【ラブライブ!サンシャイン!!SS】便器「…」曜「こ、この中に…」>ゴクリ… (69)

浦の星女学院 教室 昼休み


千歌「でね、その時の曜ちゃんがすごくってさ~」>モシャモシャ…


曜「(…みんな驚くだろうけど、私は幼馴染の千歌ちゃんのことが好きだ…)」


梨子「千歌ちゃん…、口に物を入れている時は喋らないの…」>ハァ…


曜「(いつからだろうな…千歌ちゃんへの友達としての好きが、別の好きになったのて…)」


千歌「いや~ゴメンゴメン。でも、梨子ちゃんにも曜ちゃんのことをもっと知ってもらいたくて…あのね~」>モシャモシャ


曜「(でも、この思いは私の胸の内に秘めておかなきゃだめだ…)」

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梨子「もう!曜ちゃんからも何か言ってよ!」>プンスコ=3


曜「(女の子から好きだ…、なんて言われたら千歌ちゃんだって困っちゃうだろうし……)」


梨子「ねぇ!曜ちゃんったら!」


曜「(いや…千歌ちゃんはやさしいから…自分の本当の気持ちを曲げてでも、私を受け入れる努力をしてくれるだろうな…)」


千歌「曜ちゃん?」>モグモグ


曜「(だけど、そんな千歌ちゃんの優しさに甘えた二人の未来は、きっと悲しい結末を迎えてちゃう……)」


曜「(だから…だから、私は…千歌ちゃんを傷つける前に、この想いを断ち切る必要が……って、あれ…?)」







曜「千歌ちゃん、唇の横にご飯粒ついてるよ」>ヒョイパク!


梨子「はぁ!?」


千歌「本当だ!取ってくれてありがと~」


曜「気にしないで」>モグモグ


梨子「えぇ…?」

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教室 放課後


教師>キョウハコレマデ。チャントカエッテベンキョウシロヨナー!


クラスメート達>ハーイ!





梨子「ふぅ…。ようやく授業が終わった」


梨子「千歌ちゃん、今日なんだけど練習もお休みだし次の曲についてn…千歌「ゴメン!今日は家の手伝いがあるからまた今度ー!」>ダッシュ!


梨子「え!?、ちょ、千歌ちゃん!」


千歌「この埋め合わせは、アシタスルカラ~ジャーネー」>タッタッタッタ…


曜「(どうしよう…。今日の午後も、千歌ちゃんのことばっかり考えてた…)」


梨子「千歌ちゃんたら、落ち着きがないんだから!もー!」


曜「(このままじゃ…私は…私は…)」


梨子「まったく!このままだと誰かと付き合っても、すぐ愛想尽かされちゃうからねー!」>プリプリ


曜「…っ!それだ!!!!」

梨子「ひぃ!?…よ、曜ちゃん…?急に大声だして、どうしたの…?」


曜「梨子ちゃん!今言ったこと、もう一回言ってみて!」>ズイ!


梨子「よ、曜ちゃん!気を悪くしたなら、ご、、ごめんなさい!私も本気で言った訳じゃ…」>アワワワ…


曜「もう一回言って」>ズズイ!


梨子「(ち、近い!)…こ、このままだと…その…千歌ちゃんは…誰かと付き合っても…ね?…すぐ…愛想尽かされちゃう…ぞーって…」


曜「それだよ!梨子ちゃん、ありがと!」>ガシ!


梨子「へ?あ、ありがとう?…なんで?」


曜「梨子ちゃん!私も急用ができたらから、今日はここでお別れするね!じゃあ、また明日!」>ダッシュ!


