ラピスラズリ~魔石商と色々な物語~ (22)
ある漫画のパロディに近いものです。
実際に漫画のキャラが、どんな願いも叶うものを手に入れたとしたら、何に使い、どうなるのかを想像で執筆していきます。
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ごちうさ 主人公はチノ。
ココア「チノちゃん。モフモフ♩」ギュ~。
チノ「ココアさん。止めてください、苦しいです。」
ココア「そんなの事言わないで、モフモフ」
リゼ「こら、ココア。チノが迷惑してるだろ、モフモフしたいなら私にしろ!! なにしろ、わ、私達は付き合ってるんだ////」
ココア「リゼちゃん・・・うん♩ じゃあ、リゼちゃん。モフモフモフモフ//」
リゼ「ココア。さすがに恥ずかしいって、そんなにモフモフするな//」
ココア「えぇ。だって、リゼちゃんの方からモフモフしていいって・・・」うるうる。
リゼ「泣くな。わかったよ、特別だ!」
ココア「わぁい♩」
チノ「・・・・・・・・・・・。」
その夜。
チノ「ココアさんとリゼさんが付き合い始めて早一ヶ月が経ちました。ですが、私には二人の、互いの気持ちが分かりません。色々と見ていましたが、ココアさんが本当にリゼさんを愛し、リゼさんも本当にココアさんを愛しているかが心配です・・・。せめて、せめて、心の中が分かれば。私も安心なのですが・・・。」
そして朝。今日はラビットハウスが休み。
チノ「たまには散歩も良いですね。んっ!?」
宝石店「タリスマン」
チノ「こんなところに宝石店が・・・。でも、ここに店なんて、ありましたっけ? 気になります。一応、入ってみましょう・・・」
ガチャッ。
?「宝石店タリスマンにようこそ、お客様。私は当店の店主で、宝石商をしているラピスです。」
チノ「はぁ。」
ラピス「あなたは持ち主の願いを叶える宝石をご存知ですか?」
チノ「さぁ。私は宝石はそんなに詳しくありません。むしろ、コーヒーの知識ならありますが・・・。」
ラピス「お客様は面白いことを申されますね。と、それはさておきまして、この宝石、貴方におゆずりしましょう。」
チノ「けっこうです。それに、私はお金なんてありませんし・・・。」
ラピス「お金なんていりません。対価としていただくのは貴方の心の宝石(ハートジュエル)です。」
チノ「ハート・・・ジュエル・・・?? なんでしょうか、それは?」
ラピス「なぁに。別に気にするほどのものじゃありませんよ。それを渡しても、特に支障なんてありませんので」
チノ「でも・・・。やっぱり、宝石は・・・」
ラピス「遠慮しなくていいですよ。開け、心の宝石箱(ジュエルパクト)」
チノ「あっ!?」ドンッ、ヒューン。
ラピス「契約成立(エンゲージ)♩」パシッ。
チノ「い、一体、何が・・・!?」
ラピス「さぁ、見せてください。貴方の命の輝きを。」
夜。
チノ「ラピスラズリ・・・こんなもの貰ってどうしろと。それに願いが叶うなんて、そんな小説とかアニメみたいなことが現実に存在するはずがありません!! まったく私はいらないと言ったのに、どうして勝手なことを・・・」ブツブツ。
ココア「チーーーーーノちゃん♩ お風呂、入ろう。」
チノ「ココアさん。一緒ではなくてもいいでしょ。先に入って下さい。」
ココア「うぅ。相変わらず、冷たい・・・」
チノ「・・・・・・。」
ココア「んっ!? チノちゃん、その宝石どうしたの?」
チノ「あっ、これは。今日、物置を整理してたら、偶然見つけただけで。(とっさでしたので、つい嘘をついてしまいました。)」
ココア「ふぅん。それにしても綺麗だね♩」
チノ「そうですね」
夜中。
チノ「眠れません・・・。なにか、最近・・・ココアさんとリゼさんのことが気になってしょうがないです。もしも、本当にあの二人の心の中を覗けたら、どんなに安心するか、という思いが一層強くなってきました・・・」
カァァッーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
チノ「えっ!?」
シューーーーーーーー。コトン。目の前にリボンが置いてある。
チノ「宝石が突然光って・・・。どうして・・・リボンが!? はっ!!」
ラピス「あなたは持ち主の願いを叶える宝石をご存知ですか?」←回想。
チノ「もしかして、私が思った事が本当に・・・。もし、そうだとしたら、このリボンは一体?」
翌朝。
チノ「ふわぁー。すっかり寝不足です。ですが、早く起きなければ!」チラッ。
リボン・・・・。
チノ「・・・・・・・・・・・。」
ココア「チノちゃん。おはよう♩」
チノ「おはようございます、ココアさん」
ココア「って、あれっ!? チノちゃん、そのリボン・・・どうしたの?!」
チノ「たいしたことではありません。ただ、たまには何かを身につけてみるのも悪くないかと思っただけです!」
ココア「そうなの? でも、リボンをつけたチノちゃんもまた一層可愛いよぉー// モフモフしたい♩」
チノ「学校に遅れてしまいますよ。早く御飯、食べてください!!」
ココア「相変わらず、冷たい・・・(涙)」
チノ「モグモグ・・・」
ココア「モグモグ・・・・」
チノ「・・・・・・(ココアさんの心の中が知りたいです。)」モヤモヤモヤッ。
ココア「(今日もチノが冷たいよぉー。私、お姉ちゃん失格かなぁー!!うわーんっ(涙))」
チノ「!!??(頭の中に言葉が浮かんできました!? この声はココアさんのです・・・。ということは・・・これはココアさんが心の中で思っている事、つまりは本音ですかっ!!??)」
ココア「んっ、チノちゃん。どうしたの・・・私の顔をジッと見つめて??」
チノ「いえ、何でもありません。(心の声が聞こえたのは、おそらくあの宝石が出した、このリボンのおかげでしょうか!! さっきのを考える限りではリボンを付けたまま、相手の本音が知りたいと自分の心の中で思えば、その本音が自然と頭に浮かんでくる、という訳ですね。では、あの宝石の効力は、作り話ではなく正真正銘のことだったんですね・・・)」
ココア「ごちそうさま。」
チノ「ごちそうさまです。(このリボン・・・名称を「ココロリボン」って名付けましょう。相手の心が分かるので。)」
ココア「じゃあ、チノちゃん。私、行くね。千夜ちゃんと一緒に登校する約束してるから。」
チノ「はい。私も途中でマヤさん、メグさんと一緒に行きますので、これで」
