ちひろ「アニメ1話NGシーン集」 (22)



『卯月ちゃん』


『あ、お疲れ様です!』




『さっきのって、この間のステージの写真?』


『はい! 私も、早くステージに立ちたいなって……』


『そうねー。この間のシンデレラオーディション、惜しかったじゃない』


『えへへ……。他にも色々受けてるんですけど、難しいです』


『んー。でも卯月ちゃん、がんばってるわよ。同期の子、みんなどんどんやめていっちゃったのに』


『…………。いよーし! 私、もっとがんばりまーって痛い痛い痛い!』


『えぇ!?』




監督「カットー!」


監督「卯月ちゃん、大丈夫!?」


卯月「いてて……。すみません。足がつっちゃって……」


凛「結構足伸びちゃってたからね」


卯月「凛ちゃんってて……。親指を曲げるんでしたっけ?」


監督「確かそれで直るはず……。直ったら同じシーンからスタートね」


卯月「はい!」




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『さん、にー。さん、しー。いっち、にー』


ガチャ


『?』


『…………』


『ん、ええ!?』


『ま、ママーー!!』


パサッ


『……島村、卯月さんですね』




監督「カット―!」


監督「先に調整中の紙が落ちちゃったね」


武内P「……すみません」


卯月「わ、私の声が大きかったから……」


凛「卯月、声量上がってるもんね」


監督「小道具が原因のカットはよくあるから大丈夫だよ。調整中の紙張りなおして撮影しなおそうか!」


武内P「……わかりました」




『美城プロダクション、シンデレラプロジェクト、プロデューサー……ぷ、プロデューサーさん!?』


『はい。シンデレラオーディション、貴女もお受けになったと思いますが、欠員が3名でまして』


『そのプロジェクトに私が?』


『はい』


『それってもしかして、デビューできるってことですか?』


『ええ』


『で、デビュー! 私、ついにアイドルに!』


『受けて、いただけますか?』


『もちろんです! 島村卯月、がんばります!』


カワイイ


監督「カット―!」


監督「ちひろさーん、声はいっちゃいましたよ?」


ちひろ「えぇ!? す、すみません、つい……」


監督「卯月ちゃんかわいいのはわかりますけど」


未央「うんうん。しまむーがかわいいのは大事だからね!」


卯月「そ、そんなに言わないでください~」




『こんばんはー!』


『いらっしゃいませ』


『わぁ~。どれにしようかなー』


『あ、素敵~』


『いちじゅうひゃく……。いちじゅうひゃく……。ちょ、ちょっと私には贅沢だったかな?』


『あ、こっちのほうなら。……やっぱりばらかなぁ。あ、こっちも素敵! んーでも……あーでも……。んー』


『何をお探しですか?』


ブフッ!


監督「カットー!」


加蓮「なーおー?」


奈緒「だ、だってあの凛が敬語で話してるんだぞ!?」


凛「……私だって、接客は敬語だよ」


加蓮「奈緒、監督に謝ろう?」


奈緒「う……。ご、ごめんなさい!」


監督「かわいいから大丈夫だよー」


凛「かわいい」


加蓮「かわいい」


奈緒「お、お前ら―!」





『部署への配属は、残り二人の選考後に一斉に行うことになります。申し訳ありませんが、島村さんにはしばらく待機していただくことになります』


『そうなんですか……』


『はい。引き続き、養成所でのレッスンをお願いします』


『わかりました。島村卯月、頑張ります!』


『他に質問は……』


『はい、CDはいつ出せますか?』


『はい。プロジェクトの全員がそろってから、それぞれの相性を見つつ、レッスンを行ってもらいます。CDデビューはそこからということで』
監督「カットカットカットー!」


