佐倉「野崎くんとたかいたかいマウンテンに行くことになった」 (44)

佐倉「野崎くんと二人きりでどこかに行けるなんて……なんて幸せ!!」

佐倉「これで野崎くんとの距離がちょっとでも縮まれば……」ブツブツ

野崎「佐倉、何やってるんだ?」

佐倉「な、なんでもないよ!!」

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数日前

佐倉『山登り?』

野崎『ああ、恋愛ネタになると思ってな』

野崎『力を合わせて二人で登る鈴木とマミコ……そして頂上に着いたらやまびこで『好きだ』とお互い叫ぶ』

野崎『……というところまでは考えたんだが……山登りの心情とかをちゃんと描くには実際に登ってみないと分からないと思ってな』

佐倉『な、なるほど……』

野崎『だが困った……鈴木とマミコの話を描くのだから御子柴と一緒に行こうと考えてたんだ』

野崎『だけど御子柴はその日は出かける用事があるそうでな』

佐倉(!! ま、待って!! これってもしかして……)

野崎『だから日にちを変えようと……』

佐倉『の、野崎くん!!!』

野崎『なんだ?』

佐倉『わ、私が……代わりになっても……いいかな?』














佐倉(そして今に至る!!!)

佐倉(楽しみだなぁ……どんな山登りになるんだろお……)

野崎「よし、出発だ」

佐倉「うん!!!」

野崎「佐倉、あれを見てくれ」

佐倉「『あれ』……?」

佐倉「……!! な、何あの四角いの!!?」

野崎「あれはバッタブロックだ」

佐倉「ばったぶろっく?」

野崎「ああ、あの箱を掴むと物凄い勢いで跳ねるんだ」

佐倉「ええっ!?そんなブロックがあるの!!?」

野崎「ああ……あれを何か漫画のネタに使えないだろうか」

野崎「……!! そうだ……」

マミコ『私……鈴木くんを見てると……ドキドキする』

マミコ『私の心……バッタブロックみたいに跳ねてるみたい』













佐倉「……もっといい例えがあると思うよ」

野崎「……そうだな」

佐倉「の、野崎くん!! 大きな穴があるよ!!」

野崎「ああ、ここは走り幅跳びをすれば行ける」

佐倉「走り幅跳び!!?」

野崎「そうだな……佐倉にはちょっと厳しいかもな」

佐倉(ど、どうしよう!! 早速足手まといになっちゃっうよ!!)

佐倉「で、でも!! 壁を登ればなんとか……」

ヒョイ

佐倉「うわわ!!?」

野崎「俺がおんぶしよう」

佐倉「ええっ!?」

佐倉(そんな……こんな序盤で……ビッグイベント!!?)

佐倉「の、野崎くんは大丈夫なの!?///」

野崎「ああ、俺は平気だ。 この距離ならなんとかなる」

野崎「佐倉、しっかり掴まっててくれ」

佐倉「う、うん!!」

野崎「それ」ピョン

佐倉「うわあっ!!?」

野崎「……ふう。 なんとかなったな」

佐倉「あ、ありがとう……」

佐倉「……」

佐倉(野崎くんの背中、あったかいなぁ///)

野崎「さて、ここにあるのはおばけキノコだ」

野崎「たかいたかいマウンテン名物で山頂まで行かずにこれを見るためにここにくる人も少なくない」

野崎「因みに食べることはできないそうだ」

野崎(……佐倉のリボンの柄と似ているな)

佐倉「……」

野崎「……佐倉、いつまで俺の背中にしがみついてるんだ?」

佐倉「!!! ご、ごめん!!!」

野崎「よし、引き続き登って行こう」

佐倉「うん!!!」

野崎「……!! どうやらチョロプー地帯に来たみたいだ」

佐倉「チョロプー地帯?」

野崎「ああ、あそこに沢山穴があるだろう?」

野崎「あの穴には土竜のチョロプーが住んでるんだ」

チョロプー「……」ヒョコ

佐倉「あ!! もしかしてあれがチョロプー!!?」

野崎「ああ」

佐倉「うわあ……可愛いなぁ……」

野崎「……」













マミコ『恥ずかしい……私……穴があったら入りたいよ……』













野崎「……」

野崎(わざわざ山登らなくても穴があったら思いつくネタだな)