ココア「うん♩」
登校中。道で。
チノ「しかし、小説やアニメみたいなことが起きるなんて、本当に信じられません。もしかしたらさっきのは、私の気のせいなのかもしれません・・・。」
?「チノ。おはよう!!」
?「チノちゃん、おはよう♩」
チノ「あっ、マヤさんにメグさん。おはようございます!」
マヤ「おっ、今日は何かあったのか?」
メグ「チノちゃんがリボンを付けているなんて、珍しいね?」
チノ「あっ、これは・・・たまにですのでおしゃれを、と思いまして。何か変でしょうか?」
マヤ「別にいいんじゃない。」
メグ「変じゃないよっ! リボン付けてるチノちゃん・・・可愛いよぉ♩」
チノ「そうですか。(なんて言っていますけど、マヤさんとメグさんはこれを見て本当はどう思っているのでしょう・・・。二人の心の中が知りたいです。)」モヤモヤモヤッ。
マヤ「(チノって・・・リボン付けていると意外に似合うんだな!!)」
メグ「(チノちゃんが珍しくおしゃれ・・・。明日、雨でも降らないかなぁ??)」
チノ「(!?、またです。頭の中に言葉が浮かんで・・・。もしかして、本当に。それでしたら試しに・・・。)。マヤさんはいいとして、メグさん。」
メグ「なに。チノちゃん?」
チノ「今、私を見て・・・雨が降らないかなって、思いませんでしたか? 本当だったら、さすがの私でも傷付きます。」
メグ「えっ!? な、何言ってるの、チノちゃん!? 私がそんなこと思うはずないよぉ(汗)。(えっ、どうして分かったのかなぁっ!?)」
マヤ「えっ、なに・・・なんなんだよぉっ!?(今、チノがメグの心を読んだ!? まさかなっ??)」
チノ「(やはり、二人が何を考えているのかが良くわかりました。ということはこのリボンの効力は本物、何ですね・・・。)」
チノ「そうですよね。気にしないでください、ちょっと冗談を言ってみたくなっただけです。」
メグ「そうだよね。もぅー、チノちゃんったら♩」
マヤ「チノが冗談を言うのも珍しいな!!」
チノ「私だってたまには冗談も言いますよ。」
マヤ「あははっ。チノってやっぱ面白いな!!」
メグ「チノちゃん、可愛い♩」
チノ「とりあえず、早く行きましょう。遅刻してしまいますよ!」ダッ。
マヤ・メグ「「あっ、待ってよぉ! チノ(ちゃん)!!」」
学校が終わった後。
チノ「ただいま。」
ティッピー「おかえり、チノ」
チノ「あっ、おじいちゃん。帰って来てたんですか?」
ティッピー「あぁ、ついさっきな。」
チノ「昨日の朝、「ちょっと出掛ける」ってメモを見ましたが、どこに行ってたんですか?」
ティッピー「ちょっと急な用事があってな。昔の知り合いのところに行ってたんじゃ!」
チノ「そうですか。ということはお父さんも一緒だったんですか?」
ティッピー「あぁ。タカヒロも一緒じゃよ。ただ、チノ、お前も連れて行こうと思ったが、ココアがいるし、一人にするのもなんか気の毒じゃったから止むを得ずに置いて行くことになってしまった。スマンな、チノ!!!」
チノ「いえ。別に気にしてません。急な用事では仕方ありませんし!」
ティッピー「本当にスマン!!」
チノ「だから大丈夫ですよ。(おじいちゃんの本心が知りたいです)」モヤモヤモヤっ。
ティッピー「(何とか嘘で突き通せたわい。知り合いにあった急な用事というのが「実はキャバクラに誘って一緒に行くこと」なんて、死んでもチノには言えんな!!)」
チノ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ティッピー「(しかもタカヒロと一緒に月に一度、行ってることも言えん! 後、見た目がうさぎだってことをいいことにキャバクラの娘どもにいっぱい可愛がられているなんて事実は絶対にばれてはいかんしのう!!)」
チノ「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ティッピー「んっ、どうした、チノ? 急に黙り込んで??」
チノ「なっ、何でもありません!(まさか用事がこんなことだったとは・・・。はっ、そういえば、月に一度、お父さんと一緒に出掛けて翌日に戻って来ることがあると前から薄々感じてましたが!?)」
ティッピー「本当に大丈夫かっ!?」
チノ「大丈夫ですよ!! それより仕事、始めましょう。」
ティッピー「そうだのう。」ピョコ。←チノの頭に乗る。
チノ「(このリボン、心に思っただけでもすぐに頭に浮かんできてしまうのがいけませんね。それに、良く考えてみれば、「勝手に人の心の中をのぞく」なんていけないことだと感じました。あまり長くは使いたくないです。せめて、ココアさんとリゼさんの気持ちが分かったら、使うのをやめましょう。」
ティッピー「(そういえば、気になったんじゃが、どうしてチノはリボンなんか、付けているのかのぅ? 普段から髪型は変えても、リボンなどを身に付けるようなおしゃれなんかせんのに・・・。)」
チノ「ココアさん・・・遅いですね!」
ティッピー「そういえばそうだのう。もう帰って来てもいいころなんじゃが・・・」
チノ「もしかして、寄り道してるんじゃ!? いけません、すぐに探し出して、連れて来なければ。」
ティッピー「チノ。そんなにあわてるで、おっと!?」←拍子でチノの頭から落ちてしまう。
チノ「おじいちゃん。私、行ってきます!!」
ティッピー「あっ、チノ!? 行ってしまった・・・。」
街中。
チノ「はぁはぁ。ココアさんは一体にどこにいるのでしょうか??」
?「あっ、チノちゃん!?」
チノ「あっ、千夜さん。こんにちは」
千夜「こんにちは、チノちゃん♩ そんなにあわててどうしたのかしら?」
チノ「コ、ココアさんは・・・知りませんか? まだ帰って来てなくて。」
千夜「ココアちゃん? ココアちゃんなら授業が終わってすぐに帰ったわよ。」
チノ「本当ですか!?」
千夜「えぇ。いつもなら私に「一緒に帰ろう」って声を掛けて来るはずなのに、今日は珍しく声もかけずにすぐに走って行ったの・・・何かあったのかしら?」
チノ「そうですか。ありがとうございます!!」
千夜「いいえ♩」
チノ「(千夜さんと一緒じゃなければ一体、どこに・・・)」モヤモヤモヤッ。
