バババババババ....
「ふーんふーんふーんふふんふーん♪」
「聞こえる?今からミッションを確認するわ」
『……』
「前方に2つの部隊がいるわ。片方はヴェニデの境界警備部隊」
「ふーんふーんふーんふふんふーん♪」
「もう片方はシリウスの偵察部隊。両者の睨み合いは2日前かららしいわ」
「ふーんふーんふーんふふんふーん♪」
「依頼は、この両者のどちらかに攻撃を仕掛け、戦端を開かせた後に、両陣営を全滅させることよ」
「ふーんふーんふーんふふんふーん♪」
「私たちに与えられた情報はこれで全部」
「くっくっくっ……!なにそれ。毎度毎度ロクでもないよね!」
『……』
「ま、それもご時勢なのかな。使い捨ての傭兵の」
「少しは静かにしてくれないかしら、ファットマン。仕事をする気はあるの?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477407837
ファットマン「千早ちゃん、私はもういつ運び屋を寿退職するか。最近はそれしか考えてなくてね」
千早「じゃあそれは明日にして、今日は仕事があるから」
ファットマン「明日は雨みたいなんだよー。辞めるのは晴れた日って決めてるから」
千早「……はぁ。速度を上げて。低空で突入して切り離し」
バババババババ....
千早「シリウス部隊後方に投下後に上昇。オペレーティングシステム、起動準備」
『……』
千早「……起動準備!」
『……っ!!はいなの!起きてたよ!』
春香「ふーんふーんふーんふふんふーん♪」
バババババババ....
千早「先が思いやれるわ……」
ガコン
『オペレーティングシステム、起動!』
《オペレーティングシステム起動!作戦行動を再開ィ》
美希「星井美希、突貫するなの!」
《愛してるんだぁ!君たちをぉ!ぎゃはははははははははは!》
美希「あははははは、なのっ!」
《じゃ、一丁派手に行きますかっ》
千早(毎度の事ながら不安だわ)
千早『こほんっ、恐らくはこちらにはもう気づいているはず。交戦可能な距離に入ったら撃って』
美希「はいなの」
ファットマン『反対側の連中も動きを見せてるよ!』
千早『これで状況は出来たわね。後は動いてるやつを全部片付けて』
春香『スキャンしたよ。ビーコンもセット!簡易的なターゲット地点設定してるから、後は《主任》に任せて、見敵必殺 (サーチアンドデストロイ)! !』
《いいねぇ、そういうの。おじさん燃えてきちゃった!スキャンモード!》
千早『兎に角全部片付けて、そういう契約だから』
美希「おにぎり4個で了解なの!」
《戦闘モードォ!》
ピピンッ
美希「敵の数はどの位?」
《鉄くずがそれなり、蠅っぽいのがそれなりってところか》
美希「さんきゅーなの」カチッ
ダンダンダンダンダンダンッ!
《今ので2体だ》
美希「あはっ☆やっぱりちゃんと貫通してるとその分早く落ちるのー」
ダンダンダンダンダンダンッ!
《……ちょっとマジで引いちゃうよ?》
美希「半分は冗談なんだけどなー」ブー
ダンダンダンダンダンダンッ!
春香(半分マジなのかー)
《鉄くずの全滅を確認。後は蠅っぽいのだけみたいだよぉ!?》
美希「……パージからのハンガー切り替え!ちょっとこれ試してみたいの!」
ポイッ
《あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!狂ってるなぁ!》
千早『ちょっと美希!?手持ちのバトライでも何とかなるでしょ!?』
美希「それじゃつまらないの!」
ガコン、プシュー
美希「と っ つ く の!」
千早『美希ぃっ!?』
美希「おらっしょ!なの!」
バカーンッ!
《蠅っぽいの残り3匹ぃ!》
美希「同人にどーん!」
バカコーンッ!
《残り2匹ィ!あれれれぇ~?もう残弾が残り少ないよぉ?》
美希「関係ないの!」
バカーンッ!
《あいつでお終いか》
美希「あ"」
スカッ
ファットマン『あちゃー』
千早『ああっ!だからもう!』
美希「どわっせい!」
バカーンッ!
美希「落としたのーっ!」
《システム通常モードッ!》
千早『……おにぎり-1よ』
美希「なんで!?」
ファットマン『まあまあ、千早ちゃん。そこまで相手も強くなかったんだし」
千早「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ........
ファットマン『周辺にはもう敵影はないから早く戻ってきてー。美希ー。そして死んで』
美希『……逃げるの!』
千早『コラッ!待ちなさい!ファットマン!』
春香『はいはい』
バババババババ....
《……最後に蹴りとはねぇ……。なかなかやるじゃない。それなりにはさ》
ピュイン
『でぇた取得完了。どうでしたか、感想は?』
『今はそれほどのものは。だけど……』
『ええ、可能性のあるものは全て消去します』
『それが我々の計画なのですから』
バババババババ....
