【ガルパン】西住みほ「来年度の全国大会を予想……ですか?」 (35)

杏「そ。『月刊戦車道』の企画で、各校の隊長に聞いてるんだって」

みほ「へぇー、そうなんですか」

杏「というわけでさ、よろしく西住ちゃん。質問リストはもらってるから、それに沿って答えてくれれば大丈夫だから」

みほ「は、はい!」

杏「それじゃ第一の質問。『ズバリ、来年度優勝の本命はどこですか?』だって」

みほ「優勝の本命ですか……やっぱり、黒森峰ですね」

杏「ま、そうなるよね。一応理由を聞いてもいい?」


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みほ「はい。まずはやはり保有している戦車の質が群を抜いていることです。パンター、ヤークトティーガー、エレファント……火力と装甲がほかの高校と比べて圧倒的です」

杏「プラウダ高校対策らしいけど、正直『勝てるかもしれないのがプラウダぐらいの編成』だよね」

みほ「今年の編成は重戦車に偏っていましたが、来年度以降は新戦術……『ハンマーと金床』戦術を採用してくるそうですから、Ⅳ号やパンターの割合が増えるのではないでしょうか」

杏「弱点の足回りが改善されちゃうわけか。厄介だね……『戦術と腕』の方はどうだろ?」

みほ「来年度の隊長はエリ……逸見さんで、副隊長が小梅さんになると思いますが、一年間お姉ちゃんの下で副隊長を務めていた逸見さんの指揮能力は本物ですし、小梅さんも補佐として高い能力を持っています」

杏「強襲戦車競技……だっけ?あっちのチームではその二人が指揮官らしいね」

みほ「恐らくハンマーの方を逸見さんが、金床の方を小梅さんが指揮することになると思いますが、金床のほうを二年生の副隊長が指揮して、小梅さんはエリカさんの補佐に回る可能性もあります」

杏「名門だし人材には事欠かない、か。マニュアル化された訓練で練度も維持してくるだろうしね。ほんと、よく勝てたもんだよ」

みほ「はい……来年度も本命の座は揺るがないと思います」

杏「続いて第二の質問。……ありゃ、うちについてだ。『今年度優勝の大洗女子学園ですが、来年度の大会ではどのような活躍が期待できますか?』」

みほ「来年度の大洗ですか……」

杏「いやー、西住ちゃんのおかげで廃校を回避できたからね。こうして来年のことまで考えられるなんて嬉しい限りだよ」

みほ「そんな……皆でがんばったおかげです」

杏「まーまー、謙遜はいいから。で、どうだろ?」

みほ「来年度のチーム編成ですか……まずはやっぱり、戦車の数を増やしたいですね」

杏「さすがに一回戦のレギュレーションさえ満たしてない8両じゃきつすぎるしね」

みほ「いえ、実質7両です」

杏「え?……そっか、自動車部が抜けちゃうんだ」

みほ「ツチヤさん以外の皆さんが卒業してしまいますから、ポルシェティーガーの運用は厳しいと言わざるを得ません」

杏「走りながらエンジンの修理なんてできるのは自動車部ぐらいだしね……ツチヤちゃん一人じゃやっぱ荷が重いかぁ」

みほ「整備の面でも厳しくなりそうですから、ツチヤさんには育成も含めて整備に専念してもらう可能性もあります。そうなるとやはり、最低でも中戦車クラスを導入して戦力を補いたいところです」

杏「ま、優勝したし予算も増えるだろうからそれは可能なんじゃないかな。次期生徒会長がどれだけもぎ取ってくれるかに期待、ってところだね」

みほ「華さんなら粘り強く交渉してくれそうです」

杏「広報の武部ちゃんの人懐っこさにも期待だね。問題は乗員の方だけど……経験者、来年は入ってくれるかなぁ」

みほ「うーん……何とも言えないですが、今年の戦いぶりは有名になりましたし、期待できるんじゃないでしょうか」

杏「黒森峰でもなくプラウダでもなく、あえてうちを選ぶ人間かぁ……秋山ちゃんみたいな西住ちゃんに憧れてるタイプか、うちで一旗揚げようっていう野心家タイプか……後者だったら、一筋縄じゃいかなそうだなぁ。隊長、よろしく頼むよ」