千夜「((ココアちゃん、あーん♩)、(あーん♩)、(どうかしら?)、(うん、おいしいー♩)、(そう!良かったわ。)、(千夜ちゃんの作る料理はどれもおいしいよぉ!!)、(嬉しいわ。それよりもココアちゃん?)、(んっ、何、千夜ちゃん?)、(リゼちゃんにまだ黙っておくつもりなの? 私達の関係??)、(うん。正直、本当は千夜ちゃんが一番好きなんだけど、リゼちゃんも好きだから。中々、本当の事、話せなくて。リゼちゃんが告白してくる前に、もう千夜ちゃんに告白してOKも貰った後だったから、あの時、言い出せなかった私も悪いと思ったんだ。)、(ココアちゃん・・・)、(でも、リゼちゃんにはいずれ話すつもりなんだ。このままじゃいけないし、正直に話せばきっとリゼちゃん許してくれるよ!)、(ココアちゃん・・・嬉しいわ///)、(えへへ、千夜ちゃん。大好き///)ギュッ、(私も大好きよ。ココアちゃん///)ギュッ。←抱き合っている。・・・・。)」
チノ「(!!!!???? どうして急に頭に言葉・・・いや、今度は記憶が浮かんできました!!!。心に思っていないのに、どうして勝手に!? そ、それよりも・・・こ、これは千夜さんの。も、もしかして、ココアさんは最初から千夜さんと・・・。)」
千夜「チノちゃん? どうしたの??」
チノ「あっ、いえ。何でもないです。」
千夜「そう?(そういえば、どうしてチノちゃん・・・リボンを付けてるのかしら? でも、そんなチノちゃんもほほえまー///)」
チノ「ありがとうございました。それでは」
千夜「うん。またね、チノちゃん♩」
チノ「はい。」
チノ「(信じられません・・・。あのココアさん、まさかこんなことを!? でも、今はココアさんを見つけるのが先決です。)」
しばらく街中。
チノ「本当にどこに行ったのでしょう・・・」
?「あれっ、チノちゃん?」
チノ「あっ、シャロさん。こんにちは!」
シャロ「こんにちは、チノちゃん。そんなにあわててどうしたの?」
チノ「あのぅ、ココアさん。見てませんか? 帰ってなくて。」
シャロ「ココア? あぁー、ココアなら見たわよ!!」
チノ「えっ、本当ですか!?」
シャロ「うん。実は、15分くらい前かしら・・・。リゼ先輩と一緒に帰ろうと、リゼ先輩を探してたら、ココアと一緒に歩いてる姿を見かけたのよ。」
チノ「リゼさんとですか・・・。」
シャロ「うん。声を掛けようにも、結局掛けづらかったから諦めて、今一人で帰っているところなの。」
チノ「そうです・・・。(そういえば、リゼさんも来てませんでしたね!!。今日はバイトの日だから、いつもならすぐに来るはずなのに、時間になっても現れなかった・・・。)」
シャロ「チノちゃん?」
チノ「あっ、すみません!? それで二人はどこに向かっていたか、知りませんか?」
シャロ「そうねぇ。そういえば、リゼ先輩の家がある方向に向かっていたような・・・。」
チノ「(そこです!!)わかりました。ありがとうございます!」
シャロ「どういたしまして。(そういえば、チノちゃんがリボンしてる。可愛い///)」
チノ「それでは、また」
シャロ「うん。じゃあね、チノちゃん。」
チノ「はい。(さっそくですが、リゼさんの家に行きましょう。)」
リゼの家の前。
チノ「着きました。さっそく、ベルを・・・」
ピンポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン♩
?「はい?」
チノ「(あっ、リゼさんの声だ!!)リゼさん。私です!」
リゼ「何だっ!?、チノか!? 一体どうした!?」バタバタッ。←物音。
チノ「ちょっと、用事がありまして。入ってもよろしいですか?(リゼさん。何かあわてているみたいですが、一体何を?)」
リゼ「あぁ、いいぞ。ただ、今ちょっとちらかっているから、少し待っててくれ? 終わったら、門を開ける!!」
しばらくして、ガチャンッ。
チノ「門が開きました。入りましょう・・・」
屋敷の中。
リゼ「よく来たな。私の部屋まで行くか?」
チノ「はい。」
廊下。
チノ「リゼさん?」
リゼ「んっ、どうしたんだ、チノちゃん?」
チノ「前来た時に見ましたが、使用人さんとかメイドさんとかボディーガードさんとかが見当たりませんね?」キョロキョロ。
リゼ「あぁ。今日は皆、旅行に行ってていないんだ!」
チノ「旅行ですか?」
リゼ「それが親父のヤツが珍しく使用人全員に休暇と旅行をプレゼントしてなぁっ!! それで皆、大喜びで今日の朝、出かけて行ったんだ。」
チノ「そうでしたか。」
リゼ「いつもサプライズやらハプニングやらで、人を驚かせている親父が、珍しく冗談抜きで旅行のプレゼント。本当に笑えるだろ?」
チノ「そうですね。(今はココアさんのことを聞きたいです)」
リゼの部屋。
リゼ「ゆっくりくつろいでてくれ。使用人がいないから、今から私がお茶を入れてくる。」
チノ「いえ。おかまいなくです。」
リゼ「まぁ。遠慮するな!」
チノ「あっ、そういえば、リゼさん。用事なんですが?」
リゼ「あぁ。そうだったな。それで、用事は何だ・・・チノ?」
チノ「リゼさん。ココアさんを見せませんか?」
リゼ「!!!!????っ」ビクッ。
チノ「・・・・・・リゼさん?」
リゼ「あっ、あぁ。何でもない。それよりココアのことか。いや、知らないなっ!!」
チノ「(目線が別の方に向いている・・・。)知らないはずはありません。シャロさんが見たそうですよ、ココアさんとリゼさんが一緒に歩いているところを・・・」
リゼ「そうだったかなっ!? あれっ、でも私は一人帰ったぞ? 本当は帰る時にシャロを誘おうとしたが、シャロはもう帰った後だったからしょうがなく一人でな。」
チノ「本当ですか?」
リゼ「本当だ!! チノがシャロから聞いたことは、シャロの見間違いじゃないのかっ!?」
チノ「そうですか。(でも、シャロさんが見間違えるはずはありません。だって、シャロさんはリゼさんのことを・・・。)」
リゼ「もういいか? とにかく、私はココアと一緒に帰ってはいないぞ。」
チノ「分かりました。それと、疑うようなことを言って申し訳ありません。」
リゼ「いや、いい。気にするな・それよりお茶を入れてくるから、待っててくれ。」
チノ「はい」
リゼが部屋を出て行った後。
チノ「やっぱり何か様子がおかしいです。ココアさんのことを聞いた後のリゼさんのあの驚きようと態度は、やはり普通ではありません。リゼさん、何かを隠しているに違いありません。」
部屋を少し見回す。
