神谷奈緒「ふぁ…あふっ」 (83)

モバマスSSです。
奈緒とPが結婚してます。
奈緒視点の地の文あり。
地の文は初めてなので拙いです。
それでもよければどうぞ。

P「乙女たくみん」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1475994625
P「乙女たくみんの弱点」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1476521120
前書いたやつです。こちらは台本形式ですが、読んで貰えると嬉しいです。
それでは、ゆっくりと書いていきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476782350

神谷奈緒
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あの人と、結婚した。

「…へへっ」

薬指に輝くそれが何よりの証拠だ。今日もあたしはそれを見て、一人でニヤける。それが少し前から出来た毎朝の日課だ。

「よしっ。今日もお嫁さん、頑張るぞっ!」

職業、アイドルのちお嫁さん。

あたしはそっと体を起こすと、隣で寝ている愛しの彼を起こさぬよう小声で気合を入れた。

「今日もよろしくな、Pさん♪」

彼の頬に軽くキスをして布団から抜け出し、急いで着替えると洗面所へとゆっくり歩き出した。今日はシャツにパンツのラフなスタイルだ。

「ぷぁっ!ふうっ」

顔を洗った後は、鏡の前で笑顔の練習。アイドル時代からの習慣だ。可愛くありたい理由は変わったけどな。

「にこっ♪…いやダメだ、あたしの本気はこんなもんじゃないぞ…にこっ♪」

評価の基準はアイドル時代よりなんとなく厳しくなった。ほんとに、なんとなくだぞ。

「んっ、合格だな。よし、朝ごはん作るか!」

軽く身だしなみを整えると、あたしは足取り軽くキッチンへと向かった。エプロンを身に着け、朝ごはんを作る。

「あなたは知らない♪ 本当のあたし 見せるからぁ~♪」

その時の気分で選んだ歌を歌いながら朝ごはんを作る。これも日課だ。
…まぁ、Pさんの知らないあたしなんてほとんどないけどな。内側も、外側も。

「あうぅ…」

不意に顔が赤くなるのを感じた。
…こ、これは日課じゃないぞ!今日だけ、たまたまだ!

「Pさん、おーきーろー!朝ごはん出来てるぞ!ほらっ、着替えて顔洗ってこいよ!」

「んぁ…奈緒おはよ…」

Pさんがあたしを抱きしめる。

「…おはよっ♪」

笑顔は練習通り!完璧だっ!

以前は面倒としか思わなかった料理も、今は楽しいと思えるようになった。

「いただきます」

「いただきます!」

だって、

「うん、美味い!流石は俺のお嫁さんだな、今日も最高だよ!」

この笑顔と、言葉を貰えるから。

「そ、そうかよ。良かったじゃん」

これに耐えるのは毎日一苦労だ。

「ごちそうさまでした」

「ごちそうさま」

結局、Pさんはおかず全部をおかわりした。
男の人って、なんで朝からあんなに食べられるんだろうな。この人だけか?

「毎日ありがとな」

「いいよ。だってあたし、お嫁さんだからなっ♪」

自分で言って顔が緩みそうになる。急いで隠そうと、皿を片付ける事を理由に立ち上がった。バレてない。…多分。

「そんな頑張る奈緒にはご褒美をやろう!よーしよしよし」

皿を手に取る前に突然手を引かれてのわしゃわしゃ。もう慣れた。嘘だけど。

「わぁあっ、やめろよ!あたしはもう子供じゃないんだからな!大人なんだ!」

素直に受けるのは恥ずかしいので、ペチペチと形だけの抵抗。ほんとは凄く嬉しい。Pさんの大きなゴツゴツした手の感触が、大好きだから。ほんとはわしゃわしゃじゃなくて優しくが良かったけど。

