P「雪美の教育方針について?」 (20)

千秋「ええ」

P「何言ってんだ、お前」

千秋「大事な事よ」

P「大事な事だけど俺達が決めることじゃ……あ、アイドルとしての方針のことか。
 俺はてっきり将来設計みたいなものを想像したよ」

千秋「将来設計のことよ」

P「何言ってんだ、お前」

千秋「大事な事でしょ」

P「大事な事だけど俺達が決めることじゃ……いや、何かループしてるな」

千秋「そんなに驚くことかしら」

P「そりゃ驚くだろ。自分のアイドルが他のアイドルの将来について相談してきたら」

千秋「でも佐城さんには間違った道を歩んでほしくないの」

P「俺もそりゃそうだけど。そもそも雪美の両親に話すべきことだろ。こういうことは」

千秋「佐城さん、クリスマスはいつも一人で過していたそうね」

P「言いたいことはわかった。それでどうして急にこんな話を?」

千秋「佐城さんはまだ十歳。多感な時期だと思うの。今は親元から離れて女子寮でいつも楽しそうに
   過しているけど、何が悪影響を及ぼすかわからないわ。もちろん私も見張っているけどね」

P「それじゃあまるで悪影響の元が身近にあるみたいじゃないか」

千秋「そうね、例えば双葉さんは良くないと思うわ。私の同郷ではあるけれど」

P「杏か。杏の影響を受けた雪美ねぇ……」

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「やっと終わった……」

山積みになっていた仕事を全て片付けて、大きく伸びをする。時計を見ればもうすぐ十一時だ。
家に帰るころには日も変わり、風呂に入って明日のためにすぐに寝なければいけない。いっそのこと
事務所に泊まってやろうかと思いながら立ち上がり、誰もいない事務所を見渡す。既にちひろさんは
帰宅しているし、点いている灯かりも俺の上の電灯だけ。と思っていたのだが。

「雪美? なんでここに?」

ソファーの上で安らかに眠る雪美の姿があった。ここに放置して帰るわけにはいかない。幸いにも雪美は
女子寮に住んでいるからここからそう遠くはない。周り道になるが送って行ってやろう。声をかけながら、
肩を揺さぶると雪美は眠たそうに瞼を開いた。

「んん……P……仕事終わったの……?」
「ああ。というかなんでお前はここにいるんだ」
「P……約束した……夕ご飯……連れて行ってくれるって……」

思い返してみるが、記憶にない。今日のことではないのだろうか。

「本当は……帰るの面倒になったから……送ってもらおうと思って……待ってた……」

そう言いながら両手を伸ばす。

「起こすのか?」
「だっこ……」
「だっこってお前小学生じゃあるまいし」
「昔は……膝に載せてくれた……」
「そりゃ昔はな。今、高校生じゃないか。ほら、普通に起きろ」

手を持って起こす。しかしすぐに倒れこむ。これは面倒なことになった。

「じゃあ……おんぶ……眠くて……歩けない……」
「おんぶもだめだ。ほら、起きて歩け」
「ぐぅ……ぐぅ……」

明らかなタヌキ寝入りをしている。こうなったらテコでも動くまい。俺は溜息を吐いて、妥協した。
しゃがみこみ、背中を向けるとさっきまでのぐーたらぷりはどこにいったのか素早い動きで背中に
しがみ付いて来た。

「楽チン……女子寮まで……ね?」
「わかってるよ。やれやれ」

雪美を背負ったまま事務所の戸締りをチェックし、鍵を閉めた。鞄も持ってくれないのでとても苦労した。

今日に限って車出勤しなかったことを恨みながら、女子寮への道を歩く。歩けば十分ほどの距離のはず
だが、雪美を背負っているので余計に疲れる。スカウトした時はまだ十歳で膝に載せても平気だったが
あれから七年。身長はぐんぐん伸びて160センチを越えた。それに見合うだけ体も成長した。
はっきり言って重いのだ。日頃の運動不足もたたり、背中の膨らみを楽しむ余裕もない。
女子寮につく頃には秋口の夜中だというのに汗が山のように出ていた。

「おい、着いたぞ。降りろ」

揺すりながら声をかける。太ももの感触を味わっている余裕も当然ない。しかし反応が芳しくない。
どうやら汗まみれの背中で寝ているらしい。道中静かだったのは昔からの物静かな性格ゆえではなかった
ようだ。どうしてこんなだらけた性格になってしまったのか。このぐらいならぎりぎり許せても、気分が
のらないからなどというよくわからない理由でレッスンをサボったりするのはやめてほしいと思う。

そのような愚痴はさておいて、揺すれども揺すれども返ってくるのは寝るのを邪魔するなと言わんばかり
の唸り声ばかりなので諦めて部屋まで行く事にした。時折事務所にやってこない雪美を部屋まで迎えに
行くことがあるので誰かに見られても問題はない。人影のない女子寮に入り、雪美の部屋の前に立つ。
鍵は当然かかっていたので、鍵のことだけ考えて雪美のポケットに手を突っ込む。目当ての物はすぐに
見つかった。

電気を点けると足の踏み場もないほど散らかった部屋が迎えてくれた。衣服も散乱している。昔は
あんなに可愛いゴシックのフリルが付いた服を着ていたのに今はシャツにズボンだ。そういう服を着る
のは仕事の時だけになってしまった。出来るだけ物を踏まないようにベッドまで歩き、ようやく雪美を
降ろす。

しかし疲れもあってか、そのまま引っ張られて呆気なく自分もベッドに転がった。両腕を俺の頭の隣に
おいた雪美が俺の上にいる。今度はタヌキ寝入りに騙されてしまった。雪美は優しく微笑む。

「P……疲れてる……大丈夫……私が……癒してあげるから……」

P「あぁ~、だめだめえっちすぎます」

千秋「は?」

P「すまない。なんでもない」

千秋「とにかく佐城さんを双葉さんみたいにだらけた性格にはさせないわ」

P「手厳しい」

千秋「双葉さんだって可愛いんだからもっとシャンとすればいいのに」

P「あれでも仕事はマジメだぞ」

千秋「そうみたいだけど」

P「リテイクが面倒だから一発で終わらせるんだ」

千秋「それは……褒めるべきでしょうけど理由が……」

P「それでお前は雪美をどんな風にしたいんだ?」

千秋「え、そ、そうね……。その……えっと……」

P「言い難いのか」

千秋「わ、私みたいに、かしらね」

P「千秋みたいにかぁ……」

「今日、どうだった?」

レッスンが終わると雪美はいつも俺にそう尋ねる。トレーナーから毎回アドバイスは貰っているので
今更俺がどうこう言うこともない。それでも聞いてくるのは彼女のプロデューサーではなく、一人の
一般人としての意見が欲しいからだ。

彼女をスカウトして五年。当初は写真集やモデルなどビジュアル方面を売りにしていたが、歌の才能を
見出され練習を始めて以来、目を見張るほどのスピードで歌手として成長していった。あの頃は寡黙で
喋るのが苦手で鏡に向かって練習しているような子だったが、今では口数は多くないもののはっきりと
した物言いをするようになり、昔からのファンが「あの頃の沈黙は良かった」という一方で
「これもなかなか良い」という評価を受けている。

ただその過程で彼女の中に眠っていた闘争心に火が付いたのか、ストイックな部分も目にするように
なった。ボイストレーニングを出来る限りいれ、休日は喉を休めるために誰とも話さない。あれだけ
可愛がっていたペロともここしばらく会っていない。動物の毛が喉を痛める原因になるかもしれないから
と話していたが、さすがにそこまでストイックにならなくてもと諭したが聞く事はなかった。

その事件が起きたのは彼女が出演するコンクールの少し前のことだった。トレーニングルームで彼女が
倒れたのだという。俺は仕事を中断して、急いで彼女のもとへ向かった。

「心配しすぎ」

ベンチに座る彼女はぶっきらぼうに言う。しかし顔は赤いし、息も浅く速い。誰が見ても風邪の症状だ。
今日は会っていなかったので気付かなかった。トレーナーと相談し、大事を取って三日間ほど休養に
充てる事にした。幸いにも仕事は入っていないのでゆっくり休めるはずだ。当の本人は問題ないと
繰り返しているが、いつもよりもどこか口調も弱弱しい。無論彼女の言い分は通ることはなく、
トレーナーに着替えを手伝ってもらった後、病院で診察してもらい、女子寮に送り届けるころには
静かになっていた。

自室まで肩を貸してやり、ベッドに寝かす。着替えさせたり、汗を拭いたりしたほうがいいのだろうけど
さすがにそこまで出来ないので他の子に頼むことにする。しっかり休むんだぞと言い聞かせ、部屋を後に
しようと背を向けると小さく押し殺した泣き声が聞こえてきた。

「練習しなきゃ……トップになれない……」

もうじき行われるコンクールは四年に一度行われ、審査員と一般の客の投票でその年の優勝者が決まる。
多くの歌手や歌を得意とするアイドルにとっては一つの目標であり、優勝とは即ちトップになったと
言っても差し支えはない。それだけに競争率も激しく、参加することすら叶わない場合が多い。
彼女はその出場権をわずか十五歳で手にしたのだ。

俺は彼女のベッドの隣にしゃがむ。横になった彼女と目線が合う。顔は赤く、目には涙を浮かべていた。

「でも体を治さないとトップどころか出場すら出来ないぞ」
「このぐらい練習中に治る……だから……」
「だめだ。お前はどうしてそこまでトップに拘るんだ」
「……手……繋いで……」

言われた通り、彼女の手を握る。よく知った暖かく小さな手だ。

「約束……したから……」

彼女の少しずつ紡ぐ言葉が、彼女の握った手が、あの時の事を思いださせる。
迷わないように手を握って。彼女はそう約束してほしいと言った。
あなたの望み、私が叶える。彼女はそう約束をすると言った。

「あなたの望み……トップアイドル……シンデレラガールじゃないけれど……コンクールで優勝すれば
 トップだから……」
「雪美……」
「多分……チャンスは今年だけ……だから……」

彼女はずっとこの時のために練習して来たのだ。俺との約束を叶えるために。でも

「雪美。確かに俺はあの時トップアイドルを育てることが望みだった」
「……」
「でもな。それはもう叶ったんだよ」
「え……?」
「誰がなんと言おうと俺にとってお前は最高のアイドルだ」
「P……」
「だからもう無理をするな。握っててやるからゆっくり寝ろ」

雪美が少し微笑み、目を瞑る。涙が一粒枕へと落ちた。

「P……私を休ませたいから……ちょっと出任せ言ってる……」

痛いところを突かれた。嘘を言ったわけではないのだが、こういう雰囲気になればおとなしく寝てくれる
という目論見は確かにあった。

「Pのこと……わかる……魂……繋がってるから……。だから今は……休む……みんなが認める…………
 トップに……なる……ために…………」

そう言い終えると雪美は静かに寝息を立て始めた。俺は彼女が手を離すまでその手をずっと握っていた。

緊張した面持ちの彼女の手を握る。少し驚いたような表情でこちらを見た後、手を強く握り返してきた。
前に歌っているアイドルの曲はもうすぐ終わる。拍手が止み、司会者の紹介が終わったら、
あのスポットライトの当たるステージへ彼女は出る。

