友「どうした急に」
男「やっぱ男の夢じゃん?」
友「まあそうなんだろうけど。現実問題無理だろ」
男「何故そう言い切れる」
友「なに、じゃあ頼めるやついるの?」
男「いるわけねぇだろ」
友「ならどうすんのさ」
男「わからねぇから相談してんだろ」
友「知らねぇよ。土でも食ってろ」
男「んなもん食ったら喉乾くだろが」
友「いやそこじゃねぇよ」
男「あ~あ、どっかに落ちてねぇかな。女の子の手料理」
友「お前それただのゴミだぞ」
男「もう女の子が作ってるのならそれでもいい」
友「新手の廃品回収か」
不良女「おい」
友「ん?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1478150608
不良女「そこ、あたしの席なんだけど」
友「ああ、そっか。ごめんね」スクッ
不良女「……別に」ストン
男「……」
不良女「……んだよ。なんか文句あんの?」
男「いや、特に」
友「ちょっと、男」
不良女「ならじろじろ見てくんじゃねぇよ」
男「……ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
不良女「あ?」
男「不良女さんって、料理作るの?」
不良女「……は?」
友「うぉぉぉいちょっとちょっと! なに聞いてんのさ!?」
男「いや、なんか気になって」
友「気になってじゃねぇよ!!」
不良女「関係ねぇだろテメェには」
男「そうか……そうだな。すまん」
不良女「……おう」
友(えっ? ナニコレ。誰か助けて)
友「ちょっと、何してんの?」ボソッ
男「だってこれしかないだろ」
友「どうやったらそうなるんだよ」
男「俺は手料理が食べたいんだ。でも作ってくれる人がいないんだ。
なら頼むしかねぇだろ!!」
友「色んな段階飛ばしすぎだろ」
男「一から親密な関係作り上げてたら寿命で死んじまうだろうが」
友「どんだけ仲良くなれねぇんだよ。人生終わってんじゃねぇか」
男「コミュ障だぞ!?」
友「知らねぇよ。いや知ってるけど」
友「ってかいきなりあんなこと聞ける奴はコミュ障じゃねぇよ。別のもっとヤバイ何かだよ」
男「もうそれでもいい」
友「まじかお前。廃品回収の次は変質者か。忙しいなおい」
男「いやゴミ食ってる時点で変質者だろ……」
友「なんだその呆れた顔。お前のことだぞ」
男「とにかくだ。俺はこの作戦でいくことに決めたからな」
友「嘘だろ。友達やめようかな」
不良女「さっきから何ボソボソ言ってんの?」
友「いや、あの、これは……」
不良女「文句あるならさっさと言えば? そういうの一番腹立つんだわ」
男「ひぃっ」
友「何お前がびびってんだよ!」
不良女「……」
友「いや、あのー……えっと」
友「このバカがですね? 人生で一度は女の子の手料理を食べてみたいと……」
不良女「はぁ?」
友「で、でですね、何を思ったのかいきなり不良女さんに普段料理をするのかと問うた訳でして……」
不良女「なにそれ……あたしに料理作れってこと?」
友「いや、ですよね、ホントごめんなさいね。気持ち悪いっすよね」
男「僕に一生料理を作ってください」
友「いやもうお前頼むから黙ってろ。頼むから」
不良女「……」
不良女「……ちなみに、それなんか見返りあんの?」
友「へぁ?」
男「2000円までなら出す」
友「へぁ!?」
不良女「よし乗った」
友「へぁぁぁ!?」
友「えっ!? 嘘だろ!? まじかよおい!!」
不良女「別に……あたしいっつもお弁当作ってるし。親父の分も作ってるし、一人増えたくらいどうってことねぇよ」
不良女「それだけで2000円も貰えるなら儲けもんだ」
友「お、おい! すげぇぞ男! 良かったなおい!!」
不良女「た、ただ、一生は作らねぇからな! そこは覚えとけよ!!」
友「なにそれかわいい」
友「おい! 男! 男って!」
男「えっ? 何? 今円周率数えてんだから終わってからにして?」
友「いやそれ終わらねぇやつだから! 落ち着け!!」
男「えっ? ホントにいいの?」
不良女「だからそう言ってるだろ。明日でいいのか?」
男「やったぁぁぁ!! 明日でいいっす! むしろいつでもいいっす!
それまで何にも食わずに待ってるんで!!」
不良女「お、大袈裟なんだよ……たかが弁当一つじゃん」
男「男の夢だからな。それもこんなにかわいい子に作って貰えるなんて」
不良女「なっ……う、うっせぇよボケ」カァ
友「なにそれかわいい」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません