双葉杏「対義語病」 (56)



コメディです




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----------事務所----------


双葉杏(最近、何か急に寒くなってきた気がする……)ブルッ

杏(まったく、季節なんてすぐに過ぎていくんだねえ……)

杏「……ちょっと今のはババ臭かったかな」

杏「えっと、たしかこの辺にひざ掛けが……」ゴソゴソ


ガチャ
乃々「……」

杏「あ、乃々、おつかれー」

乃々「……」

杏「あれ? どうしたの?」

乃々「杏さん……」

杏「?」

乃々「私は……私は……おかしくなってしまったんです……」グスン

杏「うわあ! ち、ちょっと! どうしたのさ!?」

海久保乃々「お仕事がしたくて……たまらないんです……!」

杏「!?!?!?」


杏「えっ? えっ!?」

海久保乃々「LIVEがしたいんです……イヤなのに……!」

杏「どういう精神状態なのさ……」

海久保乃々「写真撮影がしたい……、握手会がしたい……、サーフィンがしたい……」

杏「の、乃々がそんなこと言うなんて……」

海久保乃々「本当はオフなのに、事務所に来てしまいました……。今日は釣りがしたかったのにぃ……」

杏「……」

海久保乃々「レッスンがしたいです……、トレーニングがしたいです……、砂浜を走るなどして……」

杏「ちょくちょく入ってくる海要素はなんなの!?」


海久保乃々「まるで、もりくぼじゃないみたいです……」

杏(実際、海久保だもんね)

海久保乃々「た、助けてくださいぃ……」

杏「そ、そんなこと言われても!」

海久保乃々「見捨てるんですか……きちくです……」

杏「杏には専門外というか……そもそも専門家なんているのかっていうか……」

海久保乃々「ううぅ……」ピョコン

杏「あれ? なんか、アホ毛が出てるけど、いつもあったっけ?」

海久保乃々「? そ、それのせいかもしれません……、ちょっと引っ張ってもらってもいいですか……?」

杏「ひ、引っ張ってって……」

海久保乃々「は、早くしないと、体がレッスン場の方へ……」グググ

杏(事務所的には別にいいんじゃ?)


杏「……じゃあ、引っ張るよ?」

海久保乃々「は、はいぃ……」

杏「ふんっ!」スポッ

海久保乃々「!!!」ビリビリビリ

杏「なんだ今の音」

?久保乃々「……」ムクリ

杏「……お、おーい」

山久保乃々「はい! レッスンに行ってきます!」ダダダダ ガチャ

杏「うわあ!!! 悪化した!!! そしてもういない!!!」


杏(……し、知ーらない)


~~~~~


杏(というか、なんか今日も面倒なことになる予感が……!)

ガヤガヤ

杏(なんか外から話し声が聴こえるし……)


「なんでわかってくれないんですか! サイキックは実在するんです!」

「またそんな非科学的なことを……、実際に見せてもらわないと……」

「き、今日はちょっと調子がですね……」

「そのセリフ、何回聞いたかわかりませんよ?」


杏「裕子とありすの声……、あの2人、また言い争ってるのか……」

杏「……んん? なんか違和感があったような……」


ガチャ

林檎ありす「じ、実際にサイキックを見てから謝っても遅いですからね!」

盛裕子「はいはい、ありすちゃんも、そろそろそういうのから卒業した方が……」

杏「あれ!?!?!?」


盛裕子「ああ、杏ちゃんですか、おはようございます」

林檎ありす「杏さん! 裕子さんが酷いんですよ!」

杏「待って待って! 頭が追い付いてないから!」

盛裕子「杏ちゃんはお疲れのようですね」

杏「堀の反対って盛でいいの!?」

林檎ありす「お、お疲れですか? そんな時のために、疲労回復のサイキックがですね」

杏「橘の反対が林檎じゃないってことはわかるからね!?」

盛裕子「あれ? サイキックは調子が悪いのではなかったんですか?」

林檎ありす「ぐぬぬ……」

杏「こんな理詰めする裕子は見たくなかった!」


林檎ありす「あんずさーん……」トコトコ

杏「弱っ」

盛裕子「あ、ありすちゃん、ご、ごめんなさい、ちょっとからかいたくなってしまって……」

林檎ありす「……サイキックはあります」ジロッ

盛裕子「そ、そうですよ! 無いなんてだれも証明できませんし、今度、是非ありすちゃんのサイキック、見てみたいな!」

杏「盛さんめっちゃ大人だ!!!」

林檎ありす「そ、そうですかそうですか、仕方のない人ですね!」

杏「ありすの方がよっぽど仕方ないからね!?」

林檎ありす「なんかすごいびっくりさせてあげますからね!」

杏「ふわっふわしてる」

盛裕子「楽しみですね! ささ、一緒にご飯でも行きましょう?」

杏「……」

林檎ありす「こ、子ども扱いしないでください!」

杏「そこはありすっぽいんだ……」


