ふと思いついた小ネタ。短いです。
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李衣菜「ちょっとねー」
夏樹「なんだ歯切れ悪いな、言ってみろって」
李衣菜「いやさあ、ファンの人たちがたまに私のこと、属性間違ってるとかキュートだとか言うじゃん?」
夏樹「あー、たまにそういうのあるな」
李衣菜「あれがちょっと嫌だっていうか…… か、可愛いって言ってもらえるのは、ちょっと嬉しくないこともないんだけどさ」テレテレ
夏樹「(かわいい)」
李衣菜「でもさー、ロックってクールなイメージじゃん? ちょっとキュートはイメージと違うっていうか……」
夏樹「んなことねーって、ほら、菜々とかすげえロックだろ」
李衣菜「ええっ、菜々ちゃんがロック!?」
夏樹「なんだ納得いかなそうだな、だりー」
李衣菜「そりゃそうだよー、おしとやかな茜ちゃんぐらい違和感あるって」
夏樹「そうか?」
李衣菜「だってすっごいキュートでメルヘンしてるじゃん、ロックっぽくないって」
夏樹「まあ持ち歌とか衣装はそうだけどな、生き方とか魂だよ」
李衣菜「なつきちは何にでもロック魂を感じる癖があるしなあ」
夏樹「まあ聞けって、デヴィッド・ボウイは知ってるか?」
李衣菜「えーっと、こないだ亡くなった人?だよね」
夏樹「ああ……」
李衣菜「ちょっ、自分から話題出して何で凹んでんの!?」
夏樹「あ、すまんすまん。 まだちょっとな」
夏樹「んで、そのデヴィッド・ボウイだけど『異星から来たジギー』とか『火星から来た蜘蛛』として活動してた時期があるんだ」
李衣菜「へっ? 蜘蛛?」
夏樹「まあ分かりやすく言えば宇宙人だな宇宙人。 あとスティーブ・ヴァイも聞いたことないか?」
李衣菜「えー……とギターの人……?」
夏樹「おお! やるじゃんだりー」
李衣菜「へへっ、私もギター練習するようになっていろいろ調べたりしてるんだから!」
夏樹「(かわいい) ヴァイなんかは『前世が金星人』って自称してたんだぜ」
李衣菜「そうなんだ、初耳だなあ」
夏樹「他にも日本じゃちょっとマイナーだけどブリクサ・バーゲルトってドイツのロックミュージシャンは『異星人』ってあだ名だったりする」
李衣菜「へー、なんかそういうのってロックだね!」
夏樹「で、菜々は自称……?」
李衣菜「ウサミン星人……」
李衣菜「ロックだ!!」
夏樹「だろ?」
李衣菜「い、いや、ちょっと待って、それだけじゃ決められないって! こりん星人とかもいたし!」
夏樹「あー、まあ確かにな」
李衣菜「でしょ? ロックじゃないアイドルが宇宙人名乗ってもおかしくないって」
夏樹「まあ待てって、菜々がロックって証拠がまだあるんだよ」
李衣菜「まだあるのかー……」
夏樹「例えば、尾崎豊ってロックだろ?」
李衣菜「うん、ロックだね」
夏樹「あの人は若者の代弁者ってよく言われててさ『17歳の地図』とか『15の夜』とか『卒業』とか」
李衣菜「あー、知ってる! ぬーすんだバーイクではーしりだす♪ってやつでしょ?」
夏樹「(かわいい) そうそう。 あと若者とか時代の代弁者って言うとボブ・ディランだな」
李衣菜「ホフディラン?」
夏樹「ボブの方、な。 二人とも、時代への批判や抑圧された若者の気持ちを歌った曲が多いんだ」
李衣菜「そういうのってロックって感じするよね!」
夏樹「ああ、でも歳をとってもそういうスタイルを求められることに反発したり疲れたりしてさ」
李衣菜「あー…… 歳をとっても不良高校生代表! みたいに思われるのはね」
夏樹「そういうこと。 だけど菜々は永遠の17歳だろ?」
李衣菜「え、うん」
夏樹「ということは、だ。 17歳の気持ちを……?」
李衣菜「いつまでも歌い続けられる……?」
李衣菜「ロックだ!!」
夏樹「だろ?」
夏樹「それにあの人はリアルに笑い声とため息の飽和した店でピンボールのハイスコア競い合ってたからな」
李衣菜「すっげー、菜々ちゃん超ロックじゃん……」
夏樹「だからまあ、お前もあんまり属性とか気にすんなって」
李衣菜「そっかー! うん、サンキューなつきち! ちょっと菜々さんのとこ行ってくるよ」テコテコ
夏樹「やっぱアイツキュートだな」
おわり。
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