チノ「ココアさん・・・・・・」 (9)

ごちうさSSです。もし、ココアが突然病気になったら、を想像した作品です。

ちょっとした想像ですので、ご了承ください。

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ココア「チノちゃん♩ おはよう♡」

チノ「ココアさん。おはようございます」

ココア「今日も頑張って行こうね!」

チノ「ココアさん。今日もテンション高いですね・・・昨日、何かあったんですか?」

ココア「実は昨日、千夜ちゃんが「今度、映画を見に行かない」って誘ってくれたの。しかも、私が見たい映画だったから、つい嬉しくて♩」

チノ「そうでしたか。それは楽しみですね!」

ココア「よかったら、チノちゃんもどう?」

チノ「私は良いです。千夜さんと楽しんできてください!!」

ココア「そう。それは残念だね・・・。」

チノ「それより、ココアさん。早く朝食食べた方がいいですよ。遅刻してしまいますし・・・。」

ココア「うん。」

チノ「・・・・・。」モグモグ。

ココア「・・・・・・。うっ!?」

チノ「どうしたんですか、ココアさん? 胸を押さえて、もしかして何か詰まったんですか??」

ココア「うぅん、何でもないよ。少し、胸が苦しく感じただけ。」

チノ「大丈夫ですかっ!?」

ココア「大丈夫だよっ!! それよりももう行かないと・・・。」ダッ。

チノ「ココアさんっ!? 大丈夫でしょうか・・・」

チノの学校。

チノ(ココアさん・・・なんだか心配です!?)

マヤ「チノ・・・?どうしたんだ、そんなに深刻な顔なんかして?」

チノ「あっ、マヤさん。気にしないでください・・・ちょっと考え事をしてただけで・・・。」

メグ「チノちゃんが考え事なんて、珍しいね♩」

チノ「メグさん。私も考え事ぐらいはしますよっ!」

メグ「そうだよねぇ!? ごめんね、変な事言って。」

チノ「いえ、気にしてませんよ。」

ダッダッダッ。

教師「香風さん。いますか?」

チノ「先生。私はここにいますが・・・?」

教師「あっ、香風さん!ちょうど、良かったです。実は、あなたのお父さんから連絡が来ていまして・・・何でも至急だそうなので、来ていただけますか?」

チノ「えぇ。大丈夫ですが・・・(何でしょう・・・一体)?」

職員室。

チノ「もしもし、お父さん・・・チノです。」

タカヒロ「おぉ、チノか。良かった。用件だが、良く聞いてくれ。実はな・・・」カクカクシカジカッ。

チノ「えっ、ココアさんが・・・倒れたっ!!??」

タカヒロ「そうだ。さっき、ココア君の学校から連絡があって、事を聞いた。今は救急車で病院に運ばれたが、検査中でまだどんな症状か、わからないそうだ。チノ・・・悪いが、早退して病院に来てくれないか? 俺も、今から病院に向かうから。」

チノ「わかりました。」

ガチャン。

チノ「ココアさん・・・・・・・・。」

私は先生に事情を話し、早退して病院にいます。病院に向かうと、そこには父もいました。私と父はココアさんの検査が終わるのを、待っていました。

ガチャッ。医師「香風さんですね? 今、保登さんの検査が終わりましたので、入って下さい。」

チノ「先生。ココアさんはどこに?」

医師「心配しないでください。保登さんはたった今、空いている病室の方に運びました。」

タカヒロ「そうですか。」

医師「ただ、香風さん。こころして聞いてください。」

タカヒロ「ココア君の検査結果についてですか?」

医師「はい。」

チノ「先生。こ、ココアさんはどうして、倒れたのですか?」

医師「うむ。検査の結果ですが、保登さんは「解離性動脈瘤」を患っていることが分かりました!!」

タカヒロ「!?」

チノ「か、かいりせい・・・??」

医師「「解離性動脈瘤」・・・別名「解離性大脈瘤」とも呼ばれています。つまり、心臓の近くにある「大動脈」に裂け目ができ、そこから血液が漏れて大動脈に瘤が出来る、いわば心疾患です・・・。」

タカヒロ「ど、どうして・・・ココア君が、そんな病気に?!」

医師「本来は高翌齢による動脈硬化が原因で発症するんですが、彼女の場合は体を調べたところ、生まれつきの「マルファン症候群」だということも分かりました。「マルファン症候群」は細胞などの結合組織が脆弱となり、大動脈や網膜、骨などに異常をもたらすという病気なんですが、それが原因だと思います。」

