謎のゾンビウィルスに冒された週末世界SSです。
以下のSSと時系列を共有しています。
「みんな、ゾンビ」
【モバマスSS】 みんな、ゾンビ 【グロ注意】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479978660/)
何処か明るいゾンビ編とは違い、絶望寄りのグロ描写がありますので、
苦手な方、バッドエンドが苦手な方は閲覧注意で宜しくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480845484
私の名前は大和亜季、
346プロに所属しているアイドルであります。
私は今、その346プロに裏口のダクトから、社内に潜入しています。
そう、潜入。
何故私が自分の所属しているプロダクションにわざわざ潜入などしているかというと、
事の始まりは数ヶ月前、世界中に蔓延した謎のウイルスが、日本にも上陸してきた事が原因です。
このウイルスは一度感染したら最後、周りの人間に襲いかかり、
その肉を喰らうゾンビの様な怪物と化してしまうのです。
そしてその犠牲者もゾンビとなり、人を襲い喰らう、まさに恐怖のウイルス。
346プロも例外ではありませんでした。
最初の感染者は誰だったか…、今では定かではありません。
とにかくアイドル達の間にも多数蔓延したウイルスは、
昨日まで仲良くアイドル達が笑いあっていた事務所を、同僚を襲い、貪り、喰らう、
ゾンビで溢れる地獄絵図と化したのです。
幸いにも最初の頃はまだ、早苗殿や真奈美殿の様な腕っ節の強い方々が多数無事でしたので、
バリケードを築き、ゾンビと化したアイドル達の侵入を防いでいました。
不肖、この大和亜季も趣味の軍事知識を用いて、多少のお役に立てたと自負しております。
皆と一緒にゾンビを食い止め、安全な場所を確保し備蓄食料を見つけだし、
階上のバリケードの中に運び込んだりしました。
先の大地震の教訓を活かし、
数ヶ月は独力で耐え抜ける様に346プロが地下に大量に備蓄食料を貯蔵していたのが幸いでした。
コレで外部からの自衛隊等の助けが来るまで耐え抜ける、
そう生き残った私達アイドルは信じていたのです。
しかしある晩、寝床で就寝していると、バリケードの方面から耳をつんざく様な悲鳴が響き渡りました。
慌てて跳ね起きた私達がその場に駆けつけると、其処には人間には到底通り得ない僅かな隙間から、
みりあちゃんや仁奈ちゃんを始めとする犠牲となったアイドルの子供達のゾンビが、
両肩の関節を乱暴に外して芋虫の様に隙間から這い出してきて、見張りをしていた法子殿に襲いかかり、
集団でその内臓に食らいついて居たのです。
駆けつけてきた真奈美殿や早苗殿は、その余りに凄惨な光景に絶句しながらも、
歯を食い縛りつつ子供達のゾンビを角材や鉄パイプで殴りつけ、バリケードから退けようとしました。
しかし、その生前の愛らしさを残した子供達のゾンビの面影が、鉄パイプ等の強烈な打撃で肉が削れ、
崩れ落ちていく余りの悲惨さに彼女達の戦意は鈍り、攻撃の手は次第に衰え、遂には完全に止まりした。
そして完全に子供達のゾンビに包囲された早苗殿と真奈美殿は、涙を流しながら力無く両膝から崩れ落ち、
襲い掛かってくる子供達のゾンビの餌食に成り果てました。
そこからはまさに地獄でした。
輪をかけた怪力を持つゾンビとなった早苗殿と真奈美殿のゾンビに、
私達が苦労して築いたバリケードは玩具の様に容易く破られ、
その向こうからゾンビ達が大群で私達に襲いかかってきました。
次々とゾンビ達に喰らい付かれ肉を貪られていく仲間達、
そしてその娘達もやがて死から起き上がり、私達に襲い掛かる悪夢。
僅かに残されたアイドル達を引き連れて、346プロのビルを上へ上へと逃げるプロデューサー殿。
助け合い、支え合いながらそれに続く私をはじめとした残されたアイドル達。
しかし、次第に追い詰められていく私達の表情に最早希望の光はありませんでした。
そこでプロデューサーが、私達を見回しながら言ったのです。
俺が囮になるから、お前達はその隙に逃げろ――と。
プロデューサーは逃げ延びながら奇跡的に生きていたネットを駆使して、
当時仕事などで外部に居たアイドル達と連絡を取り合っていました。
その中でも一番無事だった集団…。
桃華ちゃんのご実家が用意したシェルターに避難したアイドルの集団に現状を伝え、救援を要請したそうです。
