に、ファンの人たちが勇気づけられるような存在でいてほしいんだ。どちらにも間違いはない。だからこそ俺は……」
忍「……じゃあ、尚更だよ……」
P「え?」
忍「じゃあ尚更、どうしてアタシたちに何も言ってくれなかったの!? それを言ってくれたら……アタシは、Pさんについていくって……」
P「そうなるだろ? だから嫌だったんだ」
忍「……え?」
P「忍たちは、厳しいオーディションを勝ち抜いて、346プロダクションに所属したんだ。せっかくのチャンスを無駄にして、またゼロからスタートなんて、そんなこと絶対にさせたくなかった」
忍「……そんなこと、言ったって」
P「忍。お前はすでに輝けるチャンスを持ってるじゃないか。まだEランクだけど、すぐにお前は……いや、穂乃香も柚もCランクになれる。そしたら、アイドルアワードだって夢じゃないんだ」
忍「……アタシは」
店員「お待たせ致しました」
千枝「あ、ありがとうございます」
P「……まあ、そういうことだよ。とりあえず、分かったなら、お互い違うステージでともに頑張ろう」
忍「アタシは……やっぱり……ううん、帰る。これ、コーヒーのお金」
P「いや、いいって。てかちょっとくらい飲んでいけよ」
忍「気分じゃなくなったから、いい」
P「おい、忍! ……はぁ。まあ仕方ないか」
千枝「……プロデューサーさん、大変だったんですね」
P「ん? ああ、まあな」
千枝「……なんだか私たち、似てますね」
P「え?」
千枝「誰かに自分を認めてもらうために、今、千枝はアイドルをやっていて、プロデューサーさんは千枝をアイドルにしてくれた……」
P「……はは、確かにそうかもな」
千枝「えへへ。だから……千枝のこと、これからもよろしくお願いします!」
P「……もちろんだ。ジュース飲んだら帰るぞ」
千枝「はい!」
>すぐにお前は……いや、穂乃香も柚もCランクになれる。
あずきち……
―事務所―
P「ただいま……って、なんだこれは!?」
千枝「プロデューサーさんの机が……すっごい散らかってます!」
若葉「あ、ぷ、プロデューサーさ~ん……大変です~」
P「若葉、これはいったいどういう? それと、文香はどこへ?」
若葉「それが……麗奈ちゃんを事務所に連れてきたんですが、いたずらばかりして……で、事務所から逃げてっちゃいまして~」
P「な、なんだって!?」
若葉「文香ちゃんが追いかけたんですけど、私も文香ちゃんもそんなに足が速いほうじゃないから、麗奈ちゃんにきっと追いつけないですよ~」
千枝「ぷ、プロデューサーさん……」
P「千枝、悪いが待っててくれ。俺はその麗奈って子と、文香を回収しに行く」
千枝「わ、わかりました! 片づけておきます!」
P「よろしくな! じゃあまた後で!」
とりあえずここまでで。また後で更新します。
>>26さん
あずきちはまだこのユニットに組み込まれていない設定です。
更新再開します。
確かに不適切な言葉だったと思いますので、訂正させていただきます。
「もっと評価されるべき」ではなく、「個人的に推していきたいアイドル達」です。
次から気を付けます。
―外―
P「とは言っても、顔もわからない子を探すのは難しいよな……」
P(ここは文香を探すことにしよう……どこにいるだろうか……)
P「……あ」
文香「ぜぇ……はぁ……」
P「ふ、文香ぁ!」
P「大丈夫か!?」
文香「あ……プロデューサーさん……すみません。ちょっと体力が足りなくて……見失っちゃいました」
P「あっちに行ったんだな?」
文香「は、はい……すみません。力及ばず……」
P「いいんだよ。ゆっくり休んでくれ。俺は麗奈って子を追いかける!」
文香「お……お願いします」
麗奈「ふふ……次こそは……この麗奈様特製のスーパーバズーカ砲で、さっきのぼやっとした人を驚かせてやるわ……ククククッ!」
タッタッタッタッ
麗奈「来たわね……ファイヤッ!」
ボンッ!
