頼子「ふぅ……」
モバP「お疲れ様、頼子」
頼子「あ、Pさん」
モバP「今日の撮影もさすがだったな。頼子にしか出せない雰囲気というか」
頼子「ふふ、絵になる、ですか?」
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モバP「そう! 頼子は決して派手じゃないけどこう、撮影になると画面映えするというか存在感が凄いというか」
頼子「それじゃあ普段の私は画面映えしない、存在感の薄い子ということですか?」
モバP「いやいやいや!そういうわけじゃなくてだな!」
頼子「ふふっ、分かってますよ。でも本当に、普段の私は街を歩いていても誰にも気づかれない、ただの地味子ですから」
モバP「うーむ。こんなに可愛いし、それに大人になってキレイさも増したんだがなぁ」
頼子「そ、そう面と向かって言われると照れますね」
モバP「正直な感想だ。スカウトした時から比べるとなんというか……うむ。良いな」
頼子「抽象的ですね。でも確かに、5年も経てば変わりますよ。……色々と」
モバP「そうだなぁ。さ、今日はこの1本だけだったしゆっくりお茶でもして帰ろうか」
頼子「はい」
~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「ふー すっかり夏だな。日陰を歩かないと汗が凄い」
頼子「えぇ」
モバP「お、噴水で子どもが遊んでるな」
頼子「はい。可愛いですね」
モバP「みりあや莉嘉と昔この公園で水遊びしたなぁ」
頼子「今じゃすっかりお姉さんですもんね。水着グラビアなんてやったり」
モバP「本当、みんな大きくなったよな」
頼子「そうですね」
モバP「……」
頼子「……」
モバP「……なぁ。本当に意志は変わらないのか?」
頼子「……はい」
頼子「今年いっぱいでアイドルは……引退します」
モバP「……まだ22歳だし、これからもっと色々あるんじゃないか?」
頼子「そう……ですね。そうかもしれません」
モバP「だったら!」
頼子「でも、決めたんです。決めた、というか……見えたような気がして」
モバP「見えた?」
頼子「私のアイドルとしての限界、です」
モバP「そんな……っ!」
頼子「あっ、Pさんのせいではないんです! あくまで私自身の気持ちというか!」
モバP「……なにがあったんだ?」
頼子「いえ、そんな大したことではないんです。ただみなさんを見ていて」
頼子「私には、きっと光り輝くシンデレラにはなれないなって……」
モバP「そんなことはっ……!」
頼子「分かるんです。例えば……私と似た感じの、って言ったらちょっと失礼かもしれませんけど、文香ちゃんはやっぱり違うんです」
頼子「スターダムに登れる何かを持ってるんです。凛ちゃんやアーニャちゃんもそう」
頼子「Pさんは『女の子はみんなシンデレラになれる』って言いますけど……そうじゃ、ないんです」
モバP「そんなことは……ない……みんな、シンデレラなんだ……」
頼子「ふふっ。Pさんがそう言ってくれるから、私たちは頑張れるんです。だからきっとその想いは間違いじゃないんです」
頼子「悪いのは……それを信じ切れない私の方。ガラスの靴が割れるのが怖くて、踊れない……」
モバP「……」
頼子「……」
頼子「さぁ、事務所に戻りましょう。ちひろさんや文香ちゃんたちが待ってますよ」
モバP「……あぁ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
頼子&文香「では、お先に失礼します」
ちひろ「はーい、お疲れ様でした~」
モバP「お疲れ様。気をつけて帰れよー」
モバP「……ふっー」
ちひろ「なにか、あったんですか?」
モバP「えぇ、ちょっと」
ちひろ「……頼子ちゃんですか?」
モバP「さすがちひろさん。よく分かりますね」
ちひろ「分かりますよ。もう何年も一緒にいるんですから」
モバP「何年も、か。結局俺は彼女たちのことを理解しきれてなかったのかな」
ちひろ「そんなことはありませんよ。
頼子ちゃんが何を言ったのかは知りませんけど、Pさんはみんなのことをしっかり思って
プロデュースしてきました。だから凛ちゃんや文香ちゃんとか、世間でいう
『トップアイドル』だって誕生したじゃないですか」
モバP「そうなんですけど……だからこそ、トップに、シンデレラになれなかった子たちって何なんだろうって」
ちひろ「……はっきり言って、いくらPさんが凄いからって事務所の子みんなをシンデレラにするなんていうのは無理です」
モバP「はは……随分はっきり言いますね」
ちひろ「それはそうですよ。それは確かにみんな素質を持ってる子たちですよ?
