フドウ子・アイゼン子「仏の顔も何度でも、だから!」(113)


オハヨー

オハヨー!



女子生徒「おはようございまーす」

ミョウ王フドウ子「うむ、おはよう」

男子生徒達「おはようございまーす」

ミョウ王フドウ子「うむ、おはよう」


シャーーー


男「おはようございます」

ミョウ王フドウ子「おう、おはよう。今日もナイス自転車捌きだな!」



男「あはは、ありがとうございまーす」シャーーー

ヒラリ

ミョウ王フドウ子「む」

ミョウ王フドウ子「おい、君! 何か落としたぞ!」

男「…」シャーーー…

ミョウ王フドウ子「おーい!」

男「…」ピューーー…

ミョウ王フドウ子(行ってしまった)

ミョウ王フドウ子「ふむ」

ミョウ王フドウ子(これは…封書、か。仕方ない)

ミョウ王フドウ子(風紀委員の当番で追いかけるワケにはいかぬ故、明朝呼び止めて渡…ん?)


『ミョウ王フドウ子様』




ミョウ王フドウ子(私宛?)

ミョウ王フドウ子「…」

ミョウ王フドウ子(封書…、男子生徒…、私宛…)

ミョウ王フドウ子(封書…、男子生徒…、私宛…)











ミョウ王フドウ子「!!??」キョドキョドフシンフシン




後輩風紀委員「…委員長? どうかしましたか?」

ミョウ王フドウ子「しゃかっ!?」ビクゥッ!

ミョウ王フドウ子「あ、ああっ! しっ子細ない! あああ案ずるな!」キョドキョド

後輩風紀委員「えっと…、はあ…?」キョトン

ミョウ王フドウ子「うむ、うむ! 大丈夫だ!」

ミョウ王フドウ子「さ、風紀委員の仕事を続けよう!」



ミョウ王フドウ子(何だ…? この胸のドキドキは…)ドキドキ

ミョウ王フドウ子(手紙の内容はまだわからんというのに)

ミョウ王フドウ子(しかし、年頃の男子からの手紙となっては…)





ミョウ王フドウ子(私は…期待している?)





ミョウ王フドウ子(いやしかし…)

ミョウ王フドウ子(だがしかし…)

ミョウ王フドウ子(でもしかし…)

ミョウ王フドウ子(しかししかし…)




ミョウ王フドウ子(…いかん! 混乱してきた!)



ミョウ王フドウ子(こーゆー時、頼りになるのは…!!)







―生徒会室―


ミョウ王フドウ子「アイちゃんっ! アイちゃ~んっ!」ガラッ!



ミョウ王アイゼン子「もう~フーちゃん、ノックぐらいしてよ~」ニコニコ

ミョウ王アイゼン子「それにもうすぐ朝の自習時間が始まるわよ~」



ミョウ王フドウ子「そ、そうなんだが! 大変だアイちゃん!」

バッ

ミョウ王フドウ子「手紙、もらった」

ミョウ王アイゼン子「不幸の手紙~?」

ミョウ王フドウ子「ふっるっ! 今の時代に手紙って古っ!」


ミョウ王アイゼン子「それは冗談として、誰からもらったの?」

ミョウ王フドウ子「いつもわりと早く、自転車で正門を走り抜ける男子生徒」

ミョウ王アイゼン子「なんて言われたの? 読んで下さい!、とか?」

ミョウ王フドウ子「もらったというか、拾った」

ミョウ王アイゼン子「ん?」

ミョウ王フドウ子「落としたのを拾った」

ミョウ王フドウ子「そしたら私宛だったのだ…」


ミョウ王アイゼン子「…名前やクラスは?」

ミョウ王フドウ子「わからない…」

ミョウ王フドウ子「名札の色で2年なのは間違いないのだが」

ミョウ王フドウ子「クラスまでは皆目…」シュン…

ミョウ王アイゼン子「本校(うち)はけっこうな規模の高校だからね~」

ミョウ王アイゼン子「1学年でも探し出すのは大変よね~」

ミョウ王アイゼン子「ところで肝心の内容は?」

ミョウ王アイゼン子「セオリー通り、恋文?」


ミョウ王フドウ子「い、いや、不可抗力で手に入れたものだから、読むのは憚れるのだよ」

ミョウ王アイゼン子「え~!? フーちゃん宛なんだから読めばいいのに~!」

ミョウ王フドウ子「そ、そうかな…」

ミョウ王アイゼン子「私を頼るくらいに慌ててたから、てっきり読んだんだと思ってたよ~」

ミョウ王アイゼン子「内容がわからなきゃ、頼られてもアドバイスできないよ~?」

ミョウ王フドウ子「そ、そうだな…」



ミョウ王フドウ子「で、では…」

ミョウ王アイゼン子「どれどれ?」ヒョコ


ミョウ王フドウ子「え!?、アイちゃんも見るの!?」

ミョウ王アイゼン子「頼ってきたのに水くさいこと言わないの~」ニコニコ

ミョウ王フドウ子「そ、そか…。では…」

カサカサ…





フドウ子・アイゼン子「極 楽 浄 土~(大当り~)!!」

ミョウ王アイゼン子「あら~♪ あら~♪」

ミョウ王フドウ子「そんな…はぁっ…くぅっ…、知らぬが仏だったか…!」

山のフドウが可愛い女の子になった?!


ミョウ王アイゼン子「え~!? そんなこと言っちゃうの~?」

ミョウ王フドウ子「え?」

ミョウ王アイゼン子「嫌だったり恨めしく感じたりしちゃった?」

ミョウ王フドウ子「い、いや…そんな…、嫌悪するような感情ではない」

ミョウ王フドウ子「ただ、困惑しておるのだ…」

ミョウ王アイゼン子「ふふ。じゃあ『知らぬが仏』なんて言っちゃダーメ!」

ミョウ王アイゼン子「嫌悪じゃなければその反対デショ?」ニッコリ

ミョウ王フドウ子「ええっ!?」


ミョウ王アイゼン子「知らない間に、その男の子の事、意識しちゃってたって事デショ?」ニッコリ

ミョウ王フドウ子「あいやややややっ!!」

ミョウ王フドウ子「毎朝、風紀委員の当番で見ていたのは間違いないが」

ミョウ王フドウ子「…まあ、爽やかな男子であるなとは日々思ってたケド…」

ミョウ王アイゼン子「もう決定じゃないの~♪」

ミョウ王フドウ子「しかしこんな堅物の、しかも長年剣道をやっている可愛いげのない女など…」

ミョウ王アイゼン子「私だって合気道やってるわよ~」

ミョウ王フドウ子「合気道と剣道じゃ、少し毛色が違うでしょ!?」

ミョウ王フドウ子「合気道は護身術ってのもあるけど、剣道は思いっきり武道でしょ?」

ミョウ王アイゼン子「かな~?」


ミョウ王フドウ子「しかも、相手は私が手紙を読んだ事を知らぬのだぞ!?」

ミョウ王フドウ子「いや、それ以前に私が手紙を受け取った事すら夢にも思うまい!」

ミョウ王アイゼン子「そうね~」

ミョウ王アイゼン子「そんな時は! てってれ~ん!」



ミョウ王アイゼン子「愛染の矢~!」テテーン!