チノ「そっ、そんなぁ!?」

医師「可哀想ですが、本当です。ですが、幸い瘤はまだ小さいため、早めに手術をすれば助かります。ただ、解離性ですので、10時間ぐらいの大手術になりますが、覚悟してください。後、手術代もそれなりに高いので、お願いします。」

タカヒロ「わかりました・・・・。」

チノ「・・・・・・・。」

医師「手術は今日の午後からになります。後、ココアさんは今、意識を失っていますので、手術が終わるまでは面会謝絶ということになります。」

別の場所。

タカヒロ「チノ、俺はちょっと家に戻るからここで待っててくれ。手術費用がどれくらいになるかは分からないが、とりあえず払えるだけの額は用意してくるから。」

チノ「・・・・・・・・・・はい」

父は足早に行ってしまいました。

チノ「ココアさん・・・。今朝、胸が苦しいって言っていたのは、このことだったんでしょうか!? それだったら、どうして私はココアさんを早く病院に行くように勧めるとか、しなかったのでしょう・・・。」グスッ。

?「チノーーーーッ!!」

チノ「!? こ、この声はっ!?」

リゼ「チノ。ココアは無事かっ?」

チノ「リゼさん・・・。それに・・・」

千夜「ココアちゃんが心配で早退してきちゃったわ!!」

シャロ「ココア。倒れたって、リゼ先輩から聞いて、やって来たわ。」

チノ「千夜さんにシャロさんもっ!?」

千夜「チノちゃん。ココアちゃんはどうなったの?」

チノ「そ、それが・・・」

リゼ「チノ。落ち着いてで、いいからゆっくり話してくれ。」

チノ「はい。実が、ココアさんがっ・・・」

リゼ「なにっ!? そんな大病を・・・。くそっ、なんてことだっ!!」

千夜「その病気が何だが、わからないけど・・・。こんなことってないわっ!!!」

シャロ「ココアが、そんなに悪かったなんて・・・。」

チノ「リゼさん、千夜さん、シャロさん・・・。私もつらいです・・・。」

リゼ「チノ。とにかく落ち着こうな・・・」

チノ「はい。」

リゼ「そういえば、親父さんはどこにいるんだ?」

チノ「父は、今ココアさんの手術費用を取りに行っています。」

リゼ「そうか。」

千夜・シャロ「「・・・・・・・・・」」

チノ(千夜さんとシャロさんは落ち込んだままですね。)

しばらくして・・・・。

タカヒロ「はぁはぁ。チノっ!!」

チノ「あっ、お父さん!? 費用はどうなりました?」

タカヒロ「悪い。実は後、少し足りなくてな・・・。困った・・・。」

チノ「そんなっ!!」

少し諦めかけた時だった・・・。

リゼ「チノ、マスター。足りない分は私から出すよ!!」

チノ「リゼさん・・・。」

千夜「私も少しだけだけど出すわ」

シャロ「私も。」

タカヒロ「千夜君、シャロ君。」

?「私からも、出します!!」

チノ「そ、そのっ、声は!?」

?「お姉ちゃんに、まかせなさーーーーーーいっ!!!」

リゼ「モ、モカ・・・さん」ブルブルッ。

モカ「あらあらっ、リゼちゃん♩ 震えちゃってどうしたの?」スッ。

リゼ「何でもない。そして、私に寄るなっ!?」

千夜「どうしてモカさんが?」

モカ「事情を説明するとね・・・。ココアが倒れたことをマスターから聞いたの。それで、いてもたってもいられなくなって、急いで特急で来たわ!」

シャロ(この時代って特急なんか、あったかしら・・・・?)

チノ「そうだったんですか・・・お父さんが。」

タカヒロ「うん。ココア君のことはご家族にも伝えてあげるべきだと思ってね。」

モカ「もちろん、ココアの病名とかも詳しい聞いたけど、どうして気付かなかったのかしら・・・。ずっと一緒に居たのに、ココアがそんな体質だったってことに・・・。」

チノ「モカさん・・・」

モカ「あっ、それとお母さんはお店があるから、来れないそうなので。ココアが退院するまでは、私がここにいますね。」

タカヒロ「わかりました。それでしたらまた家にどうぞ、泊まっていってください。」

モカ「またお世話になります。」ペコッ。

タカヒロ「チノ。お父さんがココア君のそばにいるから、チノはモカさんや千夜君、シャロ君と一緒に帰りなさい!!」

チノ「でも、お父さん。私もココアさんのそばに・・・」

タカヒロ「気持ちは分かるが、チノ・・・お前は明日、学校があるんだ! お前はお前のやることに専念しなさい。ココア君のことは俺に任せて・・・。」

チノ「・・・・・。」

モカ「チノちゃん、気持ちは分かるわ。私だってココアの事が心配だもの、なるべくはそばにいてあげたいわ!! でも、ここはひとまずマスターに任せましょう?」

千夜「そうね。私だってココアちゃんのそばにはいたいけど、明日は学校があるものね・・・。」

リゼ「私だってそうだ。」

シャロ「そういう私も。」

チノ「・・・・・・分かりました。」

遅くなりましたが、続きを挙げます。ちなみに設定としてチノの母親が亡くなった経緯も明かされますが、あくまでも作り話ですので、気にせずお願いします。

タカヒロ「モカさん。チノのこと、よろしく頼みます!!」

モカ「任せてください、マスターッ!! チノちゃんの世話は、私が責任をもってきちんと見ます!」

チノ「お父さん。ココアさんの手術が始まったら、電話で知らせてください・・・一応ですが。」

タカヒロ「うん。分かった!!」

チノはラビットハウスに帰った。途中でリゼ、千夜、シャロと別れて、モカと一緒に。そして、夜

モカ「チノちゃんっ♩ お姉ちゃんが腕によりをかけて料理を作ったの、食べてっ!!」

チノ「モカさん。別にお姉さんではありませんが、いただきますっ。」

モカ「はいっ♩」

チノ「・・・・・・・・。」

ティッピー「チノ。どうした?」

チノ「おじいちゃん。私、ココアさんのことが、本当に心配です・・・」

ティッピー「そうか。お前が帰ってから、すぐ後に息子から連絡が来て、ココアさんの手術が始まったことを聞いたが、それからチノ、お前は気分が落ち込んでばかりじゃないかっ! ちっとは元気を出さんかっ・・・手術が成功すればココアも助かるんじゃろっ?」

チノ「そうですが・・・。私はココアさんが倒れたと聞いて、変な事を考えてしまったんです。手術が成功しても、もしココアさんが目覚めなければ・・・そのまま亡くなってしまったらと・・・。」

ティッピー「・・・・・、無理もないかっ! ココアが倒れたと聞いた状況が、お前の母親が亡くなる前と似た状況じゃったからのう・・・」

チノ「・・・・・・・・・・・」

ガチャッ。モカ「チノちゃーーーんっ♩」

チノ「!? も、モカさん」

モカ「チノちゃん。一緒にお風呂入ろう♩?」

チノ「わかりました。」

お風呂

チノ「・・・・・・・・。」

モカ「チノちゃん? どうしたの、さっきから??」

チノ「モカさん。変な質問になりますが、もし・・・ココアさんが亡くなったって聞いたら、モカさんならどうしますか?」

モカ「・・・・・・・、そうねぇっ。もしココアが死んだって聞いたら、私なら・・・・うっ、うぅっ(涙)」

チノ「モカさんっ!? す、すみませんっ!! 変な質問をしてしまいまして・・・」

モカ「うぅん。私のほうこそ、ごめんね・・・突然泣いたりして。ただ、ココアが死んだらって考えたら涙が出てきてね・・・私なら絶対に大声で泣いてるわねっ!! だって、私にとってココアは世界一大切な妹だもんっ♩」ニコッ

チノ「モカさん・・・・」

モカ「チノちゃん。ココアはね、チノちゃんのこと、いつも大切な妹のようだって、うぅん・・・大切な妹だって、いつも手紙に書いてたのよっ!」

チノ「ココアさんがですか・・・」

モカ「うん♩ それに前や今日はチノちゃんにあんなことやこんなことを言われた、されたってことも手紙に書いてあってね・・・文章から見て、毎日を楽しく過ごしているんだなって、感じられたの♩」