みほ「うぅ……頑張ります……」

杏「でもかーしまもそど子ちゃんも抜けちゃうから、履修者が増えても統制が効かなくなりそうではあるよね。西住ちゃん、そういうの苦手だし」

みほ「その辺りは、磯部さんにお願いすることになりそうです」

杏「確かにあの慕われ方はすごいからね。若干精神論に傾きそうではあるけど」

みほ「いえ。本質はすごく頭を使う人なので、そのようなことはないはずです。一つ上には澤さんもいますし」

杏「ウサギさんチームを引っ張ってるのはすごいもんね。初心者の気持ちもわかりそうだし、案外うまくいくのかな?」

みほ「はい。そうなってくれると思います」

杏「レオポンとカモさん以外にメンバーが入れ替わるチームは……うちだけか」

みほ「会長と小山先輩が抜けてしまうのは大きいですね……」

杏「……そう言ってもらえると嬉しいよ」

みほ「今のチームをばらけさせてしまってもうまくいかないと思うので、新編成のチームを作って新しい戦車を運用してもらう形になりそうですが……どこまで戦力として期待できるかは未知数です」

杏「ま、カバさんとかアヒルさんとか、チームの中心は残るわけだし、なんたって西住ちゃんが来年も指揮を執るからね」

みほ「私の指揮はともかくとして、皆さん黒森峰や大学選抜との戦いを経験していますから、実戦経験では随一と言えます」

杏「人数が増えて、派閥とかできなきゃいーけど。BC自由なんて大変らしいじゃん」

みほ「あ、それはあり得ません」

杏「即答だね……」

みほ「沙織さんがいるので、そういった事にはなりません」

杏「確かに。本人も西住ちゃんに対抗しようー、とか考える子じゃないし」

みほ「悩んでる子や孤立しかけている子がいても、沙織さんなら相談にのって解決してくれます」

杏「そしてまた求めてるモテ方から遠ざかる、と」

みほ「はい。遠ざかります」

杏「……まーでも、うちにはあんこうチームがいるしね。操縦手の冷泉ちゃんに、砲手の五十鈴ちゃん。ぶっちゃけ、来年度大会最強の戦車でしょ」

みほ「確かにあんこうの皆さんの技量は黒森峰以上です。……ですが、そう楽観視もできません」

杏「なんでさ?」

みほ「市街戦に持ち込むことが出来れば1両で多くの敵を相手にできますが、次は相手もこちらの戦い方を研究してきます。次の大会では市街戦を徹底的に避けてくるはずです」

杏「大学選抜戦、決勝の黒森峰戦、エキシビション……あれを見たらそりゃそうなるかぁ」

みほ「野戦では数と質の差が出ますから……」

杏「ま、まぁ、なるようになるって!」

みほ「そ、そうですね!みんなで協力すれば、きっとどんな相手にも勝てるはずです!」

杏「それじゃ最後の質問。『次の大会、一体どんな展開になると思いますか?』」

みほ「次の大会、ですか……」

杏「うーん、ちょっと大雑把な質問すぎるかな。ま、適当でいいでしょ」

みほ「恐らく、軽戦車や速度に優れた戦車を用いた機動戦が流行ると思います」

杏「あー、強襲戦車競技の影響で。なんでだかどこもやってるんだよ、楽しいのかな?」

みほ「アヒルさんチームも参加してましたね」

杏「勘違いから、ってのがアヒルらしいけど」

みほ「補償とかどうしてるんでしょうね?」

杏「……堅気がやってるとは思えないんだよなぁ……」

みほ「この話はここでやめまておきましょう……重戦車の割合が減少するのは、大洗にとって追い風と言えるかもしれません」

杏「うさぎさんチームには少し申し訳ないけど、うちの編成じゃどうしても重戦車と正面から戦うのは厳しいからねぇ」

みほ「はい。そうなってくれれば強豪校相手にも付け入る隙が生まれます」

杏「強豪校かぁ……来年の強豪校って、どうなるんだろ。どこも今年が黄金世代みたいな所があるけど」

みほ「少なくとも黒森峰については、質が大きく落ちることはないと思います。お姉ちゃんの進めている戦術改革の結果によっては、今年以上の戦力になることも十分に考えられます」

杏「じゃー、黒森峰の対抗馬、プラウダは?」

みほ「あまり言いたくはありませんが……戦力は落ちるのではないでしょうか」

杏「来年の隊長と副隊長……あの小さい二人だっけ、確か、ニーナちゃんとアリーナちゃん。小さくないと隊長になれない伝統とかあるのかな?」

みほ「あの二人が目指しているのは、いわゆる『カチューシャ戦術』です。副隊長経験のない二人が隊長になってカチューシャさんの模倣をしようとしても、カチューシャさん以上の戦術家になれるとは考えられません」

杏「自分の名前を戦術に付けるのはいかにも、って感じだけど、確かに指揮官としては優勝も経験してるし……っと、ごめん」

みほ「いえ、気にしないでください……それに、ノンナさんもいなくなります。あれだけの砲手はそういませんから、IS-2の脅威も小さくなります。やはり、少なからず戦力は低下すると思います。……ただ、雪原で戦えば正面から黒森峰に勝ちうる唯一のチームであるのもまた事実です」

杏「何回戦でぶつかるか、が鍵だね。うちとぶつかる前に互いに潰しあってほしいよ」

杏「うーん、サンダースは?」

みほ「規模の大きいチームですし、戦力的にはあまり変わらなそうですね。No.2のナオミさんが隊長、No.3のアリサさんが副隊長になるとして、もともと作戦はアリサさんが考えていたみたいですからその体制は変わらないかと」

杏「でも、あの大所帯をまとめられるのはおケイぐらい、って気もするけど。三軍まであるんでしょ?」

みほ「それは確かにそうですね……むしろチームの運営面での影響が大きいかもしれません」

杏「アリサちゃん、余裕ないからね……ナオミちゃんは女の子人気高そうだけど、おケイ程は……」

みほ「アリサさんがタカシさんとうまくいけば、人間的に余裕ができて上に立つカリスマが出てくるかもしれませんね」

杏「なーんだ、じゃあ大丈夫じゃん!」

みほ「そうですね!念のために、沙織さんに恋愛相談するよう勧めてみます!」

杏「カリスマが抜けて苦しい、って言えば……あそこは本当にヤバイんじゃないかな」

みほ「ああ、紅茶の」

杏「西住ちゃんの友達が転入した……ベルウォールだっけ?ティーガー持ってるんでしょ?」

みほ「それとヤークトパンター、エレファント、T- 44、Ⅱ号です」

杏「そこと一回戦で当たったら多分勝てないよね。ってかうちより強いじゃん」

みほ「そこは……戦術と腕でなんとか」

杏「チャーチルマチルダじゃ装甲抜けないでしょ。やっぱOB会にがんじがらめじゃねぇ……」

みほ「いえ、この先を考えると、一番怖いのはあそこかもしれません」

杏「なんで?確かにお金は一杯くれるけど、あの三種しか導入させてくれないんでしょ?」

みほ「会長」

杏「ん?」

みほ「あの人がそのOB会に入るんです」

杏「……ヤバイね」

みほ「入会したその日に無血革命、チャーチル会・マチルダ会・クルセイダー会を統一してセンチュリオン会を結成するぐらいしかねません」

杏「そのままブラックプリンス、コメット、センチュリオンを導入……あり得ないと言い切れないのが怖いや」

みほ「今ごろ根回しの最中ではないでしょうか」

杏「機動戦に対応できる人間も一応いるんだよなぁ……」

みほ「あんなですけど、一年でクルセイダー隊の指揮官ですから」

杏「……でも、本当に怖いのはむしろ再来年かもね。ペコちゃんが隊長になるだろうし」

みほ「はい。よくも悪くもあの人次第ですね」

杏「引退した後の方が怖いって、すごいなぁ」

みほ「機動戦が主流になった場合、ダークホースになり得る高校があります」

杏「機動戦……もしかして、アンツィオ?」

みほ「あ、違います」

杏「だよねー」

みほ「機動力を活かした臨機応変の戦術、と言えば……」

杏「島田流……アリスちゃんか」

みほ「彼女の転校先も、かなりの驚異となるでしょう」

杏「一人の有能な指揮官がいれば弱小でも優勝し得る、うちが証明しちゃったからねぇ」

杏「いやー、うちも強豪の仲間入りしたかと思ったけど、どこもやっぱり高い壁になってきそうだ」

みほ「はい。正直、今年と同じように勝てるとは思えません」

