綾瀬穂乃香「ぴにゃこら太を美味しく頂きます」 (27)


※キャラ崩壊注意


穂乃香「ではさっそく作っていきましょう」

忍「待って」

穂乃香「まず最初に枝豆を茹でます、火傷しないように気をつけましょう」

忍「待ってってば」

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穂乃香「どうしました忍ちゃん」

忍「いきなり部屋に押し入ってきて何も言うことないの?」

穂乃香「いい部屋ですね」

忍「ありがとう、そうじゃない」

穂乃香「特にベッドの上のぴにゃクッションが」

忍「それこないだ穂乃香ちゃんがくれたやつだよね?」

穂乃香「もっと欲しいのでしたら10個くらいは融通出来ますが」

忍「いらないから」


忍「アタシが聞きたいのは、いきなり部屋に来て、台所占拠して、何やら怪しげなことを始めたのはなんで、ってことだよ」

穂乃香「お手本のような説明セリフでしたね」

忍「ちゃんと言わないと話進まないし」

穂乃香「なんの、私だって本気を出せば円滑な会話くらい」

忍「続き」

穂乃香「はい」


穂乃香「ほら、巷ではハロウィンで大盛り上がりじゃないですか」

忍「もう1週間くらい前の話なんだけど」

穂乃香「せっかくですし便乗しようかな、と」

忍「ハロウィンなのに枝豆?」

穂乃香「枝豆です」

忍「わざわざ枝付きで新鮮そうなのを?」

穂乃香「ええ、たくさん頂いてきました」

忍「………」


穂乃香「これだけたくさんの枝豆を貰ってきたのは理由があるんです」

忍「まあ大体想像つくけど…」

穂乃香「実は、食べられるぴにゃこら太を作ろうと思いまして」

忍「だろうね」

穂乃香「一応予備としてほうれん草、青しそ、野沢菜、わさびなども用意してあります」

忍「その緑色に傾ける情熱を少しで良いから常識に回して欲しい」


穂乃香「ではさっそく作っていきましょう」

忍「アタシもやる前提なんだ」

穂乃香「嫌ですか?」

忍「いやお菓子作りはやぶさかじゃないけど」

穂乃香「ではまず、こちらの杵と臼でお餅をつきます」

忍「ごめん、実家帰るね」

穂乃香「待ってください!後生ですから!」


忍「何が悲しくて正月でも無いのに餅つきしなきゃいけないのさ」ペッタンペッタン

穂乃香「そんなこと言って結構熱心じゃないですか」ハイッ

忍「身体動かしてないと寒いだけだって」ペッタンペッタン

穂乃香「さすがに部屋じゃ出来ませんからね」アイッ

忍「その配慮はアタシに向かないの?」ペッタン

穂乃香「難しいですね、こればっかりは」ソイヤッ

忍「杵って人の頭くらいならカチ割れそうだよね」

穂乃香「ごめんなさい」


忍「それにしてもこんな道具どっから仕入れてきたのさ」ハイッ

穂乃香「事務所にあったので借りてきました、ちひろさんは変な顔されましたけど」ホッ

忍「そりゃするでしょ、季節外れも良いとこだし」ハイッ

穂乃香「女子寮まではPさんが運ぶのを手伝ってくれまして」ペッタン

忍「そこまでするなら付き合ってくれれば良いのに」ハイッ

穂乃香「誘ったんですが仕事が忙しいと体良く断られまして」ヨイショッ

忍「逃げたな」ハイッ

穂乃香「その代わり忍と2人でやるといいぞ!と良い笑顔で言われました」ペッタンタン

忍「今度会ったら脛キックしてやる」


穂乃香「こんなもんでしょうか」

忍「もう終わりで良くない?疲れたし寒いし」

穂乃香「では冷めないうちに形を整えまして…はい、ぴにゃ型の完成」

忍「へー、なかなか器用なもんだね」

穂乃香「この日のために研鑽を積みましたから」

忍「…努力家が方向を間違えるとこうなるのか」

穂乃香「失礼な」


忍「ともあれ、やーっと部屋に戻れるよ」

穂乃香「いえ、次はこちらのよもぎ餅をついてですね」

忍「撤収~」スタコラサッサ

穂乃香「ああん、杵を持っていくのは反則です!」


穂乃香「まあ緑はよもぎでなくても大丈夫ですからね、ぶっちゃけ」

忍「もう一周はさすがに無理だよ、腕が死ぬ」

穂乃香「では、当初の予定通りずんだを作ることにしましょうか」

忍「わさびは?」

穂乃香「わさびは使いません」

忍「持ってきた意味ある?」

穂乃香「……賑やかし?」


忍「これ端っこ軽く切るだけで良いんだっけ」

穂乃香「はい、ちょっとで大丈夫です」

忍「塩もみは?」

穂乃香「今回は不要かと、そのまま食べる訳じゃないですし」

忍「確かに、しょっぱいずんだとか嫌だもんね」

穂乃香「実際は塩もお好みで入れたりしますけどね」