「今日この後」
「結果関係なく慰労会だろ? 大丈夫だよ。予定は入れてないから。
 しかしいいのか? 普通のレストランじゃなくて俺の家なんかで」
「いい」

司会者の紹介が始まる。それを聞いていると手を引っ張られて、思わず彼女のほうに体が傾く。
彼女は俺の耳元に顔を寄せて言った。

「今は私が歌うけど……夜はあなたが歌わせて?」

P「あぁ~、だめだめえっちすぎます」

千秋「は?」

P「すまない。なんでもない」

千秋「人のお手本になる、というほど私もしっかりしてないかもしれないけど……」

P「いや、しっかりしてると思うぞ。雪美も歌は好きみたいだしな。千秋を目指すのもいいかもしれない」

千秋「そ、そうかしら」

P「言った本人が照れるなよ。でも雪美もまだ小さいからな。今はおとなしいけど何かのきっかけで
 もっと活発になるかもしれないんだよな」

千秋「運動は苦手なのよね。体を動かすレッスンではいつも苦戦しているわ」

P「監視してるの?」

千秋「たまに見かけるだけよ! 私を何だと思っているの」

P「いや、だってねぇ。いきなり雪美の未来について考えたいとか言われたらやばい人間だと思うよ。
 それに雪美以外にも年少組はいるだろう。他の子のことはいいのか?」

千秋「もちろん気にしているわよ。ただ、懐いているほかの人がいるから私が特別何かする
   必要はないと思うの」

P「へぇ。例えば?」

千秋「赤城さんと莉嘉さんは美嘉さんとよく一緒にいるわね」

P「ああ、アニメで共演したからな。お姉ちゃん同士気が合うんだろう。美嘉も子供の面倒見がいいし」

千秋「私は出演しなかったし、佐城さんも喋らなかったわね、アニメ」

P「はい次! 他の子! 仁奈とかどうなのさ!」

千秋「仁奈ちゃんはみんなね」

P「みんな」

千秋「ええ、いつも誰かと一緒にいるわ。食事も入浴も寝るときも……なんで泣いてるのよ」

P「いや、別に……」

千秋「佐々木さんは美波さんと、遊佐さんはアヤさんと一緒にいるのを見るわね。龍崎さんは結構活発な
   人達と一緒にいるわ。愛野さんや大槻さん……あと姫川さん。ユニットの関係ね」

P「友紀は良くないな」

千秋「ええ、スポーツが好きなのはいいけど酒好きは良くないと思うわ」

P「おとなしく観戦していればいいんだけどな」

千秋「あとは……これは秘密にしてもらえるかしら」

P「なんだなんだ」

千秋「本人が聞くと嫌がるのよ。……財前さんも子供の面倒見がいいわよ」

P「え゛っ」

千秋「ひどい反応ね」

P「あの時子か? 子供の面倒を? 悪影響じゃなくて?」

千秋「言葉も態度もぶっきらぼうだけど、たまに料理を作ってあげているわ」

P「時子の料理……?」

「すまなかった。雪美」

俺は目の前に座る彼女に謝罪する。そんな俺を彼女は冷たい目つきで見ている。おもむろに右手を上げて
人差し指で下を指差す。慌てて頭を深く下げる。しかし彼女の反応は溜息だった。

「魂……感じて……」

雪美の気持ちを必死になって考える。俺は彼女にお茶をご馳走してもらう約束をしていた。大きな仕事に
成功したから俺を労ってくれるというのだ。もちろん俺はその申し出を快諾し、その日を楽しみに
待っていた。雪美が俺のためにどんなお茶を用意してくれるのだろうか。最近高そうなお菓子を
食べているのを見るのでそういったものをご馳走してくれるのかもしれない。

そして当日、俺はその約束を反故にした。先方でトラブルが発生して、オフだったはずがその対処に
追われる事になった。原因はちょっとした手違いだった。早期であれば簡単に修正できたものだ。しかし
対応は遅れ、俺が約束の彼女の部屋に辿り着いたのは数時間以上遅れてのことだった。

その事を説明して、頭を下げる。しかし彼女の真意には到達していない。彼女は俺に対して何を望んで
いるのか。頭を上げて彼女の魂を見定める。彼女をスカウトしてから二年間。様々な苦楽を共に
してきた。俺の希望に彼女はそつなく応え、彼女の信頼に俺も応えてきたつもりだ。だがここ最近
になって彼女の様子が変わったように思える。いや、傾向自体はもっとずっと前からあったのかも
しれない。彼女の視線、態度、言葉。その全てに毒が含まれている。そんな気がするようになった。

再び彼女は呆れた様子で溜息を吐く。かつての彼女ならばしない仕種。それなのに俺はそんな仕種
をする彼女に。

「これ……」

彼女が俺の目の前にケーキの乗った皿を差し出す。おそらく今日のために用意したものだ。二つの黄色い
スポンジの間にイチゴとホイップクリーム、そして上にも彼女の好物の大きなイチゴの乗った
ストロベリーショートケーキだ。

「わかる……?」
「今日のために用意したケーキ……?」
「言葉遣い……」

何かが背筋を走った。

「今日のために用意してくれたケーキですか?」
「そう……並んで買った……一時間以上……人気店のショートケーキ……」

罪悪感が重く圧し掛かる。俺のためにおそらく開店前から並んで買ったのだ。約束の時間に皿に載せて、
そして俺が来るのをずっと自分の部屋で待っててくれた。もしかしたら俺を呼ぶからと部屋の掃除を
したかもしれない。小物の配置を変えたりしたのかもしれない。それを俺のちょっとしたミスで全て
台無しにしたのだ。