STORY:1『Dirty worker』
END
こってり絞られた後
千早「いつも通り、レポートは依頼元に送信しておくから。お疲れ様」
ファットマン「はあ、結局どういう話か今回も何も分からなかったねー。それもいつも通りか」
美希「?」
千早「今のやり方はそういうものでしょ?知らなくていいことは何も知らなくていい、なにひとつ」
ファットマン「そういうのが気に入らないでしょ、千早ちゃんは。傭兵だった頃から」
千早「……次の仕事を探してくるわ」
ファットマン「……」
美希「何が何だかさっぱりなの。でも今日もおにぎりはおいしいの」
ファットマン「はあ、気楽で羨ましいよ……」トホホ....
今回の美希AC
機体名:スターダスト
頭部:Hd-U-C23
コア:CB-209
腕部:Ar-P-C28
脚部:Le2H-J-E34
Booster:TOKONATSU mdl
Generator:Ge-D-G23
F.C.S:Fs-L-E28
リコン:RA-209
腕部武装(R・L):Au-C-B19(どちらも威力特化チェーン)
ハンガー(R・L):R・Au-R-F19(同上)
肩部武装:SL/CWA-336
途中でちらほら春香の名前が出てますが、春香はファットマンと脳内変換してください
ファットマン「挑戦状?」
千早「ええ。名前は確か『WR』だったかしら」
美希「聞いたことないの。機体データとかは?」
千早「目撃証言が少ないから、正確なデータはないわ。でも、噂じゃ接近戦のみを好むタイマン主義者とか何とか」
ファットマン「……変な人から挑まれたみたいだね」
千早「でも報酬は悪くないよね。勝っても負けても10万C。こちらが死んだら保証の5万C」
ファットマン「決闘(デュエル)にしか興味がないってところか」
美希「ちょうど試したいアセンがあったからナイスタイミングだったの。それ受けるって返信しといて」
千早「軽いわね……」
ファットマン「まあ、その頭の軽さが美希の良さでもあるし」
美希「……馬鹿にされてる?」
『扱いづらいパーツとかって話だけど、最新型が負けるわけないじゃん!行くぞおおぉぁあ!!』
《随分とまあ煩い殿方で。メインシステム起動、これより作戦行動を再開します》
美希「男なら黙ってこいなの!」
『ボクは女だ!』
ファットマン『女!?』
千早『それも驚いたけど、私的には今日が主任じゃない方が驚きね』
美希「なんでキャロりんなの?」
キャロル《主任は別件で手が離せないとのことで》
美希「そーなんだ!」
千早『……頭が痛いわ』
ファットマン『あははは……』
『ああ、もう!何時までちんたらしてるの!?そっちが来ないならこっちから行くよ!』
美希「!」
キャロル《システム、スキャンモード》
ピッ
美希「げっ!武器腕なの!」
キャロル《呆れるほどの脳筋スタイルのようですね》
美希「舐めてるの!」
『そっちから言われたくないなぁ』
ファットマン『ホントにね』
千早『負けたら殺すわよ』
美希「なんで!?死んでも殺されそうなの……」
キャロル《両腕盾持ちハンガー武装なしならそう思われても仕方はないかと》
『笑死!どんなに強固な盾でも叩き切るよ!』
キャロル《距離、300。戦闘モードにしますか?》
美希「そのままでいいよ。向こうが正面から来るのならこっちも小細工なしで正面からいくの!」
キャロル《畏まりました》
美希「全速前進!!」
『気でも狂ったのか?』
千早『元からよ。このおにぎり狂いは』
美希「味方からの狙撃が痛いの」
キャロル《距離、100》
『まあ、いいや!さようなら!』
美希「もっと!もっと!加速してぇ!!」
キャロル《最高速度に到達しました。ご武運を》
ファットマン『マジでやるのか』
『くらえええええええええええええ!!』
美希「せいっやっ!」
バカーンッ!
『んなっ!?』
キャロル《成功のようです》
『蹴りっ!?しかも、右腕部をもぎながら!』
美希「ふう、盾が一発でダメになっちゃったの。ハンガーにも積んでた方がよかった気がする」
ファットマン『コアを蹴るのではなく、あくまでも盾で防ぎながら腕部を狙う……。鹵獲とかするなら便利そうとは言ったけど、まさか本当にしちゃうなんて』
千早『馬鹿っ!そんなことしなくてもコアを狙っておけば一撃だったじゃない!おにぎり-5個よ!』
美希「なぁっ!?」
キャロル《お話を着るようですが、まだ敵ACは交戦体勢のようです》
『まだだ!まだもう1本ある!』
美希「おわっと!?また距離を取らなきゃっ……!」
『させるか!』
ゴアッ
バカコーンッ!