その集団は346プロの前にまで出てくれれば助けを寄越す、とプロデューサーに告げたそうです。
しかし、既に346プロのビルはゾンビで溢れ、階下は全てゾンビの集団に占拠され、
到底無事に突破できそうにはありません。
だからこそプロデューサーは私達に告げたのです。
俺が囮になるから、お前達はその隙に、と――
当然、私を始め残されたアイドル達は涙を流して猛反対しました。
しかし、プロデューサーに助かる道はこれしかない、俺一人なら物陰に隠れる事も可能だ、
生き延びるにはコレしか思いつかない、分かってくれ、と必死に説明され、皆も嫌々ながらも納得していきました。
そしてプロデューサーは皆が身を隠したのを確認すると、大声を上げながら辺りを走り回り、
ゾンビを大量にその背後に引き連れると、一人で階段を上の階に向けて駆け上がって行きました。
残された私達はと言うと、ゾンビの気配が無くなるまでその場に潜み、
その後カーテンで作ったロープを伝い下の階に降り、ゾンビがいなくなっている事を確認しつつ、
下の階へ下の階へと降りて行きました。
そして漸く入口へとたどり着いたのです。
しかし、来ている筈の助けは入り口には影も形も無く、
それどころか街角にも溢れていたゾンビ達が私達をめざとく見つけた様で、
そのゾンビ達が私達に向かってにじり寄って来るのが見えました。
最早逃げ場はないのか、と、震える年少のアイドルの肩を抱き締めながら私が覚悟を決めようとしたその時、
道路の先から装甲車が爆音を轟かせながら此方に向かってくるのが見えました。
装甲車はゾンビを跳ね飛ばしながら私達の前までやってくると、乱暴に急停車。
そして、横の扉を跳ね上げると、その中から装甲車を運転していた同僚のアイドルの原田美世殿が、
「乗って!!早く!!」
と私達に大声で叫んだのです。
慌てて乗り込んだ私達が全員乗り込むと、集って来たゾンビをまた跳ね飛ばしながら、
急発進してその場から装甲車は走り去ったのです。
凄いスピードで遠ざかって行く346プロ…。
こうして私達の命は助かりました。
プロデューサー、一人をあの地獄に残して…。
命からがら逃げ延び、辿り着いた桃華ちゃんのご実家のシェルターは想像以上に堅牢で快適でした。
二重のパスワードを入力しなければ通れない隔壁に豊富な水と食糧、
驚いた事に武器まで有りました。
ゾンビが溢れ始めたあの日、SNSで連絡を取り合ったアイドル達は、それぞれ手近にある物資や情報を持ち寄り、
此処へ集ったそうです。
その中に無人になった銃砲店がある事を知った集団は、装甲車で(驚いた事に自家用らしいです)乗り付け、
全て回収してきたそうです。
中には狩猟用の散弾銃や弾丸が少なからず有りました。
私は年少の桃華ちゃんの変わりにこの集団の纏め役になっていた新田殿に現状の説明をする事になりました。
連れてこられたアイドルは皆、プロデューサーを置き去りにした事にショックを受けていてまともに話せる状態ではなく、
比較的マシな私が説明する事になったのです。
私もショックといえばショックなのですが、ミリタリーなどを趣味にしている分、
戦争の画像なども多く見ているので耐性があったのでしょうか・・・。
新田殿に連れられて移動しながら見回すと、あの日以来姿の見えなかったアイドル達がかなり居て、
無事でいた事をお互いに喜びつつ歩みを進めました。
そこで気付いたのですが、集団のメンバーはなぜかアイドルだけで、一般の方は少ない様に見受けられます。
その事を新田殿に尋ねると、彼女は眉をひそめながら外で起きた悲劇について語り始めました。
最初はアイドル達も普通の避難場所にいたそうです。
この避難場所も一般人にも解放していたそうです。
しかし、この末期的な状況でヤケになった一部の男性が、
手近にいたアイドルで性欲を満たそうと乱暴をしようとしたそうです。
幸いにも銃を抑えていたアイドル達に乱暴者達は早期に取り押さえられ、外に追放されました。
それからは一般の人は追い出し、受け付けない様に方針を決めたそうです。
「…人は追い詰められたら何でもするのよ」
そう語る新田殿の表情は厳しく、私はそれ以上何も聞けませんでした…。
新田殿に連れて来られた会議室と言う名の大きなテーブルが置かれた部屋には、
この集団のアイドル達が勢揃いしていました。
私はその前で、346プロで起きた事を事細かく説明しました。
みな、プロデューサーの世話になったアイドルばかりです。