P「どわぁぁぁぁああああ!?」
麗奈「え」
P「あー、超びっくりした。死ぬかと思った……」
麗奈「えっと……どちら様ですか?」
P「それはこっちの台詞なんだけど……君は?」
麗奈「さ、さっきの女の人は!? え、嘘、いない!?」
P「……そうか。君が麗奈ちゃんか」
麗奈「なっ……だったら何かあるの?」
P「当然。俺は君をアイドルにするプロデューサーだ」
麗奈「アンタが……?」
P「そうとなったら戻るぞ。遅れて申し訳ないけれど、面接を始めよう」
麗奈「……怒らないの?」
P「え?」
麗奈「アタシ、割とイタズラしたわよ? それなのに……一切怒らないから」
P「はは、結局子供のするイタズラだからな。それに、ビックリした方の負けってところはあるでしょ?」
麗奈「……はんっ、変なの」
P「俺からしたらわざわざイタズラするために、こんなバズーカ作る方がよっぽど変だけどな」
麗奈「う、うっさい!」
P「じゃあ行くぞ。俺は怒らないけど、若葉には叱られるかもしれないな」
―事務所―
若葉「ダメなんですからね?」
麗奈「はーい」
千枝「わ、若葉さん。これ、どこに置いといたらいいですか?」
若葉「あ、千枝ちゃん。もう大丈夫ですよ? あとは全部麗奈ちゃんにやらせますから~」
麗奈「うげっ……」
P「さ、片付けの前に面接をさせてくれ」
麗奈「面接とは言っても……ここ、できたばっかりなんでしょ? さっきいろいろ聞いた」
P「できたばかりでも面接くらいはするさ」
千枝「千枝は面接してませんよ?」
P「さっきしてもらった決意表明みたいな物だよ」
千枝「あ、あの時の……」
P「それで、麗奈ちゃんの気持ちを聞かせてほしいんだ。アイドルになりたいというその熱意を」
麗奈「……はぁ。面倒臭い」
麗奈「アタシは……アイドルになりたい!」
麗奈「アイドルになって、アタシという存在がトップに君臨するのよ!」
麗奈「そうすれば、すべてはレイナサマの物……この世界の支配者になる! それが、アタシの目的よ!!」
麗奈「アーッハッハッハッハゲフッ、ゴホッ……」
P(……言ってることはめちゃくちゃだが……俺が今感じているそれは、紛れもなく千枝の時と同じ……)
P「……アリだな」
麗奈「ちょ、ちょっと背中さするのやめなさい。大丈夫だから、アタシは大丈夫だから」
千枝「え? でもさっき苦しそうに……」
P「小関麗奈ちゃん……いや、麗奈」
P「君の覚悟、聞かせてもらった。俺はお前を……トップアイドルにしてみせる!!」
麗奈「……! ふんっ! 幸運に思いなさいよ!」
P「ああ、この事務所を選んでくれて、ありがとう!」
麗奈「なっ……ありがとうとか、照れるじゃない!!」
ガチャッ
文香「どうも……寒いですよね。コンビニのおでん、買ってきました……」
若葉「おお~、気が利きますねぇ~!」
文香「皆さん……何がいいですか?」
P(こうして、俺の事務所に、また新しい仲間が増えた)
P(……幸運に思いなさい、か……そういえば、あの人……)
【茄子「私、鷹冨士茄子って言います。あなたに幸運が舞い降りること、祈ってます♪」】
P(……結局、今日はちょっと無理そうですって言ったあの日から、まったく来てくれてないけれど……)
P(……やっぱダメだったのかな……)
千枝「プロデューサーさん」
P「ん?」
千枝「食べないんですか? おでん」
P「……あ、ああ……じゃあ……大根で」
麗奈「フフフっ、すでにこのレイナサマがいただいたわ!」
P「まじかよ……じゃあ余ってるのは?」
文香「つゆです」
P「え」
―346プロダクション―
忍「……今まで、お世話になりました」
美城「後で後悔しても遅い……とだけ言っておこう」
忍「……はい」
忍(……Pさん、待っててよね! ……アタシ、絶対あきらめないから!)
忍(アイドルも……Pさんのことも!!)
chapter2 END
このままchapter3いきます。
―外―
P「まあ、アイドルが増えたことに関しては、俺もうれしい限りなんだが……」
麗奈「何? 問題あるわけ?」
P「残念ながらユニットとして売り出すには、もう一人アイドルが必要だ」
千枝「千枝たちがソロで活動するのはダメなんですか?」
P「うーん、それも考えてたんだが……せっかく二人になったんだったら、もう一人欲しいと思ってな……」
麗奈「なんでよ、何かメリットがあるわけ?」
P「まず、一緒に過ごす時間が長くなるということは、俺や文香たちの仕事の負担が減るだろ?」
P「それから、それぞれのレッスン部屋を借りるとなると、費用もかさむからなぁ……何よりトレーナーとかを雇う必要も出てくる」
P「アイドルが増えると経費削減につながるんだよ」
千枝「なるほど」
忍「じゃあアタシは?」
P「忍はダメだってこの前も言っただろう? ……ん?」
忍「Pさん、また会えたね」
P「また会えたって……お前なぁ」
忍「もうアタシ、プロダクション辞めてきたから」
P「はぁ!? お前、何してるんだよ!?」
忍「いいの。アタシ、決めたら曲げないから」
P「そんなこと言ったって……穂乃香と柚には? 説明したのか?」
忍「うん。そしたら、『自分で決めたことなんだったら構わない』ってさ。……本当、いい友達に恵まれたよね」
P「そうか……」
麗奈「誰?」
千枝「プロデューサーさんの、前のアイドルさんです」
麗奈「は? いや、全然わからない」
P「まあ後で話すよ……二人は先にレッスン会場へ向かっててくれ。千枝、場所はわかるな?」
千枝「はい!」
P「気をつけろよ」
麗奈「誰に向かって言ってるの? アタシは絶対大丈夫なんだから」
忍「……アイドル、順調に集まってるんだ?」
P「二人だけどな」
忍「じゃあアタシが入れば……ユニット組めるんだよね?」
P「……」
忍「そんなに嫌?」
P「いやってわけじゃない……けど……なんだか自分が情けなくてな」
忍「え?」
P「俺のプロデュースするはずだったユニット『フリルドスクエア』が、こうして俺がプロダクションを脱退したことで無くなって……忍にまで迷惑をかけてさ」
忍「……迷惑なんかじゃない。アタシのはわがままだから」
P「俺だってわがままだよ……気づいてる」
忍「……だったら、一緒じゃん」
P「……ははっ、前にもどこかの誰かに言われたな」
忍「Pさん……もう一度お願いさせて……あの時みたいに……」
忍「Pさん……アタシを……アイドルにしてください!」
P「……ああ。お前が俺を信じてくれたのなら」
忍「……へへっ、ありがとう」
―レッスンスタジオ―
麗奈「どう? この作戦?」
千枝「で、でもそんな、急に来た人にいたずらだなんて……」
麗奈「あの流れ、間違いなくさっきの女の人はここのアイドルになるわ……それを見越して……このクラッカーで!」
パァーン
麗奈「きゃっ!?」
千枝「ひゃあっ!?」
麗奈「誤射してるんじゃないわよ! それ大事な私物よ!?」
千枝「あ、ご、ごめんなさい……」
麗奈「そ、そんな露骨にへこまないでよ……ほら、また買えばいいんだから、ね?」
ガチャッ
麗奈「来たっ!!」
パァーン!