梨子「よ、曜ちゃん!ちょっと待ってよ!」










梨子「えぇ…?」>ポツーン

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生徒会室

ダイヤ「で、なんですの?曜さんが、お一人で生徒会室に来られるなんて珍しい」


曜「いや~、実はダイヤさんと折り入ってお話したいことがありまして…」


ダイヤ「…折り入ってとなると今後のAqoursの方針…、いえ、曜さんからの相談ですから、衣装関連とかですの?」


曜「いえいえ、衣装のことではなく、…その…ダイヤさんから見た、意見が聞きたいというか…」


ダイヤ「?私の意見ですか…?分かりました。で、何についてですの?はっきりおっしゃいなさい」


曜「は、はい…実は…」










曜「ち、千歌ちゃんの悪口を…言って貰いたいんです…」

続きは明日。

ダイヤ「御断りしますわ!」


ダイヤ「曜さん、私はあなたという人への認識を改めなければならないようですね。本人がいないところで、その様な話をするのは卑怯者がやることですわ」


ダイヤ「もし、千歌さんに何か不満があるのなら、本人に直接言うことです!分かりましたか!」


曜「す、すみません!悪口は言いすぎでした、私は千歌ちゃんに不満があるわけじゃなくて、その…逆なんです…」


ダイヤ「…逆とは?」

曜「はい…、実は今日梨子ちゃんの話を聞いていて思ったんですけど、私って全然千歌ちゃんの悪いところに全然気付けていないんです…」


曜「梨子ちゃんは、千歌ちゃんが落ち着きがないって言っていたんですけど、私からすればそれも千歌ちゃんの元気の良さの一端で…」


ダイヤ「ですが、曜さんがそう思われているのであれば別に問題無いのではありませんか?」


ダイヤ「どの様な態度や言葉であれ、受け手が違えばその解釈が違って当然です」


ダイヤ「それに…少なくとも、千歌さんにはあなたという最大の理解者が居るのですから、それだけでも十分だと思いますわ」


曜「いえ、それじゃ駄目なんです」


曜「確かに私と千歌ちゃんは、幼馴染で今までずっと一緒に過ごしてきました…」


曜「でも、私達だって何時かはお互い別々の道を進む時が…千歌ちゃんとずっと一緒に居れなく時が来ると思うんです…」

曜「その時に千歌ちゃんが困らないように…、今から直すべきところはちゃんと言ってあげるのも…友達…の大事な役割だと思ったんです…」


曜「っだから…!」


ダイヤ「…要するに、曜さん自身は千歌さんと一緒にいた時間が長すぎて、千歌さんのその様な点に気付けない」


ダイヤ「なので、第三者目線から見た千歌さんを知りたい…っということでしょうか?」


曜「はい…」


ダイヤ「曜さん…あなたは、本当に千歌さんのことが好きなんですのね」


曜「へぇ!?…すっ、好きって、そ、そんなわけ!?」>アワアワ

ダイヤ「何を取り乱していますの?そこまで、千歌さんのことを想っていらっしゃるのですから、友達として好きなんだなと思って当然ではないですか?」


曜「と…トモダチトシテ…っそ、そうですね、すみません、ちょっとビックリしてしまいました」>アハハ…


ダイヤ「あなたにそこまで思われているのですから、千歌さんは幸せ者ですね」>ウフフ


ダイヤ「そういうことであれば、この不肖黒澤ダイヤ。曜さんのお手伝いを喜んでさせてさせていただきますわ!」


曜「ダイヤさん、ありがとうございます」>ペコリ

曜(そう…私が、千歌ちゃんをあきらめるために考えた作戦それは…)


曜(千歌ちゃんの悪いところを知って…千歌ちゃんを嫌いになる作戦…)


曜(恋は盲目、あばたもえくぼとは昔の人はよく言ったものだよね…)


曜(だって、実際今の私にとって、千歌ちゃんのひとつひとつの仕草が…その言葉のすべてが愛おしくて…)


曜(その想いは、時間が経てば経つほど強くなっていく…)


曜(だけど、千歌ちゃんだって普通の女の子なんだから、どこかしら私を幻滅させてくれるようなところがあるはずだ…)


曜(それを聞けば、私の今の気持ちも…少しは落ち着くと思う…)


曜(千歌ちゃん…。私は…これからの二人のために…今から…)












曜(高海千歌のことを嫌いになります…)

ダイヤ「さて、それでは千歌さんの直していただきたい点ですわね」


曜「そうです、特にAqoursのみんなは、私と違って千歌ちゃんと知りあって間もないですから、参考になる意見が聞けると思うんです」


ダイヤ「そう言われると、不思議なものですね…。私達は、今年の四月に知り合ったばかりで、それまでは顔さえ知らなかった間柄でしたのに…」


曜「はい、でも千歌ちゃんが、皆をスクールアイドルに誘って…Aqoursを結成して…今では毎日一緒に練習して…」


ダイヤ「ええ、まだ期間としては一年も経って無いですが…私の人生の中で特に濃密な時間を過ごせている気がしますわ」


曜「…それも、すべては千歌ちゃんがスクールアイドルをやりたいって言いだしたことが始まりなんですね」


曜「千歌ちゃんは、自分には普通だとよく言ってますけど、そんなことはないんです」


曜「千歌ちゃんの笑顔は…言葉は、みんなを一つにして…背中を押してくれて…次の場所に進ませてくれる…まるで…」

ダイヤ「…キセキと呼ぶにふさわしいですわね」


ダイヤ「…」


曜「…ダイヤさん?」


ダイヤ「曜さん、大変申し訳ありませんが、どうやら私はお役にたてない様ですわ」


曜「どういうことですか…?」


ダイヤ「今曜さんとお話していて思いましたの。確かに曜さんの友人として、千歌さんを想う気持ちは素晴らしいと思います」


ダイヤ「ですが…曜さんが心配しているほど、千歌さんも弱い人ではないですし、それに多少の欠点があったとしても、この先きっと大丈夫ですわ」


ダイヤ「それは、現に私達がAqoursを結成して、千歌さんの周りに人が集まっていることこそがその証拠だと思いますの」

ダイヤ「それに、先程千歌さんの良いところを語って下さった時の曜さんの顔…とても幸せそうでした」


ダイヤ「千歌さんの友人として、欠点を知りたい…知るのが友人としての務めだと話してくれた時の辛そうな表情とは大違いでしたわ」


曜「…っ!、だ、だけど、私は、千歌ちゃんの友達として…」


ダイヤ「曜さん。友人としてできることは、それだけではありませんわ?そう、例えば…もっと良い点を伸ばしてあげるのはどうでしょうか?」


ダイヤ「そうですわ!そうすればもっと千歌さんのためになるでしょうし…そしてなにより…」





















ダイヤ「曜さん自身も、友人としてもっともっと千歌さんのことが好きになると思いますの!」>ニコッ!

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浦の星女学院 昇降口 数時間後 


曜(放課後学校に残っている他のAqoursのみんなにも同じ話をしたけど、結果は同じだった…)


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花丸『千歌ちゃんの直した方が良い点ずら…?…う~ん…千歌ちゃんの物怖じしないところとか、見習いたい点ならいっぱいあるんだけど…』


ルビィ『お姉ちゃん達が仲直りして、一緒にスクールアイドルをやることができて…ルビィ、千歌ちゃんには感謝でいっぱいだよ!』


善子『千歌は私に自分が一番好きな姿を、輝いている姿を見せることだって言って、ありのままの私を受け入れてくれたわ…』


果南『え~?千歌の駄目なところ?…曜に思いつかないんなら、私が思いつくわけないじゃん』>アハハ~

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曜「あはは…千歌ちゃんってすごいよね…普通、どんなに仲の良い友達だって多少の不満はあるはずなのに…」


曜(まぁ…そんな千歌ちゃんだから、私は…好きになっちゃったんだろうな…)


曜「作戦失敗か…」>トボトボ


教員「あっ!渡辺さん、ちょうどいいところに」


曜「あっ…先生」


教員「渡辺さん。本当に申し訳ないんだけど、この書類を高海さんのお家に届けて貰えないかしら?」

教員「高海さん、今日の放課後この書類を取りに来るって言ってたんだけど、忘れて帰ってしまったみたいで…お願いできるかしら?」


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旅館 「十千万」


志満「曜ちゃん、わざわざ書類を持ってきてくれてありがとうね~」


曜「いえ、千歌ちゃん家は通学路の途中ですから、気にしないで下さい。それで、今千歌ちゃんは…?」


志満「さっきまで仕事を手伝って貰ってたんだけど、それも終わったから、今は部屋にいるわ」


志満「そうだ!せっかく届けに来てくれたんだから、千歌の部屋で待っていてくれない?すぐにお茶とお菓子を用意して行くから」


曜「い、いえ!…せっかくですが今日はこれで…」


志満「ダメよ~。せっかく来たお客様をもてなさずに帰すなんてできないわ~。ささ、あがって、あがって」>ニコニコ


曜「うぅ…な、ならおじゃまします…」








曜(はぁ…今、千歌ちゃんとは顔が会わせづらいけど…、志満さんもあれで千歌ちゃんと同じで強引なところがあるからなぁ…)


障子>コンコン


曜「千歌ちゃん?私だよ…」


障子>…


曜「千歌ちゃん…?入るよ~?」





千歌「…Zzz」>スゥスゥ…

続きは明日

曜「千歌ちゃん…?」つユサユサ


千歌「ぅ……すぅすぅ…」


曜「寝ちゃってる…手伝いで疲れちゃったのかな…って、これは?」


曜「…アルバム?」

曜(へぇ…、千歌ちゃんこんなもの作ってたんだ…)>ペラ


曜(あっ!これって、春に東京に行った時の写真だ…。こっちは、沼津駅前でライブの宣伝をしていた時の…)>ペラ


曜(それに、これは初ライブの衣装を作っている時の写真…)>ペラ


曜(なんか私の写真が多いな…)


曜「まぁ…千歌ちゃんと私は小学生以来の付き合いだし、写真が多くなるのも当然だよね…」つナデナデ


千歌「…すぅ…すぅ…」


曜(やっぱり千歌ちゃん、…かわいいなぁ。まつ毛も長いし…、くちびるも…)

曜(…キス……したいな……)


曜(ううん…本当は…それ以上に……もっと千歌ちゃんに近づきたい…)


曜「千歌ちゃん……ごめん。私に…最後に一つだけ思い出をちょうだい…」


曜「そしたら…また明日から…幼馴染の渡辺曜になるから…」


曜「ごめん…」>ソー
















志満「お待たせ~。ちょうど松月のどらやきがあるから食べていてね~って、あら?千歌ちゃん寝ちゃってるのね~?」

曜「は、はい…!そ、そうみたいでしゅ!」


志満「でしゅ…?」


曜「ち、違います!ですです!はい!」>アセアセ


志満「あらあら、曜ちゃんどうしたの?」


曜「すみません、志満さん!私、急用を思い出したので今日はこれで帰ります!」


曜「どらやき……モグモグ……ゴックン!…、ありがとうございます!それじゃあ、これで!」>タッタッタッ…















志満「そんなに急ぎの用事があったなんて…、なんだか悪いことしちゃったみたいね…」


千歌「…」>ムク


志満「あっ、千歌ちゃん起きたのね?実はさっきまで曜ちゃんが来てくれてたんだけど…」


千歌「うん……知ってる……」


志満「えっ、千歌ちゃん?」


千歌「…カ」

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大型展望水門びゅうお 夜


鞠莉「そう…私が内浦にいない間にそんなことになっていたのね」つナデナデ


曜「ま…鞠莉ちゃん…ヒッグ……わ、私…どうすればいいの…」


鞠莉「曜…やっぱり千歌に想いを伝えるべきよ…」


鞠莉「私の見た限り、千歌だって曜のことをn、曜「そんなことできるわけがない!!!!!!」


鞠莉 >ビック!


曜「そんなことして…エッグ……も、もし千歌ちゃんに拒絶されたら……私は…私は…」


曜「お願いだよ!!もう…私には鞠莉ちゃんしか頼れる人が居ないんだよ!!!」>ポロポロ


曜「私は!!!!千歌ちゃんのことを、き…嫌いにならないといけないの!!!」>ポロポロ


曜「嫌いにならないと……いけないの…ヒッグ……エッグ…」

鞠莉(ダメね…曜は今意固地になってしまっているわね)


鞠莉(だけど、このまま曜を放っておくことはできない…)


鞠莉(なら…私にできることは…)


鞠莉「曜…あなたは本当に千歌のことが嫌いになりたいのね…?」


曜「…グス…う、うん…。私はそうしないといけないんだ…」


鞠莉「そう…なら私に考えがあります。ですが、もし曜がこれをやったとしたら千歌に幻滅されるかもしれないけど…嫌われるよりはマシよね?」


曜「幻滅…?ち、千歌ちゃんに嫌われるんじゃなくて…?」


鞠莉「ええ。私の作戦であれば、幻滅か、悪くても怒られる位ですむはずよ。バレても偶然を装えばいいから」


曜「鞠莉ちゃん…教えて…私は何をすればいいの…?」


鞠莉「……まずお昼に千歌っちにこれを…」


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浦の星女学院 教室 五限終了


委員長>キリーツ!レイ!


クラスメート達>アリガトウゴザイマシタ!


梨子「千歌ちゃん、授業中ずっと調子悪そうだったけど、大丈夫?」


千歌「う、うん、なんかお昼食べてからお腹が…」


梨子「う~ん、でも今日のお昼はパンだったし」


梨子「後は飲み物位だけど、あれは自販機のものだから私達も飲んでるし、千歌ちゃんの分だけが傷んでたってのも…」


梨子「ねえ、曜ちゃん。あれって、曜ちゃんが三人分買って来てくれたよね?その時、千歌ちゃんの分に何か変わった様子があったりした?」


曜「…ううん。何も変わった様子は無かったよ…」


梨子「そう…、なら別の原因でお腹の調子が悪いのかな?」


千歌「え、へへ…。曜ちゃん、梨子ちゃん、心配かけてごめんね…」>ウーン

曜「…千歌ちゃん、お腹の調子が悪いんだよね?なら、無理しないで一度トイレに行ってきたら?」


千歌「そうだね…ちょっと限界みたいだし…。後、その悪いんだけど、もし六限が始まっちゃった時は…」


曜「先生には上手く言っておくから安心して。それに、もし辛いならそのまま保健室にいってきなよ、ほらほら」


千歌「あ、ありがとう。それじゃ…」>ヨロヨロ…


梨子「千歌ちゃん、大丈夫かな?」


曜「うん、そうだね」


梨子「…ねぇ、曜ちゃん?朝から思ってたんだけど、なんか今日は千歌ちゃんに対して、その…淡泊じゃない?」


曜「そうかな?別にいつもと変わらないと思うけど」


梨子「いや、今だっていつもの曜ちゃんなら…『ち、千歌ちゃん体調悪いの!!??そ、それは大変だー!救急車!救急車ーー!!!』って言うよね?」


曜「…今のって、私の真似…?」


梨子「うッ…ウルサイ」/////


曜「…そうだね、梨子ちゃんの言うとおりだよ。今までの私がちょっと変だったんだ」


曜「でも、安心して。今日から、私と千歌ちゃんは普通の友達になるから」


梨子「よ、曜ちゃん…?一体何を言っていr…」




スピーカー>ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

梨子「きゃっ!?な、なに?火事!?」


曜「…」


電灯>パッ!


梨子「えぇ!?しかも停電!!??」


曜「…」


クラスメート達>クラクナッタヨー!コレッテマジヤバイヤツジャナイ?


スピーカー>ジリリリリリリリ……


スピーカー>タダイマヨリヒナンクンレンヲカイシシマス


スピーカー>キョウインノシジニシタガイスミヤカニコウテイニヒナンシテクダサイ…クリカエシマス…タダイマy…


梨子「避難訓練?そんな話聞いてなかったけど…」


教員「はい、皆さんそれでは放送に従い、落ちついて校庭まで避難を開始して下さい」


クラスメート達>エー?コウイウノッテジゼンニツウタツガアルンジャナイノー?


