アスカ「シンジどこー?」主婦「野良アスカだわ。処理頼まなくちゃ」 (44)

シンジ「はい。ネルフです」

主婦『もしもし。ウチのすぐ近くに野良アスカが出て……』

シンジ「分かりましたすぐ向かいます。場所を教えていただけますか?」

主婦「私が見た時は、ちょうどこの辺りに」

シンジ「ありがとうございます。まだ遠くにはいってないでしょうから、ここで待ってみます」

主婦「探さないんですか?」

シンジ「近ければ、向こうから見つけてくれると思うので……」

アスカ「いた! バカシンジ!」

シンジ「あ。もう来た」

アスカ「なにが来たよ間の抜けた顔して。お腹すいたから早くご飯作んなさい」

シンジ「うん。じゃあ一緒においで、アスカ」

アスカ「ふん」

主婦(あっという間……)

シンジ「それでは、ご協力ありがとうございました」

シンジ「ただいま」

アスカ達「「「「「!」」」」」

アスカ「やっと帰ってきたわね」

アスカ「水風呂するからプールに水入れて」

アスカ「水着どこ?シンジ」

シンジ「プールだと水風呂とは言わないような……」

アスカ「細かいわね」

アスカ「細かいこと気にする男はモテないわよ」

アスカ「私昼寝する」

アスカ「で、水着はどこ?」

シンジ「ね、ねえちょっと待ってよ。新しく加わる子を紹介するから」

アスカ「……やかましいトコね、ネルフって」

シンジ「今日からここで暮らすアスカ。皆、えっと仲良くね。お願いだからケンカしないでね」

僕の名は碇シンジ
ネルフという、怪しげな公共機関で実務の一端を任されている
中学生なのに

この街に運ばれてきたグレートマザー『弐号機』から大量発生したアスカ達を
ネルフに回収、保護育成するのも仕事の一つだ


シンジ「はいネルフです」

爺さん『あのー。俺んとこの畑の野菜を勝手に食ってるマリがいてだな』

シンジ「野良マリですね。分かりましたすぐ向かいます」

シンジ「……」キョロキョロ

爺さん「じっとしてていいんか?」

シンジ「真希波―――あ、マリ種につけてるコードです。大抵、真希波のほうが寄ってくるので」

爺さん「そらすげえなあ」

マリ「あっ見っけ! ワンコ君だワンコ君」

マリ「クンクンクンクン。はぁぁ、いい匂い」

シンジ「ま、真希波。外であんまりクンクンしないでよ」

マリ「どこならオーケー?」

シンジ「僕と一緒にネルフに行こう。そこでなら、まぁ、なんとか」

マリ「ふむ。じゃあついてく」

爺さん「ほー、見事なもんだ」

シンジ「ご協力感謝します。それでは失礼します」

シンジ「ただいま」

マリ達「「「「「!」」」」」

マリ「キタキタ。待ちくたびれたにゃ」

マリ「匂いかがせてーワンコ君」

マリ「クンクン。クンクン」

マリ「クンクン。クンクン。はぁぁ~」

シンジ「あっ、あの! まずは今日から入る子の紹介……って、あれ?」

マリ「クンクン。クンクン」

シンジ(もう馴染んでる……)

トウジ「殴らな…殴らな…」

主婦「野良トウジだわ」

僕の名は碇シンジ
ネルフという、怪しげな公共機関で実務の一端を任されている
中学生なのに

どこからともなくこの街に湧いてくるようになった新種の固有種、マリ達を
ネルフに回収、保護育成するのも仕事の一つだ


シンジ「はいネルフです」

JK『もしもし、すみません。えっとあの、学校裏の森に野良レイがいるみたいで』

シンジ「森に? 分かりましたすぐ向かいます」

シンジ「……結構広い森ですね」

JK「はい。多分ここのどこかに……私以外にも、何人か生徒に目撃者がいて」

シンジ「探してみます」

JK「だ、大丈夫ですか? まさか私、私より年下の子が一人で来るなんて思ってなくて……」

シンジ「なんとか。いつもの事ですから」

JK「仕掛けとかでおびき寄せるわけじゃないんですね」

シンジ「ええ。綾波(レイ種のコード)はアスカや真希波と違って、こちらから見つけてあげないといけないんです」

こいつ直接脳内に…!

シンジ(どこかなー)ガサガサ

シンジ「……あ」

シンジ(枝に包帯が巻いてある。自分の縄張りを示す綾波の習性……じゃあこっちの奥かな)

シンジ「……」ガサガサ

レイ「……」

シンジ「いた。綾波」

レイ「……」

レイ達「「「「!」」」」

レイ「…」

レイ「…」

レイ「…」

シンジ「一人?」

レイ「……」

シンジ「綾波、ネルフにおいでよ。そこなら食料にも寝床にも困らないから」

レイ「……いい」

シンジ「どうして……?」

レイ「私には、何もないもの。それに、死んでも代わりはたくさんいるわ」

シンジ「そんなことない。綾波が何人いたって、一人一人が大事な命じゃないか」

レイ「……帰って。碇君」

シンジ「綾波!! 来いッッッ!」

レイ「!」

ガサガサ…

JK「いたんですか?」

シンジ「はい、なんとか無事見つけられました。待たせてしまってごめんなさい」

レイ「……」

JK(ネルフの人の裾つかんでる……懐いてる? それにしても)

JK「レイって、近くで見るとこんな可愛いんですねえ」

シンジ「はは。では失礼します。ありがとうございました」

シンジ「ただいま」

レイ達「「「「「!」」」」」

レイ「おかえりなさい碇君」

レイ「碇君」

レイ「紅茶、いる?」

シンジ「うん、淹れてくれたら飲む。ありがとう。ちょっとその前に一人紹介したいんだ」

レイ「……」

シンジ「この子が今日連れて来た綾波。色々教えてあげて」

レイ「ええ」

レイ「命令ならそうするわ」

シンジ「命令っていうかお願いだけど。綾波は一番話聞いてくれるから助かるよ、ホントに」

僕の名は碇シンジ
ネルフという、怪しげな公共機関で実務の一端を任されている
中学生なのに

街に古くからある遺跡にしてグレートマザーでもある『リリス』が生み出す綾波達を
ネルフに回収、保護育成するのも仕事の一つだ

他スタッフの助けがあるとはいえ、彼女達の食事、洗濯、掃除などを
日々こなしていくのは簡単じゃない
給与だって、決して多いというわけじゃないし(中学生だからいいけど)

ただ、それでもこの仕事を辞められない理由がある
一つは、なんでだか三種とも僕によく懐いてくれること
もう一つは、僕が中学生で、仮にも男子で、つまり色々とアレなモニョモニョ


アスカ「ねえシンジ。キスしよっか?」

俺「あ!野良レイだ!」
俺「野良レイた~ん」
野良レイ「!」
俺「ゲット!」
野良レイ「……」
俺「野良レイたん飼ってあげるからね~新しいおうちいこうね~」
野良レイ「」フルフル
俺「はい、いこうね~野良マリとかもいるからさびしくないよ~」

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