彼女はその皿をひっくり返した。咄嗟のことに俺は手を出すことが出来ず、綺麗なフローリングの上に
ケーキが落ちるのを見ていた。小さな音を立て、ケーキの形は崩れる。クリームがついているからか
思ったよりも飛散しない。

「食べて……」
「えっ」

思わず聞き返し、視線を潰れたケーキから彼女に向ける。彼女は相変わらず冷たい目つきで俺を見ている。

「足りない……?」

「何が」という一言すら出ず、呆然としている俺を気にせず、彼女は自分の膝上までカバーしている
黒いオーバーニーソックスを脱いだ。先ほどとは反転、白く細い足が目に映る。床に落ちたクリームの
ように白い足。その足はケーキにまっすぐ伸びて、そして踏みつけた。わずかな音を立てて、ケーキは
さらに潰れ、原型がなくなっていく。

「はい……食べて……」

再びゾクリとした背筋。クリームのついた足。床に散らばるケーキ。踏みつけたイチゴから漏れる果汁。
こんなことは間違っている。頭でそうわかっている。それなのに俺はなぜ膝を折って、床を舐めているのか。
甘いクリーム。酸味のあるイチゴ。舌に張り付くスポンジ。彼女が踏んだそれを綺麗に舐め取って行く。

「見て……」

膝を折り、床に手をついたまま顔を上げる。先ほどと同じように今度はティーカップを持っている。
中に何が入っているかはわからない。ただ湯気は立っていない。

「桃華と雪乃に教わった……おいしい紅茶と淹れ方……」
「……」
「飲む……?」
「はい」

彼女の問いに即答する。彼女はつま先で床を叩く。視線を下ろし、彼女の二つの白で塗られたつま先を
じっと見る。握れば潰れてしまいそうな儚く細い足。やがて水音が聞こえてきた。床にこぼれる紅茶。
淹れて時間の経ったそれはかつての熱を失い、今は常温となってしまった。それが彼女の足を少しずつ
伝って来る。そしてそれがつま先まで届き、指から床に水滴となって零れる。それをただ見ている
俺の上から彼女の今まで聞いた事のないような楽しげで、そして嗜虐心に満ちた言葉が聞こえてきた。

「私の足……綺麗に舐めて味わってね……?」

P「あぁ~、だめだめえっちすぎます」

千秋「は?」

P「すまない。なんでもない」

千秋「……財前さんは豚料理が得意なのよ。私も一度ご馳走になったことあるけど本当においしかったわ」

P「食べたことない。というかいつも地面に伏せさせられている気がする」

千秋「アナタ、本当にプロデューサーなの?」

P「多分そうだと思うんだけど自信がなくなってきた」

千秋「なくさないでよ。それでそろそろ方針は固まった?」

P「そうだな。うーん……特別何かする必要はないと思うぞ。
 今だって千秋が雪美のことを見ているんだろ?」

千秋「見てはいるけど……」

P「なら極端に悪い方向へは成長しないだろう。
 それに俺達がああだこうだ言って、雪美の未来の選択を狭めたくないしな」

千秋「未来の選択……」

P「そうだ。雪美の中にはまだ無限の可能性が眠っているんだ。
 雪美自身がどの未来を選び、どう成長していくのか。それを見守るじゃないか」

千秋「……そうね。雪美ちゃんを心配するあまり少し独善的になっていたわ。
   誰の物でもなく、佐城さん自身の未来だもの。彼女が決める権利があるわよね」

P「雪美が将来どんな人間になるか。楽しみにしながらそれが来るまでゆっくり待とう」


晶葉「話は聞いたぞ! 未来が見える装置を作ればいいんだな!」

P「いい感じで〆たんだからやめてよ。でも作ってくれ」

千秋「Pさん……」

以上
雪美ちゃん誕生日おめでとう!
正統派誕生日SSは正統派雪美Pにおまかせします。私には無理でした。

以前書いた雪美ちゃんが出てくるあまり正統派じゃないSS
モバP「夏への扉」

タイトルのモバが抜けてしまいました。失礼しました

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