みほ「見捨てないでください…」 (23)
基本暗いSSです
百合派はバックすることをお勧めします
沙織「みぽりん、最近彼氏とどう?」
みほ「うん、昨日も一緒にご飯食べたよ!」
沙織「そうなんだぁ、うらやましいなぁ」
みほ「彼、毎日家に寄ってご飯食べれば良いのに…断る日があるんだ」
沙織「さすがに毎日は遠慮するわよ、みぽりんに悪いって思ってるよきっと」
みほ「それでね、昨日喧嘩になっちゃって…」
沙織「け、喧嘩!?みぽりんが…怒ったの?」
みほ「うん…」
沙織「私怒ったみぽりんなんて見た事無いのに…本当に?」
みほ「うん…気づけば大泣きしてて…彼氏曰く大声で怒鳴ってボコのぬいぐるみ掻き毟ったって…」
沙織「みぽりんをそこまで怒らせるって…彼氏は何をしたの?」
みほ「私と会うのは1週間で2回くらいにしない?って言われて…」
沙織「でもそれって妥当じゃない?さすがに家族じゃあるまいし」
みほ「でも将来家族になるんだよ?毎日家でご飯食べてもらっても良いと私は思うの」
沙織「彼氏だって学校あるだろうし友達づきあいだってあるはずだよ?私達みたいに…だから彼の都合とかも考えてあげないと」
みほ「うん…そうだよね…私が我侭だったよね…反省しなきゃ…あ、彼からラインがきてる…」
沙織「どう?」
みほ「わぁ、次のデートの時ボコミュージアム行こうって!」
沙織「良かったねみぽりん!」
みほ「うん!」
みほ「都合って言うけど…大事な恋人なんだから家族同然に優先するのが当然だと私は思うんだけどな…(ボソ」
沙織「みぽりん?南何か言った?」
みほ「ううん、なんでもないよ!今週の土日どっちか皆と遊べないけどごめんね!」
沙織「いいよ!デート楽しんでおいでよ!もう、ラブラブなんだから…」
みほ「えへへ…」
後日
優花里「西住殿!どうしたでありますか?右の親指に包帯が…」
みほ「ああ、これなんだけど…ちょっと相談良いかな?」
優花里「え?あ、はい…それは全然…」
みほ「喫茶店出入り禁止になっちゃった…」
優花里「ええ!?なんでですか!?まさか彼氏殿と何かあったんですか?」
みほ「私がいけなかったの」
優花里「えぇ…」
みほ「彼のクラスメートの女子がね、私達のケーキ割引にしてくれたの」
優花里「それは向こうの親切心では?」
みほ「うん…でもなんかもやもやしちゃって…つい彼氏に言っちゃったの…」
みほ「友達?二人で遊ぶ時とかあるの?って」
優花里「はぁ…そうなんですか…」
みほ「二人ではさすがにないけどグループに加わる事はあるって言ったから…」
優花里「まあ彼氏殿の高校は男女共学ですし、それほどおかしい事ではないかと思われますが…」
みほ「でも恋人が居るのにグループに異性が交わるって嫌じゃない?私、凄く嫌な気持ちになって…」
優花里「まあまあ、でも彼氏殿を信じてあげるのが女ってものですよ?」
みほ「私以外の女の人とはグループであってもあまり遊ばないでほしいな…って言っちゃったの…」
優花里「す…凄まじい束縛ですね…」
みほ「あっちだって彼氏居るし大丈夫って言ったんだけどわからないよね?泊まりとかになったら何されるか…」
みほ「考えてるうちにね、ものすごく胸がもやもやして頭がいたくなって…これがイライラって言うのかな…」
優花里「この前会ったけど素敵な男性だったじゃありませんか…彼は信頼できる男ですよ…!だからそんな風に思わないでくださいよ…」
みほ「うん…。でね、そのクラスメートの娘がサービスで紅茶を持ってきてくれたの、私と彼に」
優花里「いいお友達かと…」
みほ「その際その娘にね、可愛らしい彼女ねって言われて…いっきに頭に血が上って…」
優花里「へ?」
みほ「こ ん な 熱 く て 飲 み に く い 紅 茶 い り ま せ ん !」
優花里「ひっ!?」
みほ「って大声で怒鳴ってカップを叩きつけて割っちゃったの…」