忍「え、そうなんだ」

穂乃香「結構家庭によってレシピ違ったりするんですよ」

忍「まあ名物ってぶっちゃけそんなに頻繁に作るもんじゃないもんね」

穂乃香「それは言わないお約束です」


グツグツ


忍「前々から不思議だったんだけどさ」

穂乃香「はい?」

忍「茹でる時って大体塩入れるじゃん、パスタとか野菜とか」

穂乃香「ああ、確かに」

忍「意味あるのかな?」

穂乃香「パスタはくっ付かなくなるとか、野菜は色が鮮やかになるとか聞きますね」

忍「困った時は検索してみよう」

穂乃香「あ、スマホケース変えたんですか?」

忍「うん、まあ、その、ね」

穂乃香「せっかく可愛いの選んであげたのに」

忍「さすがにアタシもぴにゃ印のケースはちょっと…」

穂乃香「あ、でも枕元に飾ってありますね」

忍「…そりゃ、まあ貰い物だし」

穂乃香「ご利益ありますよ」

忍「なんのだ」


穂乃香「さて、茹で終わったら念入りに潰していきましょう」

忍「調味料は?」

穂乃香「砂糖と塩を適当なタイミングで」

忍「ホントに塩入れるんだ」

穂乃香「ちょっとの塩っけが甘みを引き立たせるんだとか」

忍「そういえばスイカに塩かける人もいるって聞いたことあるけどそれも?」

穂乃香「はい、おしるこに塩を入れたりするのも同じ原理かと」

忍「詳しいね」

穂乃香「勉強しましたから」

忍「料理番組とかも打診してみたら?」

穂乃香「なるほど……踊りながら節約料理を作るとか良いかもしれません」

忍「その番組やってた頃アタシ達生まれてなくない?」


穂乃香「ぴにゃ、ぴにゃ」マッシュマッシュ

忍「結局重労働じゃないか」マシュマシュ

穂乃香「美味しいぴにゃのためです、頑張りましょう」マッシュマッシュ

忍「相変わらずぴにゃ絡みだと恐ろしいバイタリティだね…」マシュマシュ

穂乃香「ぴにゃぴにゃにゃぴぴぴにゃ」ピニャピニャ

忍「いやぴにゃ語喋られても」マシュマシュ

穂乃香「そんなあなたにオススメなのがこちらの秘丹弥心経CD!毎晩寝ながら聴くだけであなたもぴにゃ語がスラスラ話せます!」

忍「何枚買ったの?」

穂乃香「事務所の全員に配れるくらいは」


穂乃香「立派なこしあんが出来ました」

忍「ずんだなのにこしあんって珍しい気がする」

穂乃香「さて、先ほどのお餅をちょっぴり茹でまして」

忍「焼かないんだね」

穂乃香「焼いたら白い肌が台無しですから」

忍「こだわるなぁ…」

穂乃香「ではこちらのお見本通りに」

忍「なぜ自然に出てくるのか」

穂乃香「ずんだをぺたぺた塗っていきましょう」

忍「意外とコイツ緑面積多いんだね」

穂乃香「………」

忍「ダメだ、真剣モードに入ってる」


穂乃香「ふぅ…なかなかいい仕事が出来ました」

忍「あ、終わった?」

穂乃香「なんで雑誌読んでるんですか」

忍「いや、邪魔しちゃまずいかなって」

穂乃香「手伝ってくださいよ」

忍「うわぁすごいクオリティ、穂乃香ちゃんはすごいなぁ。アタシにはとてもできない」

穂乃香「顔にめんどくさいって書いてありますよ」


忍「だいぶ不恰好になっちゃったけど…」

穂乃香「これはこれで趣がありますよ」

忍「あれ、意外と甘口評価」

穂乃香「私そんなに意地悪く見えますか?」

忍「ぴにゃに関しては妥協しないと思ってるよ」

穂乃香「まあそれは準一級ぴにゃソムリエとして当然のことですし」

忍「待ってよさらに上がいるの?」


穂乃香「もちろん綺麗に作ることも大事ですが、忍ちゃんと楽しく作ることの方が重要かな、と」

忍「……穂乃香ちゃん」

穂乃香「ふふっ、ちょっとクサ過ぎましたかね」

忍「それなら前もって連絡取って欲しいんだけど」

穂乃香「はい」


穂乃香「後は色々書いて、くっつけて」

忍「完成!」

穂乃香「YEAAAAAAAH!!」

忍「うぇ~い」

ピシガシグッグッ

忍「何このノリ?」

穂乃香「ノリですよノリ」


穂乃香「では謹んで」

忍「いただきます」

穂乃香「ふむ…なかなかの出来ですね」モムモム

忍「やっぱ作りたては美味しいね」

穂乃香「ええ、まああえて欠点を挙げるとすれば」

忍「うん、アタシも思った」





忍・穂乃香「食べにくいわ(ですね)コレ」


おわり


ハロウィンSSのはずだったのに盛大に遅刻ぶちかましました
お許しください

踊りながら料理を知らない諸兄は
ルミ子と賢也の愛の料理
で検索だ!

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