―1年前、甘木シティリゾートショッピングモール―
マッカナオハナノ~テレテレテッテッテ~♪
バーーーローー「ハァハァ・・・悪い蘭!遅れちまって・・・」
蘭「バーーーローー!ううん、私も今来たところだから・・・大丈夫?顔真っ赤よ!?」
バーーーローー「ああ、走ってきたからな・・・ハァハァ・・・ん?もう何か買ったのか??」
蘭「うん、お父さんとお母さんに!ペアのマグカップよ」
バーーーローー「相変わらずそういうの好きだなー、おめぇ」
蘭「良いでしょ、可愛かったんだからー、あ!もうこんな時間!」
バーーーローー「ん?何かあるのか?」
蘭「クリスマスツリーが点灯するのよ!見に行こう!」
バーーーローー「ああ、あのでっけーやつか・・・確かこの甘木リゾートが開業した時からのシンボルマークで…」
蘭「もーバーーーローー、置いてっちゃうよー!」
バーーーローー「あ、おい待てよ蘭!」
蘭「早くー!・・・ん?わあ、雪だ!」
バーーーローー「本当だ、初雪だな!」
蘭「綺麗・・・」
リンリンリン~♪
ドゥルルルルンドゥルルルルンジャンジャン テレレッテテテテテ
テーレーテーテレー テーレーテーテレー テーレーテーテレレ テレレレー
テレレーレー テレレーレーレレー♪
―劇場版名探偵コナン 聖夜の約束(スウェアー)―
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1473061957
俺は高校生探偵、工藤バーーーローー。幼なじみで同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、 黒ずくめの男の怪しげな取り引き現場を目撃した。
取り引きを見るのに夢中になっていた俺は、背後から近付いて来るもう一人の仲間に気付かなかった。俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら・・・
体が縮んでしまっていた!
工藤バーーーローーが生きていると奴らにバレたら、また命を狙われまわりの人間にも危害が及ぶ。
阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は、蘭に名前を聞かれてとっさに江戸川コナンと名のり、奴らの情報をつかむために父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。
ところがとんだヘボ探偵で、俺は時計型麻酔銃でおっちゃんを眠らせ、蝶ネクタイ型変声機を使って、おっちゃんの声でかわりに事件を解いている。
この二つのメカは、阿笠博士の発明品だ!博士は他にも・・・ターボエンジン付きスケー ドボードや、犯人追跡メガネ、キック力増強シューズなど次々とユニークなメカを作り出してくれた!
俺の正体を知っているのは、博士のほかにもいる。俺の父さんと母さん、西の高校生探偵、服部平次、それに同級生の灰原哀・・・。
彼女は黒ずくめの男の仲間だったが、組織から逃げ出す際、俺が飲まされたのと同じ薬を飲んで体が縮んでしまった。
黒の組織の正体は、依然として謎のまま・・・。
小さくなっても頭脳は同じ!迷宮なしの名探偵!真実はいつもひとつ!
―毛利探偵事務所―
蘭(tel)「え、甘木シティリゾートのクリスマスパーティー!?」
園子(tel)「そう!開業10周年の記念パーティーで、鈴木財閥も招待されたんだけどパパとママ行けなくてね・・・どう?あの2人も連れてさ!」
蘭(tel)「うん、行く!お父さんたちにも伝えとくね!」
小五郎「クリスマスパーティーだぁ!?お前たちだけで行って来い!俺はそんなに暇じゃないんだよ!」
蘭「えー、せっかく甘木リゾートのホテルに入れるのにー!コナン君は行くよね?」
コナン「うん!(甘木リゾートっていえば前に蘭と・・・)」
小五郎「あ、甘木リゾートっておい・・・都内最大級のホテルじゃねーか!行くに決まってんだろ!豪華なバイキングに、きっと会長からのクリスマスプレゼントも・・・ムフフ」
コナン(ハハ・・・なわけねーだろ)
―数日後―
園子「お待たせー蘭!」
蘭「園子!」
園子「お!おじさまとガキンチョも一緒ね」