文香「あ…………」
麗奈「え」
文香「……あの、プロデューサーさんは……?」
千枝「見てないです。途中で会いませんでしたか?」
文香「……車だったから、気づかなかったんだと、思います。……プロデューサーさんがきたら、これ……渡しておいてください」
千枝「は、はいっ! わぁ、分厚いですね……」
文香「それでは……」
麗奈(レイナサマでも驚くあの轟音を……ピクリともせずに「あ」だけで対応……ですって!? ……ば、バケモノ!!)
しばらくして……
P「手続きとかを済ませてる関係で遅れてしまってすまない。今日から、工藤忍も晴れてアイプロのメンバーだ」
忍「よろしく。この中ではアタシが一番お姉さんだし、一番先輩だからね……頑張らないと!」
麗奈「これで3人揃ったってわけね?」
千枝「ぷ、プロデューサーさん! あの、あの!」
P「ん、どうした千枝?」
千枝「こ、これ! さっき文香さんが、渡しておくようにって!」
P「おっ、これか! ありがとな」
千枝「えへへ……」
忍(Pさんに撫でてもらってる……なんかずるい)
麗奈「それ、何なの?」
P「ああ、ユニットの規約とかが載ってる資料だよ。一応確認しておこうと思ってな」
P「まず、俺たちはEランクアイドルが3人だ。Eランクアイドルは、基本的にアイドルになったばかりの子がなるアイドルランクだな」
忍「まぁ、2ヶ月とか頑張っても、Eのままだったりとかもするけどね。アタシみたいにさ」
P「それが現実だよ。俺たちは地道な努力を重ねていかないといけないんだ」
麗奈「パッとなれるものじゃないのね……まぁ、それはあたり前か」
P「次に、Dランクアイドル。元モデルとか、そういう芸能活動をしていた人たちがアイドルになったりすると、ここから始まることが多いな」
千枝「そして、次が……」
P「ああ。Cランク。俺たちがまず最初に目指すべき場所だ」
忍「……やってやる」
P「そのために俺たちは、ランクアップオーディションを勝ち抜かなきゃいけないんだ」
麗奈「ランクアップ……オーディション?」
P「その名の通り、ランクアップするために必要な技術を持っているか、オーディションされるんだよ」
千枝「えっと、じゃあ千枝たちは、とりあえずそこに合格するために、頑張るんですね?」
P「ああ、そうだな」
麗奈「ようやく始動って感じね……いいじゃない!」
P「ただ……それに出るためのユニット名、それから……楽曲が必要だな」
忍「ユニット名と楽曲……」
P「今日はレッスンが終わったら、それを一緒に考えようと思う。いいか?」
千枝「はい!」
麗奈「上等よ」
P「よし、それじゃあ、今日は麗奈の実力と……忍の力を見せてもらうぞ!」
麗奈「当然」
忍「うん。分かった」
今日はここまでにしようと思います。気に入っていただければ、また来てください。
>>125
P「独立するって言ってもアイドル誰もついてこねーわー事務員しかこねーわーつれーわー」
忍「言ってくれたらついていくのに」
P「そうなるから嫌だった」キリッ
キチガイの言動ですわ
P「誰もついてきてくれなかった」
↓
忍「言ってくれればついていった」
↓
P「いや、お前は売れるから」
だからこのPさんは「売れる見込みのない娘には声をかけたけど誰にも相手にされませんでした」って事なんだよね…二重三重にキツいだろ、こんなプロデューサー
矛盾してないよ、って言うならここ最近稀にみる最低のクズPってことになるからどのみちこれ続けるのはもう無理だろ…
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