そこかしこから動揺の声や啜り泣きが聞こえ始めました。
新田殿も辛そうな表情でしたが、リーダーの責任感からか、
感情を抑えてこれからの事をどうするかの会議を次々と進めて行きました。
そこで私は、まだプロデューサーが死んだと決まったわけではない。
様子を見に偵察に出るから、武器と弾薬を貸してくれないか、と提案しました。
あの場所にプロデューサーをただ残している訳には行きません。
偵察し、安否を確認し、可能ならば救出、・・・もしダメだったなら遺品を回収しに…。
そう心に決め、346プロに戻りたい、そう会議室のアイドル達に告げました。
当然、新田殿を始め、大半のアイドルは反対しました。
あまりにも危険すぎる、と。
しかし、私本人の強い希望と、佐久間まゆ殿を始めとするプロデューサー殿の安否を一刻も確認したい
一部のアイドル達の口添えにより、けっして命を粗末にしない事を条件に武器弾薬と水食料の貸与を受ける事ができました。
そして、現在私は夜の闇に紛れ街を駆け抜け、346プロの裏手に張り付いています。
無事ダクトを見つけ、そこから潜入して清掃用の梯子を登り上へ上へ、
そしてある一室へとたどり着き、遂に仲間だったゾンビに遭遇しました。
其処にいたゾンビ達はニュージェネレーションズの三人でした。
なんという事でしょうか。
私達の中でもトップクラスに光り輝いていた彼女達は虚ろな濁った目でバサバサの髪にボロボロの服を纏って、
唸り声をあげながら室内を徘徊していました。
渋谷殿は半ばまで食いちぎられ延髄が露出した首から頭をぶら下げながら、
自らの血でドス黒く変色した上着を纏っています。
本田殿は左手の肩から先が白骨化してバランスが悪いのか、
斜め立ちになりながらフラフラと室内を動き回っています。
島村殿は比較的外傷は少ない模様ですが、誰かを捕食した時の名残か、
口の周りが赤黒くなっていて、振り乱した長い髪も相まって、まるで子供の頃に聞いた御伽噺の鬼女の様です。
三人が三人とも生前では考えられない様な凄惨な姿に変わり果てていました。
その余りの哀れさに思わず滲んできた涙を袖で拭っていると、
その室内に一体のゾンビが入ってきました。
…ゾンビと言えるのでしょうか??
その肉体は至る所が食いちぎられたのか、はたまた腐り落ちたのか、
肉がほとんどなく骨が露出して、肉が付いているところと言えば、
関節の間とか肋骨の間の内臓だけの、ゾンビと言うよりは骸骨人間です。
僅かに骨格で男性と分かる骸骨は、室内に入るなりニュージェネのゾンビ達と何やら唸り声を挙げ合っていました。
…まるで会話する様な……??
そう思った私は、桃華さんのシェルターの会議で、ある議題が持ち上がって居たのを思い出しました。
ゾンビ達の統率が取れすぎている、もしかして知性があるかもしれない、と、白坂小梅殿が提案したのです。
生存者のアイドルの一人、小梅殿はそのゾンビの生態の詳しさを買われ、
幼いながらも相談役として会議に参加していました。
彼女曰く、そうでなくては説明のいかない事が多すぎる、と。
ゾンビに詳しい小梅殿の提案は会議でも波紋を呼びました。
相手に知性があるなら、立てる作戦も変更を余儀なくされるものが多数あるようです。
しかし、決定的な証拠もなく、小梅殿も確証は無いとの事で、その件は次回に持ち越しとなりました。
正直、全員の心の中ではゾンビに知性など残っていて欲しく無いと言う思惑があったのでしょう。
だって、知性があるなら、私達を襲ってきた仲間はちゃんと理解して仲間を、私達を襲っていた事になるのですから…。
それはあまりにも辛く、認めたく無い仮定でした。
そんな小梅殿の言葉を思い出した私は、胸元にしまっておいた連絡用のスマホを取り出し、
録音モードにして男性の骸骨とゾンビの唸り声を録音し始めました。
骸骨「あーう…あうああー…あう、あー…??」
卯月「あうああ?!あうああああいう?!!ああう、あうああああ?ああ?!」
凛「あうああ、うあ?。うあうあ」
未央「あうあああああ」
骸骨「おー、あうあうぁあ」
卯月「あうああああ?ああ?、あうああああ?ああ?!」
凛「あうああ、うあ?。うあ!!」
骸骨「ああ、あうああいうぁ」
卯月「あうああああ?ああ?!あうああ、うあ?。ぐぶぶ、うあうあ??」
骸骨「あうああ、うあ?。うああ、あうああいうぁ」
卯月「うーあー、あうああああ?ああ?!」
…会話…?