チノ「何かないですかね。ココアさんがここを来た証拠が・・・んっ!?」キョロキョロ。
チノの目線にあるもの・・・。
チノ「これは、ココアさんのヘアピン!! やっぱりココアさんはここに来たんですね! 後、それにしても、さっきから部屋の中が少し匂います。(でも、この匂い、どこかで・・・?)」
リゼ「チノ。どうした?そわそわして・・・。」
チノ「!? り、リゼさん・・・いつの間に!!」
リゼ「今、入って来たばかりだぞ! 気付かなかったのか?」
チノ「あっ、すみません。少し考え事をしていまして」
リゼ「そうか。それならしょうがないな。」
チノ「あの、リゼさん?」
リゼ「んっ、どうした? また、何か聞きたいことでもあるのか?」
チノ「はい。もしですが、もし人の心の中が分かるもの(つまりは道具)があったとしたらどうしますか?」
リゼ「?? チノ。お前、何を言ってるんだ?」
チノ「あっ、いえ。信じて貰えるかは分かりませんが、私が今付けてるリボンはですね・・・」
説明中。
リゼ「プッ・・・あははははははははははっ!!」
チノ「り、リゼさん。一体、何が面白いんですか///」
リゼ「いやぁ、すまない。それにしてもチノ、お前って意外に子供っぽいことを言う事があるんだな。いつも冷静で、大人びているお前にそんな可愛い一面があったとは。正直、驚きだよ!! ぷぷぷっ。」
チノ「わっ、笑わないでください。私は本気で・・・///」
リゼ「はははは。分かった、分かった。信じるよ。ぷぷぷっ。」
チノ「絶対、信じてませんね。(あの、笑い方・・・ココアさんみたいです。)」モヤモヤモヤッ。
チノ「(!?!?!? また頭の中に何かが浮かんできました・・・。それにまた記憶が・・・!!?? えっ、何ですか、これっ!? どういうことですか・・・どうしてですか・・・。)」
チノの頭に浮かんだもの。それは。
リゼ「(ど、どういう意味だ・・・ココアッ!!!。わ、私と別れたいというのはっ!??)、(言葉の通りだよ、リゼちゃん。私、実は千夜ちゃんが好きなんだ。それにもう千夜ちゃんからOKも貰ってるし、付き合ってるの・・・)、(ふ、ふざけるなっ! 私がどれだけお前を好きか、わからないのか、ココアッ!?)、(分かってるよ。でも、リゼちゃん。私は本当に千夜ちゃんのことが・・・)、(きっ、聞きたくない!! お前の千夜に対する気持ち、なんて!!)、(リゼちゃん・・・。)、(もういい、ココア。)、(リゼちゃん。じゃあ、私の事、許して・・・)、チャキッ。(えっ、リゼちゃん!? 私に拳銃なんて向けてどうしたの・・・危ないよ?)、(私が言った「もういい」という意味は、ココア・・・お前を[ピーーー]って意味だ)、(そんなっ!? やめて、リゼちゃん。私は・・・)、(黙れっ!! 私を裏切った罰だ。しっかりと受けて貰うぞ!)バンッ!!!!! (あっ!! ・・・・ど、どうして・・り、リゼちゃん・・・)ガクッ。(はぁはぁ・・・。」)」
チノ「(り、リゼさんが、ココアさんを・・・!? はっ、そういえば、さっきからわずかに匂うこの、においの正体・・・こ、これは拳銃の火薬の匂いです。前にお父さんが連れて行ってくれた射撃の練習場で嗅いだことがあるので、間違いありません。ということは、千夜さんとリゼさんの心の中(つまりは記憶)を見る限りでは、「ココアさんは千夜さんと付き合っていた。そして、ここままじゃいけないと思ったココアさんは、リゼさんに本当の事を打ち明けた上でリゼさんと別れようとしていた。しかし、それが許せなかったリゼさんは怒りのあまりココアさんを殺してしまった」ということになります。では私が来た時にリゼさんがあわてていたのは、ココアさんの死体を隠そうとした時に私が来たからっ!? だとしたらリゼさんの心の中をのぞいて全てを分かった私も、もしこの事がばれたら私も・・・。)」ブルブルッ。
リゼ「チノ・・・?? どうした、急に黙り込んで。それに、震えてるぞ・・・?」スッ。←チノの顔の間近で覗いている。
チノ「ビクッ!?!? そ、そうですかっ!?」
リゼ「あぁ。まるで・・・・・・・・・・・、'''何か怖いものを見たような・・・そんな表情だぞ・・・’’’」ニコッ。
チノ「・・・・・・・・・。」ゾゾゾッーーーー。←顔が青ざめる。
リゼ「そういえば、チノ。お前、さっき言ってたな! そのリボンを付けていると・・・人の心の中が分かるとかっ!!! ・・・・それが、本当ならすごく面白いなっ♩」ニコニコッ。←さっきよりも笑顔が不気味に見える。
チノ「(な、なぜでしょうか、リゼさんの様子が・・・。ビクビクッ。)。そ、そんなわけ、ありません、よっ!! そ、それに人の心の中が、み、見えるなんて・・・あまりよ、よいものでは・・・あ、ありません・・・しっ!?!?」ブルブルッ。
リゼ「そうだよなっ♩ それにもし、人の心が見えたら・・・それはそれで、今までやさっき何をやっていたか、なんてことも、本当に・・・'''まる分かり’’’・・・だよなっ・・・・♩♩♩♩♡」ニコニコニコニコッ。
チノ「ヒィッ・・・・・・・!!!!????」ビクビクッ、ブルブルッ!!!
?「フヒヒッ。」
チノ「!?」
?「おやおやっ、どうやら面白いこと・・・になっているようですねぇ♩」
チノ「あ、貴方は確か、あの宝石店にいた。た、確か・・・ラピスさん?」
ラピス「覚えて頂けて光栄です♩ そうですよ、私は確かにあの宝石店の店主であるラピス・ラズリです♡」
チノ「それに、ここは一体どこですか? リゼさんの家じゃ!?」
ラピス「ここはある特殊な空間。私が、貴方をご招待しましたっ♩」
チノ「ご招待・・・?? 一体、どういうつもりですかっ!?」
ラピス「どうもこうもありませんよ♡ 貴方は他人の心を、その者の気持ちを知りたいと思うがあまり、今度は自分の心を覗かれているんですよ♩」ニコッ。
チノ「えっ!?」
ラピス「っと、私の珍しい忠告はここまでにしときましょう。後は、ご自分の目でお確かめください♡」
チノ「あ、あのっ・・・い、一体、どういうっ??」
ラピス「あなたの絶望が、わたしの願望なのです!」
チノ「えっ、えっえっ・・・・あっ、"あああああああ"ああああああああ"あああああ"あああっ!!!!!!!!!」
ラピス「では、最後にまぶしいくらいの絶望を、ありがとうございました♡」ニコニコッ。
ラピス「またのご利用をおまちしていますよ。来世でね♩」ニマァッ!!!