チノ「そうですか・・・」

モカ「だからね、チノちゃん。ココアが死ぬなんて考えるんじゃなく、今はココアが無事に退院することを祈りましょ・・・ねっ♩」ニコッ

チノ「・・・・はい。」

お風呂に出た後

モカ「チノちゃんっ♩ 今、コーヒー入れたけど、飲む?」

チノ「モカさんがですかっ?」

モカ「うん♩」

チノ「飲みますっ///」

モカ「あらっ! やけに興奮してるねっ?」

チノ「はい。実は前にモカさんが帰った後で、モカさんが帰る前に作っていたとされるラテアート入りのコーヒーを見つけまして・・・。私、あの見事なラテアートやモカが入れてくれたコーヒーの良き味に感動しましたっ///」キラキラッ

モカ「あらっ♩ さっそく見て、飲んでもくれたのねぇっ♩♩ ありがとチノちゃん、嬉しいよぉ♡」ニコッ

チノ「正直、私はココアさんよりもモカさんを雇いたいと思いました・・・あの時!」

モカ「嬉しいけど、ココアが聞いたらきっとショックを受けるわねっ♩ ふふっ」

チノ「そうですね。」ニコッ

モカ「あっ、チノちゃんが笑ったっ♩ 可愛いなぁっ!!」モフモフッ

チノ「も、モカさんっ!? く、苦しいですっ!!」

しばらくして・・・・

チノ「はぁー。やっぱりモカさんが入れてくれたコーヒーは美味しいです。」

モカ「ふふふっ、ありがとっ♩」

チノ「モカさんを見ていると、母のことを思い出しますっ!」

モカ「チノちゃんのお母さんって、確か亡くなっているんだよね? 前にココアの手紙に書いてあったけど?」

チノ「はい。あれはわたしがまだ小学生(それも下級生)だった時の話になりますが・・・・」

回想

チノの母「チノ。お母さん、ちょっと出かけて来るからねっ!」

チノ「おかあさん・・・。どこに行くんですかっ?」

チノの母「どこって、近くまでお買いものに行くだけよ・・・。大丈夫だから♩」ニコッ

チノ「おかあさん。私も連れてって」

チノの母「だめよ! チノはもう小学生になったんだから、いい加減お留守番が出来ないといけない年頃なの? 分かった?」

チノ「・・・・はい。」

チノの母「ふふふっ、聞き訳がいいところは、さすが私とタカヒロさんの子ねっ♩ いい子、いい子♩♩」なでなでっ

チノ「/////」

チノの母「でも、なるべく早く帰って来るから、おとなしくしているのよ?」

チノ「はい。おかあさん、ほんとうに早く帰ってきてください」

チノの母「わかったわ♩ じゃあ、いってくるわねっ、チノ。」

チノ「いってらっしゃい・・・」

それからしばらくして・・・

チノ「・・・・・・・・・・おかあさん。遅いですね・・・」

ガチャッ。?「チノッ!!!」

チノ「あっ、おとうさんっ、おかえりなさい!! どうしたんですか、そんなにあわてて?」

タカヒロ「チノ。大変だ!? 実は、お母さんが・・・倒れたんだ。」

チノ「えっ!?」

病院

チノの母「」ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。←心拍の音

チノ「お、おかあさんっ!?」

タカヒロ「先生。妻は、妻はどうしてっ!?」

医師「香風さん・・・。残念ですが、あなたの奥さんは末期癌です!!」

タカヒロ「「!?」」

医師「好発部位に関しては申し上げることは出来ませんが、検査の結果あなたの奥さんは末期癌で間違いありませんでした!!」

タカヒロ「そんなぁっ!!」

医師「一応、分かっていると思いますが、癌には進行状態を示すステージというのがありまして。ステージⅠの初期は見つかってすぐに手術すれば完治しますし、ステージⅡ・Ⅲはわずかな確率でありながらも治療に専念すれば治る可能性はありますが、ステージⅣの末期ですとほぼ全身転移になりますので、手術不可能となります! しかも末期癌で倒れた場合、意識不明のまま亡くなることが多いんです。なので、もしこのまま目を覚まさなければ100%の確率で亡くなります・・・。」

タカヒロ・チノ「「!!!!????」」

医師「まぁ、末期癌で亡くなるという運命は避けられない事ですが、家族の意向では末期癌でも最後まで頑張れるところまで頑張って行きたいという方もおられますので、なるべくは最善を尽くします。今後は経管によるものですが、抗がん剤を投与しますので、それで変化や様子を見ましょう!!」

タカヒロ・チノ「「・・・・・・・・・」」

ラビットハウス

タカヒロ「まさか、妻がそこまで悪い状態だったなんて・・・。くそぅ、どうして俺は気付かなかったんだ!!」

チノ「お父さん・・・。」

タカヒロ「それにしても困ったな。本来はこの事を親父にも知らせようと思ったんだが、用事で2、3日留守にするって言って、今日の朝出かけたばかりだしな! それに電話しようにも電波が届かないところだって聞いたからなぁ・・・。」