「そうだな、大人な奈緒にはこれくらいか?」

「んっ…」

そう言って、Pさんはあたしを優しく、愛おしげに撫でた。この人、あたしの心が読めてるんじゃないか?ってたまに思うんだよな。

「よしよし…」

手櫛で髪を梳かれる。気持よくてつい目を細めてしまう。

頭から体へ、暖かいものがじんわりと広がる。暖かい液体で満たされていくような感覚。

「あっ…い、いつまでやってんだ!皿片付けるから離せよっ!」

「あ…おいおい、慌てて皿割るなよ?」

あたしはうっとりしてしまっている事に気付き、慌てて皿を引っ掴み台所へ逃げた。

二人並んでの歯磨きを終えると、あたしは洗い物に取り掛かった。

「なーお」

「んっ、ちょっと待ってろ。洗い物すぐ終わらせるから」

洗い物の最中に現れた彼に、待つよう促した。

「んーん、今がいい…大丈夫、奈緒は洗い物してていいから」

「いや、邪魔だから向こう行ってろって…っひゃあ!」

Pさんは突然あたしを抱きしめて、あたしの髪に顔を埋めて匂いを嗅ぎだした。

「や、やめろぉ!皿落としたらどうすんだ!このバカぁっ!」

「あぁいい匂い…大好きな奈緒の匂いだ…すうぅー…」

「うぁ…は、恥ずかしいこと言うなよ…!嗅ぐなぁ…!」

Pさんが後ろから抱き着いてるのが唯一の救いだ。今の顔を見られる訳にはいかない。

「よし、奈緒分はチャージ出来た!じゃあ向こう行ってるなー」

「ぐ…このぉ、あたしに好き勝手しやがって…」

あたしだけ抱き着かれて嗅がれるのはなんだか悔しかったので、この後甘えた時にどさくさに紛れてあたしも嗅ごうと決めた。あたしだってPさん分は必要だ。


「洗い物終わりっと…ふふっ、覚悟しろよー…」

洗い物が終わると、エプロンを置いてPさんの居るリビングへと向かった。

「Pさんっ、そっちにずれろよ!」

「なんでだよ、そっち空いてるだろ」

「いいからっ」

ソファの真ん中辺りに座っていたPさんをグイグイと端に押しやった。

「はぁ。これでいいのか?何なんだよいきなり…」

「ふんっ、それはこっちのセリフだ!とうっ」

「うわぁ!?」

あたしはソファにダイブし、そのままPさんのお腹に顔を埋めて、腰に手を回して抱き着いた。


「へっ、さっきの仕返しだ!どーだ、苦しいか!」

「し、仕返し?」

これならあたしの顔は見えないし、仕返しという体でPさんに抱き着けるし、匂いも堪能できる。やっぱあたしって天才だよな!

「すー…はー。んんーっ…?」

大好きなPさんの匂い。肺と共に心も満たされる。あたしは自分の匂いを付けるように、おでこをPさんのお腹にぐりぐりと擦り付けた。

「ちょっ、奈緒、くすぐったいから!やめろって!」

ふんっ、簡単にやめてたまるか!そう心の中で言い放ち、深く深呼吸してより一層強く抱きしめた。顔が見えないならあたしだってこういう大胆な事出来るんだからな!昔のあたしだと思うなよ!

ありゃ、ハートが?になる…
取り敢えず眠いので寝ます。
続きはまた明日!

Pさんが笑い疲れてあたしが怒り疲れた後、あたし達はのんびりとさっきの子供達を眺めていた。

「奈緒、膝枕して」

「えー、足痺れるからちょっとだけな」

「了解」

と短くそう言って、Pさんはあたしの太ももに頭を預けた。

「あー…奈緒のムチムチ太もも最高です」

「し、失礼なっ…!ムチムチって言うな!」

こんにゃろ、最近少しお肉が付いてきた事を知っての発言かぁ!