~~~~~


杏(め、面倒くさいな……、次は誰が来るんだ……)


ガチャ

杏「!」

トヨタ未央「やっほー! トヨタ未央ちゃんの参上だよ! 代表曲は"ミツビシ◇◇◆"!!! いやあ、この前の日産スタジアムのライブではスバルしいパフォーマンスができたねぇ! あんなに盛り上がれるなんて、ダイハッけんだったよ!」

杏「このやろう詰め込んできたなぁ!!!!!」


トヨタ未央「あれあれ? 杏ちゃんはマツダ派? それともいすゞ派?」

杏「派閥とかないから!」

トヨタ未央「いやあ、まさか本当にミツビシがパッと弾けるとは!」

杏「弾けてないし! 謝れよ!」

トヨタ未央「おやおや? そんなこと言っていいのかな? こっちにはヒノノニトンがいるんだよ?」

杏「ユニットメンバーをトラックみたいに紹介するな!」

フォード未央「つれないなぁー」

杏「なんでこのタイミングでアメ車に手を出したの!?」

フォード未央「ちょっとTPPの交渉に行ってくるね! じゃ!」タッタッタッ

杏「荷が重い」


~~~~~


杏(未央ちゃんは名前が変わっても騒がしかったね……)

杏(なんというか、もう少し静かな人はいないのかな……)


ガチャ
鷲沢文香「……こんにちは」

杏「お! 文香!」

杏(しかも変わってない! ようやく普通の人が……、あれ?)

鷲沢文香「……」トコトコ ポスッ

杏「……違う!!! 鷲沢だ!!! 鷺沢じゃない!!!」

鷲沢文香「電子書籍こそ至高」

杏「そして発言は過激派だ!!!」


鷲沢文香「……どうかしましたか、杏さん」

杏「え? あ、いや、タブレットでどんな本を読んでるのかなーって……」

鷲沢文香「進撃の巨人です」

杏「ふ、文香がマンガ!?」

鷲沢文香「漫画だからといって、蔑ろにしてはいけませんよ……?」

杏「あー、そうじゃなくて、意外っていうか」

鷲沢文香「意外……でしょうか……? 昨日は"闇金ウシジマくん"を読んでましたが……」

杏「意外性を高めていくのやめてくれない?」


鷲沢文香「さて……」スタッ

杏「あれ? どっか行くの?」

鷹沢文香「少し、ホークスのファン感謝祭まで……」

杏「そうやって変化してくの!?」

燕沢文香「次は神宮球場ですね……」

杏「もうわけわかんないよ……」

鳥沢文香「そして夕食は焼き鳥です」

杏「リアクションしにくいオチをつけないでよ!!!」