杏「でも、そんなに気にすることはないんじゃないかな……もう廃校のかかった、負けられない試合じゃないんだしさ」

みほ「はい……新しくチームに加わる人が私のように自分の戦車道を見付けられるような、そんなチームにできたらいいなって、そう思います」

杏「わかった!この『月刊戦車道』の文章の最後にもちゃんと書いとこっか!」

みほ「何て書くんですか?」

杏「『アットホームなチームです!未経験者大歓迎!』って」

みほ「……会長、それは誤解されそうなのでやめましょう」

杏「ありゃりゃ。やっぱり?」

以上です。
正直大洗の連覇は厳しいと思う。

>>17訂正
みほ「機動戦が主流になった場合、ダークホースになり得る高校があります」

杏「機動戦……もしかして、アンツィオ?」

みほ「あ、違います」

杏「だよねー」

みほ「機動力を活かした臨機応変の戦術、と言えば……」

杏「島田流……アリスちゃんか」

みほ「彼女の転校先も、かなりの脅威となるでしょう」

杏「一人の有能な指揮官がいれば弱小でも優勝し得る、うちが証明しちゃったからねぇ」

>>15訂正
杏「カリスマが抜けて苦しい、って言えば……あそこは本当にヤバイんじゃないかな」

みほ「ああ、紅茶の」

杏「西住ちゃんの友達が転入した……ベルウォールだっけ?ティーガー持ってるんでしょ?」

みほ「それとヤークトパンター、エレファント、T- 44、Ⅱ号です」

杏「そこと一回戦で当たったら多分勝てないよね。ってかうちより強いじゃん」

みほ「そこは……戦術と腕でなんとか」

杏「チャーチルマチルダじゃ装甲抜けないでしょ。やっぱOG会にがんじがらめじゃねぇ……」

みほ「いえ、この先を考えると、一番怖いのはあそこかもしれません」

>>16訂正
杏「なんで?確かにお金は一杯くれるけど、あの三種しか導入させてくれないんでしょ?」

みほ「会長」

杏「ん?」

みほ「あの人がそのOG会に入るんです」

杏「……ヤバイね」

みほ「入会したその日に無血革命、チャーチル会・マチルダ会・クルセイダー会を統一してセンチュリオン会を結成するぐらいしかねません」

杏「そのままブラックプリンス、コメット、センチュリオンを導入……あり得ないと言い切れないのが怖いや」

みほ「今ごろ根回しの最中ではないでしょうか」

杏「機動戦に対応できる人間も一応いるんだよなぁ……」

みほ「あんなですけど、一年でクルセイダー隊の指揮官ですから」

杏「……でも、本当に怖いのはむしろ再来年かもね。ペコちゃんが隊長になるだろうし」

みほ「はい。よくも悪くもあの人次第ですね」

杏「引退した後の方が怖いって、すごいなぁ」

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