ミョウ王アイゼン子「そ、それが噂に聞くアイちゃんの矢…」

ミョウ王フドウ子「しかし、ただの鉛筆ではないか」

ミョウ王アイゼン子「『ただの』なんて失礼ね~」プンスコ


ミョウ王アイゼン子「この鉛筆はね」

ミョウ王アイゼン子「私が三日三晩、普通に過ごして心を込めて丹念に削った鉛筆なのよ~」

ミョウ王フドウ子「ますます普通の鉛筆っ!」

ミョウ王アイゼン子「まあ、いいからいいから~♪」

ミョウ王アイゼン子「そ~れっ!」

ピャッ

ミョウ王フドウ子「あっ! 鉛筆を投げるなんてそんな行儀の悪い…」

ストン

ミョウ王フドウ子「な、何ぃっ!?」


ミョウ王フドウ子「鉛筆が真っ直ぐ床に刺さった!?」

ミョウ王フドウ子「いや、違うっ!」

ミョウ王フドウ子「芯も欠けずに、真っ直ぐ床に『立っている』っ!!!」

ミョウ王アイゼン子「うんっ♪ 吉よ~吉~♪ 大吉よ~♪」

ミョウ王フドウ子「は? きち…? だいきち?」

キーンコーンカーンコーン

ミョウ王アイゼン子「あら~、予鈴ね~」

ミョウ王アイゼン子「は~い、後はフーちゃんが行動するのみよ~」ガタ


ミョウ王フドウ子「えっ、行動って…アイちゃん、ちょちょっ…」

ミョウ王アイゼン子「全ては愛に染まるままに~♪」スタスタ

ミョウ王アイゼン子「きっと成就っちゃうから!」ウイーンク!

ミョウ王フドウ子「成就るって…ええ!?」

ミョウ王アイゼン子「はいはい朝の自習、遅れるわよ~」

ミョウ王アイゼン子「風紀委員長が時間を守らないなんて、生徒会長として許しませんからね~♪」ガラガラ

ミョウ王フドウ子「ちょっと! 丸投げっ!?」


ミョウ王アイゼン子「頑張ってね~」ピシャン!

ミョウ王フドウ子「あ、あの…どうしろと言うのだ…」

――


―放課後―



フドウ子(D棟は放課後になると、あまり人目につかなくなる)

フドウ子(かつ3年の校舎、つまり私の校舎から近い)

フドウ子(なかなかに気の利く男子だな)

フドウ子(しかし…)

フドウ子「はあ~~~~…」ドキドキ

フドウ子(『今日の放課後、D棟中庭に来てください。伝えたい事があります』とな…)



ミョウ王アイゼン子『うんっ♪ 吉よ~吉~♪ 大吉よ~♪』


フドウ子(しかし吉とは言っても、こうも相手との接触がないとなぁ…)

フドウ子(まず今日、私に手紙が渡った事をどう相手が知るのか、と…)

フドウ子(そんなに都合よく事が進むわけがない)



フドウ子「帰るか」ボソ…



?「先輩っ、よかった!」

フドウ子「まんだらぁぁぁっ!?」ビクゥッ!

クルッ!

?「すっ、スイマセンっ驚かせて!」

フドウ子「お、お前はっ!?」


男「あ、俺、手紙を書いた2年の男と言います」ペコリ

フドウ子「あ、ああ。丁寧にすまないな」ペコリ

男「手紙、読んでくれたんですね」

フドウ子「朝落としたのを拾ったのだ」

フドウ子「拾ったのが私でよかったのかどうなのか」

男「すいません、俺の不注意で」

フドウ子「ははは、まったくだ」

フドウ子「しかしよく私がここに来るとわかったな…」

男「それは、勘です」

フドウ子「か、勘…」

男「きっと先輩に伝わってるハズだって…直感です」

フドウ子(これが吉、なのか)


フドウ子「し、して、その…伝えたい事とは何だ?」ゴクリ…

男「…わざわざこうして来てもらったのはですね」

フドウ子「ふ、ふむ…」ドキドキ




男「先輩の事好きです。俺と付き合ってもらえませんか?」

フドウ子(ぶっだぁぁぁっ!)

フドウ子(やはり青春一閃の展開かぁぁっ!)


フドウ子「あ、あのな、私もその…お前を朝、よく見ておった」

男「今日も声をかけてくれましたよね」

フドウ子「まあ、な」

フドウ子「ただな…」


フドウ子「私は風紀委員で剣道部。それぞれ長を務め、しかもおまけに不動明王だぞ?」

フドウ子「このような堅物の女、やめておけ」

フドウ子(これでいい。私にコイツは勿体無さ過ぎる)シミジミ…

フドウ子(もっと乙女乙女した女の方がよく似合うだろう…)シミジミ…

男「そんな…」

男「でも、本当に好きなんです! お願いします!」ペコー!

フドウ子「なっ…、お前っ…!」ギリッ

フドウ子「私は、一度断った! もう一度だけ言うぞっ!」

フドウ子「そ、その…、私などではお前に釣り合わんっ! 他にもっといい女を探すがよい!」



フドウ子「これで二度目っ!」

フドウ子「仏の顔も三度まで! お前も男なら潔く引き下がれ!」

フドウ子「次は無いぞ!」

男「男なら尚更引けませんっ!」ドドン!

男「先輩のような強くて正義感のある凛とした女の子が理想なんですっ!」ビシッ!

男「毎朝、先輩の姿を見るのが楽しみでした!」

男「好きです! よろしくお願いします!!」ペコー!


フドウ子「くそ、三度目…お前というヤツは…」ギリッ







フドウ子「実は私も毎朝朝日を背に校門を自転車で颯爽と走り抜ける貴方のお姿を見てお近づきになりたいと思っておりましたぁぁぁっ!!」キュル~ン!

フドウ子「こちらこそぉっ、こぉんな私で良ければ宜しくお願い致しまぁぁぁっす!」キュルル~ン

男「ホ、ホントですか!?」

フドウ子「は、はいぃ…////」ポッ

男「ぃやったぁー!」ガッツポーズ!




フドウ子(くぅうぅぁぁぅっ…、ここまで想われていようとはぁっ!)

フドウ子(青春万歳だっ!)ココロデガッツポーズ!



フドウ子「その、まあ、なんだ。これからよろしく頼む////」

男「あの…はい////」

フドウ子「お、おおお、男…君////」

男「フドウ子先輩の方が先輩なんですから呼び捨てでいいですよ」

フドウ子「む」カチン

フドウ子「何故に『フドウ子先輩』などという他人行儀な呼び方をする!?」プン!

フドウ子「せっかく親密な間柄になったというのにっ!」プンプン!