チノ「はっ、ここは!?(り、リゼさんの部屋!!)」
チノ「(そ、それよりも早く、ここを出なくては・・・誰かに知らせなければ。でも、まずはひとまず落ち着くことです。まだ、リゼさんにはリボンの力は気付かれていないはずです!! とりあえず、ここを出たら、最初に警察に駆け込んで・・・)り、リゼさん。私、ちょっと別の用事を思い出しまして・・・。」
チノ「ですので、今日はもう、帰り・・・ハッ!? (・・・・あ、頭に、頭に付けた、リボンが・・・ありません・・・!? ・・・・ハッ!?)」
ラピス「今度は自分の心を覗かれているんですよ♩」ニコッ。←回想
チノ「(・・・・も、もしかして・・・。おそるおそるっ。)」チラッ。
リゼ「そうか。それは、残念だな・・・」ゴゴゴッ。
リゼ「本当に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残念だっ♩」ニコッ♩←頭に例のリボンを付けている。┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドドッ!!!!!!!
チノ「ヒィィィィィィッーーーーーーー!!!」
リゼ「最初は、チノ。お前の冗談だと思ったけど、まさか本当に・・・心の中が覗けるとはな・・・。」
チノ「あ、あっぁっぁっぁっぁ・・・あ、あっ、あ・・・・」パッ。コロン。←手を離して、ココアのヘアピンを落とす。
リゼ「それに・・・ココアのヘアピンを見つけた、ということは、全て分かっちゃったんだなっ♩♡」ニコニコッ。
チノ「あっ。わ、私、か・・・かえりますっ!!!」ダッ。
ガシッ!!←部屋から出て行こうとしたが、リゼに腕を掴まれる。
リゼ「おいおい。せっかく遊びに来たんだ・・・ゆっくりしていけよ♩」
チノ「でも、私には用事がっ・・・」
リゼ「その用事も大した用事じゃないんだろ? それだったら、ゆっくり・・・いや、いっそのこと、泊まって・・・いけよ・・・・♡ 特別に今日は普段、使わない地下にある部屋を用意してやるぞ!!」ニコッ。
チノ「おっ、親が、父が心配してしますので・・・!!! それに、私はまだココアさんを探している最中ですので・・・」←あわてているため、ココアのことを口に出す。
リゼ「そうか・・・ココアと一緒の方がいいか! それなら、ココアと一緒の部屋にしてやるぞ!!! そうすれば、チノ・・・お前はココアと一緒に・・・・・・私の家の地下にある部屋で・・・・・ゆっくりと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・眠れるよなぁっ♩♩♩」ニコニコッ。
チノ「嫌です!!! 誰か助けてください!!」
リゼ「どれだけ騒いでも無駄だぞっ♩♩ 最初に言っただろ・・・今日は使用人・・・全員、旅行に行ってていない、と♡」ニコッ♩♩
チノ「・・・・・・・・・・・・。」ゾオオオォォォォーーー!!??
リゼ「さ、まずは私の武器(モデルガンではなく正真正銘の本物)が飾ってあるコレクションルームにでも行こうか? 自慢のコレクションを、たっぷりと見せてやるぞ♩」
チノ「は、離してくださいっ!!」バッ。
リゼ「どこに行くんだ、チノ? おにごっこなら・・・・負けないぞ♩♩♩」
チノ「(逃げないと・・・。逃げ・・・ない・・・と・・・!!)」
場面が変わって・・・。
ラピス「ある人の心を覗いてしまった一人の少女・・・この後の結末、気になると思いませんか? ですが、覗くことは禁止されてますよ♩ えっ、どうしても覗いて知りたい?。しょうがないですねぇ~、ですが、私は知りませんよ♩ 覗くのは自分の自由ですが、覗いたら最後・・・×××××しまうでしょうねぇ~♩♩♩フヒッ♩」
ひとまず「ごちうさ編」はおしまいです。
リゼが好きな人は、リゼのキャラが崩壊してしまったことをお詫び申し上げます。そして、ココアが好きな人は、勝手にココアを殺してしまって申し訳ありません!!
続きは「きんいろモザイク」でやっていきます。
きんモザ 主人公は陽子。
夜。陽子の部屋。
陽子「最近、綾の様子が変だ。私が声を掛けるといつも驚いたような反応をして振り向く・・・まぁ、これはたまにあることだから気にしてはいない。だが、問題は私が一緒に帰ろうと誘った時や昼ごはんに誘った時、遊びに誘った時に悉く断られることだった。それどころか、シノやアリス、カレンが誘っても皆、断っていたことだ。一体、何があったんだ!?」
翌日。
アリス「ヨーコ。おはよう」
陽子「おぅ。アリス、おはよう・・・」ズーン。
アリス「あれっ、どうしたの!? 暗い顔して・・・いつものヨーコじゃないよっ??」
陽子「あぁ。実はな、最近の綾のことを考えててなっ・・・」
アリス「アヤの?」
陽子「そう。綾って最近、私らが誘っても断ることが多いだろ!! なんか、変なんだ!!??」
アリス「そういえば、そうだね。前までは色々と誘っても、ちゃんと付き合ってくれてたのに・・・。」
陽子「何か事情でもあるのかっ!? 例えば、宿題をやってなくて毎回先生に怒られているとか、予習をやっていてなくてテストの点が悪かったとか・・・それで元気がなくなって断るようになったとかで。」
アリス「もぅっー!! ヨーコじゃないんだから、アヤに限ってそれはありえないよぉ!!!」
陽子「今、サラッと私に対するひどいこと、言ってないかっ!?」
アリス「でも、宿題を忘れて怒られるとか、予習していなくてテストの点が悪かったって部分は有ってるよね。」
陽子「まぁ・・・否定はできないな!! って、話が逸れてるぞ・・・今は綾の話だろ!」
アリス「話は逸らしたのはヨーコが例えの話を持ち出したからだよぉっ!!!」
陽子「なんか、スマン」
昼休み。
陽子「アリス。シノ達のところに行くぞ!」
アリス「うん♩」
アリス「シーーーノっ♩」
シノ「あっ、アリス♩♩」
カレン「あっ、アリスにヨーコ。」
陽子「カレン。お昼、誘いに来たんだが・・・。あれっ、綾は?」
カレン「アヤヤならさっき、ドコカにイッテしまいマシタよ?」
陽子「えっ?!」
アリス「どこかって、どこに?」
カレン「わからないデス!!」
陽子「分からないと言っても・・・。シノ! 綾がどこにいったか分からないか?」
忍「さぁ。私もさっき、綾ちゃんが急いで教室を出るところまでは見ましたが、後は分かりません。」