少なくとも、Pさんがスカウトしてきた子たちはガラスの靴を履けるレベルです。
でもそこから踊れるのかは別です」
モバP「……なかなかオシャレな例えですね」
ちひろ「もう! 私は本気で言ってるんですー!」
モバP「はははっ……でも。そうですね。俺も頭では分かってるんです。
みんなシンデレラになれないなんてことは。もしなれたら価値半減ですしね」
モバP「ただなんというか……頼子に引退の話をされた時、どうも納得できなくて」
ちひろ「納得ですか」
モバP「正直なところ……これはまぁ本人も言ってたんですが、頼子に文香や凛のような、人を惹きつける何かがあるとは……自信をもっては言えない」
モバP「でも。でも俺は頼子には何かがあると感じてるんです。それこそ初めて美術館で見かけた時から」
ちひろ「うーん……それってアイドルとしての部分でしょうか?」
モバP「え?」
ちひろ「いや、Pさんが頼子ちゃんに惹かれてるところって。
アイドルの資質としてじゃないところなんじゃないのかなーって」
モバP「???」
ちひろ「その……なんというか……いわゆる一目惚れ?」
モバP「っ!!!!」
ちひろ「あはは、なんてー、ですよねぇ?」
モバP「一目惚れ……? 俺が……?」
ちひろ「あれれ」
~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「一目惚れねぇ……」
凛「P、お疲れ様」
モバP「お、戻ってきたのか。お疲れ様」
凛「うん。それで? 唸ってどうしたの?」
モバP「いやなに、ちょっと考え事をな」
凛「ふーん。何を考えてたの?」
モバP「いやー……うん。頼子の話は聞いてるか?」
凛「一応。今年いっぱいでアイドルとしての活動は辞めるんでしょ?」
モバP「そうだな。そうなんだよ……」
凛「私としては残念だけど、本人が決めたことなら仕方ないんじゃない?」
モバP「まぁそうなんだがなぁ」
凛「何が引っかかってるの?」
モバP「いやさ、俺としては確かに難しいことだとは思ってるけど、みんなをトップに、シンデレラに出来たらなって思ってたからさぁ」
凛「ふーん。でもそれは無理じゃないの?」
モバP「凛もばっさり言うなぁ」
凛「私もシンデレラガールになって分かったよ。
Pは『女の子はみんなシンデレラになれる』っていうけど、全国で数百、数千なのかな。
とにかくいっぱい居るアイドルの頂点なんていうのには早々なれない」
モバP「じゃあ凛はなんでなれたんだ?」
凛「それは私をスカウトしたPが一番知ってるんじゃないの?」
モバP「うーん……まぁ確かに。凛をスカウトした時、こう……輝いてる姿が見えた。結構具体的に。
そうだな、授賞式のコメント言ってる姿まで想像出来た」
凛「そこまで……ちょっと嬉しいかな」
モバP「うん。そんな感じでさ、俺はスカウトする時ってその子の輝いてる姿が見える気がするんだ」
凛「じゃあ頼子はどうだったの?」
モバP「頼子か。頼子は……笑顔が見えた。幸せそうな顔だった」
凛「それで?」
モバP「可愛いなと。もっと色んな顔を見てみたいなと思ってスカウトした」
凛「……はぁ。ちょっとPが可哀そうに思えてきた」
モバP「なんでだ?」
凛「もう職業病だよね。なんでそこでスカウトに結びつくかなぁ」
モバP「???」
凛「まぁ目は間違ってないんだけどさぁ。それって要は一目惚れなんじゃないの?」
モバP「ぐっ」
凛「心当たりはあるんだ?」
モバP「いや、さっきちひろさんにも言われて」
凛「じゃあやっぱそうなんじゃないのかな。そもそもPが感じたその笑顔ってさ」
凛「不特定多数じゃなくて特定の誰かに向けた笑顔だったんじゃない?」
モバP「……」
凛「それにPが色んな顔を見たいって。それって個人的な欲求だよね」
