あ、ぼんじゅーる～プロデューサー♪
時間ぴったりちりりんじりりん、優秀優秀。
何の用って？ さぁー？ なんだったかなー。
宮本フレデリカは答えないっ！

やんっ、怒らないで～。
明日はオフなの知ってるでしょー。
あはは、担当7人に増えちゃったから覚えてないのかなー？

……？ 7人でしょ？
アタシとーキヨミちゃんとーコウメちゃんとーシューコちゃんとーシキちゃんとーカナデちゃんとーフレちゃん！

まぁまぁそのことはあっちにポイッとしてさー座りなよ、立ってると疲れちゃうよ？
しっだうんぷりーず？うん、よろしい♪

今日、お呼び出ししたのはー昔を振り返ろ～っていうー。
フレちゃんとプロデューサーの奇跡の軌跡なのだー！ ぱちぱちぱちー。

んふふ、この事務所も大きくなったよね～。
フレちゃんだけだった時とは大違い！
2倍？ 3倍？ 4、5、6と、それとも7倍？
いやーこれもアタシの魅力とプロデューサーの手腕のお陰だね、ねっプロデューサー？
……うふふ、照れると撫でるクセは変わらないね。

あ、そだプロデューサーお茶飲む？
アタシが淹れたんだよ～午後の紅茶☆
ちなみにここがフレちゃんが口つけたところー。
ささっ、グイッと。 あっ。
……むぅ、意気地なしだねプロデューサー。
ざんねーん。ホントの。本当に。

ところで……真夜中の事務所に男女が2人……。
見つかったら勘違いされちゃうかなー？
ねね、そうなったら嬉しい？嬉しくない？
きせいじじつってやつだよ～。え、違う？
真夜中過ぎるまでには返すって？

あはは☆ じゃー時間もないし機関車線路に戻そっか♪
ね、覚えてる？
アタシが初めて事務所に来た時のこと。
忘れるわけないかー社長さんの鬘で
お手玉しちゃって大目玉くっちゃったもんねー♪

あの時はごめんね、プロデューサー？
でもフレちゃんの為に頭下げてくれるプロデューサー、素敵だったよ？
もーまた頭撫でるー！

……それからひと月たってーーー、そ♪
宮本のデビューラーイブ！ いっえーい☆

なははー。
初ライブ……自由にやっちゃったけど、実はアタシ緊張してたんだー。
でもプロデューサーが見ててくれたから……。
なーんてね♪ドキッとした？ してない？
むむむ、手強いねプロデューサー。

問題！ ふた月目は何があったでしょー？
ちくたくちくたくわくわく、わくわく♪

せっいかーい！ そだね、初CDの発売だよ☆
カバーじゃない、アタシだけのミュージック♪

きまぐれ～な女の子の～秘密、お・し・え・てあげる～♪
んふふ～大好きなんだ～この歌♪
ふわふわで小悪魔なフレちゃんの魅力がい～～っぱい詰まった、素敵なうた。
ありがとね、プロデューサー☆

そだ、プロデューサーには直接フレちゃんの魅力をあげよーう♪
ほら、ギュ～～～～～～っ！
……んふふ、当ててるのよん？
なんちゃって！

……あの頃は楽しかったな～。
いつもプロデューサーが一緒に居てくれて、2人でお祝いなんかもしちゃったりして！
とびっきり綺麗な夜景の見えるレストラン。
アタシ……フレちゃんの中で最高の思い出なんだぁ。
『トップアイドルにする』……やぁんカッコイイね、プロデューサー♪

それから3、4、5、6、7ヶ月！
ばばんっ！
て時は流れちゃったよね。
ただの女の子だったアタシが～気付いたらアイドル街道真っしぐら！
フレちゃんシンデレラストーリーばーくしーんちゅー♪

………んー？ どしたの、プロデューサー。
おねむなのー？ うーん。
もーちょっとだけだから、最後までお願いしるぶぷれ？
ん、ありがとー。

あのね、あのね。プロデューサー？
今日ここに呼んだのはね。
ホントはお願いがあったの。
でも見つめられてたら、恥ずかしくて言えないお願い。
だから、目を瞑ってくれないかなー？