野崎「さて、先に進もう」

佐倉「うん!!」

??「すげえ!! ここはやっぱり天国だぜ!!!」

佐倉「!!」

野崎「……?? どこから声が……」

佐倉「チョ、チョロプーの穴から聞こえるよ!!」

??「限定フィギュアがいっぱいだ!!」

佐倉「待って野崎くん!! この声って……」

??「苦労してここまで来た甲斐があったぜ!!」ヒョコ

佐倉「……あ!!!」

野崎「……御子柴?」

??→御子柴「は、はぁ!!? なんでお前らがいるんだよ!!?」

野崎「なるほど、用事というのはたかいたかいマウンテン限定のフィギュアを買うことだったのか」

御子柴「そういやお前には限定フィギュアを買うとしか言ってなかったな……」

野崎「俺も『出かけないか?』 としか言ってなかったしな」

佐倉(ど、どうしよう……みこりんがいるってことは……私はもういらないのかな……)

野崎「お前も山頂まで行かないか?」

御子柴「はぁ? 俺がか? なんでそんな面倒くせえことを……」

野崎「……どうも俺達二人じゃ登れるか不安でな。 お前がいないと登れないかも分からない」

御子柴「……へっ、いいぜ。 そこまで言うなら付き合ってやるよ……山登りにな!!」

野崎「これでなんとかなったな、佐倉」ボソッ

佐倉「そ、そうだね……でも私も来ていいのかな?」

野崎「? 当たり前じゃないか。 それに佐倉にも来てほしいしな」

佐倉「!!!」ドキッ

佐倉(そ、それってつまり……)

野崎「俺が描く担当なんだから鈴木役がいないと駄目だろう」

佐倉「私が鈴木くんなの!?」

御子柴「よし!! 行くぜお前ら!!」

佐倉「う、うん!!」

野崎「……!! 待ってくれ御子柴、確かこの先にはホルヘイがいる。 気をつけてくれ」

御子柴「ほ、ホルヘイ?? なんだよそれ」

野崎「チョンマゲを生やした謎の生命体だ。 そいつに投げ飛ばされて怪我をする人が続出している」

御子柴「は、はぁ!!?」

野崎「とりあえずホルヘイに捕まったら一巻の終わりだ。 速く先に行こう」

ガシッ

野崎「……御子柴? なんで俺の服を掴んでるんだ?」

御子柴「そんな話を聞いた後で掴まらずにいられるかよ!!」

御子柴「怖えよ!! 行きたくねぇよ!!」

佐倉「駄目だよみこりん!!!」

御子柴「!! 佐倉……」

佐倉「しがみつくなら私にしてよ!!」

御子柴「なんでだよ!!」

野崎「そうだぞ御子柴」

御子柴「なんでお前も同調してんだよ!!」

御子柴「とにかく!! 俺はぜってえ行かねえからな!!」

佐倉「みこりん……」

野崎「困ったな……このままではネタが……」

ドカーン!!