男「では何と呼びましょうか?」

フドウ子「あ、あの…ふ、ふふ、フーちゃんと呼ぶがいい…////」


男「そ、それはあまりにも馴れ馴れし過ぎるのでは…」

フドウ子「む」カチン

フドウ子「二度も言わすとは中々の度胸だな」

フドウ子「フーちゃんと呼べと言っておるのだ!」

男「しかし『親しき仲にも礼儀あり』ということわざもありますし」

フドウ子「先ほども言ったが、仏の顔も三度までだぞっ!」

フドウ子「さあっ! フーちゃんと呼ぶのだ!」







男「ふ、フーちゃんっ!」







フドウ子「んぁはぁ~ぁい~~~♪」フニュ~ン♪

男「フーちゃん」

フドウ子「男君」

男「フーちゃんっ♪」

フドウ子「男君っ♪」



男・フドウ子「えへへ…////」デレデレ




―――
――


―その夜・ミョウ王姉妹宅―

フドウ子「うおおおあああああああっあああアイちゃぁぁぁぁぁぁんっっ!」

アイゼン子「うまくいったのね」

フドウ子「わかる? わかる!?」

アイゼン子「双子ですもの~」

フドウ子「こんなに楽しい気持ちは初めてだ!」

フドウ子「明日から今まで以上に楽しく過ごせそうだ!」ニッコニコ!

フドウ子「アイちゃん、明日のお弁当の時もノロケ聞いてね!」

アイゼン子「え」

フドウ子「え?」

アイゼン子「彼氏の男君とは食べないの?」

フドウ子「…」

アイゼン子「…」

フドウ子「その手があったかぁぁぁっ!!」

フドウ子「気持ちがわかりあえただけで舞い上がってしまった…!!」


アイゼン子「少しずつの二人の時間を大切にして、愛とは育んでいくものなのよ」

フドウ子「さすが愛染明王!」

アイゼン子「手作りのお弁当なんかもいいかもしれないわよ~?」

フドウ子「いきなりそんなことして男君に嫌がられたりしないかな…」

アイゼン子「それくらい聞けばいいじゃない?」

アイゼン子「カレシ、なんでしょ?」

フドウ子「でぇへっへっへっ~////」デレデレ

アイゼン子「はーいハイハイ。ま、楽しんできなさいな」

フドウ子「はぁいっ!!」

――


―翌昼休み・風紀委員会会議室―



フドウ子「男君よ、何故ここに呼ばれたかわかるか?」

男「はい」

フドウ子「ふむ、殊勝な振る舞いだな」

フドウ子「この時間にこの部屋に呼ばれたということはだな…」

男「…」ゴゴゴゴゴゴ…

フドウ子「…」ゴゴゴゴゴゴ…





フドウ子「恋人ですから男君と一緒にお弁当を食べたいのですぅっ!!////」モジッ

男「はい! 喜んでっ!」


フドウ子「…すまんな、お前も友人達との付き合いもあるだろうに」

男「いえ、大丈夫ですよ」

男「フーちゃんの言うことはもっともですから」

男「でも、ここに呼び出されて、ツレから『何かやらかしたのか?』って、ちょっと怪しまれました」

フドウ子「学校の風紀を守る組織だからな、我々は」

フドウ子「この交際についても、まあ別に男女交際は校則で禁止されているワケではないが」

フドウ子「風紀を守る者としては、あまりおおっぴらにしたくないのでな」

男「そう思って俺も誰にも話していません」

フドウ子「気を使わせているなぁ…」

男「いいんですよ。苦になるほどじゃないですし」

フドウ子「ふむ」


フドウ子「それでな?」

フドウ子「その詫びとしてな?」

フドウ子「お、お前の…、お弁当を明日から私に作らせてくれんかな?」

男「えっ!? そんな…悪いですよ。今言ったように気にしてませんから!」

フドウ子「そんなに遠慮せんでもよいだろうに。作らせてくれないか?」

男「いや、普段剣道部もありますし、朝早く起きなきゃダメですし、風紀委員の仕事もあったり、大変だし、あと材料費とかも…」

男「気持ちは嬉しいですけど…」

フドウ子「くっ、要らぬ気遣いばかりしおって…。せっかくの申し出を無下にするつもりか!?」

フドウ子「これで三度目…、後は無いぞっ!」

フドウ子「お弁当、作らせるのだ!」

>>12

>>12さん、遅くなりましたがレスありがとうございます。

ぼちぼち更新していきますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
よろしくお願いします。








男「ホントはフーちゃんの手作り弁当、食べたいですっ!」

男「愛妻弁当、よろしくお願いしまっす!」




フドウ子「ぴゃーーーーー!? 愛妻っ!?」

男「す、すいません! 言葉のあやって言うかなんていうか!」

男「それくらい楽しみっていうか!」


フドウ子「いえいえっ♪ そんな風に言っていただけるなんてとても嬉しいですぅ♪」 

フドウ子「まだ妻と呼ぶには早すぎますがっ! たっぷり愛情込めて作らせていただきまぁすぅっ!」

男「楽しみにしていますね!」

フドウ子「うむ! 期待しておるがよいぞ!」

――


―翌日―

男「もぐ、んぐ、もぐもぐ…んぐっ、すっごくおいしいです!」モグモグ

フドウ子「そうか、それは良かった////」ニコニコ

男「おいしいっ! おいしいですよぉっ!」モグモグ

フドウ子「おいしそうに食べ過ぎだろうっ!////」

男「おいしいですー!」モグモグ



――



男「ごちそうさまでした」

フドウ子「うむ、おそまつであった」


男「あの、フーちゃん」

フドウ子「何だ、男君?」

男「明後日の日曜日、部活は休みですか?」

フドウ子「そうだが、何か?」

男「その…、で、デート…行きませんか?////」

フドウ子「…」

男「映画観たり、ちょっと食事したり、買い物したり…」

男「ど、どうでしょう?////」

フドウ子「…」

男「あ…、まだ早かったですかね…?」


フドウ子「とぉんでもありませぇぇぇんっ!!」

フドウ子「是非行かせてくださぁぁいっ! 休日も貴方の傍に身も心もぉぉぉっ!!!」

男「喜んでもらえて嬉しいです。俺も楽しみですよ」ニコニコ

男「待ち合わせの時間とか場所は、また後で決めましょう」

フドウ子「はぁいっ!!」



―その夜・ミョウ王姉妹宅―


フドウ子「アイちゃんアイちゃんアイちゃんアイちゃんっ!」ガチャッ!

