友「……いるんだ」

女「いちゃ悪いかよ」

友「うぅん……少し意外だったけど」

女「とにかく、私の話はいいんだよ」

友「誰なの？」

女「あ？」

友「好きな人って、誰なの？」

女「……」

友「……」

女「……そこまで教える義理はない」

友「……じー」

女「……ぎろっ」

友「……私の教えても、ダメ？」

女「えっ」

女（……気にはなる。いや、かなり知りたい）

友「……」

女「最初からそういう交換条件を出すつもりだったのか？」

友「……別にそういうわけじゃないけど」

女「むー……」

女「……条件がある」

友「……何？」

女「そっちから先だ」

友「……ん」

女（聞きだしたら適当に逃げちまおう）

友「……」

女「ん？どうしたんだ、顔が近いぞ……」

友「……つんつん」

女「何してんだよ」

友「……鈍感？」

女「何がだ」

友「……ん」

女「は？え、ちょっ……まっ……」

友「……むぐぐ」

女「何やってんだ、お前」

友「……伝わってなかったようなので」

女「……」

友「……」

女「……マジ？」

友「……こくん」

友「……約束」

女「は？」

友「約束、守って」

女「ん……と、だな」

女（……適当な事言って誤魔化せる雰囲気じゃなくなっちまった）

友「……じー」

女「ぅぐ……」

女「……っ」

友「……いたひ」

女「……あ」

友「……何で鼻の頭にでこぴん？」

女「これは、その……」

女（……逃げろっ）

友「……あっ」

女「……はぁ……はぁ」

友「……」

女（……自分の足の遅さを忘れてた）

友「……なんで、逃げるの？」

女「あ……ぅ」

友「……？」

女（……あぁもう）

女「あー、もう！」

友「っ」


女「可愛いな、畜生この野郎！」

友「……」

女「私が好きなのは……好きなのはなぁ……」

友「……んー」

女「むぐっ……ん……」


友「……ちゅるっ」

女「ぷぁっ……」

友「……」

女「……」

友「……答えは？」

女「お、おまっ」

友「……じー」

女「……むぅ」

女（これが惚れた弱みというか、先手有利というか、なんというか……）

女「……きだ」

友「……ん」

女「私はお前が好きだ！これで満足か！」

友「……」

女「……ふぅ」

友「……満足できない」

女「えっ」

友「……わきわき」

女「なっ……ちょ、ちょっと待って……」

友「……今までずっと我慢してきたんだもん」

友「待てない」

女「―――っ」