野崎「!!」

佐倉「な、何の音!!?」

ホルヘイ「……」

御子柴「うおおっ!? なんだこのでけえの!!」

野崎「!! こいつは……ホルヘイ!!」

野崎「気絶してる……一体誰が……?」

??「思ってたより弱かったなー」

野崎「……!! お前は……」

佐倉「結月!!」

瀬尾「あ、千代!! それに野崎とイケメン!!」

野崎「お前はどうしてここにいるんだ?」

瀬尾「いやさ、山につえーやつがいるって聞いてさ。 面白そーって思ってやって来たの」

瀬尾「けど後ろから掴んで投げたらすぐやられちゃってさー。 なんか拍子抜けしちゃった」

御子柴「すげえなお前……」

野崎「瀬尾……よかったらお前も山登りに付き合ってくれないか?」

瀬尾「へ? なんで?」

野崎「ここから先は登るのが困難でな……お前の力が必要になってくるかもしれないんだ」

佐倉「確かに結月ならスイスイ登れそうだね!!」

瀬尾「しょーがねーなー。 要するにあんたらの山登り手伝えばいいんだろ?」

野崎「ああ」

瀬尾「よっしゃ!! そうと決まれば行くぜ!!」ダッ

佐倉「ま、待って結月!! 速いよ!!」

御子柴「一人だけ行けばいいってもんじゃねえぞ!!」

野崎「……瀬尾ならあらゆる敵を蹴散らしてくれると思ってたが……やはり駄目だっただろうか……」

瀬尾「なんだよー、みんな遅えなー」

御子柴「お前が速すぎるんだよ!!」

佐倉「はぁ……はぁ……」

野崎「佐倉……大丈夫か?」

佐倉「う、うん!! 大丈夫!!」

野崎「……!! 待て佐倉、リボンはどうした?」

佐倉「へ? リボン……?」

佐倉「……あっ!! ない!! いつの間にかなくなってる!!!」

瀬尾「走ってる途中で落としたんじゃねえの?」

御子柴「おい瀬尾、盗んでねえだろうな」

瀬尾「は? 盗んでないけど私」

野崎「いや、瀬尾ならあり得る」

瀬尾「いや、だから盗んでないって」

佐倉「結月、正直に言うなら今の内だよ?」

瀬尾「お前らひどくね?」

ワッキィ「ウッキィ!!」

佐倉「あ!! あのお猿さん、私のリボン持ってる!!」

野崎「あれは……イタズラ猿、ワッキィ!!」

御子柴「なんとか佐倉のリボンを取り返さねえとな……」

野崎「近づこうとすると逃げるからな。 素早く捕まえるか、何かで気を引かせてその間に捕まえるかのどっちかだな」

御子柴「……よし、だったら俺に任せろよ」

佐倉「みこりん……何かいい案があるの?」

御子柴「……おい猿!!」

ワッキィ「!!」

御子柴「大人しくその奪ったリボンを返さねえと……今度は俺がお前のハートを奪っちまうぜ?」

ワッキィ「……」

野崎「因みにオスだそうだ」

御子柴「そういうことは速く言うか内緒にしろよ!!///」

瀬尾「つっかまえたー!! はい千代」

佐倉「ありがとう結月!!」

野崎「さて、なんとか順調に進んでるが……」

野崎「な……何!!?」

佐倉「どうしたの野崎くん!!?」

野崎「忘れてた……ここから先は丸太地帯……動く丸太でバランスをとりながら進まないといけないんだ。 下手をすれば命を落としかねない」

御子柴「はぁ!!? ふざけんなよ!! ぜってえ行かねえよ!!!」

佐倉「ひ、引き返そうよ野崎くん!! そこまでして頂上まで行く必要はないよ!!」

野崎「そ、そうだな……家に近いという理由でたかいたかいマウンテンを選んでしまったが……後日別の山に……」










瀬尾「あははは!! すっげー楽しいこれ!!」ゴロゴロ

野崎「瀬尾!!!!」

瀬尾「ねぇねぇ!! みんなも速く乗ろうぜ!!」

御子柴「……あいつの頭の中には恐怖って言葉はねぇのかよ」

ガシッ

御子柴「は!?」

瀬尾「ほら! 行こうぜイケメン!!」

御子柴「ちょっ……おい!! 離せよ!! 怖えよ!!!」

佐倉「み、みこりんと結月が行っちゃった!!」

野崎「……俺達も行くぞ佐倉」

佐倉「ええっ!!?」

野崎「マミコは鈴木一筋!! ほかの男とくっつくなど言語道断!!」

野崎「大丈夫だ!! 俺がおんぶする!!!」

佐倉「う、うわああああああああ!!!」

野崎「なんとか渡れたな……」

佐倉「う、うん……ありがとう……」

御子柴「死ぬかと思ったぜ……」

瀬尾「いやー楽しかったなー」

御子柴「ちっとも楽しくねぇよ!!」

野崎「……とりあえずここで一旦休憩しよう」

瀬尾「何言ってんだよ、先進まないと」

御子柴「元気すぎるだろお前!! ちっとは周りに合わせろよ!!!」

ガン!!