小五郎「たりめーだろ!甘木リゾートホテルなんか滅多に来れねーからな!」
甘木会長「これはこれは鈴木財閥のお嬢様、ようこそお出で下さいました。そちらの方は?」
園子「パパとママのかわりに来てもらった、名探偵の毛利小五郎さんよ!」
甘木会長「へぇー!あの有名な!はじめまして、私甘木シティリゾートの会長をしております甘木総一郎(あまぎそういちろう)と申します」
小五郎「どうも、名探偵の毛利小五郎です。こっちが、娘の蘭と居候のコナンです」
コナン(居候はやめろ・・・)
蘭「はじめまして!今日はご招待いただきありがとうございます!」
甘木会長「いえいえ。松崎君、ご案内を」
松崎「はい。私、甘木の秘書をしております、松崎京子(まつざききょうこ)と申します」
小五郎「うっひょー!お綺麗ですなー」
松崎「い、いえ・・・」
蘭「お父さん!」
松崎「クリスマスパーティーは、夜の19時からとなっております。それまでは各お部屋か、併設されておりますショッピングモール内でおくつろぎ下さい」
園子「ねぇ蘭!荷物置いて買い物しに行こうよ!」
蘭「うん!」
松崎「こちらがお部屋の鍵になります。外出の際はロビーにご返却下さい」
小五郎「うお!なんだあの美人は!」
松崎「ああ、彼女は会長の一人娘で甘木リゾートの社長を務めております、甘木楓(あまぎかえで)さんです」
コナン「近くにいる人たちもみんな甘木リゾートの社員の人?」
松崎「いいえ、向かいの2人がこのホテルのレストランのシェフをやっておられる沖田大和(おきたひろかず)さんとデザイナーの神崎真(かんざきまこと)さんよ、コナン君」
コナン「へえー。会長さんの奥さんは?」
松崎「奥さんも甘木リゾートにずっと携わっていたんだけど去年事故で亡くなっちゃってね・・・」
蘭「そうなんですか・・・」
松崎「沖田さんには今晩の料理を、神崎さんにはクリスマスツリーやイルミネーションのデザインをして頂いています。今日も17時からイルミネーションが点灯されますので是非ご覧になって下さい」
小五郎「ほー、そりゃあ楽しみですなぁ」
―阿笠邸―
歩美「いいなーコナン君、クリスマスパーティーかぁ」
元太「あいつばっかりずりーよな!」
光彦「本当ですよ!甘木リゾートといえば超高級ホテルですよ!」
博士「まあまあ、園子君のご両親のかわりなんじゃから仕方ないじゃろ」
歩美「歩美もイルミネーション、見たかったなぁ」
灰原「あら、ショッピングモールなら私たちも自由に入れるみたいよ」
歩美・元太・光彦「本当(かよ)(ですか)!?」
歩美「博士!歩美たちも連れてって!」
博士「そうじゃなー、よし!クイズに正解したら、連れてってやらんこともないぞ!」
元太「またダジャレじゃねーだろうなぁ」
博士「ではいくぞ!ある年のクリスマスイブに、サンタさんはとても大変な思いをしたそうじゃ。それはどうしてかな?1.寝不足だったから2.足をねん挫していたから3.胃が痛かったから。さあ、どれじゃ?」
歩美「うーん・・・わかった!1番の寝不足だったからよ!」
博士「なんでかな?」
歩美「プレゼントを用意してたら夜更かししちゃったんだわ!」
博士「ぶっぶー」
元太「じゃあ2番のねん挫したからか?おっちょこちょいで煙突から落ちちまったんだよ」
博士「それもハズレじゃ」
光彦「あ!わかりました!3番の胃が痛かったからですよ!」
博士「お!なんでじゃ?」
光彦「大変な思いということは苦労したってこと!イブに苦労・・・イブ、苦労で胃袋!」
博士「正解じゃ!よくわかったのぉ」
歩美「すっごーい光彦君!」
光彦「いやぁ///」
元太「ってまたダジャレかよ」
歩美「でも、これでコナン君に会えるー!」
博士「仕方ないのぉ」
灰原「フフッ」
―甘木リゾートホテル―
蘭「それじゃあ、私たち、ショッピングモールの方に行ってくるから」
小五郎「おう、俺は部屋でのんびりしてるかな」
会長「あ、毛利さん!」
小五郎「ん?」
会長「紹介します。私の娘の楓です」
楓「はじめまして。甘木リゾートの社長を務めております、甘木楓です」
小五郎「毛利です。いやぁお美しいですなー」
楓「いえ、それほどでも」