……ありがと。ねぇプロデューサー？
時計の針、もう12時過ぎてるんだよ。
シンデレラも魔法が解けちゃう時間。
だから、いいよね……？

………。
そっかー。
なんとなく、わかってたんだー。
ううん、別に謝んなくたっていいよー。
クイーンがジャックに慰められるわけにはいかないからねー。

キングじゃないのかって？
えへへ、プロデューサーはアタシのハートをジャックしちゃったから～☆
宮本フレデリカ裁判でプロデューサーは終～身ー刑～♪

それに、もとはといえば最初から終わったことだし。
……さぁ？ なんのことかなー？
フンフンフフーン♪ ウフフフ。

あれれ？ プロデューサー大丈夫？
だめだよーちゃんと座ってなくちゃ。
あはははは☆

アタシ？ アタシは何にもしてないよー。
でももしかしたら、たまたまティーカップの縁に、おねむなお薬がついてたのかも？
アタシが口づけたところ以外は危ないよーって、ティーカップくんが教えてくれてたから♪

あ、これティーカップくんとの秘密だから、他の人にはナイショだよ？
わぉ、怒った顔もステキ～♪
ハートがナイフで刺されちゃいそ～♪
ぐさぁーっ！
あはははは！

………なんでって？
んー教えてあげてもいいけど
楽しいウソと地味な本音、どっちを希望？
オッケー☆

……むかーしむかしあるところにフランス人と日本人のハーフの女の子がおったそうなー。
女の子は山へ芝刈りに～行ってないけど♪
なんやかんやでアイドルになりーなんやかんやで恋をしてーなんやかんやでゴールインしましたー！
わーい、おしまーい☆

え、ダメ～？
欲張り～プロデューサー～。
そんな風だと、プロデューサーのハート
ぐさぁーっ！ しちゃうよ？

………。
女の子がいました。
ちょっとだけ変わったでもどこにでもいる女の子です。
恋をしました。
手を取り合って頑張りました。
女の子は必死で自分を磨きました。
すると女の子はぴかぴか輝いて、どこにでもいない女の子が増えました。
頑張る時間が増えました。
だけど彼がいれば大丈夫でした。
彼女が頑張ったおかげで彼女達だけじゃなくなりました。
他の女の子が5人になりました。
彼のいない時間が増えました。
彼女達はもっと必死で自分を磨きました。
磨いて。磨いて。磨いて。みがいて。
いつの間にか、彼女は、お城にいました。
けれど彼は隣にいませんでした。
磨きすぎた宝石はもう、擦り切れて。
後にはくすんだガラス細工と女の子の2人だけが。

おしまい。

………ねぇプロデューサー。
ふた月前、キヨミちゃんと行った遊園地楽しかった？
3週間前と4週間前に行った、コウメちゃんとの心霊スポットめぐりは楽しかった？
5日前はシューコちゃん、6日前はシキちゃん。
そんでもって、7時間前に行ったカナデちゃん達との、『とびっきり綺麗な夜景のレストラン』は楽しかった？
楽しかったよね？
みんな。
みーんなトップアイドルにしてもらえる夢を貰えたんだから。

だけど、ほんとはもともといえばさ。
アタシのだよね。
……アタシの。

アタシのだ！アタシだ！アタシの！
全部！全部！全部！ぜんぶ！
フレちゃんの！ フレちゃんが！
ぜぇぇえええんぶっ！
アタシだけのだ！
フレちゃんだけのだ！
宮本フレデリカ、だけの！

……はぁ、はぁ、はぁ。
………。
だから、戻さなきゃだよね？
フレちゃんの1番好きなものをとった邪魔なやつやらから。

……ね、ティーカップくん？
うんうん、そうだよね。
でもこれはナイショにしようね。
絶対言っちゃダメだよ？
あいつらにも他のやつにも。

アタシと私とお前と
プロデューサーとフレちゃんとの秘密。

あはははは。ね、こっち見てよプロデューサー。
そうだよー言ったでしょー。
ほんとはもとはといえば、最初から終わってたの。

んふふふ。
それじゃ今度はアタシとフレちゃんの判決、ちゃあんと受け取ってね、プロデューサー☆

ちゅっ♪