御子柴「いてっ!!」

佐倉「みこりん!!!」

瀬尾「鉄球地帯だからここで休憩してたらマズイから先進もうって言ったのに」

御子柴「お、おう……」

その先にある幅跳び地帯も攻略した野崎一行。

瀬尾「幅跳び楽勝!!」

野崎「まさか佐倉をおんぶした後に御子柴をおんぶ……二往復するとは思わなかったな……」

御子柴「うるせえな!! できねえもんはできねえんだよ!! 寧ろお前ら、よく飛べるな!!」

佐倉「け、喧嘩はやめよう!! ね!?」

御子柴「!! わ、わりいな……」

野崎「……」












鈴木『僕はマミコが怒ってる姿なんて見たくないんだ!!』

マミコ『鈴木くん……』











野崎「ありがとう、二人とも」

佐倉「ど、どういたしまして!!」

御子柴「??」

瀬尾「うわーすげーー!! なんだあれ!!」

佐倉「どうしたの結月?」

ヒューヒュー「……」

御子柴「なんだこの顔がついてる雲!!?」

野崎「!! ヒューヒュー……まずい佐倉!!」

佐倉「へ?」

ヒューヒュー「……」ゴオオオオ

佐倉「うわあっ!!!?」

野崎「俺の手に捕まれ!!」

ガシッ

野崎「大丈夫か!?」

佐倉「う、うん……」

野崎「この雲は強風を出してくるんだ」

野崎「身軽なお前のことだ、俺が掴んでなかったら飛ばされてもおかしくなかった」

佐倉「あ、ありがとう……」

佐倉(だからいきなり手を繋いでくれたんだね)

佐倉(……あったかかったなぁ///)

瀬尾「あれ……千代、またリボンなくなってる」

佐倉「えっ!!!?」

野崎「どうやらヒューヒューに吹き飛ばされてしまったようだな……」

佐倉「そ、そんな!!」

御子柴「どうすんだよ……探しようがねぇんじゃねえのか?」















たかいたかいマウンテン・麓

鹿島「着きましたよ堀先輩!! たかいたかいマウンテンです!!」

堀「でけえな……」

堀(こいつは背景の参考になるな)

堀「……よし、行ける所まで登るか。 鹿島、手を抜くんじゃねえぞ」

鹿島「はい!!」

堀(お前の登ってる様を撮る……山中で背景として使えそうなのも撮る……これが今回の山登りの目的だ)

鹿島(堀先輩が登山マニアだったなんてなぁ……)

