モバP「カオスな事務所」 (24)


ガチャ


千川ちひろ「おはようございます」

モバP「おはようございますちひろさん…すみませんね、こんな早朝から」

ちひろ「いえいえ!これも事務員の仕事ですからね、お気になさらず」

ちひろ(この時間帯ならふたりきりですしね!)

P「ありがとうございます、じゃあ早速ですけどはじめちゃいましょうか?」

ちひろ「ええ、そうしましょうか」




P、ちひろ「事務所の引っ越し!」

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ちひろ「今の事務所じゃかなり手狭になりましたからね」

P「しかし改めて見ると…」


ゴチャァ


P「…散らかってますよね、この事務所」

ちひろ「まぁここ最近ずっと忙しくて掃除する暇もありませんでしたし…来客もこの部屋滅多にありませんし…」

P「そもそも物が多いんですよねぇ…主にアイドルの」

ちひろ「うちも大所帯になってきましたからね…ちょっと前までは殺風景なぐらいだったのに」

P「…やっぱ業者に頼みませんか」

ちひろ「経費削減、ですよ?」ニッコリ

P「ハイ」


ちひろ「散らかりだしたのっていつごろでしたっけ?」

P「んーいつごろかはあんまり覚えてないですけど…きっかけはあれじゃないですか?」ユビサシ

ちひろ「花?…あぁ夕美ちゃん!そうでしたそうでした!」

P「事務所が少しでも華やかになるようにーって持ってきてくれたんですよね、ホントいい子ですよ」

ちひろ「それで対抗心を燃やした凛ちゃんが次の日に別の花を持ってきたんですよね」フフ

P「ええ。そしてさらに次の日に対抗心を燃やした輝子がシイタケの原木を持ってきたんですよね」

ちひろ「変なところでアグレッシブですよねあの子」


P「とりあえず原木運び出しますね。そっち側持ってもらえますか?」ヨイショ

ちひろ「あ、はい」ヨイショ

P「…しかしなんで花に対抗して原木持ってきたんですかねぇ」

ちひろ「さぁ…植物繋がりじゃないですか?」

P「いやでも丸太ですやん」

ちひろ「まあそうなんですけど…」


ちひろ「ふぅっ。ようやく全部運び出せましたね」

P「そうですね。んじゃ次はあれ行きましょうか」

ちひろ「ああ…あのごっついのですか…かな子ちゃんの…」

P「はい…」













P「バームクーヘン自動焼き機です」

※参考画像
http://i.imgur.com/xJjF3l7.jpg


P「あ、これキャスター付いてる」キュルキュル

ちひろ「あ、ほんとだ。助かりましたね」キュルキュル

P「そもそもこれ事務所に持ち込む必要あったんですかね?」

ちひろ「かな子ちゃん曰く『焼き立てをできるだけ早くみんなに食べさせてあげたい』、だそうですよ」

P「根はいい子なんですけどねぇ…」

ちひろ「そういえばかな子ちゃん、節分にこれ使って『恵方巻きの代わりなんです』って言って丸々一本平らげてましたね」

P「流石にあれは注意しましたよ。そしたら最近では立てて回転させてケバブみたいに削ぎ落として食べてて…」

ちひろ「えぇ…」

P「まぁそれならいいかって許可しましたけど」

ちひろ「それ感覚麻痺してますよ」


ちひろ「さてっ大物を片付けましたしサクサク行きましょう!」

P「ええ、じゃあ次は…あの大量にあるプランターにしましょうか」

ちひろ「これも凄い量ですよね…ところでこれって夕美ちゃんのですか?それとも凛ちゃん?」

P「いえ、加蓮のです」

ちひろ「え!加蓮ちゃんですか!?…こういっては失礼ですけどちょっと意外ですね…」

P「あーこれ花じゃありませんよ?」

ちひろ「へ?」

P「全部ジャガイモです」

ちひろ「」


P「なんでも以前響子に作ってもらったポテチとフライドポテトが絶品だったらしく、自分でも作ってみようと思ったらしいんですよ」

P「んでせっかくだからってことでジャガイモを育てるところからやってみたいと思ったそうです」

ちひろ「何ですかそのT○KI○みたいな発想は…」

P「結構熱心にやってるみたいですよ?農家さんにアドバイスもらいに行ったり、肥料にもこだわってみたり…」

ちひろ「あの子のポテトに対する執念はなんなんですか…」


ちひろ「えっとじゃあ次は…デスク周りをやっちゃいましょうか」

P「そうしましょうか…ここにも私物多いなぁ」

ちひろ(それだけPさんの気を引きたいってことなんですかね)

