木村夏樹「は?モバPが一ヶ月出張?」
ちひろ「ええ。それも海外に」
夏樹「こないだハワイ行ったばっかじゃないのか?」
ちひろ「何でもまた仕事が入ったらしいですよ。今度は里奈ちゃんと拓海ちゃんのお仕事らしいです」
夏樹「忙しくなったもんだね……ってかその間アタシらはどうすればいいの?」
ちひろ「大丈夫ですよ!代わりを引き受けてくれる方が見つかったので!」
夏樹「へー…どんな人?」
ちひろ「モバPさんが言うには、……夏樹ちゃんそっくりの人、だって」
夏樹「は?」
夏樹「ああは言われたけど、どんな奴が来るのやら…」
李衣菜「なつきちにそっくり?女の人なの?」
夏樹「いや、男だよ。何でも教師目指してて、その間のバイトを探してたとか…」
李衣菜「ほー…雰囲気がそっくりなのか、それともロックな人なのか!」
夏樹「さあなー。今日から来るんだし、その時見ようぜ」
李衣菜「そうだね!じゃ、今から…」
夏樹「おい、まだ練習中だろ?ほら、もう一回!」
李衣菜「うぇぇ」
http://blog-imgs-50.fc2.com/7/t/o/7toriaezu/dariinaSRhydtj.jpg
コンコン
ちひろ「はい、どうぞー」
?「失礼します!!」
ちひろ「あら、もしかして…?」
弦太郎「ハイ!今日から一ヶ月間ここでプロデューサーをする、如月!弦太郎ッス!!」
ちひろ「そ、そうでしたか!お待ちしておりましたよ!こ、こちらへどうぞ…」
弦太郎「ウィッス!」
ちひろ「(…そっくりって、髪型の事!?)」
弦太郎「おおお…これがアイドル事務所!俺、プロデューサー!……アイドルプロデュース、キター!!!!」
ちひろ「うわわっ!どうしたんですか!?」
弦太郎「?…ああ!これは俺なりの気合の入れ方ッス!」
ちひろ「そ、そうなんですか…(私の一番苦手なタイプかも…)」
ちひろ「…というわけなんですが…どうですか?こう、ビビッときたアイドルの子とかいました?」
弦太郎「……」
ちひろ「…?(アイドル達の宣材写真食い入るように見つめて…どうしたのかしら?)」
弦太郎「…皆」
ちひろ「みんな?」
弦太郎「皆ハンパじゃねえくらいカワイイッス!!」
ちひろ「そ、そうですね…」
弦太郎「俺、めちゃくちゃ頑張るんで!これからよろしくお願いします!!」
ちひろ「は、はい、お互い頑張りましょう!……あ、ならですね、私に敬語はいりませんよ!」
弦太郎「?」
ちひろ「一ヶ月とはいえ、これから頑張っていく仲間です。ならちひろさん、じゃなくてちひろ、でいいですよ」
弦太郎「よっしゃ!ならちひろ!今日から俺とあんたは友達だ!」
ちひろ「!?」
弦太郎「ほら!こうやって、拳を出して!」
ちひろ「え?え?」
弦太郎「こうして、こうして!こう!!」
ちひろ「ふえぇ…(痛いよう)」
弦太郎「これから宜しくな!!」
夏樹「なんだなんだ?事務所がやけにうるさいけど…」
李衣菜「?新しいプロデューサーかな?」
夏樹「別にモバPが辞めるわけじゃねえんだから…」
ガチャ
夏樹「よーっす」
李衣菜「戻りましたー」
弦太郎「おおおおおおお!!!!アイドル、キターーーーーッ!!!!」
夏樹「」
李衣菜「」
夏樹「ちひろさん!何だよそいつ!!警察呼べ警察!」
ちひろ「い、いえ夏樹ちゃん…その人はこれから一ヶ月ここでプロデューサーをしてもらう、如月弦太郎さんよ」
夏樹「はぁ!?」
弦太郎「そういうことだ!」
李衣菜「うわあ…リーゼントの人だあ…」
弦太郎「俺の名は如月弦太郎!全てのアイドル達と友達になる男だ!!」
夏樹「プロデューサーじゃねえのかよ!!」
三日後
弦太郎「おはよう!!」
ちひろ「おはようございます、弦太郎さん!今日も頑張っていきましょうね!」