アイゼン子「もう~フーちゃん、ノックぐらいしてよ~」ニコニコ

フドウ子「デートだっデートだっデートだっ!」アタフタ

アイゼン子「もうそれ、108回ぐらい聞いたわよ~」ウンザリ

フドウ子「服貸して!」

フドウ子「化粧の仕方教えて!!」

アイゼン子「デートは明後日でしょ~? 焦りすぎ~!」

フドウ子「楽しみ過ぎて、いてもたってもいられんから今から準備しておくのだっ!」

アイゼン子「ホントにこの妹は…」ハァ…



アイゼン子「自分の服があるでしょ~?」

フドウ子「カワイイのが無いのっ! 双子だから体型も一緒だしっ、アイちゃんのカワイイ服貸してっ!!」

アイゼン子「化粧は校則違反よ~?」

フドウ子「風紀委員たるもの、校則違反なんてするかっ!」

フドウ子「学園ではせぬわっ!」

フドウ子「デートでオシャレしたいだけなのーっ!」

アイゼン子「もう…世話の焼ける妹ね」フゥ



フドウ子「スイマセぇぇぇンっ!!」

――


―日曜日―



男「か、カワイイっ! 似合ってますよぉぉぉぉっ!」

フドウ子「いや、その…なんというか、その…ありがとう////」

男「でも、フーちゃんのイメージとちょっと違いますね」

フドウ子「いや、まあ…、私の普段着ではお世辞にも可愛いとは言えんのでな」

フドウ子「アイちゃ…双子の姉の服を貸してもらったんだ」

男「えーと、ミョウ王アイゼン子先輩ですよね」

フドウ子「うむ。我が校の生徒会長だ」


男「化粧もナチュラルメイクで」

フドウ子「私は私生活で化粧することはないからな」

フドウ子「これも姉に指導してもらったのだ」

フドウ子「は、初デートだし、男君の為に少しでもカワイイ感じにしたつもりだ////」

男「うおお…、うっ、嬉しいですっ!」

フドウ子「それは良かった、えへへ…////」



フドウ子「それでは、いざ初デートへ!」

男「行きましょうか!」


――



――

ガヤガヤ…

フドウ子「やはり映画は、バトルアクションモノに限るな!」

男「バトルシーンの刀での斬り合いは圧巻でしたね!」

男「刀も本物にそっくりで、重さとか長さとかかなりリアルなレプリカらしいですよ!」

フドウ子「刀の質の再現もさることながら、殺陣のシーンも臨場感がすごかった…、感涙だ!」

フドウ子「ほれ、ポスターも買ってしまったぞ!」ニコニコ

男「俺も買いました!」

男「フーちゃん、えらく気に入りましたもんね」

フドウ子「あっはっはっ、やはり剣道をたしなむ者としては、刀を振るうシーンなどは血がたぎってしまうな」スブリ、ブンブン

男「フーちゃんらしいですね」

フドウ子「そ、そうかな…」


フドウ子(…もっと女の子らしい、恋愛モノなどの作品が良かったのだろうか…)

フドウ子(こんな血生臭い映画、普通乙女はそうは観ないだろうな…)

フドウ子(こんなことでは、いつか愛想を尽かされてしまうのでは…)ズーン…


男「フーちゃん?」

フドウ子「あ、ああ。なんでもない」

男「少しお茶でもしましょうか?」

フドウ子「そうだな」



女性の声「もうやめてっ!」

男・フドウ子「ん?」




ヤンキー1「いいじゃないスか。ちょっとカラオケとラブホでも」ニヤニヤ

女性「なにそれっ!? ナンパにしてもいきなりラブホってアホ!?」

ヤンキー2「あっれー!? そんな態度取っていいんですかぁ?」

ヤンキー3「俺らの頭(かしら)はここいら一帯のチームを纏めてる、あの『極悪ヤンキー』さんですよ?」

女性「だからってラブホの誘いなんかに乗りたくないわよ!」

ヤンキー1「…しゃあねぇ、無理矢理拉致るか…」

女性「ひっ…」ビクッ

ヤンキー2「そうだな」

ヤンキー3「素直に従ってりゃいいものを」








フドウ子「…すまん、男君」

男「え?」

フドウ子「少し諭してくる」

男「はい。でも気をつけて」

フドウ子「案ずるな、安心して待っていてくれ」ニコリ

スタスタ…



フドウ子「おい、下衆ども」


ヤンキー達「あ? 何だテメェっ!?」

フドウ子「貴様らに名乗る名など無い」

フドウ子「しかしまあ、女性に対して脅して連れていこうとは…、男として最低だな」

ヤンキー1「ああんっ!? んっだとゴラァッ!!」

ヤンキー2「俺らが誰だかわかってんのか!? ああ!?」

ヤンキー3「ここらを占めてるチームだぞ、ゴラッ!」

フドウ子「知ったことか」フン

フドウ子「今退けば見逃してやる」


フドウ子「抗うなら…」

ススス…スチャ

フドウ子「この『丸めたポスター』の錆びにしてやるが…、どうする?」

ヤンキー達「…」





ヤンキー達「ギャハハハハッッ!」ゲラゲラ!

ヤンキー3「丸めたポスターだってよ!」ゲラゲラ!

ヤンキー2「ただの紙じゃねぇか!」ゲラゲラ!

ヤンキー1「んなモンでビビるワケ無ぇだろ!」ゲラゲラ!





フドウ子「ふむ。ならば仕方ない…」

ギュリッ(構え)

フドウ子「後悔するでないぞ?」


ピャッ!!!

スパパパパパーーーン


ヤンキー達「ぐぇあっ!?」

ドサッ、ドサッ、ドサッ

フドウ子「安心しろ、峰打ちだ」

女性(紙のポスターじゃ峰打ちも何も…)



フドウ子「災難でしたね」

女性「えっ…あ、ありがとうございますっ」ペコ

フドウ子「いえ、魅力的な方ですから悪い虫も寄りやすいんでしょう」

女性「そんな…////」

フドウ子「私も貴女の様な方に成りたいと思います」

女性「貴女も十分魅力的だと思うけど?」

フドウ子「そう、ですかね…」


フドウ子「とにかく、何も無くてよかったですね」

女性「ホントにありがとうございました」ペコリペコリ

タッタッタッ…



スタスタ

男「大丈夫でしたか?」

フドウ子「お前は寝ておったのか? 見てみい」


ヤンキー達「うう、痛ぇ…」

フドウ子「丸めたポスターと言えど、極めれば立派な武器となるのだよ」

男「強いですね、フーちゃん」

フドウ子「…うむ」
フドウ子(強い、より、可愛いとか…、やはり女の子らしく成りたいもんだな)



男「あ、ポスター…」

グシャ…

フドウ子「ありゃ、やはり紙だからなぁ。衝撃には耐えられんかったか…」

男「じゃあ、はい」スッ

フドウ子「?」

男「交換しましょ」

フドウ子「そ、それは悪いではないか!」

男「飾る分にはしわくちゃなっただけで、気にはなりませんよ」

男「それにしわくちゃのポスターを見る度に、今日のフーちゃんの勇姿を思い出しますから」

男「それはそれで良いかな、と」






フドウ子「貴方のそういう所、惚れなおしまぁぁぁすぅぅぅっ!!」キュンキューン!