まるで規則性がある様には聞こえない、
そう私が思っていると、男性の骸骨が隣の部屋に移動し始めました。
それを見て少し悩みましたが、ニュージェネの三人のゾンビには動きが無いので、
ダクトを匍匐前進で移動しながら、私も隣室の様子を探る事にしました。
狭いダクトの中なので、普段からあまり得意でない匍匐前進がし難くて仕方ありません。
今ほど自分のこの胸が、邪魔に思った事はありませんでした…。
無事、隣室の通風孔に辿り着き、中の様子を見てみるとそこはまさにこの世の地獄でした。
室内中に血が飛び散り、赤黒く変色して見るも悍ましい色彩と腐臭を放ち、
連れてこられた犠牲者と思われる数体の子供の屍体がバラバラにされて、ゾンビ達に捕食されていました。
四つん這いになり子供の内臓に食らいついているゾンビは三村殿。
もぎり撮った子供の頭を小脇に抱えてその歯を毟り取って口に運んでいるのは緒方殿。
何やら植木鉢に千切り取った生首や片腕を差し込み、
そこに生えた毒々しい色のキノコを愛おしそうに撫でているゾンビは輝子殿でした…。
あまりの悍ましさに吐き気を堪えて口元を押さえていると、
ゾンビ達は此処でも男性の骸骨とまるで会話の様に唸り声を挙げていました。
録音を再開しながらも本当に意思を持って会話などしているのか疑問に思っていると、
室内にメールの着信音らしき音が響き渡りました。
その瞬間、私の背筋は凍りつきました。
録音している自分のスマホが鳴ったと思ったのです。
しかし鳴ったのは私のスマホがではなく、男性の骸骨の僅かに残された衣服の中から鳴っていました。
男性の骸骨は緩慢な動きで千切れた服の中から携帯を取り出し、
驚いた事に、操作までしていました。
そして操作をし終えるとそれを仕舞い、何やら辺りのゾンビに促した様子を見せると、
ゾンビ達を引き連れて部屋を出て行ったのです。
やはりゾンビ達には知性が有った!!
コレは大変な事実です。
単純に襲ってくるだけではない事が判明した今、私のやるべき事は一刻も早くこの情報を集団に持ち帰る事です。
プロデューサー殿の安否も勿論心配ですが、
ゾンビに知性がある事を皆に知らせないと、これから先、生存者達にどれほどの被害が及ぶか想像もつきません。
私は、それでもなおプロデューサーを探したい心を押し殺して、ダクトから這い出て行きました。
そして慎重に夜を待ち、また闇夜に紛れて集団が居るシェルターへ向かい、346プロから走り去ったのです。
やっとの思いでシェルターにたどり着くと、なぜか其処にいるアイドル達が妙に少ない事に気づきました。
食料でも探しに行ったのでしょうか??