ヒラヒラ……

堀「ん?」

鹿島「空からなんか降ってきましたね」

堀「なんだこれ……なっ!!?」

鹿島「こ、これ……千代ちゃんのリボンですよ!!!」

堀「なんで佐倉のリボンがこんなとこに……」

鹿島「偶々千代ちゃんと同じリボンをつけてた人が落としちゃったとか……?」

堀「それか佐倉がマジで落としたかもな……」

堀「……一応確認してみるか」

鹿島「確認?」
















佐倉「私のリボン……」

瀬尾「千代ーもう諦めようぜ? また今度同じの買おう?」

プルルルル……

佐倉「!! 電話だ……誰からだろう……」

佐倉「……!! 堀先輩からだ!!」

ピッ

佐倉「さ、佐倉です!!」

堀『なぁ佐倉、ちょっと聞きたいことがあるんだけどよ……』

佐倉「な、なんですか?」

堀『お前今、たかいたかいマウンテンにいるのか?』

佐倉「ええっ!? な、なんで分かったんですか!!?」

堀『実はな。 今、俺と鹿島は麓にいるんだけどよ……丁度空からお前のリボンが落ちてきてな』

佐倉「ええっ!!? じゃ、じゃあ……堀先輩は今、私のリボンを持ってるんですか!!?」

堀『おう』

佐倉「あ、ありがとうございます!!!」

堀『これから登るからよ、追いついたら渡すな』

佐倉「はい!!」

堀『うちの鹿島のことだから後ろ幅跳びしながら登れるだろうぜ』

佐倉「登れないですよね!?」

鹿島『うーん……頑張れば……』

佐倉「できるの!?」

佐倉「はい!! 分かりました!! ……ありがとうございます!!」

ピッ

瀬尾「千代、堀ちゃんはなんて?」

佐倉「私のリボン、拾ってくれたって!!」

瀬尾「マジか!!」

佐倉「そうだ!! 野崎くん達にも知らせないと!!」

佐倉「野崎くん!! みこりん!!」

シーン……

佐倉「……あれ?」

瀬尾「野崎もイケメンもいなくなってんじゃん」

野崎「……うーん」

御子柴「おい!! 起きろ野崎!!」

野崎「御子柴……? 待て、ここはどこだ?」

御子柴「俺が聞きてえよ!!」

野崎「俺達は確か壁に寄りかかろうとしたら壁が透けて……」

御子柴「どうなってんだよこの山はよぉ!!」

シューン……

御子柴「おい!! また誰か来たぞ!!」

野崎「まさか……佐倉達か?」












若松「また失敗した……」

野崎「若松!!」

御子柴「お前……なんでこんなとこにいるんだよ!!?」

若松「の、野崎先輩!!? それに御子柴先輩も……」

野崎「なるほど……部活の一環で山で体力作りをしていたらここに来ちゃったというわけか」

若松「はい……壁に寄りかかったらここに……」

御子柴「お前もか……」

若松「とにかくこのスライダーをクリアしないと……」

野崎「スライダー?」

若松「はい、このマウンテンスライダーを最後までクリアしないとここから出られないって看板が……」

野崎「……本当だ」

若松「何回もやってるんですけど途中で落ちちゃって……」

野崎「……よし、俺達も頑張ってクリアしよう」

御子柴「……おう」
















野崎「……」サーッ

御子柴「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ!! 怖えよ!! 怖えよおおおおおおお!!!!」サーッ

若松「大丈夫です御子柴先輩!! 慣れです!!」サーッ

若松「そうだ!! 俺に掴まってください!! そうすれば……」サーッ

御子柴「お、おう!! わりいな……」ガシッ

若松「野崎先輩は大丈夫ですか!?」

野崎「……」
















和歌『大丈夫!! 何かあったら私に言って!!』

マミコ『和歌ちゃん……ありがとう!!』














野崎「……」スラスラ

若松「この状況でメモ!!?」

御子柴「すげえなお前!!!」

御子柴「大分滑ったぞ……」サーッ

若松「多分もう少しで終わりです!! ……うわっ!!?」

御子柴「若松!!! ……やべえ、落ちそうだアイツ!!!」

野崎「若松!! ここで落ちなかったら俺が一回だけ瀬尾から守ってやる!!!」

若松「はい!!」キュイ!!!

御子柴「すげえ方向転換したぞお前!! つーなそんなに瀬尾嫌いなのかよ!!」

若松「はい!!!!!」

鹿島「堀先輩!! ここ、ショートカットできそうですよ!!」

堀「確かに……ここは登れそうだな。 赤い硬貨が所々にあるのが気になるけど」

堀「そんじゃ登るか」

鹿島「先輩……先に登るんだったら恥ずかしがってもいいんですよ?」

堀「は? なんだよ急に」

鹿島「ヒロイン志望なら下から『スカート見ないでよ』みたいな台詞を……」

堀「……」













鹿島「ああ!! ちょっと!! ここでジャイアントスイングはまずいですって!! 落ちますよ!!」

堀「そのまま俺に投げられて爆弾にでも当たってろ」ブンブンブンブン!!