男「大した事じゃありませんってば」

フドウ子「ではありがたく頂戴させてもらうな」

男「どうぞ」

フドウ子「ありがとう」

男「あ、フーちゃん! スカートの裾!」

フドウ子「ん」チラリ↓

ドロッ

フドウ子「ああっ!? 先程立ち回った時かっ!?」

フドウ子「普段の格好ならこの様にはならんのに!」

フドウ子「アイちゃんに怒られちゃう!」


男「まあ、こんな事が度々起こるワケではないでしょうけど」

男「次はフーちゃんらしいフーちゃんも見たいので、フーちゃんの私服で来てくださいね」ニコリ

男「俺の為に気を利かせてくれるのはありがたいですけど、普段のフーちゃんも好きですからね?」

フドウ子「男君…////」



男「さ、俺達もさっさと行きましょう」

フドウ子「うむ、長居は無用だな」



――


―とあるたまり場―


ヤンキー1「極悪ヤンキーさん、スンマセン…」

ヤンキー2「べらぼうに強い女でして…」

ヤンキー3「一瞬でした…」


極悪ヤンキー「…そいつぁ、○○学園のミョウ王フドウ子だな」

ヤンキー達「知ってんですか!?」

極悪ヤンキー「ああ」

極悪ヤンキー「そりゃお前らじゃ太刀打ちできねぇな」

ヤンキー達「スンマセンしたっ」ドゲザッ


極悪ヤンキー「噂じゃ最近、男ができたとか…」

ヤンキー3「あ、確かに!」

ヤンキー2「近くに男がいて俺たちを伸した後、しゃべくり合ってました!」

ヤンキー1「優男風でしたが、ソイツがヤツの連れ合いかと!」



極悪ヤンキー「そうか…。くっくっくっ…」

極悪ヤンキー「利用しない手は無ぇな…くっくっくっ…」

極悪ヤンキー「おい、お前ら!」

極悪ヤンキー「男の居場所を探せ。あの女に痛い目見せてやるぜ」

ヤンキー1「ご、極悪ヤンキーさんが動くのか!」

ヤンキー2「これならあの女にも勝てる!」

ヤンキー3「今に見てろよぉ!」

極悪ヤンキー「くっくっくっ。楽しみだぜ…」

――


―それから数日後―


フドウ子(うーむ…遅いな、男君…)

フドウ子(今日は私が委員会があるから、終わってから放課後、駅前で待ち合わせの下校デート…)

フドウ子(えっへっへっ…下校デート////)デレデレ

フドウ子(…いかんいかん)フルフル

フドウ子(時間も場所も間違いないのだが…)

フドウ子(男君が約束を破るハズもないし…)

スマホ「恋文取得! 恋文取得!」(着信音)


フドウ子(お、思案しておれば男君からメールだ)

ツイッツイッ…





フドウ子「!!!!!!!!!」


フドウ子(なっ…!!?)



『こないだはツレが世話んなったな

俺は極悪ヤンキーつーモンだ

礼と言っちゃなんだが、テメェの男をラチらせてもらった

返してほしけりゃ××町の廃倉庫まで来い

一人で丸腰でな

破りゃどうなるかわかるな?

今以上にテメェの男の顔がボコボコになるぜ?

とっとと来な

待ってるからよ(笑)

(写メ、男)ボロッ…』


フドウ子(な、なんだと? なんだコレは…?)

フドウ子(礼? この間…??)



フドウ子(この間…映画の時か…!!)

フドウ子「くそっ、男君っ!!!」

タッ…

ダダダダッ!!



――


―廃倉庫―


ヤンキー1「女一人に…」

ヤンキー2「傘下のチーム、全員招集ですか?」

ヤンキー3「…やり過ぎじゃないスか?」

極悪ヤンキー「いんだよ」

極悪ヤンキー「あいつぁかなり腕が立つからよ」

極悪ヤンキー「いちいちマトモにやり合ってられっかてーの」

極悪ヤンキー「ま、カタ付けた後には全員、ざっと200人…」

極悪ヤンキー「あのアマの身も心もズタボロにしてやろうぜ? くっくっくっ…」

ヤンキー軍団「おぉおぉぉ…!!」



男「そんな事っ、絶対させないからな!」

極悪ヤンキー「ほざいてろ」

極悪ヤンキー「縛られて何もできねぇで、テメェの女がボロボロにされるの黙って見てろって」

男「情けないと思わないのか!?」

極悪ヤンキー「あ?」ムカ

男「俺を人質にフー…ミョウ王先輩に何もさせないつもりだろ?」

男「しかも女の子一人に大の男が200人集まって罠に嵌めるなんて」

男「クズだな!!」

ゴキャ!

男「ぐほっ…」

ポタ…

極悪ヤンキー「黙ってろクソが」


極悪ヤンキー「イチイチ手段なんか選ぶなんつーバカな事するかよ」

極悪ヤンキー「どうしようと勝ちゃいんだよ、ボケ」

男「ぐぅ、くはっ…」


男「うぐ…、俺が人質でも…後で俺がどうなっても…、遠慮なく逃げるように…言うからな…」

男「お前らの…思うようにさせない!」

ボコッ!

極悪ヤンキー「黙ってろって」

極悪ヤンキー「ま、お前は立派な男の鑑だよ。ただな、そんなの俺らはカンケーねぇの! あっはっはっはっ!」

男「く…」

男(フーちゃん…頼む来ないでくれ…!)



シュパン!



極悪ヤンキー「!?」
ヤンキー軍団「!?」
男「!?」



シュババババ!!!!!



極悪ヤンキー「何だっ!?」



ガラン、ガラガラ…ガラン…ドシャ!!


ヤンキー3「倉庫のドアがスッパスパに切られました!」

ヤンキー2「アイツか!?」

ヤンキー1「丸腰で来いって言ったのに!」

ズン…ズン…ズン…

ゴゴゴ…

フドウ子「貴様ら…」メラメラメラメラメラメラ…




ヤンキー達「ぴゃーーーーっ!? 燃えてやがるぅぅぅ!?」



フドウ子「くっくっくっ…約束通り、丸腰で来てやったぞ」ハンズアップ


極悪ヤンキー「じゃあ何なんだ、今のブッた切ったのは?」

フドウ子「貴様らが知る必要は無い」



フドウ子「今から一度目」メラッ…

極悪ヤンキー「あ?」

フドウ子「悪い事は言わん」メラメラメラ…

フドウ子「今すぐ男君を解放しろ」メラメラメラ…


男「フーちゃんっ…!」

フドウ子「ああ…お可哀想に…」

フドウ子「端正な顔が殴られて傷だらけではありませんか…!」

フドウ子「口の中も切れておられるのでしょう…。血が痛々しいです…!」

男「フーちゃんっ、今すぐ帰って!」

男「これだけの数、フーちゃんでもさすがに…!」

極悪ヤンキー「黙ってろ!」ケリッ

ボグッ

男「ぐほっ、うえっ…」

フドウ子「男君っ!」メラメラメラ…


フドウ子「くそ…次、二度目だ」

フドウ子「男君を解放して、さっさと全員退け」

極悪ヤンキー「バカかお前は」

バキッ!

フドウ子「男君っ!」

男「俺は…大、丈夫です」ポタポタ…

ヤンキー軍団「人質のクセにかっこいいねぇ!」ゲラゲラゲラ!


フドウ子「これで…三度目だ…」ギリ…

フドウ子「次は無い…さっさと退くのだ…」

極悪ヤンキー「ホントのバカか」

ドゴッ!

男「うぐぅっ…くっ…」



フドウ子「」プツン…




フドウ子「…許さん」

フドウ子「…許さん…許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん」

フドウ子「許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さん許さんっ!!!!!!!」

フドウ子「許さぁぁぁぁぁーんっ!!」

極悪ヤンキー「はっ! 許してもらおうなんて考えてねぇよ! 丸腰のテメェなんざ怖かねんだ!」



フドウ子「せいぜい喚くがいい!」







フドウ子「仏のォッ!」メラ…

フドウ子「顔もォォッ!!」メラメラメラ!