会長「こちら、デザイナーの神崎君と、ホテルのレストランでシェフをやっておられる沖田君です。2人とも開業当初からの付き合いなんですよ」
神崎「よろしく」
沖田「どーも沖田です。まさかこんなところで名探偵の毛利小五郎さんに出会えるとは」
小五郎「どーも」
会長「我々、これからレストラン横のカフェに向かうんですが、良かったら毛利さんもご一緒しませんか?」
小五郎「良いっすねぇ!」
神崎「あ、僕はツリーとイルミネーションの最終チェックがあるんで」
小五郎「じゃあお前ら、パーティーに遅れんじゃねーぞ」
コナン・蘭・園子「はーい!」
―甘木リゾートショッピングモール―
ジンゴッベージンゴッベーテーレッテーテレ~♪
園子「わぁ、見て蘭!屋台がたくさんある!」
蘭「本当だ!ホットワインにスープにお菓子、雑貨もたくさんあるね!」
コナン「ヨーロッパのクリスマスマーケットをモチーフにしてるんだよ。ドイツやオーストリアの都市の広場で行われるイベントで、ドイツ語ではWeihnachtsmarkt(ヴァイナハツ・マルクト)って言うんだけど日本では親しみやすい英語でクリスマスマーケットって呼ばれてるんだ。」
園子「へぇー」
蘭「でもコナン君、どこでそんなことを?」
コナン「あ、こ、この間テレビでやってたんだよ・・・」
蘭「ふーん」
コナン(あっぶねー)
園子「そういえば蘭、バーーーローー君とここに来た事あるって言ってたよね」
蘭「うん、一度だけね。前のクリスマスに」
―蘭 回想―
蘭「早くー!・・・ん?わあ、雪だ!」
バーーーローー「本当だ、初雪だな!」
蘭「綺麗・・・ねぇバーーーローー」
バーーーローー「あん?どした?」
蘭「また来年も来ようね!このツリー見に!」
バーーーローー「しょうがねーなぁ、来てやるよ!///」
蘭「うん!///」
蘭(一緒に見れそうにないね・・・バーーーローー・・・)
コナン(蘭・・・)
歩美「あ!コナンくーん!」
コナン「お、お前ら!どうしてここに!?」
光彦「博士に連れてきてもらったんです!」
元太「ずりーぞコナン!お前だけホテルのバイキング食えてよー!」
園子「あら、あなたたちも来れば?」
歩美・元太・光彦「いい(の)(のかよ)(んですか)!?」
園子「甘木会長には、私の方から言っておくわ」
博士「でもいいのかのぉ、こんなにたくさん」
園子「大丈夫よ、開業当時からうちがずっと援助してるし」
歩美・元太・光彦「やったー!」
コナン(ハハ・・・さっすが鈴木財閥)
博士「バーーーローー君、これ新発明したハサミ付きメガネじゃ!柄の部分を外せば簡易ハサミになるぞ!」
コナン「サ、サンキューな!(使えんのか?これ・・・)」
―甘木リゾートホテル カフェ―
小五郎「ほぉー、屋内プールですか」
楓「ええ、ホテルの東側にある広場を改装する予定です」
小五郎「東側っていえば、イルミネーションが広がっているところですよね。良いんすか?あれ失くしちゃっても」
楓「お客様はみんなショッピングモールの中央にあるツリーに集まりますので、仕方ありません」
会長「あ、そういえば沖田君。この間のフランス菓子コンクールはどうだったんだね?」
沖田「準優勝でしたよ」
小五郎「あの世界大会のっすか!?すごいっすね!」
沖田「僕は菓子専門ではないので、本場のパティシエールに負けてしまいました」
会長「またか・・・君のデザートも悪くはないが、優勝者を雇った方がお客を呼びそうだな」
沖田「す、すみません会長・・・」
小五郎「ま、まあ運が悪かっただけっすよ」
楓「そうですよ、お父様」
松崎「会長、会場の準備が整いました。リハ―サルをお願いします」
会長「うむ。では毛利さん、またのちほど」
沖田「私も仕込みが残ってるんで」
楓「では私も、パーティーまで部屋で休みますね」
小五郎「あれ、行っちゃうんすかー?」
―甘木リゾートショッピングモール イルミネーション広場―
神崎「よし、配線もばっちりだな」
コナン「あ、神崎さん」
神崎「ん?ああ毛利さんの」
蘭「このイルミネーション、神崎さんがデザインされたんですよね」
神崎「ああ、そうだよ。ま、ここのイルミネーションも今年で最後だがな」
博士「どうしてじゃ?」