数分後

堀「佐倉!!」

佐倉「! 堀先輩!!」

鹿島「あ!! 先生もいたんだ!!」

瀬尾「よー鹿島」

堀「ほら、リボンだ」

佐倉「ありがとうございます!! 本当にありがとうございます!!!」

瀬尾「ねーねー。 二人とも野崎探し手伝ってくんない?」

鹿島「野崎探し?」

佐倉「うん。 さっきまで野崎くんとみこりんがここにいたんだけど……ちょっと目を離したらいなくなってて……携帯も繋がらなかったし……」

堀「おい、まさか……落ちたとかねぇよな?」

佐倉「そ、それは絶対にないです!! 落ちたらすぐに気づきます!!」

堀「そうか……よし鹿島、俺達も探すぞ」

鹿島「はい!!」

御子柴「……はーっ!! やっとクリアしたぜ!!!」

若松「なんとか外に出れたみたいですけど……ここは一体……?」

野崎「上を見る限りだと……ここはホルヘイがいる所の下だな」

御子柴「はぁ!!? めっちゃ下ってるじゃねえか!!」

若松「それよりもどうやって降りるんですか?」

ゴオオオオ……

野崎「風に乗るしかない」

御子柴「ふざけんな!!!」

若松「あ!! でも聞いたことあります!! たかいたかいマウンテンの風は人が浮かぶ程の勢いがあるって……」

御子柴「マジかよ……」

若松「この風に乗って上の地面に乗ればいいんですね」

野崎「ああ……とにかく今の俺達は風に乗るしか選択肢はないんだ。 行くぞ」

若松「はい!!!」

御子柴「お、おい!! 待てよ!!! 心の準備が……」

数分後

野崎「御子柴……まだか? 後はお前だけなんだが……」

若松「気持ちは分かりますけど……」

御子柴「お、お前ら頭おかしすぎるだろ!!」ガクガク

御子柴「こんなん躊躇なく飛び込めるわけねーだろ!!」ブルブル

野崎「……」











マミコ『いやだよ……私……何もできないよ……』

マミコ『怖い……助けて……鈴木くん……』











野崎「もう少し怯えるとよりよいな」

御子柴「こんな状況で何言ってんだお前は!!」

プルルルル……

野崎「佐倉から電話だ……」

若松「そういえばスライダーの所だと圏外になってましたね」

ピッ

野崎「もしもし」

佐倉『よかった!! やっと繋がった!!』

野崎「佐倉、心配をかけてすまなかった。 俺なら大丈夫だ」

佐倉『本当!!? ならよかった!! 今はどこにいるの!!?』

野崎「瀬尾と合流した場所だ。 これからそっちに急いで行く」

佐倉『ゆっくりでいいよ!! 無理しないで!!』

野崎「ああ」

ピッ

御子柴「見ろ野崎!! 来れたぞ!! 風に乗れたぜ!! 一人でな!! 見てたか!!?」ニコニコ

野崎「すまない、電話していて見てなかった」

御子柴「おい!!! ……若松は見てたよな!!?」

若松「すいません、うっかりローレライさんのBGMを流して寝てしまって……」

御子柴「」

10分後

野崎「佐倉!!」

佐倉「野崎くん!!!」

瀬尾「あれ、若もいるじゃん!!」

若松「ええっ!? なんで瀬尾先輩がここに!!?」

鹿島「やっほー御子柴!!」

御子柴「お前も来てたのか……」

堀「まさか七人共この山に来てたなんてな」

若松「部活のみんなが俺を待ってるから速く行かないと……」

野崎「そうか、若松は部活の途中だったな」

瀬尾「なんで私に部活で山に行くって教えてくれないんだよー」

若松「教えたら来るからですよ!!」

野崎「もう少しで頂上だ。 慎重に進もう」

堀「そうだな」

佐倉「頂上が見えて来た!!」

御子柴「やっとか……」

瀬尾「あ!! チョウチョ!!」ダッ

若松「まだ走れる元気があるんですか……」

野崎「……ん? 待てよ、チョウチョ……」

堀「どうした野崎」

野崎「……危ない瀬尾!! そのチョウチョは爆発する!!」

瀬尾「えっ、キノコくれたけど」

野崎「!! よかった、当たりか……」

佐倉「野崎くん、どういうこと?」

野崎「ここにいるチョウチョは触れようとすると爆弾に変化して爆発するらしいんだ」

御子柴「なんだよそのチョウチョ!!」

野崎「ただし三体に一体の頻度で美味しいキノコをくれるらしい」

鹿島「あっ、私の周りにチョウチョ二体いる」

堀「!!! 鹿島危ねえ!!!」

鹿島「……僕は君のありのままが見たいんだ、爆弾という偽りの姿じゃなくてね」

チョウチョ×2「///」

佐倉「チョウチョがデレた!!?」

堀「鹿島の顔はチョウチョにも通用するってことか……」

野崎「堀先輩、顔が凄い嬉しそうですね」

野崎「やっと……着いたな……」

佐倉「うん……やっと着いたね……」

御子柴「頂上……長かったな……」

部員「おい!! 若松が来たぞ!!」

若松「お、遅れてすいません!!!」

瀬尾「よーお前らー!!」

部員「げえっ!? 瀬尾もいる!!?」

鹿島「どうですか堀先輩!! 登りきった感想は!?」

堀「ああ……最高だぜ」

堀(いい背景と鹿島が撮れた)

野崎「折角頂上まで来たしやまびこでもやらないか」

佐倉「そうだね!!」

瀬尾「若のアホーーーーー!!!」

若松「大声で何言ってるんですか!!?」

若のアホー……アホー……

瀬尾「あははは!!! 面白れー!!」

若松「……ローレライさん大好きでーーーす!!!」

瀬尾「お、お前も大声で何言ってるんだよ……」

好きでーす……好きでーす……

瀬尾「……」

若松「なんで先輩が大人しくなるんですか!!?」

鹿島「受験頑張れーーーー!!!」

頑張れー……張れー……

堀「ありがとな……けどそんなんいちいちやまびこで言わなくてもいいだろ」

鹿島「まあまあ!! いいじゃないですか!! ほら、堀先輩も何か言いましょうよ!!」

堀「そうだな……やっほーとかでも言っとくか」

鹿島「『スカート欲しい』とかはどうですか?」

堀「鹿島あああああああ!!!!」

鹿島ー……島ー……








鹿島「いてて……頭叩かれた……」

御子柴「……」

鹿島「あれ、御子柴はやまびこやらないの?」

御子柴「へっ……そんなションベンくせえこと、誰がやるかよ」

部員「一番声でかかったやつは土竜の穴ん中で買った変なフィギュアあげるぞーー!!」

御子柴「やるに決まってんだろ!!!!」

部員「御子柴、やる気満々だな」

御子柴「言っとくけど欲しいわけじゃねえぜ? オークションに出品して金をもらう為さ☆」

御子柴(あれは金が少なくて止むを得ず買えなかったやつ……絶対手に入れるぜ!!)

佐倉(自分のコレクションにするんだろうな……)

野崎「佐倉、俺達も何か言わないか?」

佐倉「そ、そうだね!! 何言おうかな……」

佐倉「……!!!」

佐倉(積極的によ……千代!!!)

佐倉「……」スウウ

野崎「……!!」













佐倉「好きーーーーーーーーーー!!!!」

御子柴「佐倉!!?」

鹿島「千代ちゃん!!?」

堀「お前……マジか?」

瀬尾「えっ、好きなやついるの千代」

若松「だ、誰に言ったんですか?」

佐倉「な、内緒!!!///」

野崎「佐倉……一体誰に……」

佐倉「……今日の私、鈴木くんでしょ?///」ボソボソ

野崎「!! まさか俺の為に……」

佐倉「うん///」

野崎「……ありがとう。 すまないな、恥ずかしい思いをさせてしまって」

佐倉「う、ううん!! 気にしないで!!///」

佐倉(本当は私の野崎くんに対する気持ちで言ったんだけどね……でも内緒)

野崎「……御子柴、お前も愛の告白をしないとな」

御子柴「なんで俺なんだよ!!」

その後

野崎「……というわけで今回は登山ネタです」

宮前「なるほど……どれどれ」












鈴木『マミコーーーーー!!! 好きだーーーーーーー!!!!』

好きだー…きだー……

マミコ『す、鈴木くん……恥ずかしいよ///』










宮前「ほうほう……ん?」













マミコ『足を挫いて動けないわ……』

ザッ

マミコ『!! まさか貴方が……おんぶしてくれるの!?』

男『……』

マミコ『見知らぬ人!!』














宮前「鈴木じゃねーのかよ」

野崎「せめて佐倉が御子柴をおんぶすれば……」

宮前「は?」

~終わり~

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