陽子「くそっ。綾のやつ、何考えてるんだ?!」
アリス「ヨーコ。アヤを探しに行くの?」
陽子「あぁ。ちょっと行ってくる。多分、そんなに遠くには行っていないはずだから。」
カレン「気を付けてクダサイ。ヨーコ?」
陽子「気を付けるも何も。危険はないだろ??」
移動中。
陽子「ほんとに綾はどこに行ったんだ・・・。あっ、いた!?」
陽子の目線の先には綾がいた。場所は校舎裏だった。
陽子「綾っ!!??」
綾「よ、陽子っ!? どうしてここに??」
陽子「どうしたもこうしたもないだろ!! カレンとシノから、お前が教室から出て行ったって聞いたから・・・。気になって、探しにきたんだ!! 綾、どうして誰にも言わずに出て行ったんだ? 普通、カレンとかシノに一言、言うのが・・・」
綾「ち、ちょっとトイレに行きたくなっただけよっ!!」
陽子「じゃあ、どうして、校舎裏にいるんだ? 校舎裏はトイレはないだろっ?!」
綾「トイレはもう終わったけど、ちょっと外の空気が吸いたくなっただけ・・・。別に深い意味はないわよっ!」
陽子「でも、綾。なんか、お前。最近変だぞっ!? 何か、私に隠してること、あるだろっ?」
綾「なっ、ないわよっー!!! もういいでしょ。私、戻るよ」ダッ。
陽子「あっ、綾!? ・・・行っちまった。」
帰り道。
陽子「(その後、綾は午後の授業が始める前に早退した。気分が悪いと言ったそうだが、私から見れば絶対に嘘だと分かった。それを聞いて、私はどうしてと落ち込んだが、シノ達が慰めてくれた。綾・・・本当にどうしてなんだっ!?どうしてあんな態度を・・・取る。私に一体、何を隠してるんだっ!?)」
陽子「結局、シノとアリス、カレンは落ち込む私に気を遣って、先に帰ったけど。私としてはシノ達のことよりも、今は綾が何を隠しているのかが知りたい!!! んっ!?」
陽子の目の前。→宝石店「タリスマン」
陽子「宝石店・・・? それよりもこんなところに店なんてあったっけ?? まぁ、いいか。とりあえず気になるし、入ってみるか。」ガチャッ。
店内。
陽子「意外に広いな。」
ラピス「いらっしゃいませっ、お客さま! フヒッ♩」
陽子「うわぁっ、びっくりしたっ!?」
ラピス「宝石店「タリスマン」にようこそ♩ 当店の店主で、宝石商のラピス・ラズリと申します♡」
陽子「ラピスラズリ・・・?」
ラピス「お客さま。どんな願いも叶う宝石なんて・・・ご興味はありませんか?」
陽子「どんな願いも叶う、だとっ!? そっ、そんな・・・都合の良い宝石なんてあるのかっ!?」
ラピス「もちろん♩ ありますともっ♡ このラピスラズリがそうです!」
陽子「お願いだ。その宝石、私にくれ。」
ラピス「わかりました。では、代わりにあなたの心の宝石(ハートジュエル)をいただきます♡」
陽子「ハートジュエル・・・??」
ラピス「さぁ、開け。心の宝石箱(ジュエルパクト)!!!」カァァッ。
陽子「っ!!!!????」パカァッ!!
ラピス「契約成立(エンゲージ)!」パシッ。
ラピス「これでラピス・ラズリはあなたのもの。 見せてください・・・あなたの命の輝きをっ!!!」ペロリッ。
陽子「・・・・・。」
ラピス・ラズリを見つめたままの陽子。
陽子「私の、私の願いは・・・綾が、綾が何を隠しているのかが知りたいっ!!」
ピッカァァァァッッッーーーー!!!
陽子「こ、これはっ・・・・・ボ、ボタンッ!!??」
陽子の手にあったのは・・・ファミレスに置いてある呼び出しボタンのようなものだった。
陽子「ただの呼び出しボタンじゃねぇかっ!? こんなものでどうやって、綾の隠し事が分かるって言うんだっ!!」ポチッ。←拍子でボタンを押してしまう。
サラリーマンA「!?・・・すみません。僕、書類をなくしました。」
上司(課長)「はっ!? 何、言ってるんだ、お前? お前、さっき俺の鞄の中に書類を入れておいたって言っただろ?」
サラリーマンA「いえ。あれは嘘なんです。鞄に入れたのはただの紙切れです。実は書類をなくしたのにさっき気付きまして・・・バレたらヤバいと思ってので、課長のせいにしようと。紙切れを入れたのは、それが先方に知られれば、先方は「課長が書類をなくして、咄嗟に紙切れでごまそうとしているのではないか」と思わせる為なんです! 本当に申し訳ありませんでした!」
上司(課長)「お前って奴は・・・(怒)今回の取引の責任は全部、お前が取れよ!!」
陽子「・・・・・・・。(あのサラリーマン・・・隠し事があったのを、正直に話した。ということは、このボタンは近くにいる人に向けたままボタンを押すと、その人がしている隠し事をその人自身が正直に話してしまうんだ!! いわば、このボタンがあれば隠し事が出来ない・・・・・すごいぞっ!? よしっ、このボタンは「正直ボタン」と名付けよう!!!」
その夜。
陽子「このボタン、早く綾に使いたい。早く、明日にならないかぁ。」
ガチャッ。
美月「お姉ちゃん。お風呂あがったよ。」
陽子「おぉ。美月。知らせに来てくれてありがとな。(ついでに・・・)」ポチッ。
美月「?!・・・お姉ちゃん。私、お姉ちゃんに謝らないといけないことがあるの!!」
陽子「んっ、何だ・・・言ってみ?」
美月「先週、お客さん用のお菓子がなくなったことがあったでしょっ?」
陽子「おぉ。」
美月「あれっ、実は私と空太の仕業なのっ!!」
陽子「なにっ!?」
美月「偶然、空太と一緒にお菓子を見つけて食べたんだけど、あの後お母さんから「お客さんの用のお菓子」って聞いて・・・。怒られたくなかったから、ついお姉ちゃんのせいにしちゃったんだ!」
陽子「やっぱり、美月と空太のせいだったのかっ!? あの後、私が母さんにどれだけ怒られたと思うんだ!! おかげですぐに同じお菓子を買いに行かされ、しかもその代金は私の一週間分のおこづかいからひかれたんだぞっ!!!」
美月「本当にごめんなさい。お詫びに今度私と空太でおこづかいを出し合って、お姉ちゃんに好きなものをご馳走します。」
陽子「そうか。まぁ、それなら許す。その代わり今度、ちゃんとごちそうするんだぞっ?」
美月「はい。」
陽子「(確かにこのボタンは本物だ。これなら、きっと綾にも・・・)」
翌日。
アリス「ヨーコ。おはよう。もう大丈夫なの?」