美希「うにゃっ!?」
キャロル《期待破損度40%》
『負けるもんかぁ!!』
美希「っ!この距離ならっ」グイッ
バカーンッ!
『ちっ!足が……!』
美希「これなら……」
『まだブースターがあれば!』
ボシュンッ!
バカコーンッ!
キャロル《機体破損度60%に拡大》
美希「まだやるの!?」
ファットマン『おいおい……、死ぬ気か?』
『この菊地真、戦いの中で死ぬのであればそれが本望!最後まで足掻けるところまで足掻いてみせる!それがボクの生き方だ!!』
千早『……!』
キャロル《どうして人間はこうも愚かな事に命をかけるのでしょうか》
真『それが人間だからだ』
美希「仕方ないの。なら、戦いの中で終わらせてあげるの」グイッ
ブオオオオオオオオッ
真『……無念!』
バババババババ....
《そりゃ無理だ》
ガコン、プシュオンッ
《システム、通常モードォ!》
真「き、機体が勝手に?って、輸送ヘリ!?」
美希『あれ、主任?』
主任《ハイハーイ。主任ですよォ》
千早『主任、何をする気?』
主任《『菊地真』、これまで撃墜したACの数はのべ14機。これは普通だ。だが、被撃墜数は173回。そしてどれも五体満足での生還だ。こいつは『特別』だ》
キャロル《まさか……》
主任《確かちょうどもう1つ足が欲しかったんだよなぁ、『ファットマン』?》
ファットマン『……』
千早『ファットマン?』
美希『まだ蹴っちゃダメなの?』
キャロル《システム、通常モードへ以降》
美希『やーん、なの!』
真「一体何がなんだか……」
ファットマン『……主任の好きにしていいよ。キャロりんがそれでいいのなら』
キャロル《今の私は主任、そしてそれを管理する者へのサポートを生業にしています。お好きなように》
主任《そ。てな訳だ、菊地真》
真「……なに?」
主任《選べ。ここで死ぬか、それとも足になるか》
真「死を選んだら?」
主任《ここで起爆してサヨウナラだ》
真「意味は良く分からないけど、足になる事を選んだら?」
主任《お前の戦場が新しくなる》
千早『……』
真「……蹴ってはもらえないのかい?」
美希『蹴ってもいいよー?』
キャロル《ダメです》
美希『ぶーっ』
主任《残念だけど、それはない。お前はここで自爆するだけだ》
真「……そっか。じゃあ好きにすればいいさ。もうここで死んだような身だ。煮るなり焼くなりご勝手に」
主任《歓迎しよう、盛大にな。なんてな、ギャハハハハハハハハハ!!それでいいよな?ファットマン》
ファットマン『千早ちゃんはどう?』
千早『あなたがオーナーなのに私が兎や角言う権利はないわ』
ファットマン『なら帰ろうか。ターゲットもいなくなったし』
美希『不完全燃焼なんだけどなー』
キャロル《後でたっぷりシミュレーションで相手をしてあげますよ》
美希『それは、やっ!なの』
バババババババ....
Mission1-4 『the truth renewal 』
END
数日後
真「ねぇ、ファットマン」
ファットマン「ん?まだ分からないことでもあったか」
真「いや、そうじゃなくて……。ここに来て『主任』?と『キャロりん』?っていう人に面と向かって会ったことがなくてさ」
ファットマン「……あー」
真「2人とも普段はここにいないの?」
ファットマン「それはね……」
ピピンッ
主任《呼んだ?》
真「ナイスタイミング!今どこにいるんです?」
主任《ここだけど》
真「へっ?ここ?」
主任《そうそう、ここ》
ピッ
キャロル《私と主任は少なくとも人間ではありません。以後お忘れなきを》
真「え、え、……えっ?」
主任《気が向いた時にはお前の端末にも遊びに行ってやるよ》
ファットマン「それはやめてあげて」
真「AI?いやそれにしてもこれはブツブツ........」プシューッ
ファットマン「普通はこうなるよね、普通は」
主任《アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!》
キャロル《所詮は特別程度と言ったところでしょうか》
ファットマン「うわそれは酷い」
キャロル《あなたが言えた台詞では無いと思いますが》
ファットマン「今はいいんだよ、今は」
主任《んん~。面白くなってきたねぇ》
今回の美希AC
機体名:スターとスター
頭部:HA-202
コア:CA-309
腕部:AB-216
脚部:AOI mdl.2
Booster:Bo-C-H11
Generator:GA-210
F.C.S:FA-108
リコン:ASATORI mdl.1
腕部武装(R・L):AM/SHA-207
ハンガー(R・L):無し
肩部武装:無し
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