教員「…実は教員も急に今朝理事長に言われました…。災害はいつ起こるとも限らないから、抜き打ちの方が訓練の効果が高いとのお考えです」


クラスメート達>ソレモソウダネー リジチョウガカンガエソウナコトダネー


教員「皆さん、私の後について来て下さい!」


クラスメート達>ハーイ ゾロゾロ…

梨子「鞠莉さんの発案なのね…。って、千歌ちゃんは今頃保健室よね…?この場合どうすればいいのかな?」


曜「大丈夫だよ。保健室であれば、先生が居るから任せておけば大丈夫だよ」


梨子「それもそうか…、それじゃあ曜ちゃん、私達も行こう」


曜「うん…」


教員「あっ!それと今回の避難訓練は実際の火災や地震が起きた時を想定していますから…」






















教員「電気と水道も必要な個所以外は止めていますので、注意して下さい!」


クラスメート達>ハーイ ゾロゾロ…

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校庭


生徒達>ザワザワ


鞠莉「はーい!皆さん避難訓練お疲れ様でしたー!それじゃ、各クラスの委員長は人数を数えて、この私!…理事長に報告に来て下さーい!」


ダイヤ「はぁ…聞きましたわ。今回の訓練も鞠莉さんの突然の思いつきだそうですね」


ダイヤ「そうであれば、私達生徒会にも一声かけて下さっても良いではありませんか!」


鞠莉「うっふっふー!でも、ダイヤに相談したら止めてたよねー?」


ダイヤ「当り前ですわ!こういうものは、事前に準備をしてからですね…」>クドクド


鞠莉「もー!ダイヤったら本当に頭が固いんだからー。それよりも、クラス委員長のダイヤには私に言うことがあるわよね?」


ダイヤ「くっ…、三年生は三十八名、全員避難完了しておりますわ」


鞠莉「はい!ごくろーさま!」

一年生委員長「り、理事長先生!…一年生も十二名、全員避難完了です」


鞠莉「うふふ!ありがとー!それじゃ、アナタもクラスの列に戻っていいわよ」


一年生委員長「はい。失礼します」


ダイヤ「これで後は二年生の報告だけですわね…って、あら?随分と時間がかかったようですね?」


二年生委員長「理事長先生、報告します!二年生の避難状況なんですが…その…」


ダイヤ「確か…二年生は全部で二十四名でしたわね?」


二年生委員長「そうなんですが、実は今姿が見えない生徒が二人いまして、それで…」


鞠莉「その件でしたら、心配いりません!その二名については今体調を崩して保健室で休んでいると連絡を既に受けていますから」


鞠莉「報告ありがとー!じゃあ、アナタも早くクラスの列に戻ってねー」


二年生委員長「ご、ご存知でしたか…。それでは、戻ります」


ダイヤ「あら…?どなたか保健室で休んでいる生徒がいるんですの?」


鞠莉「そうよ、さあさあ!ダイヤもクラスの列に戻った、戻った……あーあーテストテスト…」つ拡声器


鞠莉『えー生徒のみんなー!今日は、避難訓練ご苦労さまでしたー!』つ拡声器


鞠莉『それでは、これから今回の訓練の講評と災害発生時の対処方を話しまーす。まず……』つ拡声器


鞠莉(曜…私が話している間に上手くやるのよ…)


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続きは明日

校舎 二階二年生フロア 廊下



鞠莉>エーミナサンガシズカニナルマデニジュウゴビョウー


曜(鞠莉ちゃんの声がここからでも良く聞こえる…)


曜(…今このフロアには私一人しかいないからかな…?…でもこれは偶然じゃない…)


曜(昨日、鞠莉ちゃんは私が千歌ちゃんを嫌いになるためのとっておきの作戦を教えてくれた…)


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鞠莉「まず明日の五限の終わりに、緊急の避難訓練を行うわ」


鞠莉「そして、曜はお昼休みにこの薬を千歌に飲ませなさい」つ薬


曜「く…薬…?鞠莉ちゃん、これってなんの薬なの…?」


鞠莉「これはね…下剤よ」


曜「下剤…?でも、下剤と訓練になんの関係が…?」


鞠莉「これをお昼に飲ませれば、ちょうど五限終了時に千歌はトイレに行くことになるわ」


鞠莉「それから、その時に避難訓練を理事長権限で行います…。曜、あなたは避難をする振りをして、一人二階に残りなさい、そして…」















鞠莉「断水させておくから、曜は千歌がトイレに残したウン<ピー>を見なさい」


曜「…エッグ…」


曜「 」


曜「」


曜「えぇぇぇぇぇ!!!!!??????」

曜「ま、鞠莉ちゃん!いきなり何言ってるの!?わ…私そんな趣味ないよぉ/////////////」


鞠莉「ふざけている訳じゃないわ。曜、今のあなたからすると、千歌っちはすごく魅力的で、非の打ちどころのない美少女に見えてるのよね?」>ガシッ!


曜「う、うん…///////」


鞠莉「でもね、どんな美少女でもウン<ピー>はするの!出すものは出すのよ!」


鞠莉「だから、曜。明日、千歌っちのウン<ピー>を見て、幻滅してきなさい」


鞠莉「もう、それ位しか曜には手は残されていないわ」


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曜(…鞠莉ちゃん、ありがとう…。これで、私も明日からは普通の友達に戻れるんだよね…?)


曜(千歌ちゃん、ごめんね…。でも、今の私が千歌ちゃんをあきらめるにはこれくらいしないとダメなんだ!)


曜「…よし!」


ドア>ギィー

二階 女子トイレ


曜(女子トイレの個室は六ヶ所…、よし…いまは全部ドアが空いてるから、誰もいないね…)


曜(…)>スタスタ


曜(…!)>ピタッ!


曜(手前の五ヶ所はすべて蓋が上げられていて中も空だった…。そして…一番奥のこの場所だけ…蓋が閉じられている…)