神崎「毎年ツリーにほとんどの人が集まっちまうから、取り壊して屋内プールにするみたいだぜ。社長さんの案さ」
コナン(楓さんの・・・)
元太「じゃあ、俺たちラッキーだな!最後の年に来れてよ!」
歩美「うん!今年は、歩美たちがちゃんと見に来るからお兄さんも安心して!」
神崎「ああ、ありがとよ。それじゃあ俺はホテルに戻るから、また後でな」
コナン「うん!」
灰原「この広場の地面、少し湿っているわね」
コナン「ああ、昨日の通り雨がまだ乾いてねぇみたいだな」
歩美「いやーん靴の裏が汚れちゃった」
光彦「この広場だけ砂を使っているんですね・・・ん?灰原さん、何持ってるんですか?」
灰原「甘木リゾートのマップよ。ホテルのエントランスからツリーまで一直線なのね」
光彦「本当ですねぇ」
コナン「ホテルからツリーやイルミネーションが全部見えるようになってるんだ」
光彦「へぇー」
歩美「ねぇコナン君!早くお買い物行こう!」
園子「蘭、ガキンチョは博士たちに任せて、うちらも行こう!」
蘭「あ、うん。それじゃあコナン君、また後でね」
コナン「うん、蘭姉ちゃん」
―甘木リゾートホテル―
プルルルプルルル
神崎(tel)「はい、ああどーも・・・え?」
光彦「あ、これツリーですよ!大きいですねー」
歩美「本当だ―!」
博士「ほぉー、立派じゃの」
元太「うな重何段分かな!」
歩美「ねぇねぇ、ホテルからイルミネーション全部見えるんだよね!」
博士「ああ、そうじゃよ」
歩美「なら、点灯の瞬間をホテルから見てみない?」
光彦「良いですね!」
元太「かっけーな!」
歩美「ね!哀ちゃんとコナン君はどう?」
灰原「良いんじゃない?イルミネーションの広場も近いからすぐ行けるし」
コナン「ああ、そうだな。ならもう少し店を回ったら一旦ホテルに戻るか」
蘭「あ、あと10分で点灯時間じゃない?」
園子「本当!ツリーのところに行こっか!」
園子「うわ、すごい人。神崎さんの言ってた通りみんなここに集まるのね」
蘭「だね。少し後ろだけど、この辺から見よっか」
ゴーンゴーン…サーイレンナーイッホーリーナーイッ~テーレーレーテーレーレー♪♪♪パァーーーピカピカピカ……
歩美「わぁー!」
元太「すっげー!」
光彦「綺麗ですね!」
コナン「ああ(ん?ツリーの星、さっき下から見たときはよく見えなかったけど・・・)」
園子「わぁー、綺麗・・・」
蘭「本当・・・あれ?あの星、前に来たときと少し違うような・・・」
ピッピッピッ
バアァン!!!
博士「なんじゃ!?今の音!」
灰原「も、燃えてるわ・・・イルミネーションの広場で何かが」
コナン「あれは、人か!!?」
歩美・元太・光彦「ええ!!?」
コナン「博士!灰原!こいつらを頼む!」ダダダッ
博士「し、バーーーローー!」
蘭「なに?今の音・・・」
キャーーーーー!!!
「どうした!」「何だ今の音!」「爆発よ!イルミネーションの広場で人が燃えてる!」
蘭・園子「!?」
園子「その広場って、今あの子たちがいるんじゃ・・・」
蘭「コナンくーん!」ダダダ
コナン「蘭姉ちゃん!」
蘭「怪我はない?」
コナン「うん、僕たち点灯の瞬間をホテルから見てたから」
蘭「そう、良かった・・・」
園子「人が燃えてるって本当?」
コナン「うん、蘭姉ちゃんたちは見ないほうが良いよ・・・おじさんと、あと警察を呼んで来てくれない?」
蘭「う、うん」
パシャッパシャッ
目暮「焼死したのは、ポケットに入っていたホテルの部屋のキーから神崎真さんと推測されるが、歯型鑑定をしてみらんとわからんな」
白鳥「ええ、ですが先ほどから神崎さんの部屋やリゾート内を警察が捜索していますが、行方がわからないのを見ると神崎さんでほぼ確定でしょう」
蘭「そ、そんな・・・」
佐藤「遺体の第一発見者はコナン君だったわよね」
コナン「うん、僕たちホテルのエントランスからイルミネーションが点灯するのを見てたんだ。そうしたら爆発音がして、ここで人が燃えてるのが見えたんだ」
佐藤「その時、他に誰かいたりしなかった?」
コナン「ううん、誰も」
佐藤「そう、ありがとうコナン君」
園子「でも、この後のパーティーどうなっちゃうのかしら」
目暮「中止してもらうしかないだろう」
会長「いいえ、それは出来ません」