モバP「そう、なのかな」
凛「さぁ。ま、Pは鈍感だからね」
~~~~~~~~~~~~~~~
頼子「どうしたんですか? さっきから変な顔してますけど」
モバP「あ、いや。なんでもないぞ」
頼子「そうですか? ふふ、変なPさん」
モバP「(むぅ……ちひろさんと凛に変なこと言われたから妙に気になってしまう)」
頼子「ふぅ……今日は少し蒸しますね」
モバP「(髪をかきあげるだけなのにドキっとしてしまう。あぁ、頼子ってこんな肌白かったっけ)」
頼子「……さっきから本当に変ですよ? 私何かしました?」
モバP「いや! 本当に何でも無いんだ! すまんな!」
頼子「そう、ですか……わ、ひまわりが咲いてますね」
モバP「おお、夏って感じだな」
頼子「ひまわりといえばゴッホですね」
モバP「有名なヤツだな」
頼子「そうですね、私も好きですよ。でもアイドルを始めてから少し見方が変わったんです」
モバP「ん?」
頼子「ゴッホの『ひまわり』って花瓶に生けられてるんです。昔はそれに疑問を抱くことはなかったんですけど」
頼子「なんで花瓶なのかなって。本来野に咲いてあるはずのひまわりなのに。
もちろん、ゴッホが描いたひまわりはそれぞれに色彩や力強さが違って、本物のひまわりより素敵に見えるかもしれない」
頼子「けれどそれはあくまでゴッホが表現したかった『ひまわり』であって、私自身が感じる、野のひまわりの素晴らしさとはまた別物なんですよね」
頼子「だから、ゴッホの『ひまわり』がいい=自然のひまわりがいいとも限らないし、その逆もまたしかりで。これってなんだか――」
モバP「アイドルに似てる?」
頼子「ふふっ。そういうことです。アイドルというフレームに切り取られた私と、古澤頼子という素の私」
頼子「Pさんが私を見つけてくれて、監督さんやカメラマンさん、照明さんとかたくさんの人が私を――
私をまるで違う何かに変えてくれるんです。そうやって私はアイドルとしてやってこれた」
頼子「けれど本当の私は。その辺に居るような、地味な女の子でしかない。そんな私を、ファンのみなさんは……Pさんは」
モバP「そりゃ素敵だよ」
頼子「えっ……」
モバP「何度だって言うさ。頼子は、いや、古澤頼子という人物は可憐で、ちょっと恥ずかしがり屋なのに時折大胆で、素敵な女の子さ。
それはアイドルとしてではない、生まれ持ってきたモノだよ。俺が保証する」
頼子「あ、ありがとう、ございます……」
モバP「俺はそういう女の子の良さを更に引き出すのが仕事なんだ。
引き出して、世の中の人にこの子はこんなに輝いてますよ、あなたにもそんな可能性があるんだよ、っていうことを伝える。
それがアイドルであって、プロデューサーの俺の仕事なんだと思ってる」
頼子「……かっこいいですね。そんな風にお仕事を考えていたなんて。私はてっきり……」
モバP「可愛い子が好きだからって? ははっ、それはもちろんあるさ。まぁなかなか忘れがちだけどな、そういうところは。でも本心ではある」
頼子「凄いですね。私なんかPさんに言われるがまま、あれよあれよとここまで来て……なんだか申し訳ないです」
モバP「いやいや、いいんだよ、それで。それに俺は……うん、頼子が色んな事を知って、色んな表情を見せてくれるのが嬉しいんだ」
頼子「……他の子も、そうなんですか?」
モバP「えっ?」
頼子「いえ、何でもないんです、何でも。
……Pさんはまさしく、プロデューサーになるために生まれてきた人なんだなって」
モバP「そうかなぁ。いや、ちょっと格好つけすぎた気がする」
頼子「ふふっ、Pさんも男の子なんですね。でも本当に格好いいですよ?」ニコッ
モバP「――っ!(あぁ、この笑顔だ。ふわりと柔らかい、包んでくれるようでいて、どこか儚さがある、守りたくなる笑顔。この笑顔を、俺は……)」