弦太郎「おう!」
夏樹「しっかし慣れって怖いよな…」
ちひろ「?」
夏樹「いや、だって正直勤まるのかなって思ってたからさ」
ちひろ「もう、失礼ですよ。夏樹ちゃん」
夏樹「あ、悪い悪い…でも別に嫌じゃないからさ。弦太郎さんの事」
弦太郎「夏樹!」
夏樹「な、何だ?」
弦太郎「おはよう!」
夏樹「おはよう!!!!」
ちひろ「弦太郎さん!今日は営業に行ってきたらどうですか?」
弦太郎「営業!!?」
ちひろ「ええ。これ見てください」
弦太郎「これは…会社の名前がたくさん書いてある…」
ちひろ「モバPさんが弦太郎さんに用意してくれた営業のルートですよ。分からなかったらカーナビがあるのでそれで見てください」
弦太郎「よっしゃ!仕事だ!!なつきち!だりーな!行くぞ!!」
夏樹「ちょっ…手を…!」
李衣菜「えええええ私も行くのおおおおお!?」
ちひろ「頑張って下さいね!(二人とも」
弦太郎「失礼します!!」
「ん?ええと、貴方は…?」
弦太郎「CGプロダクション、一ヶ月プロデューサー!如月弦太郎ッス!」
「ああ!モバPさんは確か海外出張だって言ってたね!…しかし元気な人が来たもんだね」
夏樹「はは…」
李衣菜「うう…何か恥ずかしいよう」
弦太郎「どうしたお前ら!いつもの可愛さを見せてやれ!!」
夏樹「可愛っ……いや、ここで何しろってんだよ…」
「ははは!面白い人が来たもんだね…。そうだね…しかし丁度良かったね。実はこの仕事なんだけどね…」
弦太郎「おおおおお!!仕事、キターーーーー!!」
夏樹「分かった!分かったから!」
李衣菜「ちょっと静かにしてええええ!!」
李衣菜「もう、恥ずかしかったよ!」
弦太郎「大丈夫だ!きっとこれからお前らはスーパーアイドルになれるからな!」
李衣菜「答えになってないよぅ」
夏樹「弦太郎さんに真面目な話なんて無理だって」
弦太郎「さあ!行くぞお前ら!……」グウウウウウ
夏樹「…」
李衣菜「…お腹空いたの?」
弦太郎「…よし!皆で昼飯だ!!一緒に行こうぜ!」
夏樹「一緒に行くって…車の中だぜ?今…」
弦太郎「お前らは何が食いたいんだ?」
夏樹「?んー…あたしは李衣菜に合わせるけど…」
李衣菜「?じゃあ、ミスドがい
夏樹「却下」
李衣菜「何で!!合わせてくれるって言ったじゃん!」
夏樹「昼に食うもんじゃねーだろ…後それやったら個性が消えそうな奴いるからダメだ」
李衣菜「むー…じゃ、弦太郎さんは?」
弦太郎「肉だな!力が湧いてくるからな!」
夏樹「そうだなー…あたしも腹減ったし、それでいいや」
李衣菜「えー」
夏樹「それにほら、肉にかぶりつくのって何かロックだろ?」
李衣菜「お肉食べたい」
夏樹「(チョロい…)」
夏樹「って………何で牛丼なんだよ」
弦太郎「?美味いだろ!」
夏樹「いや、まあそうなんだけどさ…弦太郎さんって、女の気持ちとか分からなそうだよな」
弦太郎「女の気持ち?友達の気持ちなら分かるぞ!!」
夏樹「はは…まあ弦太郎さんらしくていいや」
弦太郎「それにほら!李衣菜なんてバクバク食ってるぞ!!」
李衣菜「ハムハム…」
夏樹「(ハムスターみたいに溜め込んで食ってるぞ…)…あのさ、弦太郎さんって、何で教師になりたいんだ?」
弦太郎「?…そうだな…」
弦太郎「(仮面ライダーの話はマズイよな)…高校生の時にな、校長から学園を任されちまってな!だから教師になるって決めたんだ!」
夏樹「ってことは、母校の教師か。…何だか、弦太郎さんってまっすぐな人間なんだな」
弦太郎「何言ってんだ!お前もだりーなも、まっすぐで、輝いてるぞ!」
夏樹「ちょっ…近い、近いって!」
弦太郎「やっぱり輝いてるな!」