目暮「あ、あなたは?」
会長「甘木リゾート会長の甘木総一郎です。たくさんのゲストの方々に来て頂いているのに、こんなことで中止するわけにはいきません」
佐藤「こんなこと!?人が1人殺されてるのよ!」
会長「ふん、あなた方警察がさっさと犯人を見つければ済むことでしょう・・・とにかく、パーティーは予定通り始めますから」
目暮「では、怪しい人物や神崎さんの関係者の事情聴取が終わってからでも構いませんな?」
会長「ええ」
小五郎「しかし警部、容疑者を絞るとなると相当の数ですな・・・パーティーの招待客以外にもホテルの社員や一般の客までおりますし」
目暮「いや、この広場には防犯カメラがあってな。今高木に調べてもらっているからすぐに犯人がわかるだろう」
高木「警部!防犯カメラの映像を確認してきたんですが・・・今日の営業時間内で怪しい人物は発見されませんでした」
目暮・小五郎「なに!?」
高木「しかし・・・昨夜、パーティーの準備中に停電が起き、20時から20時30分までの30分間防犯カメラが停止していたそうで、その時間にアリバイのない人物が3名・・・」
高木「まずは、会長の甘木総一郎さん。停電が起きる30分ほど前から甘木さん専用の客室で仮眠をとっていたそうです。2人目は社長の甘木楓さん。彼女も客室で休んでいたそうなんですが、ホテル従業員の1人が停電中彼女がホテル内をうろついているのを目撃したそうです」
小五郎「か、楓さんが!?」
高木「ええ、ですが停電中で暗かったため何をしていたかはわからなかったみたいですが月明りではっきりと彼女の顔が見えたそうです。3人目はシェフの沖田大和さん。彼は明日の仕込みと言って1人で厨房にいたそうですが、レストランの従業員は全員出払っていたため、沖田さんを見た人はいないそうです」
目暮「そうか・・・その3人の中の誰かの可能性が高いな」
コナン「秘書の松崎さんは?」
高木「会長秘書の松崎京子さんはパーティー会場で社員と共に準備をしていたと確認が取れているよ」
コナン「ふーん」
小五郎「何がふーんだ!捜査の邪魔をするんじゃない!」ゴツッ
コナン「いってー!!」
蘭「大丈夫!?コナン君!」
コナン「う、うん」
コナン「ねぇ、高木刑事」
高木「なんだい?コナン君」
コナン「爆弾はどこに仕掛けられていたの?」
高木「イルミネーションにだよ。イルミネーションが点灯したのと同時に爆弾が爆発したらしいよ」
コナン「神崎さんホテルに戻るって言ってたんだ。でもどうしてまたイルミネーションの広場に戻ってきたんだろう」
園子「何か忘れものでもしたんじゃないの?」
蘭「でも、それで爆発に巻き込まれたんなら犯人の狙いは神崎さんじゃなかったってこと?」
高木「いや、犯人の狙いは神崎さんで間違いないよ。神崎さんが誰かと電話で話をした後に急いでホテルから出ていくのをホテルの従業員が目撃したそうなんだ」
コナン「じゃあ神崎さんの携帯は!?犯人からの着信履歴が残ってるんじゃ!」
高木「いや、携帯も爆発に巻き込まれて粉々だよ。犯人もそれを見越していたんだろう」
小五郎「警部、その3人から話を聞く必要がありそうですな」
目暮「ああ、3人のことをよく知っていそうな秘書の松崎さんにも話を伺ってみよう」
―甘木リゾートホテル―
目暮「甘木総一郎さん、あなたは昨夜の19時30分から会長専用の客室で仮眠をとっていたそうですが」
会長「ええ、あなた達のおっしゃる通りですよ」
白鳥「それを証明出来るような物はありますか?」
会長「うーん・・・取引先にメールを1通送ったな・・・あと21時に松崎君に起こしに来るよう頼んでいました。あと、私は眠っていたので停電には気付かなかったよ」
佐藤「メールは送信予約が出来るし、21時までに部屋に戻れば爆弾の設置は可能ですね」
会長「ふん、私はそんなくだらんことなどしとらんよ」
白鳥「まあまあ、ただの事情聴取ですから」
佐藤「甘木楓さん、あなたも会長と同じでご自身の客室で休んでいたそうで」
楓「ええ」
佐藤「ホテルの従業員が、あなたがホテル内をうろついているのを目撃したそうなんですが」
楓「ええ、パーティー会場に向かっていました。その途中で停電になってしまって壁伝いに歩いていたんです」