フドウ子「三度までェェェッ!!!」メララララララララ!!

極悪ヤンキー「なんだそりゃ? テメェこそワケわかんねぇこと喚いてんじゃねぇよ!」

極悪ヤンキー「やっちまえ! お前らっ!!」




ヤンキー軍団「ウオォォォ!!!!!」ドドドドド!

フドウ子「下衆どもがっ!」

フドウ子「ミョウ王フドウ子、不動明王の力を舐めるなよっ!!」ゴゴゴゴゴゴ!!

フドウ子「憤怒を以て、煩悩を絶つ」

フドウ子「それが不動明王、私だ!」

フドウ子「この炎は憤怒の証」ゴゴゴゴゴゴ!


フドウ子「全ての煩悩を絶つ為、我が手にっ!」

ボボボッ!

男(炎がフーちゃんの右手に集まる!?)




メラメラメラ!

ゴゴゴゴゴゴ!

ボボボッ!

男(炎がだんだん形を作って…あの形は!)

シュウゥ!!

フドウ子「倶利伽羅刀(くりからとう)っっ!!」ジャキン!

ヤンキー軍団「し、真剣!?」タジッ

極悪ヤンキー「怯むなっ!! ブラフに決まってんだろっ!」


ヤンキー軍団「う、ウオォォォ!!」

フドウ子「あぁーはっはっはっ! 無謀とは実に滑稽なものだなァっ!!」ダダダッ

ズバッ



ボトッ…

ヤンキーA「は?」

ブシャァァァッ!!!

ヤンキーA「ぎゃあああっ!? 腕、腕っ、腕があああっ!?」

ヤンキー軍団「!!?」

極悪ヤンキー「!!?」

フドウ子「なんだ? 血を見て怖じ気づいたか?」メラメラメラ…



極悪ヤンキー「行け! お前ら!」

ヤンキー軍団「ううう…ウオォォァァ!!」

ドシュッ、ズバッ、グサッ、ドスッ、ズパンッ!

ヤンキーB「うぎゃあぁぁっ!!」

ヤンキーC「あぁあっぐぁぁっ!!」

傘下チームヘッド「目がぁ、目がぁぁっ!」

極悪ヤンキー「映画のセリフみたいな事言ってんじゃねぇよ!」

極悪ヤンキー(さすがに強ぇな)

極悪ヤンキー「一気にたたみかけろ!!」


ヤンキー軍団「クソアマがぁぁぁっ!」

男「フーちゃんっ! 後ろっ!!」

ほのぼのからいきなり流血沙汰ww





フドウ子「縛り千斬れ、羂索(けんさく)!!」メラメラメラ!


バシュルルルル!!

男(フーちゃんの周りの炎から縄!?)

ヤンキー軍団「な、何だぁ!?」

ギュルギュルルルルル!

ヤンキー軍団「なんだこりゃっ!? 縄が巻き付いて…!」

フドウ子「その縄はな、邪念まみれの輩を縛り上げる縄だ」

ギリギリ

ヤンキー軍団「いでででで!」

フドウ子「足も腕も腹も千斬れてしまえぃ!」


ギリギリリリリリッッ


ヤンキー軍団「あががっ!」ギリリ!

ヤンキー軍団「うぎぇああぁぁぁぁっ!!!」ギリギリリリリリ!


ゴキャッ、ブヅンッ、バチィッ


ヤンキー軍団「ぎえぁぁおおぁぁぁ!!」ブシャァァァッ!


ボトッ、ボトッ…





フドウ子「くくく…」

フドウ子「次は誰が斬られたい…?」メラメラメラ…

フドウ子「誰が縛られたい…?」



極悪ヤンキー「おいテメェっ! それ以上やるってんならコイツがどうなっても知らねぇぜっ!?」

ベキッ!

男「ぐっ…」

フドウ子「男君っ!!」

男「フーちゃん…、こっちは気にせず…やっちゃってください…」



フドウ子「貴方の男気、惚れ直しましたぁぁぁっ!!」ズッキューン!



フドウ子「…では、すまんが辛抱してくれ」グッ…


>>74さん、レスありがとうございます。

更新が遅れがちになっておりますが最後までお付き合いいただけると幸いです。

引き続きよろしくお願いいたします。


フドウ子「ウオァァアアァァァァァッ!!!!」

フドウ子「私の最愛の男性(ひと)を傷付けた罪、思い知るがいいっ!!!」

フドウ子「うおらあああぁぁぁっ!!」

ズバッズバッズバッシュババババッッ!!

ヤンキー達「ぎゃあああっ!」

ヤンキー達「うげぉあああぁぁ!」

ヤンキー達「うわぁああぁぁあぁぁぁっ!!!!」





フドウ子「貴様らの犯した罪っ、存分に償わせてやる!」




――



――

ポタポタ…ピチョン…

ヤンキー軍団「痛いぃ~、痛ぇよぉぉ…、うあ、あああ…うあぁ…」

ヤンキー軍団「腕ぇ…俺の腕ぇ…」

ヤンキー軍団「足ぇ…、目ぇ…、腹、なんか肉…出てる…」

ポタポタ…

ピチャンピチャン…

フドウ子「くっくっくっ…、下衆が随分減ったなぁ」メラメラメラ…


ヤンキー軍団「ひぃっ」

極悪ヤンキー「くっ、くそっくそっくそっ!」

フドウ子「いい加減観念しろ」メラメラメラ…


フドウ子「そういえば、さっきから貴様はそうやって高みの見物だが…」

フドウ子「見ておるしかできぬ臆病者か?」

極悪ヤンキー「なんだとゴルァ!」

極悪ヤンキー「ここまで来て引き下がるか、ボケぇっ!」

極悪ヤンキー「俺も相手になってやらぁ!」ジャリッ

フドウ子「おお、怖い」

極悪ヤンキー「ちくしょっ、てめえッ! なめるのもいい加減にしやがれ!!」

フドウ子「来い。斬り散らしてやる」






フドウ子「…しかし、煽ったものの少々飽きてきたな」

極悪ヤンキー「あぁ!?」イラッ

フドウ子「何より早く男君の手当てをしないと」

ギュリッ!(構え)

フドウ子「ふうっ!」ニュニュニュ!

男・極悪ヤンキー「刀が伸びた!」

フドウ子「仕方ない、いっぺんに斬ってやる」





フドウ子「よっこいせ!」ブン!





シュパーーーーーーーン!!


ボトッ、ドシャッ、ボタッ!

残りのヤンキー「え?」
極悪ヤンキー「え?」



フドウ子「ご苦労だった、倶利伽羅刀」フシュウゥゥ…


ブシャアアァァァ!!!