チノ「でも、2、3日ですから。あっという間ですよっ!!」

タカヒロ「・・・・・・それもそうだな。」

私は次の日、ショックで学校を休み、父もまたショックで店(祖父の代わりであるマスター代理)を休みにしました。そして、また次の日・・・。やはり、あの出来事が起こりました。それはある一通の電話からのことです。

タカヒロ「もしもし、香風ですが?」

チノ(突然鳴り出しましたが、誰からでしょうか?)

タカヒロ「はい、そうです。はい・・・・えっ!?、つ、妻が・・・・・・・・。」ガタンッ

チノ「!?」

私が見たのは、父が何かを聞いて受話器を落とすところでした。

チノ「おとうさん、しっかりしてくださいっ!? 今「妻が」って言っていたってことは、おかあさんに何かあったんですか?」

タカヒロ「・・・・・・・・・・・・。」

チノ「おとうさんっーーーー!!!」

私の呼びかけに父は最初は無言のままでしたが、しばらくして口を開きました。

タカヒロ「チノ。よく聞いてくれ・・・お母さんが・・・。」

チノ「おっ、おかあさんが、どうしたんですか?」

タカヒロ「お母さんが・・・・・・・・たった今、亡くなったそうだ・・・」

チノ「!!!???」

タカヒロ「チノ・・・・・・・・・。」

チノ「・・・・・・・・・・・・・・・。」

それから翌日、祖父が帰ってきました。祖父に急いで母の訃報を知らせ、祖父も最初は驚きましたが、後になって悲しみの表情を見せていました。そして、後日、母の葬儀と告別式は近親者だけという形でしめやかに営まれました。
母の死後、しばらく元気がなかった父も、やがて元気を取り戻していき、祖父もすぐに元気になって働き出しました。ただ、私は・・・今も、母を、心の底から・・・忘れずにいました・・・ずっとです・・・。

回想終了

モカ「・・・・・・・・・ぐすっ」

チノ「モカさん?」

モカ「うわぁぁぁんっ、チノちゃーーーーんっ!!!」

チノ「わっ、モカさんっ!? いきなりなんですかっ!!」

モカ「ごめんね。でも、チノちゃんの、お母さんの話を聞いていたら、涙が止まらなくなっちゃって・・・。チノちゃん、その時は本当に大変だったんだねっ(涙)」

チノ「・・・・・・モカさん。」

モカ「本当に、本当に悲しかったんだねっ!! 本当につらかったんだねっ!!!」

チノ「・・・・モカさん! 実はもう一つ・・・母は生前、いつか私に友達が出来て、もしもその友達がこの店で働くなんてことがあった時のために予備の制服を作ってくれました。」

再び回想 チノの母「チノ。あなたには友達がまだいないみたいだけど、もしものために制服を作ってみたわっ♩」 チノ「どうしてですか?」 チノの母「決まっているじゃないのっ♩ あなたがいつか友達が出来て、もしこの店で働きたいなんてことになった時の為よっ♩♩」ニコッ チノ「/////」

モカ「そうなのね。じゃあ、ココアやリゼちゃんが来ている制服は、皆、お母さんが・・・!? 泣ける話じゃないのぉっー!!!」

チノ「わっ!?」ビクッ

モカ「チノちゃん。お母さんの話ばかりしているけど、涙が出てこない? もし泣きたければ、お姉ちゃんの胸でいっぱい泣きなさいっ!!!」ほらっ

チノ「・・・・・・・・・。」

モカ「いいのよっ、遠慮しなくても。チノちゃんはいつも無表情みたいだけど、本当はずっとどこかで泣きたいのを我慢しているのねっ!! 私、お姉ちゃんで、年上だから、年下の表情を見ればだいたいの状態はわかるのよっ♩」ニコッ

チノ「うっ・・・・・・・・・・ぐすっ! も、モカさぁぁぁぁっっっーーーーーーーーんっ!!!! うっ・・・うっ・・・ヒック」ギュッ

モカ「よしよしっ♩ 今は、お姉ちゃんに、いや、お母さんだと思って好きなだけ甘えていいのよっ! 好きなだけ・・・泣きなさいっ!!!」ギュウウッ

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