「褒めてるんだって。正直痩せ過ぎてる子は好きじゃないし。これくらいが俺的にはベストだよ」

「ふ、ふ~ん…」

…基準は今に持ってこよう。アイドルじゃないんだし、何の問題もない。Pさんの頭を撫で始めたのも、なんとなく手が寂しかったからだ。

その後は、二人でしばらくぼんやりと子供達を眺めていた。

「あははっ、見ろよ奈緒、あの子思っきし転んでるよ。おっ、泣いてない。泣き虫奈緒とは違うな」

「あ、あたしも泣いてない!」

「でも、ほんと可愛いなぁあの子達」

「…やっぱ良いよなぁ、子供」

…そう言えば、加蓮の奴も妊娠して、今はかなりお腹が大きくなってたっけ。お腹を撫でる加蓮、幸せそうだったな…

「そ、そうだな…」
 
「…」

「あー…あのさ…?俺達結婚もした事だし…奈緒は、そろそろ子供欲しいか?」

Pさんが遠慮がちに聞いて来た。まぁ、欲しくないと言えば嘘になる。愛するPさんとの子供を授かる事が出来れば、それはどんなに幸せだろうか。でも、

「…いや、いいよ」

あたしは拒否した。

わんちゃんの散歩行ってきます。
更新ちょっと遅れるかも

あたしは拒否した。

「…そうか」

そう言うと、Pさんは少しだけ寂しそうな顔をした。Pさん、違うんだ。あたしはな?

「…そりゃあ、大好きなPさんとの子供を授かれたらすっごく嬉しいし、いつかは絶対欲しいよ?でも、今は」

あたしは両手を後で組み、はにかみながらPさんを見上げて笑った。

「まだ、Pさんと二人きりで居たい。Pさんを一人占めしてたいからさ。だから、子供はまだいいかな、って」

「…!!」

Pさんは面食らったような顔をして、無造作に体を起こした。そしてあたしは、ゆっくりと言葉を続けた。なんでだろ、今は不思議と恥ずかしさはない。

「あたしはその…Pさんとたくさん…ら、ラブラブして、一緒に色んな所に行って、素敵な思い出をいーっぱい作って…それで二人とも、もういいかなってなったらさ、その時は」

どうしよう、「好き」の気持ちが溢れて止まらない。Pさんが、好き。

「…」

真剣な目であたしを見つめ、静かに聴いてくれていたPさんが愛おしげにあたしの頬に両手を添えた。あたしもそれに倣って、

「Pさんとの子供、欲しい」

深い、キスをした。愛してるという気持ちを行き来させるような、深いキス。あたしの世界は、今はここだけ。あたしはお互いが融け合って一つになるのを望むかのように、Pさんを激しく貪った。この息苦しささえ、今のあたしには心地よかった。何時間も経ったと思うくらいの長いキスだったけど、終わった後もあたしの渇きは満たされなかった。

「はあっ、はっ…奈緒、今夜は、寝かさない」

Pさんが、獣のような目であたしを見据えた。こんな目で見られたら、あたしはもう逃れられない。

「ふぁっ…はぁ、はあっ…うん。分かっ、た」

ただ、お互いに「好き」をぶつけたくなっただけ。子供は、まだ要らないから。

「ごめん、我慢できない。デートの途中だけど、今すぐ帰っていいか?」

「はっ…いい、よ。あたしも、はぁ、同じ、だからっ」

あたし、もうダメだ。早くPさんが欲しい…

「奈緒、愛してるよ」

「あたしも、Pさんの事っ、愛して…んむっ」

手早く片付けを済ませたあたし達は、行きよりずっと早歩きで帰路についた。

家まで待ち切れないあたし達は周りを窺ってはどちらからともなくキスをし、腕を絡め合った。後になって思えば、この並木道が人通りのほとんどない所で本当に良かった思う。

行きの時間よりずっと早く家に着いたが、あたしの感覚ではずっと時間がかかった気がした。そして家の扉を開けるなり、電気も付けずにお互いを求め合った。

…その時から朝まで、あたし達の距離がゼロ以上になることは無かった。

おわり

ここまで付き合って下さった方、ありがとうございました!
ハートの件に関してはごめんなさい。でも、丁寧に教えていただいて嬉しかったです。
コメしてくれた方、ありがとうございました。とても励みになりました。
最後はこんな感じになってすみません、やっぱり夫婦の愛を語る上では外せないのかなって思ったので。これ以上書くとR18が止まらなくなってしまうので、駆け足になってしまいました。
乙女たくみんの続きも書きたいけど、地の文が案外楽しかったので次は他の子で書こうと思います。それではまた!

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