P「えーっと、先割れスプーンに婚姻届に眼鏡に首輪にワイングラスに鍵盤ハーモニカのマウスピースに眼鏡に」

ちひろ(なんかもういろいろとおかしい)


P「手裏剣にイチゴに眼鏡にタロットカードに眼鏡に……よし、こんなもんかな…ん?」

ちひろ「どうかしましたか?」

P「いえ、机の下に何か…本のようなものが」ヨイショ

ちひろ「本?…まさか」

P「えぇ…そのまさかですよ」












P「『大技林』です」

ちひろ「あっちがった」


P「あはは冗談ですよ。ホントにあったのはこっちです」ドンッ

『まゆとPさんの愛の日々』

ちひろ「ド直球ですねぇ…」

P「……中、気になりません?」

ちひろ「えぇっ!いやだめですよ勝手に見たら…」

P「…でも本当は?」

ちひろ「…チョットミタイデス」

P「へっへっへ、おぬしも悪よのう」

ちひろ「何ですかそのノリは…」


P「じゃあさっそく行きますか!」ペラッ

ちひろ「なんかドキドキしますね」



『○月×日

 Pさんは今日もかっこいい。
 
 今日の仕事終わりにいっぱい褒めてもらっちゃいました。

 お弁当も喜んでもらえたし本当に幸せ。

 明日のレッスンも明後日の撮影も見に来てくれるかな。

 まゆももっとかわいくならなくちゃ。

 いつまでもあの人のそばにいられるように』


P「…」ペラッ


『○月△日

 Pさんは今日もかっこいい。
 
 今日のレッスンもハードでしたけどPさんから差し入れのドリンクもらっちゃいました。

 すっごくうれしい。ずーっと大切にします。

 まゆももっとかわいくならなくちゃ。

 いつまでもあの人のそばにいられるように』


P「…」ペラッペラッ


『△月×日

 Pさんは今日もかっこいい。
 
 今日のお仕事も大変だったけどがんばりました。

 お弁当も喜んでくれてうれしい。

 まゆももっとかわいくならなくちゃ。』


P「…」ペラッペラッペラッペラッ


『△月●日

 Pさんは今日もかっこいい。
 
 今日も大変だったけどがんばりました。

 まゆもかわいくならなくちゃ。』


『■月◎日

 Pさんはかっこいい

 とにかくがんばる

 まゆもかわいくなる』


『■月○日
 
 Pさんかっこいい
 
 まゆかわいい』


『☆月×日

 まゆかわいい』


『△月◇日

 まゆ
 かわ
    』


ちひろ「まゆちゃんどうしちゃったんですか」

P「俺途中で消えましたね」


P「あー一応フォローしておくと、別にこれ病んでるわけじゃなくてこの時期のまゆかなり忙しかったんですよ」

ちひろ「ああそうでしたね、テレビにラジオにCD収録にライブに…スケジュールびっしりでしたもんねぇ」

P「ええ。それでも毎日日記を書いていたのは流石というかなんというか…」

ちひろ「もはや日記の体を成していませんが」

P「それいじょういけない」


数時間後


P「…よしっ最後の梱包終わり!」

ちひろ「こっちも終わりました!…あー疲れた」

P「お疲れ様です…次の事務所ではもっと整頓しなきゃですね」アハハ

ちひろ「ええ、次は私物の持ち込みも制限しましょう」

P「そうですね。ちょっと可哀そうですけど心を鬼にしましょう!」

ちひろ「はい!」



しかしアイドル達の半泣き顔の前に二人は陥落。

数か月後に再びカオスと化した事務所を前にして、Pたちはさらなる引越しを余儀なくされたのであった。

おわり


以上です。
お付き合いありがとうございました。

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