残りのヤンキー軍団「ぶぇえおぁぁぁぁっ!?」ドサッ、ドサッ…

極悪ヤンキー「ぎえぇあぁぁぁぁぁっ!」ドサッ

フドウ子「ふむ、実にあっけない」

フドウ子「よし、男君っ…!!」

タッ


男「すごい…これだけの人数を退けるなんて…」

男「でも…」


フドウ子「男君っ!」タタタタッ

男「フーちゃん」

フドウ子「痛かったろう?」ナデナデ

男「大丈夫、です…」

フドウ子「縄、すぐ解くから待っていろ」

フドウ子「ああ、お可哀想に…」ナデナデ…

男「フーちゃん…、すいません…」

シュルシュル…

フドウ子「何故お前が謝る?」

男「フーちゃんに人を傷つけさせてしまいました…」シュン…

フドウ子「お前はそんなに傷付けられたというのに…」

男「傷はそのうち治ります、でも…」

フドウ子「男気がある上に、優しいのだな」

フドウ子「安心しろ、不良どもを見てみろ」クイッ

男「え?」チラッ



ヤンキー軍団「…」ゼーン(禅)




男「ぜ、全員、合掌して座禅してる…!?」

フドウ子「ふふふ、ああ」

フドウ子「倶利伽羅刀は人を斬る為の刀ではなく…」





フドウ子「煩悩を絶つ刀なのだよ」

フドウ子「一時は身体が斬られたように見えても、斬ったのは煩悩」

フドウ子編「しばらくすると身体は元通りになるのだ」

>>85投下ミス


ヤンキー軍団「…」ゼーン(禅)




男「ぜ、全員、合掌して座禅してる…!?」

フドウ子「ふふふ、ああ」

フドウ子「倶利伽羅刀は人を斬る為の刀ではなく…」





フドウ子「煩悩を絶つ刀なのだよ」

フドウ子「一時は身体が斬られたように見えても、斬ったのは煩悩」

フドウ子「しばらくすると身体は元通りになるのだ」


フドウ子「だがな、本来煩悩とは己で努力して努力して消していくもの」

フドウ子「強制的に煩悩を絶つなど、邪道と言えば邪道だ」

フドウ子「ただ、時にはこうして力づく、憤怒を以て懲らしめなければならん輩もいる」

フドウ子「その力が私の力、不動明王なのだよ」ニッコリ

男「でもそれがフーちゃんの力で、正しく使われたなら邪道なんて言っちゃダメですよ」

フドウ子「ありがとう。だが、すまない。私がなまじ出しゃばったせいでお前が痛い目に…」

男「正義に間違いなんて無いですよ」

男「フーちゃんは悪くありません」


フドウ子「私と居たせいでこんな酷い目に会わせてしまった…」

フドウ子「…もう私に関わらぬ方が良い…」

男「え?」

フドウ子「不本意、望まぬ事ではあるが…別れた、方が…」ウル…

男「そんなっ…!」

男「俺は大丈夫です! こんな傷、すぐに治りますよ!」

フドウ子「ダメだ…男君に迷惑はかけられん…」ウルルルル…

フドウ子「これで二度目、頼む、引いてくれ」ウルルルルルルルル…


男「無理です。引きません」

フドウ子「ううう…引け、引くのだ」ウルルルルルルルルルルルル…

フドウ子「こ、これで、ぐすっ…三度目だ!」ウルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル…

男「そんな涙目じゃ説得力ありませんってば」

男「大好きですよ、フーちゃん」








フドウ子「うあああああああああんっ!!」ジョバー!

フドウ子「私も大好きでぇぇぇぇぇすっ!! うあああああああああん!!」ジョバー!

フドウ子「まだまだ貴方と一緒に居とうございますぅぅぅぅっ!!!」ジョバー!

男「はい。俺もフーちゃんと居たいです」




?「あら~?」

フドウ子・男「?」


?「あら~、もう終わっちゃったの~?」



フドウ子「えぐっ、アイちゃんっ!」

男「アイゼン子先輩!?」

アイゼン子「なんかね~、虫の知らせでここに来たの~」

男(すんげぇザックリな理由!)

アイゼン子「なんか~、手助けがいるかな~って」

フドウ子「すん、ぐすっ、アイちゃんの力添えは必要無かったよ」

男(双子の神秘…? 何かこう、引き寄せ合うみたいな)


アイゼン子「攻撃力ならフーちゃんの方が数段上だものね~」

男(フーちゃん…、アイゼン子先輩もそう呼ぶんだ)

男(身内からの呼び名と一緒っつーことは、俺もフーちゃんにとって特別な存在ってことなんだな)ニコニコ

アイゼン子「あなたが男君ね?」

男「あ、はい。初めまして…というか生徒会、いつもお疲れ様です」

アイゼン子「こんなにボロボロになってても私の気遣い~?」ソーッ

フドウ子「ダメーっ!!」ガバッ

男「ぐはっ」

フドウ子「私の男君に触っちゃダメッ!」プーッ!

アイゼン子「あはは~、ごめんね~」

男「いだだだだたっ!」

フドウ子「うぉあっ!? すまない!」

男「だ、大丈夫です」


男(そか、姉妹だと少し口調も変わるんだな)

男(そんなフーちゃんもいいな)ニコニコ



アイゼン子「ところでフーちゃんどうして号泣?」

フドウ子「これは…」グズッ

男「俺が巻き込まれたのは自分のせいだから、一緒に居られないって、別れるって」

アイゼン子「フーちゃんらしいわね~」

男「ま、説得しましたし、どの道俺はフーちゃんが好きですから離れませんけど」

フドウ子「ぐすっ、えっへっへっ////」デレ~

アイゼン子「やーね~、のろけ~?」

フドウ子「でぇっへっへっ////」デレ~ン


フドウ子「…ただ、これはやり過ぎたかな」

フドウ子「この町の不良どもを壊滅させたのが女だと知られると、他の町の不良が調子に乗るかもしれんしな」

フドウ子「それにこれからは不動明王の力を解放した姿を、男君に見られたくはないのだ」

男「それも知った上で付き合ってますから、俺は平気ですよ?」

フドウ子「だがしかしどうしたものか…」


アイゼン子「いい方法あるわよ~」


男・フドウ子「え?」


―――
――



―とある昼休み―


校内放送「2年B組、男君。至急、風紀委員会会議室まで来なさい」

校内放送「2年B組、男君。至急、風紀委員会会議室まで来なさい」




男「…」スタスタ

生徒「か、顔の傷…」

生徒「風紀委員から呼び出し。あの噂、本当なんだ…」ヒソヒソ

生徒「前々から委員長に呼び出し食らってたもんな…」ヒソヒソ

生徒「割りと大人しめの感じなのにな…」ヒソヒソ

生徒「ここら界隈の不良グループ、ボッコボコに全滅させたらしいよ」ヒソヒソ

生徒「ボコっただけじゃなくて更正させたらしくて、今じゃその不良連中、毎朝町の掃除とか普段から人助け、めっちゃしてるらしいよ?」ヒソヒソ







生徒一同「スゴいけど怖ぇぇ~」ヒソヒソ






――

コンコン

男「2年B組、男です」

フドウ子「うむ、入るがいい」

ガラッ

男「失礼します」

フドウ子「何故ここに呼ばれたかわかるか?」




男「うーん、まあ何となく…」

フドウ子「そうか」


フドウ子「では話は早いな。今、校内では男君に関する噂が広まっておるようだが?」


男「そうみたいですね。こないだの事件の、ですよね」

フドウ子「うむ」

フドウ子「皆から避けられ、居心地が悪かったり、寂しい思いはしておらぬか? 私を頼るがよい」

男「大丈夫ですよ」

男「俺の事を知らない人らには多少避けられてますが、仲の良いツレは今までと変わらず付き合ってくれていますから」

フドウ子「無理することはないのだぞ? 私が慰めてやろうか?」

男「いえ、ホントに大丈夫ですよ」

フドウ子「くっ、まだわからぬか!」

フドウ子「仏の顔も三度まで! 厚意には甘えるべきだぞっ!」

フドウ子「私が! 慰めて! やる! と言っておるのだっ!」





男「では、ホントのトコ周りの視線が気になって、あまりいい気はしませんっ!!」ドーン!