夏樹「(も、もうわざとやってんのかよ!)」
弦太郎「よし!ご馳走様!」
夏樹「えっ!?…ってだりーまだ食ってねえの!?」
李衣菜「ハムハム…」
夏樹「悪いな、奢ってもらっちゃって」
弦太郎「気にすんな!お前らが腹一杯になって俺も満足だ!」
夏樹「そ、そっか……あ!そうだ!」
弦太郎「?」
夏樹「悪い弦太郎さん!あたしこの後だりーにギター教えてやる約束があるんだ!だから一回事務所まで戻ってもらえねーか?」
弦太郎「おう!任せとけ!ダチの頼みは何でも引き受ける!それが俺だ!」
夏樹「(そんな大した事頼んでないんだけどな…)…ほらだりー、行くぞ」ムンズ
李衣菜「ムグムグ…」
弦太郎「おお!これがなつきちのギターか!」
夏樹「良かったら弾いてみなよ」
弦太郎「出来ねえんだ。良かったら俺に見せてくれ!」
夏樹「?あ、ああ…」
夏樹「~…」
李衣菜「…」
弦太郎「…」
夏樹「(やり辛いなあ…)」
弦太郎「凄いななつきち!流石アイドルだ!」
夏樹「いやアイドルだからってできるわけじゃないよ…」
李衣菜「ね!だから言ったでしょ!」
夏樹「おめーは練習しろよ」
弦太郎「しかしやっぱなつきちは最高だ!」
夏樹「な、何だよぉ…」
弦太郎「リーゼントの良さが分かってるなんてな!」
夏樹「リーゼントじゃねえよ!!!」
ちひろ「今日もお疲れ様でした!明日もよろしくお願いしますね!」
弦太郎「おう!じゃあな!なつきち、だりーな!」
夏樹「ん…あたしらも帰るとこだし、下まで行くよ」
李衣菜「へへー…今日も後ろに乗っけてねー」
夏樹「分かってるよ。李衣菜もそのうち二輪取れよ?」
李衣菜「うん!」
夏樹「本当に分かったのかねえ…」
弦太郎「!なつきちもバイクに乗ってるのか!?」
夏樹「え?ああ…うん」
弦太郎「俺もだ!!」
夏樹「そ、そうなのか?じゃ、じゃあ………一緒に帰ろっか?」
弦太郎「よっしゃ!行こうぜ!」
夏樹「あっ!ちょ、ちょっと待てって!」
ちひろ「…仲が良くなってきたわねえ…関心です♪」
夏樹「な、何だこりゃ…こんなハイテク見たことねーぞ…」
弦太郎「これはな、俺の親友がくれたバイクなんだ!」
李衣菜「ねえねえ、どの辺がハイテクなの?」
夏樹「水素で動いてんのかよこれ…凄え」
弦太郎「オマケにすっげえ飛ばせるんだ!」
夏樹「法定速度ガン無視じゃねえか…」
李衣菜「ねえねえ、何が凄いの?」
夏樹「なあ、今度の日曜日にツーリング行こうぜ!」
弦太郎「いいな!絶対だぞ!」
李衣菜「むー…」
夏樹「だりーもな」ナデナデ
李衣菜「むっ…えへへ」
夏樹「(カワイイ)」
夏樹「…お!来た来た!」
李衣菜「おお!」
弦太郎「待たせたな!今日は楽しもうぜ!」
夏樹「おう!…それにな、今日の昼飯は超美味いぜ!……なんたってだりーの手作り弁当だからな!」
弦太郎「本当か!!よーし!俄然やる気が湧いてキターーーーー!!!」
李衣菜「へへ…何だか嬉しいなあ」
夏樹「(カワイイ)」
夏樹「弦太郎さん!速えよ!」
弦太郎「?おお、悪い!」
夏樹「(……モバPとは、こんな事しなかったなぁ…)」
夏樹「(…この人も、プロデューサーにならないかな)」
弦太郎「美味え!美味えぞだりーな!これは本当に美味い!!」
李衣菜「へへー…作りがいがあるってもんだね!」
夏樹「ほんっと、幸せだなぁ」
李衣菜「そうだねー。今この瞬間がずっと続けばいいのにね」
夏樹「……本当にな」
李衣菜「?夏樹?」
夏樹「なあ。弦太郎さん」
弦太郎「ん?どうした?」
夏樹「あんたさ、このままウチのプロデューサーになってくれよ」
弦太郎「!…………いや、俺は教師にならなきゃならないんだ!ダチとの約束だからな!」
夏樹「そっか。前もそう言ってたもんな。…ははっ」
弦太郎「…どうしたんだ?」
夏樹「何でもねーよ」
李衣菜「…?」
弦太郎「最近なつきちがおかしい?」
ちひろ「どうしてまた…?」
李衣菜「うん…何か上の空っていうか…ギターの練習の時もあんまり集中してなくて」
弦太郎「何かあったのか?」
李衣菜「う~~ん…強いて言うなら、あのツーリング以来、かなぁ…」
弦太郎「!!?……まさか、俺が何かしちまったってのか!?」
ちひろ「ええっ!?」
李衣菜「ち、違うよ!二人とも落ち着いて!」
ちひろ「で、でも何か弦太郎さんがしてしまったかも……」
弦太郎「う、うわああああああ!!!」
李衣菜「ち、違うって!別に喧嘩も何も無かったでしょ!?」
弦太郎「そ、そうだけど、万が一って事が…」
李衣菜「もう、弦ちゃんらしくないよ!!」
ちひろ「げ、弦ちゃん?」
弦太郎「…?」
李衣菜「弦太郎だから、弦ちゃん!…ね?私達、友達なんだから!」
弦太郎「り、李衣菜ぁぁぁああああ!!」
李衣菜「ひゃあっ!抱きついちゃダメだよ!」
夏樹「はぁ…あたしどうしたんだろうな…」
夏樹「今まで通り、楽しくやっていければ、それで良いはずなのに」
夏樹「……いつからこんな我儘になったんだか」
夏樹「……ん?これ…何だ?」
夏樹「……スイッチ?」
弦太郎「おはよう!」
ちひろ「おはようございます!」
李衣菜「おっはよー!弦ちゃん!」
夏樹「おはよ。…弦ちゃんって?」
李衣菜「弦太郎だから、弦ちゃんなんだよ!」
弦太郎「俺の学生の時のあだ名だぜ!」
夏樹「そっか。じゃ、あたしも弦ちゃんって呼ぶよ!」
弦太郎「おう!今日も頑張っていこうな!」
ちひろ「…」
李衣菜「…」
夏樹「…」
弦太郎「?どうしたんだ?」
李衣菜「…うーんと、さ。弦ちゃんって、一ヶ月しか居てくれないんだよね?」
弦太郎「お、おう。……あ!」
ちひろ「そうですね…あと三日しか…」
弦太郎「だ、だから何だ!俺達はダチだ!離れていても、心は繋がってる!そうだろなつきち!」
夏樹「…そう、だね」
弦太郎「…ど、どうしたんだよ!そんな辛気臭い顔すんなって!」
夏樹「…なあ、あたしらってダチなんだよ、な?」
弦太郎「おう!」
夏樹「…後で相談があるんだ。屋上に来てくれないかな?」
弦太郎「?…おお!いつでも頼ってくれ!俺達はダチだからな!」
夏樹「…じゃ、後でね」
弦太郎「なあ、どうしたんだなつきちは!いつもみたいに乗ってきてくれねえぞ!」
ちひろ「(乗ってたっけ…)…私達にも分からないんですが、今朝から少し考えている様子で…」
李衣菜「別れるのが、寂しいのかもね…」
弦太郎「…」
李衣菜「でも、私も寂しいよ!」
弦太郎「…ありがとな!!俺はお前らの事、絶対に忘れないからな!」
李衣菜「うん!じゃああれやろ!あれ!」
弦太郎「おう!拳を出して!」
李衣菜「こうして、こうして!こう!!…えへへ」
弦太郎「(カワイイ…)よし!それじゃなつきちのトコに行ってくるぜ!」
ちひろ「あ、あの、ちょっと待って下さい」
弦太郎「?」
夏樹「夏樹ちゃんはああ見えて、まだ子供です。…そこは忘れないで下さいね」
弦太郎「…ああ」
弦太郎「つまりマブダチってことだな!」
ちひろ「分かってない!!」
屋上
夏樹「…」
弦太郎「なつきち!来たぜ!」
夏樹「お、来てくれたんだ」
弦太郎「で、相談ってなんだ?」
夏樹「ん…まあ、相談ってか、頼みってか…」
弦太郎「?」
夏樹「あたしさ、今までギタリストばっか弾いてたんだよ」
弦太郎「一つの事をやり続ける!良い事じゃねえか!」
夏樹「…で、さ。そのー…男女の恋とか、そういうの?…あんまよくわかんなかったんだよね」
弦太郎「?」
夏樹「多分さ、初めてだと思うんだ。男見て、ああ、素敵だなとか、付き合ってみてえなとか思うの」
弦太郎「…」
夏樹「あたしってさ、楽しい事が好きでさ。あんたが来て、李衣菜がいて、最近凄く楽しかったんだ。モバPがいる時とは全く違う。…モバPも好きだけど、あんたの時とは全く違う」
弦太郎「…」
夏樹「…あたし達、ダチのままじゃないと、ダメか?」
弦太郎「…夏樹、俺は…」
夏樹「…分かってるよ。多分他に好きな奴がいるって」
弦太郎「…」
夏樹「…なあ、あたしさ、最近めちゃくちゃ我儘になっちまったんだ。…ちっさいガキみたいな、自分の手に入らないモノを、泣いても喚いても手に入れたくなるんだ」スッ
弦太郎「…!!?お前、それは、ゾディアーツスイッチ!?」
夏樹「やっぱりあんたも只者じゃねえんだよな。…なあ、あんただからこそ頼めるんだ」
弦太郎「や、やめろ!!そんなモン使うんじゃねえ!!」
夏樹「あたしと、タイマン張ってくれよ」カチッ
>>27
ギタリストじゃねえギターだよ
ちひろ「…遅いですねぇ」
李衣菜「…遅いねえ…何かあったのかな…」
ドガァァアアアン!!!
ちひろ「え!?な、何!?」
李衣菜「ちょっ!…まさかなつきち!暴れてるんじゃ…!!」
バン!
李衣菜「なつきち!!」
ちひろ「弦太郎さん!」
弦太郎「!…く、来んな!!戻れ!!」
?「…」
李衣菜「弦ちゃん!…と、誰ぇ!?」
ちひろ「か、怪物……きゅう」
弦太郎「ちひろ!…くっそ!!なつきち!元に戻れ!!」
李衣菜「なつきち…?それ、なつきちなの?」
弦太郎「そうだ!だから警察なんて呼ぶんじゃねえぞ!!」
夏樹「こんな時にまであたしの心配してくれるんだね…でもさ、だったらあたしの言う事、聞いてくれよ」
弦太郎「ぐっ…!」
李衣菜「なつきち!!その手離してよ!!弦ちゃんが何したってのさ!!?」
夏樹「何もしてないよ…いや、したのかもね。あたしの心を、全部解放してくれたんだ。こういった醜い部分も、さ」
李衣菜「…何言ってんの…?」
夏樹「弦ちゃんがあたしのモノになってくれないなら、実力行使ってことさ」
李衣菜「!?……そんな、そんなの、夏樹はそんな人じゃないよ!!」
夏樹「違うよ。これもあたし。隠してただけだ」
李衣菜「なつきち!!」ガシ
夏樹「だりー…離してくれよ」
李衣菜「ダメ!弦ちゃんから離れて!!」
夏樹「…この姿でいるとさ、結構暴力的になっちまうんだよ」
李衣菜「離して~~~!!!」ギュウウウウ
夏樹「…」ペシ
李衣菜「あう」
弦太郎「だりーな!」
夏樹「なあ、そろそろヤル気になってくれよ」
弦太郎「ダメだ!お前はダチだ!ダチを傷つけるなんて…!!」
夏樹「…そろそろ、骨の一つでも折ろうか?」
弦太郎「…ぐ」
李衣菜「……弦ちゃん!」
弦太郎「!だりーな!」
李衣菜「なつきちと戦って!」
弦太郎「!?…けど、俺は…!」
李衣菜「違うよ!ダチだからこそでしょ!?ダチが間違ってることしてたら、叱ってやればいいんだよ!心と心でぶつかってやればいいんだよ!!」
弦太郎「…だりーな…」
夏樹「…もう、いいよな?」
弦太郎「!……おらっ!!」ドカッ
夏樹「!?」
弦太郎「なつきち!お前は、俺のダチだ!だから、お前が間違った道を歩もうとしてるなら、俺が正す!!ダチとして!!教師として、プロデューサーとして!!!全力でお前を今からぶん殴る!!!」スッ
夏樹「…!?それって…」
李衣菜「…まさか、弦ちゃんも?」
弦太郎「俺は、如月弦太郎!そして…!!」
3、2、1
弦太郎「変身!!!」
弦太郎「宇宙………キターーーー!!!!」
夏樹「ま、まさか…」
李衣菜「か、仮面ライダー…?」
弦太郎「仮面ライダーフォーゼ!!なつきち!タイマン張らせてもらうぜ!!」
弦太郎「うおおおおお!!!」
夏樹「ぐっ…うあっ!!」
弦太郎「まだまだああああああ!!」Electric
夏樹「!?身体が、痺れ…!」
弦太郎「次はこれだ!!」Fire
夏樹「熱っ!!…こ、このぉ…」
弦太郎「次は!!」Magnet
夏樹「うわっ!!」
弦太郎「なつきち!お前がこれから先、どんな人生を送るなんて事は分からねえ!けどな!そんなもん使ってたらぶっ壊れちまうなんて事は、俺にだって分かる!!…だから、俺が止めてやる!!」Limit Break
夏樹「……こ、の……!?」
弦太郎「うおおおおおライダーロケットドリルキィィィィィッッック!!!!」
夏樹「う、うわあああああああ!!!」
夏樹「…」
弦太郎「…」
夏樹「…んだよ」
弦太郎「ほら、立てよ!」
夏樹「…」プイ
弦太郎「…ほら!」
夏樹「わっ!急に触んなよ!」
弦太郎「…ほら、仲直りしようぜ!」
夏樹「…仲直りって…」
弦太郎「拳を出してくれ!」
夏樹「?…こ、こうか?」
弦太郎「こうして、こうして!こうだ!」
夏樹「…お、おいおい…散々殴って、傷つけた相手を、そんなので…」
弦太郎「そんなのじゃねえ!俺とお前の、絆の証だ!!この拳も、傷もだ!」
夏樹「…弦ちゃん…」
李衣菜「なつきち!私とも、ほら!」
夏樹「……グスっ…バカやろー…」
ちひろ「(起きるタイミングを失いました…)」
三日後
モバP「いやー、ハワイ良かったなあ」
拓海「あのな…いくらなんでも一ヶ月もいたらハワイだって飽きるぜ…」
里奈「もー…めっちゃ疲れた~…」
モバP「おいおい、一回り以上歳上の俺が元気で、若いお前らがそんなんでどうすんだ!」
拓海「スタドリ漬けの野郎に言われたくねえよ!」
モバP「何だと!ならお前達も飲め!!飲むんだ!!」
拓海「あ!こら!やめろっ!」
里奈「何であたしまでー!?」
モバP「ただいま戻りましたー!!!」
ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん!」
李衣菜「わー!!お土産お土産!!」
モバP「ふふふ…聞いて驚くなよ?李衣菜の為に探して探して…お前専用の洋楽の楽譜だ!!」
李衣菜「ひぎぃ!!!」
夏樹「おーお帰り」
モバP「おお!夏樹!丁度いいところに!…時にお前、今度の日曜は空いてるのか?」
夏樹「今週の日曜?……悪いな、デートなんだ」
モバP「デ」
拓海「ー」
里奈「ト」
モバP「は!?え!?ええ!?ちょ、え、何が、あ、、ち、ちひろキサマァァアア!!!」
ちひろ「私じゃないですよ!!それにデートじゃなくて、ツーリングでしょ?」
夏樹「ははっ!悪い悪い……ま、あたしはその気だけどね」
里奈「へー…夏樹もついにねぇ…」
夏樹「な、なんだよ…」
里奈「どこかの宝の持ち腐れさんとは大違いでね~…」
拓海「あ?」
モバP「そ、そんな事はどうでもいい!!誰か!誰か説明してくれよおおおお!!!」
李衣菜、夏樹「「さあ?」」
夏樹「お!来た来た!」
拓海「ほー…あれが噂の…」
里奈「んー…ヘルメットつけてるけど…92点!」
李衣菜「おおっ!高い!」
里奈「スタイルめっちゃ良さそうじゃん♪」
夏樹「…ま、無理だと思うぜ?」
里奈「えー!何で!?」
夏樹「…あいつにゃ、常に近くに女がいるみたいだしな」
里奈「…ヤリ○ン!?」
夏樹「ちげーよバカ」
夏樹「(そりゃあ、あんな大事にポッケに入れられてたらなあ…)」
弦太郎「(またいつか、会えるよな…なでしこ)……おはよう!」
終
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