陽子「おぉ、アリス、おはよう。もう、大丈夫だよ! 私がいつまでも気にするタイプだと思うか?」
アリス「そうだよね。ヨーコはいちいち細かい事は気にしないタイプだよね。」
陽子「ははっ。またサラッと言ったな。(よぉし、アリスはどうなるかな。試してみよう。)」ポチッ。
アリス「ヨーコっていつも鈍感だよね。アヤの気持ちを理解してないから!!!」
陽子「えっ!?」
アリス「だってアヤはヨーコのこと・・・。でも、それはアヤの口から聞くのが一番だよねっ!!!」
陽子「ちょっと待て、アリス。今の一体、どういう・・・??」
アリス「私の口からは言えないよぉ。後はアヤから聞いてみて。」
陽子「どういう意味だ?! まぁ、綾には用があるから、直接言ってみるか!」
別の教室。
陽子「おーいっ、綾!!」
シノ「あっ、陽子ちゃん。」
カレン「ヨーコ?」
陽子「シノ、カレン。綾はどうした? 見当たらないけど・・・。」
シノ「綾ちゃんなら、さっきトイレに行くと言いまして。」
陽子「そうか。ありがとう!(またトイレかよっ!)」
カレン「ヨーコ。」
陽子「んっ、どうした、カレン?」
カレン「がんばるデスよ!!」
陽子「何を、頑張るんだよっ!?(いや、カレンなら何か知っているかも。ボタン、使ってみるか。)」ポチッ。
カレン「!?・・・さいきん、アヤヤからレンシュウみたいなのに、付き合ってホシイといわれたデス!!」
陽子「練習・・・なんだ!? 何の練習なんだよっ??」
カレン「それはヨーコに関するコトデス!!」
陽子「私に関すること・・・。それは一体なんだっ!?」
カレン「そ、ソレハ・・・い、イエナイデス!!」
陽子「はっ!?」
カレン「アヤヤのクチからきくデスっ。」
陽子「おいっ!?(またかよっ!? アリスと同じパターンじゃねぇか!!)」
カレン「・・・・・・・・・・。」
陽子「遂には話さなくなった。(そうだ・・・一応、シノにも)」ポチッ。
シノ「!?・・・・金髪少女の金髪が食べたいですっ♩♩」
カレン「シノっ!?」
陽子「(やっぱ、シノは金髪の事しか考えてないな・・・。)」
陽子「しょうがねえ。直接、綾の口から聞くか。」ダッ。
移動中。
陽子「それにしてもこのボタン。一体、どうなってるんだ・・・隠し事の大半しか聞き出せなくなってるぞっ!? んっ!?」
ボタンの裏を見る。
陽子「説明文がある。えぇと・・・「どんな隠し事を聞き出すことが出来るが、隠し事の中でもどうしても話したくないと本人が強く思ったことは聞き出せなくなることがあります」だと、マジかよっ!? じゃあ、どうしても話したくないのが聞き出せなければ、このボタン・・・ある意味ないじゃん!!」
陽子「くそぅっ!! こうなったら意地でも綾から聞き出してやるぞ!!」
またまた移動中。
陽子「本当にどこにいるんだっ!? って、おわっ!」ドタンッ、ポチッ。
陽子「いったぁー! 転んじまったよ・・・。って、転んだ拍子にボタンが押されちまった。周りに誰か、いなければ・・・」キョロキョロ。
烏丸「!?・・・・久世橋先生。寝癖がついてますよっ♩ 可愛いですね♡」
久世橋「本当ですかっ!? !?・・・・・烏丸先生こそ、ジャージに汚れが付いてますよ。食べこぼしですね。」
烏丸「えっ!?」
陽子「(あっ、からすちゃんとクッシーちゃんがいた。でも、本心は普通だな!!」
陽子「とっ、そんなこと言ってる場合じゃなかった・・・。綾を探さないと・・・。」
陽子「綾っ・・・・・・いたっ!?」
綾がいたのはやはり校舎裏だった。
陽子「何してるんだ、綾っ!? また、こんなところで?」
綾「よ、陽子っ!? やっぱりきたのね・・・。」
陽子「や、やっぱりって・・・。一体、どう言う事だ!?」
綾「そっ、それは・・・」
陽子「(あぁー!!! もうじれったいなぁっー!!)」ポチッ。
綾「!?・・・・陽子。聞いて、私・・・」
陽子「なんだっ!? 綾の様子が・・・」
綾「私・・・・・・・・・・。」
陽子「ゴクッ。」
綾「よっ、陽子の事が・・・・・・・好きっ、なの//////」
陽子「えっ!?」
綾「私、出会った後に陽子が私の手を掴んでひっぱったことがあるでしょっ?」
陽子「うっ、うん・・・。」
綾「その時に陽子に恋をした。だから、もう一度はっきりと言うわっ!! 私、陽子の事が好き。だから、私と付き合って!!!」
陽子「綾・・・・・・・。」
綾「はぁはぁ・・・・・/////」
陽子「綾。もしかして、私と避けるような態度を見せたり、隠し事していたような素振りをしたのも、全て私が好きだったためにしたことなのかっ!?」
綾「そ、そうよっ//// 陽子のことが好きで・・・それでつい、素直になれなくてあんな態度を見せたの。後、今まで告白する勇気が出せなかったから、練習のためにカレンやアリスを密かに誘ったり、いずれ陽子を校舎裏に呼び出して告白する為に昼休みを使って一人で練習したり、陽子に気付かれないために皆の誘いを断っているとカレンやアリスに嘘を言わせたりもしたわっ!!」
陽子「マジかっ!? 今までの変な行動はこのためなのか・・・。でも、カレンとアリスが協力したって言ったが、シノはどうした? あいつは協力しなかったのか??」
綾「シノは・・・ちょっと口が軽そうだから。それで・・・」
陽子「協力を頼んでなかったのかっ!?(どうりでボタンを押してもシノが話さなかったわけだ・・・最初からこの事を知らなかったから。ってか、シノ・・・ある意味不憫だな・・・。)」
綾「えぇ。まぁ、協力を頼む時にアリスは「シノにも頼んであげて。仲間外れにしているみたいで嫌だよぉっ」って言ってたけどね・・・。」
陽子「そうか。(さすがはアリスだ!!)」
綾「ちなみにシノの誘いを断ったのも練習を最優先する為だったの。」
陽子「でも、どっちみち、そんな怪しい動きしていれば普通に勘付かれるとか思ってなかったのか?」
綾「思っていたわよっ!? だから少し焦ったの。でも、いざ告白しようとしてもやっぱり勇気が出せなくて・・・。だけど、なぜかさっきになって急に告白する勇気が湧いてきたから、こうして陽子に告白したわけよっ!!!」
陽子「(勇気が湧いたのは、このボタンのおかげだな!! でも、綾が何を隠しているかが分かって良かった。それに悪い事じゃないって分かって安心もした。)」
綾「で、返事を聞かせて。陽子・・・」