フドウ子「では私が抱っこナデナデして差し上げますからどうぞ私の胸にお飛び込み下さいませぇぇぇ~っ!」ドーン!

男「失礼しますー」トテテテ…

ギュ~~!



男「フーちゃん、いい香りがします」

フドウ子「そ、そうか」


フドウ子「ボディソープやシャンプーも、アイちゃんに見習って同じものにしたのだが…」

男「よくアイゼン子先輩と比較してますが、俺はフーちゃんらしいフーちゃんが好きなんです」

男「俺の為を思ってのことは嬉しいですよ?」

男「でも、フーちゃんはフーちゃんで、フーちゃんなんですから、そのままのフーちゃんで俺は構いませんからね?」

フドウ子「…ああ、ありがとうな」ジ~ン

男「まあ俺もこうしてフーちゃんに抱き締められると、うん…嬉しいです////」


フドウ子「こうできるのも、アイちゃんサマサマといったところかな////」

男「かもしれませんね」




フドウ子「アイちゃんもああ見えて、突拍子も無いことを言い出すからな」

男「はい。確かにそう思います」


……



……




フドウ子「この町の不良どもを壊滅させたのが女だと知られると、他の町の不良が調子に乗るかもしれんしな」

フドウ子「それにこれからは不動明王の力を解放した姿を、男君に見られたくはないのだ」

男「それも知った上で付き合ってますから、俺は平気ですよ?」

フドウ子「だがしかしどうしたものか…」


アイゼン子「いい方法あるわよ~」


男・フドウ子「え?」


アイゼン子「男君が〆(しめ)た事にするの~」

アイゼン子「一見、真面目で大人しそうな男君がそんなことしたと噂が広まれば」

アイゼン子「他のグループもおいそれと行動を起こせないと思うの~」

男「そんなもんですかね?」

アイゼン子「まあ確証はないけど、取り敢えずおまじない~!」

男「意味がよくわかりませんが…??」




アイゼン子「あーいぜんあいぜん、二人に幸あれ~♪」チョイチョイチョ~イ♪

男「???」

フドウ子「アイちゃんは、普段はいつもこんな感じだから…」

フドウ子「だが、信じるのも悪くないと思うぞ?」

男「はあ、そうですか。じゃ信じてみます」

アイゼン子「じゃあ禅ヤンキーの皆さ~ん」


禅ヤンキー軍団「はい」ゼーン(禅)

アイゼン子「みんなを更正させたのは、こちらの男君」

アイゼン子「そう言って『噂』を広めてほしいの~」

禅ヤンキー軍団「わかりました」

アイゼン子「事実とは違う『嘘』だけど、これから不必要な争いや揉め事を避ける為だから立派な善行よ~」ウイーンク!




極善ヤンキー(元極悪ヤンキー)「今まで行った悪行の償いと思えば当然の事」

極善ヤンキー「男さん、申し訳ありませんでした」


男「あ、いやまあ、反省してるみたいだし、これから世の為人の為に取り返してくれるなら気にしませんよ」

極善ヤンキー「ありがとうございます」

極善ヤンキー「男さんの優しさに報いるためにも我ら一同、これから精進して参ります」ナムー

禅ヤンキー軍団「なーむー」ナムー

男(拝まれても…)




……




……

男「ま、全部丸く収まったってことで」

フドウ子「だな」


コンコン

アイゼン子「フーちゃん~」ガラッ

男・フドウ子「どわぁっ!」バッ!

アイゼン子「あら~、お邪魔したかしら~?」ニヤニヤ

フドウ子「ノックはしたけど、返事するまで開けないでよっ!」プンスコ!

アイゼン子「ノックしないよりマシよ~」

フドウ子「ぐにゅにゅ…」


アイゼン子「これ、校則違反者の改善報告書と校則に関する要望書、その他諸々の書類、置いておくわね」パサ

フドウ子「ああ、うむ」


アイゼン子「男君」

男「はい」

アイゼン子「ちょっと堅物な妹だけど、よろしくお願いね」

男「はい! 任せて下さい!」

アイゼン子「頼もしいわ~」ニコニコ

アイゼン子「それから、いつもフーちゃんは『仏の顔も三度まで』って言ってるでしょ?」

男「はい。それが何か?」


アイゼン子「例外があるの、知ってる?」

男「いや…、三度まで以外は知りません」

フドウ子「私は仏。その慈悲も三度が限界という意味なのだが」

アイゼン子「フーちゃんの事、いっぱい愛してあげてね」

男「あ、愛しっ…////」ボッ!

フドウ子「いやん////」ボッ!

フドウ子「…好き好きと言われるのは限界はないのだ////」

アイゼン子「すなわち!」




フドウ子・アイゼン子「仏の顔も何度でも、だから!」






アイゼン子「ね?」

男「…はい! わかりました!」

アイゼン子「ですって、よかったね、フーちゃん」

フドウ子「タハーッ! えっへっへっ、うむうむ////」

アイゼン子「愛染明王の加護があらんことを~」

フドウ子「アイちゃんの加護、ありがとう」




アイゼン子「ふふ、じゃ、お邪魔しました~」

アイゼン子「さっきの続き、ごゆっくり~♪」ニヤニヤ~♪


男・フドウ子「あう////」


ガラガラッピシャリ

フドウ子・男「…」

フドウ子「さっきの続き…////」

男「します?////」

フドウ子「続き…したい////」

男「では…、はい」

ギュム~



フドウ子「なあ男君」

男「何でしょう?」

フドウ子「さっきアイちゃんが言ったように私の事、よろしく頼むな」

男「任せてください」


フドウ子「それからもう一つ、仏の顔も三度までについてなんだが」

フドウ子「例外がもひとつあってだな」

男「何でしょう?」

フドウ子「考えるのもイヤなんだが…」

フドウ子「う」

男「う?」



フドウ子「う、浮気は一度でも許さないからな!」

男「そんな事しませんっ!」

男「二大明王の眼があるのにそんなことできませんよ!」

男「その前にフーちゃんが悲しむようなことは絶対しません!」

フドウ子「ふふ、ありがとう」



男「…これからもずっと、極楽浄土の天井まで一緒ですよ」

フドウ子「はうぅ、私は幸せですぅ////」


男「好きです、フーちゃん」

フドウ子「私も大好きだぞ! 男君っ!」




おわり


更新が遅れがちな上、つたない内容ではありますが、最後までお付き合い頂けた方、おられましたらお礼申し上げます。

また投下した際にはよろしくお願いいたします。


ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom