シンジ「僕はエヴァから生まれたエヴァ太郎、碇シンジです!」(14)

川。

リツコ「マヤ、あれを見て」

マヤ「なんですか?あれ」

リツコ「エヴァね。随分大きい……どんぶらこどんぶらことこちらへ流れてきてるわ」

リツコ「せっかくだから持ち帰りましょう。頼んだわよ」

マヤ「えっ。あ、あのサイズを持って帰るんですか!?」

リツコ「上手にできたら、今夜たっぷりご褒美あげるわ」

マヤ「任せてください ///」

家。

ミサト「芝刈りから帰ったわよー」

マヤ「おかえりなさい」

ミサト「うわ!? なにこのデッカいの」

リツコ「汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン、その初号機よ」

ミサト「なに言ってるかさっぱりだけど……おっ、ボタンあるわね」ポチッ

プシュー

マヤ「きゃっ!?」

リツコ「ちょっとミサト! 考えなしにいじらないで!」

ミサト「ま、まあまあいーじゃない、爆発したわけじゃないし」

マヤ「ここ、扉になってるみたいです」

ミサト「開けてみましょっか。おらぁ!」ガコン

リツコ「ミサト!!」

ミサト「まあまあ。あれ? ねーリツコ、赤ちゃんが入ってるわよ」

マヤ「ホントだ! 可愛いですね」

エヴァの中に入っていた赤子は、エヴァ太郎と名付けられました。
エヴァ太郎はあっという間に大きくなり、
BBA達の面倒を見てくれるよう心優しい少年へと育ちました。

ミサト「シンちゃん、おツマミまだー?」

シンジ「今持って行きます。はい、どうぞ」

リツコ「シンジ君。悪いけどコーヒー淹れてちょうだい」

シンジ「分かりました。すぐ持って行きます」

マヤ「ふふ、シンジ君は働き者ね。助かっちゃいますね、先輩」

リツコ「そうね」

ミサト「楽ちん楽ちん」

シンジ「ところで。そろそろ貯蓄が底をつきそうですけど、どうするんですか?」

ミサト「え゛!?」

ミサト「なんで!? やっぱ食い扶持が増えちゃったから?」

シンジ「いえ。食費は節約でどうとでもなるんですけど、ミサトさんの酒代が凄くて……」

ミサト「」

リツコ「心配しないで。そろそろだと思って、収入のアテを探しておいたわ」

マヤ「さすが先輩!」

リツコ「このチラシよ」ピラッ

ミサト「どれどれ……ゼーレ島の鬼退治?」

リツコ「近頃、このゼーレ島から使徒と呼ばれる鬼たちが外に出てきて、あちこちを荒らしてるのよ」

シンジ「それがどう収入につながるんですか?」

ミサト「ふむふむ。なるほど。つまり、この使徒たちが奪った宝がゼーレ島にあって、それらは退治した者がもらっちゃっていいってわけね」

マヤ「太っ腹なお話ですね」

ミサト「ま、とにかくこれ以上被害を広げないことが最優先ってことでしょ。相手が人外じゃ、お宝くらいのエサが無いと誰も挑戦してくれないでしょーし」

シンジ「あの。ひょっとして……その使徒だか鬼だかを退治しようってことですか……?」

リツコ「ええ」

ミサト「頼んだわよ、シンジ君」

シンジ「え?」

ミサト「え、じゃないわよぉ。拾ってここまで育ててあげた恩を、ここでビシィっと返してちょうだい」

リツコ「この手の荒事は私達女性より、男性であるあなたのほうが向いてるわ」

シンジ「で、でも……」

マヤ「ちょっと待ってください! いくらなんでも無理ですよ、シンジ君一人で使徒退治だなんて!」

リツコ「大丈夫よ。ただ行かせるわけではないから―――シンジ君のために、あるアイテムを用意してあるわ」

マヤ「さすが先輩! じゃあ解決ですね!」

リツコ「はいこれ。きび団子」

シンジ「……これでどう使徒を倒せば……」

リツコ「もちろん武器ではないわ。この団子はただ美味しいだけじゃなく、強い依存性があるの。旅をしながら、これを戦力になりそうな相手に食べさせれば……」

マヤ「その相手が仲間になってくれるってわけですね。さすが先輩!」

リツコ「そうよ。ゼーレ島に辿り着くまでに戦力を整えておけば、使徒退治は不可能ではなくなるわ」

シンジ「……」

ミサト「逃げちゃダメよシンジ君。なんのためにご飯食べさせたと思ってるの?」

シンジ「……分かりました。僕が行きます!」

てくてくてく

綾波(犬)「う、うう……」

シンジ(犬が倒れてる!)

シンジ「どうしたの!? 怪我?」

綾波「お、お腹がすいて……」

シンジ「そっか。じゃあどこかで買ってくるから、ちょっと待ってて」

綾波「……それ。そのお団子を……」

シンジ「ごめん。この団子は危険なんだ。依存性があるんだって」

綾波「でも……今食べないと、私、死んでしまう……」

シンジ「……」

綾波「モグモグ」

シンジ「どう? 大丈夫?」

綾波「ええ。とても……美味しかった」

シンジ「良かった」

綾波「お礼に、あなたの旅に同行するわ」

シンジ「えっ。い、いいよそんなの。僕これから使徒を倒しに行かないといけないから、危ないし」

綾波「平気。私、強いもの」

シンジ「けど……」

綾波「きび団子もまた食べたいし。お願い」ギュッ

シンジ「う……うん。じゃあ、よろしくね綾波 ///」

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