優花里「西住殿も怒鳴るんですね…」
みほ「私、今まで友達とばかりのお付き合いで、恋人なんてできた事なかったから…だからね…」
優花里「でもなんでティーカップ割っちゃったんですか…向こうの好意だったのに」
みほ「可愛らしい彼女ねって言われた際、凄く見下されてた感があって…以下にも彼と私が釣り合ってないって思われてる感じがして…」
優花里「考えすぎですよ…西住殿は本当に可愛いし戦車に乗ってる時はかっこいいし、彼氏殿だってきっとそう思ってます!」
みほ「カップ代弁償しろって言われて頭に来て、1万円叩きつけて彼氏の手を引っ張って店を出ちゃった…」
優花里「その後どうなったんですか…?」
みほ「彼氏に言われたの、もう私を連れてあの喫茶店来ちゃ駄目って…」
優花里「カップを割ったせいで親指怪我したんですね…」
みほ「ううん、その後また彼氏と喧嘩しちゃったの…」
優花里「え…」
みほ「私の家に来てもらったのあの後…その際に私がまた大声で泣き叫んで…彼氏の服引っ張ったり近くにあった電子レンジぐーで叩いたりして…」
優花里「西住殿は冷静で優しくて温厚ではありませんか…なのにそんな…」
みほ「でもね、彼氏は私が落ち着くまで抱きしめてくれたんだ…たまたま電子レンジを叩いた手が真っ赤に腫れたけど、包帯も彼が巻いてくれたの…」
優花里「西住殿…お言葉ですが、彼氏殿を大事になさってあげてください…きっとそんな西住殿を見るのが辛いと思います」
みほ「うん…ごめんね、相談に乗って貰って…」
みほ「私だって怒りたくないよ…でも勝手にそうなっちゃうんだ…」
学園艦にて
みほ「港はどこかな…」キョロキョロ
麻子「西住さん…どうした…まだ港に着くまで1時間は掛かると思うぞ…」
みほ「彼が陸に里帰りしてるから…着いたら早く会いたいなって…」
麻子「かといってそわそわしすぎだ…何かあったのか彼と…」
みほ「前ね、デートの後、私の家で彼がお風呂入ってたの…」
麻子「ブーッ!!!」缶ジュース
みほ「私も一緒に良いかなって思ってそっと入ったの…」
麻子「そ、そうか…それはそれは仲が宜しくて素晴らしいな…」
みほ「そしたらね…彼が驚いて駄目だって…」
麻子「そりゃそうだろ…向こうだって始めての恋人だ…ましてやそんな恋人の裸を始めてみれば驚く…」
みほ「体洗いたいから体見せてって言ったの…」
麻子「ある意味拷問に近い…」
みほ「私だって目的があったよ?体洗うだけじゃなくて…」
麻子「もう言わないでくれ、こっちも脳が解けそうになる」
みほ「私だって思春期を体験した事あるから…男女が二人で裸で居ればどうなりたいか…わかるよね?」
麻子「ああ、どこかに耳栓落ちてないか」
雨の日…
ザー
華「みほさん…どうしたんですかずぶ濡れで!」
みほ「華さん…私…始めて彼氏を打っちゃった…」
華「な…と、とにかくこのままでは風邪を引いてしまいます!すぐに家に!」
五十鈴家
華「それで…何があったのでしょう?」
みほ「知らなかったの…彼、ダージリンさんと親戚で…」
華「まあ、そうなのですね…」
みほ「この前港について彼を探したの…」
華「携帯で連絡しなかったのですか?」
みほ「今色々買い物してて手が離せないって…」
華「はい…」
みほ「もしかして誰かと居るのかなと心配になって彼と良く行くデパートとか探し回ったの…そしたらね…彼がダージリンさんと二人で笑いながら買い物してて…」
華「凄く可憐ですものねダージリンさんは…ひょっとして浮気か何かと誤解されて?」
みほ「ううん…そんな事思う前に何か理性みたいなのがふっとんじゃって…物凄い駆け足で彼の元に駆け寄って…」
華「駆け寄って?」
みほ「無意識に平手打ちしちゃったの…それも何発も何発も…」
みほ「何考えてるの!?私言ったよね!こう言うことしないでって!嘘つき!バカ!」バチィン!バチィン!バチィン!バチィン!
ダージリン「おやめになってみほさん!私は彼の親戚よ!恋人とかじゃないから安心しt」
みほ「うるさい!!!!!」ドン!
ダージリン「きゃっ…」
警備員「お客様…大丈夫ですか!?」
ダージリン「ごめんなさい…あの娘…ちょっと彼氏の事勘違いしちゃってるみたいで…取り押さえてくださる?」
警備員「は、はい!ほら君!彼の顔が真っ赤じゃないか!離しなさい!」
みほ「やだ!…やだ!…!私の家にいこ?また二人きりではなそ…ね?ね?ねええええ!!!!」ジタバタ
ダージリン「眠りし獅子を目覚めさせた代償…それは何よりも高いわね…、みほさん…私と彼は血縁関係よ…だから恋人という事は絶対ない…私の言葉理解できる?」
みほ「ふぇ…?」
華「そんなことがあったんですか…」
みほ「あれから彼の返事がないの…」
華「単純にみほさんを怖がってるんです絶対…」
みほ「うん…自分でも感情を抑えられなくて…」
みほ「あの後彼をアパートに連れてって抱きしめて寄り添ってたけど…震えたままで…」
華「ダージリンさんの格言…今回ほど当てはまるものはなh…(ボソ」
みほ「うん?」
華「いいえなにも!それよりあの二人はどうして買い物なんかを?」
みほ「ああ、何か彼とダージリンさんの叔父が家を建てたらしくて、そのお祝いの買い物してただけだって…」
華「ちゃんと彼とダージリンさんに謝罪しないと…」
みほ「うん…ダージリンさんには謝ったけど…彼があれから連絡取りづらくて…」
華「みほさん…友達として一言…」
みほ「はい…?」
華「一度お医者さんでカウンセリングとか受けたほうが良いと思います…」
みほ「やっぱり私っておかしいのかな?」
華「たしかに好きな男性の目の前に綺麗な人が現れれば誰だって嫌な気持ちになります…けどそれくらいで怒鳴るのは少し…」
みほ「あ…彼氏からラインがきた…」
華「なんて?」
みほ「わぁ…明日は祝日だし一緒に居ようねって…」
華「たくましい男性ですわ…並大抵のメンタルではありません」
黒森峰にて
エリカ「珍しいわね、貴女が私を訪ねてくるなんて」
麻子「あの時は本当にありがとう、逸見さんがヘリを出してくれなかったら私達は…」
エリカ「過ぎた事はいいわ。あの頃は私もカリカリしてたし、逆にみっともない態度を見せて悪かったわね」
麻子「それで用事なんだが…」
エリカ「ん?」
麻子「最近西住さんに恋人が出来た事は知っているだろう?」
エリカ「ああ、隊長から聞いているわ。上手く言ってるそうじゃない、うらやましい限りね」
麻子「いや…それが…」
エリカ「何よどよんとして…」
麻子「信じられないかもしれないが今から全て話す…」
エリカ「ふうん、グロリアーナの隊長と親戚…たまたま新築祝いで食品を買ってる最中にみほが…」
麻子「信じられないだろう?」
エリカ「だってあのみほよ?引っ込み思案で気が弱くて…でも…一度だけ聞いた事があるわ」
麻子「え?」
エリカ「隊長とみほがまだ小さい頃、すごくヤンチャで明るい時期があったって…」
麻子「そうなのか?」
エリカ「ええ…家元にも拗ねて反抗するくらいみほはやんちゃだった事があるらしいわね」
麻子「にしても心配だ…もちろん西住さんもだが彼氏さんのほうも…あれだけの事をされてまだ向き合おうとしている」
エリカ「確かにやりすぎね…もし私が彼女の立場だったら絶対暴力は振るわない…けど勘違いしてその場から彼を連れ出すかもね…」
麻子「意外だな、逸見さんのことだからきっと大声で怒鳴って癇癪を起こすかと思ったぞ」
エリカ「起こさないわよ!ま、まあいえる事は一つ。みほの彼に対しての愛情が尋常じゃないのよきっと」
麻子「ああ…心を全てさらけ出して甘えられる一つの居場所みたいになっているのかもな」
エリカ「昔から西住流を背負って育ってるんだ物…抑えていた感情が一気にあふれ出たのかもしれないわね」
麻子「西住さんも人間だしな…」
エリカ「ま、私にできる事は何も無いわ、ただ今の仲間はあんた達、そして彼氏なんだから皆であの娘を支えてやりなさい」
麻子「うん、ありがとう逸見さん」
エリカ「お礼を言われるような事はしてないわ。それよりそろそろ練習試合が始まるわ。お互い手加減は無し。いいわね?」
麻子「ああ、わかってる」
握手
そして…
蝶野「勝者…黒森峰女学院!」
エリカ「ふう…なんか張り合いがなかったですね…」
まほ「みほ…何か悩みでもあるのか?」
みほ「…負けちゃった…彼が見ててくれてたのに…」
まほ「みほ…?」
みほ「姉妹なのに…少しくらい手加減してほしかったかな…」
エリカ「あんた何言ってるの!戦車道への暴言よそれ!」
みほ「逸見さんだって暴言多いでしょう!黙っててよ!!!!!」
エリカ「!?」ビク
みほ「こっちは4号戦車じゃない…ティーガーとか沢山つかって数的にだって普通は勝てないよ…それなのに好き勝手な事言って…」
ヴィーヴィー
みほ「あ、彼からメールだ…」
みほ「負けたのに…こんなに優しく慰めてくれるメールを…ふふ…」
エリカ「い、言い過ぎたわ…でも手加減なんて出来るわけないでしょ?こっちも真剣なんだから」
みほ「はい!逸見さんごめんなさい…私が甘ったれてました…次は絶対負けませんから!」
エリカ「ええ…いつでも相手になってあげる」
まほ「みほ…お前…」
エリカ「重症ね…」
まほ「彼には迷惑をかけてしまうな…」
エリカ「隊長…」
まほ「いつか…感情が爆発する時が来るとは思っていた…だから彼にみほを託すしかない…」
エリカ「私達は何か助けになれないんでしょうか?」
まほ「無理だ……」
エリカ「隊長何気に酷い事を言ってますよ」
まほ「西住流は私が継ぐ予定だからな…だとすればあいつはどういう扱いになると思う?」
エリカ「え…?」
まほ「使い道のない核兵器ほどもてあますものはないからな・・・・」
エリカ「隊長…ずばっと凄い事を」
まほ「そんなみほこそ彼にふさわしい…」
しかし、みほの乱れた心は再び平穏に戻った。
みほ「沙織さん、ちょっと薬局に寄ってっていい?」
沙織「あ、私もー、そろそろあれが切れちゃいそうで…」
みほ「私はちょっと違うかな…」
沙織「何が?」
みほ「今使ってるのがなんか体に合わなくて…」
沙織「へ…」
みほ「うーん…もう少し薄いタイプの〇ム無いかなぁ…」
沙織「みみみみみぽりん!!!!!それって…」
みほ「ああ、うん。彼がこれだけはちゃんとつけろってうるさいから…」
沙織「人前でよくそんなの見せたり買えたりできるね!」
みほ「最初は私も恥ずかしかったけど…なれればなんともないよ…」
沙織「ねえ、もし私も彼氏ができた場合だけど…どれがお勧め…?」
みほ「んー…そうだなぁ…まずはこれがいいかも…」
沙織「おお…さすがみぽりん!」
みほ「沙織さん、安全ピンある?」
沙織「うん?あるけどどうしたの?」
みほ「戦車道やってる時に金属のバリが刺さっちゃったみたいで…」
沙織「ああ、安全ピンで取るんだね…はいよ」
みほ「ありがとう、借りるね~」
みほ「さっき買ったゴム…」
プス
プス
プス
プス
みほ「沙織さんありがとう、助かったよ」
沙織「いえいえ!」
そして数ヵ月後
トイレにて
みほ「え…陽性…やった…!」
こうしてみほは高校生にして妊娠してしまった。
しほ「娘をどうか宜しくお願いします。」
まほ「妹を任せたい…君の事は信頼している」
みほ「これでずっと一緒だよ…子供、二人で頑張って育てようね…」
常夫「君、いい体しているね、僕と一緒に働かないかい?」
完
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