便器「…」


曜「こ、この中に…」>ゴクリ

蓋は閉じられていたけれど…柑橘系の強い香りが立ち込めていて、私の鼻にツンとした刺激を与えた


恐る恐る蓋を開けると、かわいらしいハンカチが何かを包んでいる…


たぶん断水して流せなかったから、隠したかったんだろうな…と思いつつ、意を決してハンカチの包みを解いてみた


すると私の目に、千歌ちゃんらしいオレンジ色…いや…キツネ色をしたものが何段にも重なった立派なものが飛び込んできた…


その上には、ツンっと天を向いているこれまた柔らかそうなクリーム状のものが乗っかていて


加えて、その周りはちょっと量が多いのではないかと心配になるほど黄金色の液体で満たされていた


私はあまりのその見事な出来栄えに、思わずゴクリっと喉を鳴らしてしまい…当初の目的を忘れて思わず…




曜「 」>ムシャムシャ…


一口食べてしまった


多少冷めてしまってはいるが、それでも作った人の真心が感じられる素晴らしい出来だ…


黄金色の液体は、柑橘系の味がして……、そうか…さっきから感じていた匂いはこれが原因だったんだね…


曜「 」>ムシャムシャ…


曜「 」>ゴックン…


曜(あはは…千歌ちゃん…これって…)>ポロポロ…

















曜「みかんソースたっぷりのホットケーキ…だよね…」>ポロポロ


曜「しかも、私が好きなホイップクリームもたくさんかけてくれて…」>ポロポロ


千歌「…」

千歌「曜ちゃん…」


曜「鞠莉ちゃんから聞いてたんだね…」


千歌「うん…昨日曜ちゃんが悩んでくれたことも…それから…」


千歌「私にキスしようとしたことも…」


曜「…っ!」


千歌「ねぇ、曜ちゃん悩みがあるなら…想っていることがあれば、私にも相談してよ…」


千歌「私達、親友でしょ…?」


曜「あは、あははは……あーはっはっはっはっは!!」


曜「そーだね!私達は『友達』!『親友』!だもんね!!!」


曜「あーあ、もうバレバレだけど言っちゃうね!私、渡辺曜は高海千歌ちゃんのことが大好き、いや!愛しています!」


曜「どの位好きかと言うと、キスしたりエッチしたり、恋人同士ですることぜーんぶしたいくらいなんだよ!」


曜「幻滅したでしょ?同性からこんなこと言われても困るよね、だから言っていいんだよ!」


曜「キモチワr…千歌「曜ちゃんのバカーーーー!!!!!」


千歌「曜ちゃんのバカバカバカバカバカバカ!!」>ポカポカ!


曜「ちょっ、千歌ちゃん痛いって…」


千歌「なんで私の話も聞かずに自分一人で言いたいこと言って!私だって…私だって…」









千歌「渡辺曜のことが!!世界で一番!!!!この地球上で誰よりも!!!!!大大だーーーーーい、好きなんだからねーー!!!!!!!!!」


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理事長室 放課後


ダイヤ「そうですか…。今日の訓練の本当の目的はそれでしたの…」


鞠莉「そーゆーこと!」>ブイ!


鞠莉「…まぁ、あの曜もどこかの年上の幼馴染に似て頑固だから…一度自分がこうだと決めると、中々抜け出せなくなっちゃうのよね」


鞠莉「だから、曜を逃げられない状況にして、本音をぶつけさせる必要があったのよ…」


ダイヤ「ですが、鞠莉さんが古典を読まれていたなんて正直意外でしたわ」


鞠莉「あら?私だってそれくらい読むわよ。…あの話の主人公は結局最後まで恋が実らず死んでしまったけれど…」


鞠莉「普段の千歌っちの様子を見てれば、絶対悪いようにはならないって確信があったから、今回は故事に倣おうと思ったの」


鞠莉「でも、ダイヤもよく今日も練習を休みにしたわね…。これで、私達は二日連続で休みになっちゃうわよ?」


ダイヤ「鞠莉さんの話を聞くまで確信はありませんでしたが…、その…私も千歌さんと曜さんの様子を見て、馬に蹴られて死にたくないと思っただけですわ」


鞠莉「うふふ~。そーよねー、あの二人の雰囲気は露骨に変わってたものね~」>ニコニコ


ダイヤ「まったくですわ…、今頃何をしているのやら…少々心配になってきましたわ…」>ハァ…

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続きは土曜日

旅館 十千万 千歌の部屋


千歌「はい、曜ちゃんあ~ん」つホットケーキ


曜「あ~ん///…モグモグ……うん、やっぱり千歌ちゃんのお手製のホットケーキは最高だね!」


千歌「えへへ…曜ちゃん褒めすぎだよ~///」>テレテレ


曜「そんなことないよ!毎日だって食べたいぐらいだよ!」


千歌「ま、毎日!?よっ曜ちゃん…それってつまり…////」


曜「………あっ!、ち、違うの!今のはそういう意味で言ったんじゃないから/////」


千歌「そ、そうだよね!!ご、ごめんね、あははは……///」


千歌・曜「「……///」」

千歌「で、でも昨日鞠莉ちゃんから話を聞いた時はビックリしたよ。まさか、曜ちゃんが私の…ウ…チ…を見たがるなんて////」


曜「い、いやいやいや!誤解だよ千歌ちゃん!?それは鞠莉ちゃんのアイデアで…」>アワアワ


千歌「うふふ、分かってる。冗談だよ、冗談」


曜「もう!千歌ちゃんのイジワル…。もし、千歌ちゃんに嫌われちゃったら…私は…」


千歌「曜ちゃん…安心して、例えこの先何が起ころうとも私は決して曜ちゃんの隣を離れるつもりはないから」>ギュッ!


千歌「私達は今日から、こ…、、恋人になったんだし///////」>カァァ


曜「千歌ちゃん///」


千歌「だからね…曜ちゃんが言っていた、恋人同士ですること全部千歌にして良いんだよ…」


曜「な、なんでも…?」>ゴクリ


千歌「うん…、なんなら…ッチ…でも///」


曜「な、なら千歌ちゃん。早速ね…して貰いたいことがあるんだ…」

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千歌「曜ちゃん、どう?痛くない?」つナデナデ


曜「うん!千歌ちゃんの膝枕とっても柔らかくて気持ちが良いよ~」>ゴロゴロ


曜「それに…なんだかとっても良いにおいがするし」>クンクン


千歌「も、もう///曜ちゃん、嗅がないでよ!///」


曜「私、今とっても幸せだよ…。…鞠莉ちゃんが参考にしたっていう物語の主人公も、私達みたく幸せになれれば良かったのに…。相手の女の人もイジワルだよね…」


千歌「…そうかな?私なりにだけど、彼女の気持ちも分かる気がするよ…」


曜「そんな…もの…か…な…」>ウトウト…


曜「千歌ちゃん…、ごめん…なんだか安心したら…眠くなってきちゃったよ…」


曜「ま…だ…千歌ちゃんと…いっぱいお話した…イ…ノニ…」

曜「…Zzz」>スゥスゥ…


千歌「えへへ…昨日、今日と曜ちゃん千歌のためにいっぱい頑張ってくれたんだね…」


千歌「まだ終バスまで時間があるから…それまで千歌の膝の上でゆっくり休んでてね」つナデナデ


千歌「~♪」つナデナデ








曜ちゃん、私があの物語の彼女の気持ちが分かるって言ったのはね。


おこがましいかもしれないけど、ちょっとだけ私と境遇が似ているんじゃないかと思ったからなの。


周りは自分のことを褒めてくれるけど、自分ではそんなこと全然思ってなくて自信が持てなくて…。


そんな自分を好きって言ってくれた男性は、頭もよくて、かっこよくて、周りには常にみんなが集まるキラキラした人だった。


だから、嬉しい反面…きっと自分と彼は釣り合わない…身分の違う別世界の人だから…彼の幸せのためにも、自分は身を引かなきゃいけない。


けど、やっぱり彼のことが好きだから……最後はせめて彼の心のなか…思い出としてだけでも生きたかったから…あんなことをしたんだと思う…。

私にとって、曜ちゃんも同じなんだよ…。曜ちゃんは、千歌と違ってなんでもできて、昔からキラキラしてて…私とは違う世界の住人なんだって何処かで感じてたの…。


そんな曜ちゃんだから、いつかきっと私から離れてしまうんだって…ずっと怖かった…。


だからね…今日曜ちゃんが御手洗いでホットケーキを食べている姿…私に告白してくれた時の…自信をなくして破れかぶれになってる姿を見てね、千歌とっても嬉しかったの。


もちろん、曜ちゃんと同じ気持ちだったというのが一番だけど…


あぁ…いつも完璧だった曜ちゃんにもこんな弱い一面があったんだ…、やっと殿上人が私と同じ世界まで落ちてきてくれたんだって…。


同じ世界の住人なら、ずっと隣に居ることができる…だから千歌、これからはもう我慢しないし、絶対にこの手を離さないからね…?


曜ちゃんが望むならなんだってするし…、は、恥ずかしいけど…コ…コスプレ…ッチだって/////


だけど、もし将来曜ちゃんが私の隣から居なくなるような時が来たら…私にできることは…














曜ちゃんの心の中だけで…美しい思い出として…生きていくことだけだと思う…。


私だってそんな未来は嫌だよ…?だから曜ちゃん…?


千歌「ずっと…私の隣にいてね…?」つナデナデ











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お目汚し、失礼いたしました。

参照:今昔物語集『平定文、本院の侍従に懸想せし語』

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