監督「プロデューサーさん! セリフ違うよー! 企画中ですって言わないと!」


武内P「も、申し訳ありません……感情が高ぶってしまって……」


ちひろ「……もしかして、あの時本当はこんなことを言おうとしてたんですか?」


武内P「そ、そんなことは!」


凛「ふーん」


武内P「だ、だから違っ」


未央「そんなこともあるよね」


武内P「」




『ヒッグ……ヒッグ……』


『ちょ、ちょっとキミ!』


『?』




『少し、話を聞かせてもらえるかな?』


『別に……何もしてないよ』


『なんでもないってことは!』


『うぅ~ウゥ……』


『どうしたんだろう……』
『さぁ……』


『何もしてないってば』


『じゃあどうしてこの子はこんなに怯えているんだ!』


『一端、署のほうに来てもらえるかな?』


『えぇ、ちょっと……』


『あの……彼女の話を、もう少し聞いてみては……?』


『なんですか貴方……ひぃ!!』


『えっ』


監督「カット―!!」


監督「そんなに驚いたらだめだよ!」


「す、すみません……」


武内P「…………」


凛「プロデューサー、そんなに落ち込まないで」


武内P「で、ですが……」


「お、お姉ちゃん……あの人怖い……」


武内P「男の子も泣いています」


凛「あ、うん……うん。元気だしてよ」




『申し訳ありません……私のせいで、かえって面倒を』


『別に……私のほうこそ、巻き込んじゃって』


『あの、私、こういうものですが……。アイドルに、興味はありませんか?』


『! ……ない。なんだ、勧誘の人だったんだ。声かけたの、そういう狙いだったわけ?』


『いえ、そういう訳では』


『悪いけど、アイドルなんてわけわからないもの興味ないから』


監督「カット―!」


凛「えっ。監督、私どこかダメだったの?」


監督「凛ちゃん、ここのシーンで髪の毛ふぁさーってしないよ?」


凛「あ」


武内P「……横切るときに、そのようなことはしていませんでした」


凛「……言わないでよ」


奈緒「最近、ふぁさーってするのハマってるらしい」


未央「あーだからかー」




『あのさぁ……そもそも私の何をみて、アイドルになれって言ってるわけ?』


『……笑顔です』


『はぁ!?』


『し、渋谷さん?』


監督「か、カットー!」


凛「卯月の時はたくさん言ってたのに、私の時はセリフ通りってなんで!? おかしくない!?」


武内P「そ、それは……」


ちひろ「凛ちゃん。プロデューサーさんも、さっきのことがあってマジメにやろうとしているんですよ」


凛「そ、それはそうだけど……」


未央「わかるよ~しぶりん。プロデューサーさんに熱く語ってもらいたいもんねー」


監督「あ、あのーそろそろ撮影してもいいですか?」




『かわいいワンちゃんですね』


『あ、うん』


『あの、お名前聞いてもいいですか?』


『えっと……ハナコ』


『ハナコちゃんですか! 私は島村卯月っていいます! あの時は、お花を選んでくれてありがとうございました、ハナコちゃん!』


『え? ハナコは犬の名前で……』


『わあああ! すみません……』


ワンワン


監督「カット―!」


凛「ハナコ……おとなしく、ね?」


卯月「ハナコちゃん、よーしよし」


監督「ハナコちゃんがおとなしくなったら撮影再開しまーす!」


凛「ハナコ、落ち着いてね……」


武内P「……最近忙しかったので、うれしいのかもしれません」




『ありがとうございました。続いて、4番の方』


『4番、本田未央です! よろしくお願いします!』


監督「カット―! これにて一話のシーンは終わりです!」


「「ありがとうございました!」」


凛「ありがとうございました」


武内P「……ありがとうございました」


卯月「NGたくさんあって、大変でした……」


凛「初めてのドラマだからね。……ちょっと取り乱したりもしたけど」


未央「まだ1話なのに、結構大変だね……」


奈緒「そういう意味では、私たちはまだだから大丈夫だな」


加蓮「でもー、奈緒もNG出したんだからね?」


奈緒「あ、あれはその……」


ちひろ「何はともあれ、きちんと終わってよかったです」




卯月「そういえば、どうしてちひろさんがこの場に?」


ちひろ「じ、つ、は……。NGシーン集というものがありまして……」


「「「「「NGシーン集?」」」」」


ちひろ「そうです。今までのNGシーンを集めています」


ちひろ「それを、別の機会に公開するために撮影していたんです」


奈緒「さ、撮影してたのかよ!」


未央「ってことは、つまり……?」


ちひろ「はい。ここも撮影しています♪」


卯月「あの、プロデューサーさんは、知ってたんですか?」


武内P「…………ええ」


ちひろ「なので、後日楽しみにしていてくださいね♪」


凛「……ひどい」


後日、放送されたらしい


終わり


アニメ1話がドラマだったらという想像で書きました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年12月01日 (木) 01:40:43   ID: O4pHFRaE

ぜひ続きを書いてくれださい。

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