頼子「どうかしました?」
モバP「い、いや。なんか恥ずかしくなっただけだよ」
頼子「そうですか? ふふっ、せっかくなのでPさんのアイドル論をもうちょっとお聞きしたいですね」
モバP「ああいいぞ。事務所までゆっくり帰ろう――」
~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「んー……」ガリガリ
文香「ただいま戻りましたー……と、Pさん、難しい顔をされて、どうされたのですか?」
モバP「あぁ文香。お疲れ様。すまんな、夜遅い収録で。大丈夫だったか?」
文香「えぇ。スタッフさんたちが優しくしてくれますので……これもPさんのおかげです」
モバP「ん? どうしてだ?」
文香「Pさんのおかげで私はトップアイドルになれましたから……」
モバP「いやいや、それも文香の実力があってこそさ。そうだ、時間も時間だし、送っていくよ。寒くなってきたしな」
文香「ありがとうございます。あ、でもPさんのお仕事は……」
モバP「いいよいいよ。ちょっと詰まってたところだし。車回してくるからちょっと待っててくれ」ガチャ
文香「あ、すみません……Pさん、凄く悩んだ顔をしてました……何の仕事を……?」
文香「頼子さんの、引退ライブ、ですか……」
~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「――そうだな。どうしたもんかなって」
文香「すみません、覗き見てしまって」
モバP「いやいいんだ。……どんな感じがいいのか悩んでいてな」
文香「最後、ですからね」
モバP「そう、最後だ。……最後なんだよ。デビューした時みたいな怪盗とか、可愛いイメージなやつか。
ファンを巻き込んで感動的な感じにするか……どれが頼子のためになるのか」
文香「……いつも、こんな風に悩んでいらしたのですね」
モバP「あぁ、いや」
文香「本当に、ありがとうございます……ですが、一つ。無理をしては、いけませんよ」
モバP「はは、その点に関しては大丈夫さ。ちひろさんも凛たちも色々助けてくれてる。もちろん、文香もな」
文香「いえ、私はこうして既にお手を煩わせていますので……」
モバP「好きでやっていることだからいいんだ。気分転換にもなるし……それに、文香に聞きたいことがあってな」
文香「頼子さんの引退について、ですか?」
モバP「あぁ。プライベートでも仲が良いから何か聞いたり……いや、それを聞くのも悪いか」
文香「そう、ですね。ただ……私も頼子さんも、Pさんに連れられてアイドルの世界を、光り輝く世界を知りました。
私たちにはPさんが居なければ、こんな世界で生きていくことはもちろん、足を踏み入れることすら出来なかったでしょう」
モバP「そうかなぁ」
文香「そうなんですよ? ふふ、だから私たちはPさんに感謝してるんです」
モバP「……なんか照れるな。俺はそれぞれが輝く手助けをしたにすぎないんだが」
文香「それでも、です。Pさんに出会っていなかったら、私は恐らく一生本の世界に閉じこもっていたのだと思います。もちろん、それが悪いわけではありません。ですが、こうしてアイドルになってみて――たくさんの世界を、そして自分自身の中にあったものを知って、私は嬉しいんです」
文香「っと……なんだか恥ずかしくなってきました」
モバP「熱く語る文香もいいもんだな。うん、そう思ってくれて俺は嬉しいよ。プロデューサー冥利に尽きるってやつだ」
文香「……私もですが、頼子さんも同じように思っていますよ」
モバP「うん。ありがとう」
文香「Pさんが私を見つけてくれて、監督さんやカメラマンさん、照明さんとかたくさんの人が私を……」