首を捻りながら会議室に向かうと、そこには小梅殿が一人で座っていました。
小梅殿は私に労いの言葉もそこそこに、朗報が有ると喜びながら私に駆け寄って来て告げました。
なんと、346プロから無事に脱出したプロデューサーから連絡があり、
近くのビルに潜んでいるから助けに来てくれと要請があったそうです。
私はその知らせに、あのゾンビが発生した日以来の喜びの感情に包まれました。
プロデューサーを置き去りにした事実はわたしの心に深くトゲとして刺さっていました。
それが急にするりと抜けた様な気がしてきました。
勿論、深く傷跡は残っています。
プロデューサーが此処に無事に辿り着いたら、誠心誠意あやまろう、そして許してくれるなら…。
そんな事を思いながら、温かい気持ちに包まれていた私ですが、
重大な報告がある事を思い出し慌てて気を取り直しました。
私は小梅殿にゾンビに知性がある事を告げ、
そしてその証拠となり得るものとして、あの録音データを提出しました。
小梅殿は興奮がちに頷きながら話を聞くと、受け取ったデータを早速再生して聞き始めました。
うーあー、と響くだけの音声に、
「うん…うん…、大丈夫…「あの子」なら、この言葉も分かるよ…??」
と言いながら、小梅殿は唸り声に耳を傾けます。
あの子とは一体なんなのか私には分かり兼ねますが、解読できるなら何よりであります。
私には全くただの唸り声にしかきこえないのですが。
「子供が美味しいって言ってるみたい…、酷いね…」
小梅殿の元々白い顔が段々と青ざめていくのが分かります。
いくらゾンビ映画が好きとはいえ、仲間だったアイドルが人肉を貪る様子を聞くのは流石に応えるのでしょう。
そう思っていたら、唸り声の録音が終盤に差し掛かった頃、小梅殿が今まで聞いた事のないような大声で、
「た…、大変…!!みんなを止めなきゃ…!!罠!!」
と、大声で叫びました。
私が一体どういう事か尋ねようとすると、そのほぼ同時に、入り口の隔壁の方から凄まじい叫び声が聞こえてきました。
アレは、まさか。
そんな。
不吉な既視感を覚えながら、入り口の方へ走っていくと、
そこには二重のパスワードに守られた隔壁を何故か突破していたゾンビの大群が、
生存者のアイドルが達に次々と襲いかかっているのが見えました。
どうやって隔壁を突破したのか、その謎はゾンビ達の先頭を見てすぐに氷解しました。
新田殿、原田殿、佐久間殿ーー
それらをはじめとしたプロデューサーがを助けに行った筈のメンバーが、
残らずゾンビとなって先頭に立って襲いかかって来ていたのです。
この時点で小梅殿が言った罠の意味も、全ての謎が解けました。
おそらく、346プロで私が目撃したあの男性の骸骨は、既に犠牲となったプロデューサーだったのでしょう。
そして、ゾンビはゾンビ化した後も知性を持ち、しかも生前の記憶も持つのでしょう。
そうなれば答えは単純です。
プロデューサーはゾンビ化した後も、無事を装いこの集団に連絡を取り、助けを乞う。
当然助けは来る。
しかし駆けつけた場所には大量のゾンビが待ち構えて、救出隊に襲いかかる。
その巧妙な罠の犠牲となった新田殿殿達は、当然このシェルターの場所もパスワードも知っています。
そして大群を引き連れてこのシェルターを襲った…。
パスワードを知っている新田殿達を引き連れたゾンビの大群には、隔壁など何の役にも立たなかったと言う訳です。
答えに行き着いた私は、何故もっと早く帰って来れなかったのか、
激しく後悔しながら伏せ撃ちで迫り来るゾンビに散弾銃を撃ちまくりました。
その内の一発が三村殿だったゾンビの脇腹を拳大程打ち抜きましたが、
ゾンビはさほど堪えた様子も見せず、ジリジリと歩み寄ってきます。
気がつくと、横には小梅殿を始めとした残されたアイドル達が必死に小銃などで応戦していましたが、
100体を越えるゾンビ達には数も弾も何もかも足りてはいません。
やがて、ゾンビ達は腐臭が鼻につく程の距離まで私達に迫って来ました。
隣で銃を構えていた法子殿が、時子殿だったゾンビに腕を掴まれ、ひぃっと叫び声を挙げました。
私はそれを見て駆け寄ると、散弾銃の銃床で思いっきりゾンビの横っ面を殴り飛ばし、
倒れ込んだゾンビの後頭部に散弾銃を押し付け、引き金を引きました。
吹き飛ぶ頭、私の顔面にまで飛び散る鮮血や脳漿。
しかし、抵抗はそこまででした。
既に周りに無事なアイドルは見当たらず、ゾンビに十重二十重に囲まれていました。
私を仲間に引き込もうと、にじり寄るゾンビ達――
逃げ道のない私達に生き残る術は、
もう、何一つとして残されては居なかったのです――
【終】
やっべw 法子ちゃん二回死んでるww 最初の方は響子ちゃんに脳内変更よろしくお願いします。
「うーん、推敲したけど、最後の追い詰められ感が足らんな」
「よっしゃ!追加で頭吹っ飛ばしたろ!!」
「描写は最近お気に入りの時子法子でええやろ」カキー
「よっしゃ!出来たで!!投下や!!」
↑理由
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