~~~~~


杏「まともに見えた文香が一番やばかった……」


ガチャ

杏「うわ! 休ませてよもう……!」

奏「……」

杏「あー、奏か、どうしたの?」

奏「……」

杏「……」

奏「……」

杏「いや、そんなとこで立ってないで……」

奏「……」

杏「おーい? 聞こえてる……?」

奏「……」

杏「……」

遅水奏「……あら、お疲れ様、杏ちゃん、いたのね」

杏「反応遅っそ!!!」


杏「ちょっと、と、とりあえず部屋に入りなって!」

遅水奏「……」

杏「いらいらするなぁ!!!」

遅水奏「大丈夫、聞こえてるわ」

杏「今その返事かよ!!!」

遅水奏「……」

杏「なんなんだ……、そんなんでレッスンできたの?」

遅水奏「ありがとう、部屋に、入らせて、もらうわね」ノロノロ

杏「なんで目の前にいるのに時差を感じなきゃいけないのさ!!!」

遅水奏「"今その返事かよ"と言われても、私は、すぐに、反応しているつもり、なのだけど」

杏「そんなこと言われても……」

遅水奏「なんてね」

杏「張っ倒すよ!?」


杏「まあいいや、今日はあまり誰かと喋らない方がいいって杏は思うけどね……」

遅水奏「ええ、レッスンに、滞りは、なかったわ」

杏「もう自分が何て話しかけたか忘れちゃったよ」

速水奏「記憶喪失か」

杏「急に!?!?」

遅水奏「なぜ、誰かと喋らない方が、いいのかしら?」

杏「遡って会話を続けるの!?」

遅水奏「今日は、いつもより、元気なのね」クスクス

杏「誰か助けて……」


ガチャ

遅坂美玲「お、奏に杏」

杏「詰んだ……」

遅坂美玲「やっぱりオリンピックは盛り上がるなッ!」

杏「遅さのベクトルが違うし!」

遅坂美玲「次は4年後にロンドンか……」

杏「北京五輪の話をしてたの!?」

遅水奏「あら、美玲、レッスン、行きましょうか」

遅坂美玲「あ、もうそんな時間? まだ朝の6時くらいかと思ってたぞ」

遅水奏「そうね、オリンピックは、国同士が火花を散らす、熱狂的なイベントよね」

遅坂美玲「あ! そういえばノノに借りた本を……あ、もう先月返したんだっけ?」

遅水奏「あらあら、次のオリンピックはアテネよ?」クスクス


杏「収集つかないな!!! 会話のドッヂボールかよ!!!」


~~~~~


杏「流石に今の2人はマズいでしょ……」

杏「……よし、次は誰が来ても、大声は出さないようにしよう」

杏「これ以上ノドを使うわけにはいかない……」

杏「冷静に……冷静に……」


ガチャ
ドロップスまゆ「こんにちはぁ、まゆですよぉ」


杏「サクマの対義語がドロップスなわけないだろ!!!!!」


~~ドロップスさんは荷物を置きに来ただけでした~~


杏「ドロップスさんってなんだよ」


ガチャ
輿火幸子「こんにちは」フフーン

杏「うお、さ、幸子……」

杏(普段は自信満々だから、これまでの傾向的にはネガティブになってるはずだよね……)

輿火幸子「? どうかしたんですか?」

杏「いや、なんでもないけど……」

輿火幸子「そうですか、ボクは宿題をやるので、無理に話そうとしなくても大丈夫ですからね」テキパキ

杏「……」

輿火幸子「……ボクの顔になにか?」

杏「い、いや、いつものセリフは言わないのかなーって……」

輿火幸子「?」

杏「ほ、ほら、"カワイイ"って」

輿火幸子「ボクがカワイイのなんて、今さら言う必要があるんですか?」

杏「え」

輿火幸子「そんなものは周知の事実ですから。では、宿題に移らせていただきますね」カキカキ

杏(よかった……、幸子はむしろ自信が強くなって……)

輿火幸子「……」カキカキ

杏(……)


杏(……本当に?)

杏(……冷静になってみよう)

杏("この幸子は普段の反対の性格である"が正しいなら……?)

杏("カワイイ"なんて口にする必要もないくらいの自信家が、普段の反対だとしたら……?)

杏(普段の幸子が"カワイイ"と口にする理由は……)

杏(普段の、自信家に見える幸子は……!)


杏「幸子」

輿火幸子「へ? どうかしましたか?」

杏「こっち、来て」

輿火幸子「い、いや、ボクは宿題を……」

杏「……いいから」

輿火幸子「は、はあ……」トコトコ

杏「……」

輿火幸子「いったい、なんなんで……」

杏「……」ギュ‐ッ

輿火幸子「わっ!? ち、ちょっと! 杏さん!?」

杏「……幸子は、カワイイよ」ギュッ

輿火幸子「え? え?」

杏「ちゃんと、覚えておいてね……」パッ

輿火幸子「あっ、は、はい……」

杏「じゃあ、杏は寝るから」ゴロン

輿火幸子「???」


杏(杏らしくないかなぁ……)


~~~~~

杏「ふわぁ……」

杏「あれ、誰もいない……、幸子は仕事かな」


杏(でもまあ、冷静に考えてみよう。今、幸子で何かいい感じの雰囲気になったから、そろそろオチが来て話を畳むはず……)

杏(ここからはそんなにヤバい奴は来ない!)