モバP「(……ん? この話は前に……)」
文香「――私の中の何かを表現してくれるんです。そうやって私はアイドルになれる」
文香「ただの地味な女の子でしかない私を、Pさんがそうしてくれたんです」
モバP「(あぁ……これは前に頼子が言っていたことだ。だけど)」
文香「本当に、感謝しています……」
モバP「(だけど……違う。やっぱり、頼子と文香は違う)」
モバP「女の子のもつ素敵な何かを引き出すのが俺の仕事だしな。それに文香は美人だし、知的で穏やかな中にも華がある。俺は文香に出会ったときから……」
文香「……?」
モバP「(……あぁそうか。俺はやっぱり頼子を……)」
モバP「うん、ステージで輝く文香の姿が見えていたよ」
~~~~~~~~~~~~~~~
頼子「なんだか、あっという間でしたね」
モバP「そうだな。1年なんてあっという間だ。5年前だってつい昨日のように思えるんだから」
頼子「ふふ、Pさんはロマンチストですね。……今日で最後なんですね」
モバP「あぁ、最後だ。俺が、アイドルとしての古澤頼子のために精一杯考えたステージだ」
頼子「ありがとうございます。アイドルとして、精一杯、私を忘れられないように……ファンの皆さんの……そしてPさんの心を奪っちゃいます!」
~~~~~~~~~~~~~~~
モバP「お疲れ様」
頼子「はぁっ、はぁっ……はい、お疲れ様、でした……どう、でしたか?」
モバP「あぁ、最高だったよ。いつだって頼子は俺の予想の上をいくパフォーマンスをしてくれてたが、今回は最後の名にふさわしい最高のライブだった」
頼子「ふふっ、良かった……Pさんにそう言ってもらえれば、もう悔いはありませんね……」
モバP「本当に、最高のライブだったさ……」
頼子「ありがとうございます、Pさん。私がこうしてアイドルとして活動できたのは、全てあなたのおかげです。
これからどんな仕事を、どんな生活をするかはまだ分かりませんが……
あなたと過ごした、アイドルをした経験は、きっとどんなことにも通じると思います」
モバP「うん」
頼子「……本当に、終わり……なんですね」
モバP「そう、だな」
頼子「……終わってみるとまるで全部夢だったみたいな気持ちです」
頼子「……どうでしょうか、Pさん。私は『ひまわり』みたいに、最高の瞬間を……
皆さんの心を奪える絵画のような一瞬を、アイドルとして残せたでしょうか?」
モバP「あぁ、きっと。大丈夫さ」
頼子「ふふっ、良かった……あの……Pさんの心は、どうですか?」
モバP「もちろん。奪われたよ」
モバP「……最初に出会ったときから。アイドルとしてではない、古澤頼子、その人に」
頼子「えっ?」
モバP「ずっと、頼子をプロデュースしてきて……美術館に行ったり、絵を描きに行ったり、ハワイにも行ったりしたな。
色んなことをして、色んな頼子の姿を見てきた。でもそれは頼子のアイドルとしての魅力を引き出すためじゃなくて、俺がただ……
頼子を見ていたかったからなんだと気付いたんだ」
頼子「P、さん……?」
モバP「だから……頼子さえ良ければ、この先も……頼子をプロデュースさせて……いや一緒に居て欲しい。
アイドルとしてではなく、古澤頼子として、そばに」
頼子「……私も。Pさんに、Pさんに、出会ったときから……私の心は、あたなに奪われていたんです」
モバP「……なんだ。俺たち最初から両思いだったんだな」
頼子「そのようですね。……ふふっ。私、シンデレラガールにはなれませんでしたが、一番なりたかったものになれそうです」
モバP「ん?」
頼子「あなただけの、シンデレラですっ!」
終わりです。ありがとうございました
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