陽子「決まっているさ。私も、綾のこと、好きだぜ!!!」
綾「なっ////」
陽子「なんだ? 返事が早く聞きたかったんだろ??」
綾「そうだけど・・・。その、こう、もう少し戸惑いがあっても・・・///」
陽子「なんだよっ、それっ!!! あははははははっ!!!」
綾「わ、笑うことないじゃないっ!?///」
陽子「あははっ・・・ごめんごめんっ!!!」
綾「もぅ・・・バカッ//////」
陽子「まぁ。とりあえず、よろしく。付き合っても多分、大変だろうけど・・・。」
綾「分かってるわよっ!? よ、よろしく・・・陽子///」
告白が成功し、アリスとカレン、シノに報告する時。その時だった・・・。
綾「でも。陽子って、隠し事に内容に気付かないなんて・・・。かなりのおっちょこちょいね!!」
陽子「なにっ!? 今のは私に対する悪口か!?」
綾「そうよ。陽子はどうして、鈍感なの? 鈍感すぎて話にならないわ。」
陽子「綾。お前、どうして急にそんなことを言うんだ。お前ってそういうタイプじゃ・・・」
今度は別の所から。
久世橋「烏丸先生はいつもニコニコして、気味が悪いです。教師なら笑顔じゃなくて、厳しい顔でですね・・・」
烏丸「そういう久世橋先生こそ、怖すぎますよっ? そんなんじゃ、生徒に嫌われるじゃありませんか!?」
久世橋「言いました。烏丸先生・・・。」
烏丸「そういう、久世橋先生こそ・・・」
ジッジッジッジッジッ。←火花が飛び散る。
陽子「(からすちゃんにクッシーちゃんっ!? いつも仲が良い二人がどうして急に喧嘩なんかっ!?)」
更に別の方でも。
カレン「ドウシテ・・・アリスはそんなコトを言うのデスカっ!!!」
アリス「言葉の通りだよ、カレン! カレンはいつもシノにくっつき過ぎだよっ!!! ちょっとは私やシノの気持ちも考えてよっ!!!」
カレン「アリスにいわれたくはアリマセン!! アリスもワタシのきもち、考えたコトはアリマスカっ!?」
アリス「分からない気持ちなんて、無理に分かりたくはないよぉっ!!!」
シノ「二人とも、なにをブーブー言っているんですか! うるさいですよっ!!」
アリス・カレン「「シノっ!?」」
陽子「・・・・・・・・・・・・・・・。(えっ!? どうなっているんだ・・・。どうして、アリスとカレンが口喧嘩をっ。そして、シノはどうして文句を言ってるんだ。)」
陽子の周り。ガヤガヤガヤガヤガヤガヤッ!!!
陽子「からすちゃんにクッシーちゃん、アリスにカレン、シノに綾・・・全員が互いの悪口を言い始めた・・・。どういうことなんだっ!?」
ラピス「おやおやっ。気付いていませんね♩ フヒッ♩」
陽子「!? お、お前は、あの時の宝石商!?」
ラピス「あなたが、ある人の隠し事を知りたいと願いましたが・・・本当に、叶っちゃいましたよっ♡」
陽子「いっ、一体、どういうことなんだっ!?」
ラピス「それはですね・・・・・・・あなたがたくさんの人に向けてボタンを押した人々の本音。本当の意味で隠し事が出来ずに、思っていたことの全てを言ってしまったってことですよ♩」
陽子「あっ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっーーーーーーーーーーー!!!???」
ラピス「フヒッ♡ ようやく分かったようですね! そうです。この「正直ボタン」は隠し事が出来なくなりますが、同時にその人が前々から思っていた、もしくは心の中で言っていたり、考えていた他人に対する悪口も話してしまうんですよっ♩」
陽子「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ラピス「あなたが友達や周囲の人に向けてむやみにボタンを押したせいで、あなたの友達や知り合いは互いの悪口に、知りたくない本心などを言わせられ、口論に発展してしまったのですっ。」
陽子「・・・・・・・・・・・・・・。」
ラピス「言葉が出なくても、その絶望に満ちつつあるあなたの表情が心の宝石(ハートジュエル)をより輝かせる・・・!! あなたの絶望が、わたしの願望なのです。」
ラピス「最後にまぶしいくらいの絶望を、ありがとうございました。またのご来店をお待ちしてますよ。来世でね!」ニコッ。
陽子「・・・・・・・・・・・。」
綾「ねぇ。陽子・・・・聞いてるの? 黙っても分からないわよ・・・言って、どうしてそんなに鈍感なの??」
アリス・カレン・シノ・烏丸・久世橋「「「「「ガミガミ、ガミガミ、ガミガミ、ガミガミ、ガミガミ、ガミガミ、ガミガミ」」」」」」←いまだに言い争いを続けている。
陽子「なぁー。皆。この世は、言いたいことを黙っているから、隠し事をしているからいけないんだ。だからっ♩ 私が、このボタンで・・・皆が隠し事をしないようにしてあげるよー♩♩♩ あはっ、あははははははははははははっーーーーーーー♩♩♡♡」
ポチッ。全てに向けて、ボタンを押す。
地球から見た世界中や日本中。言い争いの嵐。→「ガミガミガミガミガミガミガミガミガミっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」。
陽子「あっははははははははははははははーーーーーーーー!!!!! これで隠し事が出来なくなった。皆、平等になったなっ♩」ニコッ。
宝石店「タリスマン」
ラピス「まったく、あの人が日本中や世界中にボタンを押したせいで、ここでの商売がやりにくくなってしまいましたねっ! すぐに別次元に拠点を移さなければ・・・」
ラピス「それにしても、彼女が最後にあんな行動に出たのは・・・本当に隠し事にこだわっていたということですね♩ でも、隠し事はいつまでも出来ないことですがね。なにたって、かくれんぼで鬼が隠れた人を見つけるように・・・隠していることだっていつかは見つかってしまうんですかねっ♩♩」フヒッ♩
おしまいです。
注意 原作ではアイテムを使用した人が、最後に精神崩壊するみたいに、陽子も最後に精神崩壊をさせてしまいました。陽子が好きな人に、お詫びを申し上げます。
次回は未定になりますが、とりあえずアイディアがまとまったら、執筆いたします。
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