ガチャ

栗山智絵里「346プロも球団を買って一儲けしましょう!」

杏「緒方の反対を栗山にするな!!! 双方に失礼だろ!!!」


ガチャ

香川未央「うどん食べたい」

杏「お前さっきトヨタだったろ!?!?」


ガチャ

ケンブリッジつかさ「結局、陸上が一番コスパいい競技なわけ、わかる?」

杏「桐生からケンブリッジ!?!? 怒涛のスポーツラッシュやめてよ!!!!!」


~~~~~

杏「し、死ぬ……」ゼェゼェ

杏「もう、誰が来ても驚かないぞ……」


ガチャ

小腹減る「こんにちは……」

杏「誰!!!」


小腹減る「あ、杏さん……、お、お助けを……、今月のパンが切れてしまいまして……」

杏「パン……」

杏(小腹←→大原 減る←→みちる)

杏「みちる!?!?!?」

小腹減る「なにか……、パンを……」

杏「マジか……、えっと……そこの戸棚のところに菓子パンがいくつかあったような……」

小腹減る「ほ、本当ですか!!!」キラーン

杏「まあ、事情を説明して、給料から引いてもらえばいいんじゃない?」

小腹減る「ありがとうございます!」フゴフゴフゴフゴ

杏「もう食べてるのかよ」


満腹満ちる「ふうー! 助かりました!」

杏「大原みちるには戻らないの!?」

満腹満ちる「?」

杏「いや、もういいや……」

中腹満ちる「そうですか?」

杏「まって」

小腹満ちる「どうかしましたか?」

杏「待てって!」

小腹減る「お腹が空きました……」

杏「コスパ最悪だなみちる!!!!!」


杏「ほ、ほら! アメあげるから!」ポーイ

小腹減る「あ、ありがとうございます」ペロペロ

杏(これじゃあ回復しないと思うけど……)

小腹満ちない「……」ペロペロ

杏「言い回し腹立つな」


小腹減る「……おや」

杏「ど、どうしたの?」ビクッ

小腹減る「……杏さんの"双葉"の部分、美味しそうですね……」

杏「は、はあ!?」

小腹減る「いただきます!」フゴフゴ

杏「えっちょまっ!」

小腹減る「す、すごいです!」フゴフゴ

単葉杏「ち、ちょっと!? なんか変なんだけど!?!?!?」

満腹満ちる「……あ」

単葉杏「こ、今度は何!?」

満腹満ちる「"杏"の部分も……」

単葉杏「えっ」

満腹満ちる「……」ジリジリ

単葉杏「いやいやいやいや」

満腹満ちる「いただきます!!!」バッ!!!!!

単葉杏「うわああああああああああああああ!!!!!!」


杏「うわああああああああああああああ!!!!!!」ガバッッ

大原みちる「わあ! あ、杏さん、うなされてましたが、大丈夫ですか?」

杏「うわああ!!! み、みちる!?」

みちる「そ、そんな化け物を見たみたいなリアクションしなくても……」

杏「ふ、普通……、ってことは……」

みちる「?」

杏「夢オチ……かよ……」ガクン


杏「……な、何をしてるの?」

みちる「そうだ! 聞いてくださいよ杏さん……、今月の分のパンがなくなってしまって……」

杏「!!!」ビクゥ

みちる「あ、杏さん!?」

杏「な、なんでもないよ、で?」

みちる「はい! でも、今、スイーツファイブが食べ物を作ってくれているんです!」

杏「そ、それはよかったね……(スイーツファイブ?)」

みちる「そうなんです!  なんでも、アンズを使ったお菓子だとか!」

杏「!!!」ビクゥ

みちる「いやあ、"アンズ"、とっても"美味しそう"です!」キラーン

杏「……」バターン

みちる「杏さん!?!?!?」


おわり



対義語って何だ



同系列の

杏「分解病」

双葉杏「分解病りたーんず」

双葉杏「詳細病」



および直近の過去作


智絵里「わたしたちに」ほたる「届いた」朋「ファンレター!」

神谷奈緒「憎めない常務と秋の魅力満喫☆わくわくバスツアー……!?」

橘ありす「わらしべ長者フレデリカ?」

綾瀬穂乃香「フリルドスクエアは、何の略なのでしょうか……?」工藤忍「は?」


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