目暮「パーティー会場へは何をしに?」
楓「松崎さんに明日の確認を」
目暮「わざわざ会いに行かなくても、電話を掛ければ済んだんじゃ?」
小五郎「警部、そんな脅すような言い方しなくても」
楓「仕事用の携帯を家に忘れてしまったんです」
目暮「ほー、では後で松崎さんにもあなたがパーティー会場まで来ていたのか確認します」
楓「はい」
白鳥「沖田大和さん、あなたは昨夜レストランの厨房に1人でいたそうですが、それを証明できるものはありますか?」
沖田「証明できるものって言われても、昨日作っていた料理くらいしかないですよ」
高木「料理じゃ、きちんとした証明にはなりませんね」
白鳥「ええ、我々にはいつ作ったものか判断のしようがありませんからね」
高木「沖田さん、停電中は何をしていたんですか?」
沖田「作業をとめてレストランに座っていましたよ。あそこは大きな窓があって外の明かりがはいってきますから。まあ、これも証明できるものはないですがな」
白鳥「そうですか」
目暮「松崎京子さん、あなたにいくつかお尋ねしたい事があります。まず、昨夜21時頃甘木会長を部屋まで起こしにいったそうですが」
松崎「はい。19時30分頃に会長からお電話があって、仮眠をとるから21時に部屋まで起こしに来てくれと」
目暮「その時、何か変わったことは?」
松崎「私がお部屋に伺った時には会長はもう起きていらっしゃって、バスローブを着ていらっしゃいました。シャワーを浴びていたみたいで」
小五郎「ほー、急いで部屋に戻ってきて汗を流していた可能性もありますな」
目暮「そうだな。次に、昨夜甘木楓さんがパーティー会場にいるあなたに会いに行ったそうなんですが本当ですか?」
松崎「はい。電気が復旧した少し後に。パーティーの段取りについていくつか確認を」
目暮「そうですか。では最後に、今回殺害された神崎さんと会長、楓さん、沖田さんの4人の関係について」
佐藤「神崎さんを恨んでいた人などがいれば」
松崎「恨んでいた・・・かどうかはわかりませんが、皆さん開業当初から甘木リゾートに携わっていますので、新しい企画や経営方針でぶつかり合う事はよくありました。特に会長はコンクール優勝などの肩書を気にする方で・・・それでよく沖田さんや神崎さんと言い合うことはあったみたいです。」
小五郎「そういえばカフェにいたときもそんなことを・・・」
松崎「沖田さんも神崎さんもとても素晴らしい方達なんですが、コンクールでは中々評価されないみたいで・・・コンクールと言えば、ショッピングモールにあるクリスマスツリーは一度デザインコンクールで優勝しました」
目暮「ツリーですか・・・今回の事件には関係なさそうだな」
蘭「あ、お父さん!どうだった?」
小五郎「まだ犯人はわからんが、どいつもこいつも怪しく見えてくるぜ」
蘭「そっか・・・コナン君、パーティー中は私たちのそばにいるのよ?・・・ってあれ?コナン君?」
小五郎「ほっとけ!トイレにでも行ってんだろ」
蘭「もー」
コナン(おっちゃんに盗聴器付けといて良かったぜ・・・)ダッダッダ
コナン「あ、ねぇねぇお姉さん」
松崎「なーに?コナン君」
コナン「昨日パーティー会場で楓さんとどんな話してたの?」
松崎「あら、どこでそれを?」
コナン「あ、たまたま刑事さんたちがいた部屋の前を通ったら聞こえてきて・・・」
松崎「今日のパーティーの段取りよ。社長の挨拶の時間やイベントについて」
コナン「イベント?」
松崎「甘木リゾートからのプレゼントが当たるクリスマスイベントよ!簡単な抽選会だけどね」
コナン「へぇー(おっちゃん当たってやがるぜ)」
コナン「あ、それとクリスマスツリーがコンクールで優勝したって話なんだけど・・・今飾ってあるツリーが優勝したの?」
松崎「いいえ、去年まで飾ってあったツリーよ。会長と神崎さんが10周年だからって変えちゃったの・・・あの時の楓さん、とても目があてられなかったわ」
コナン「え、どうして?」
松崎「実は優勝したツリーは楓さんのお母さん、会長の奥さんがデザインしたツリーだったのよ」
コナン「奥さん、デザイナーだったの?」
松崎「ええ、リゾート内の内装やイルミネーションもね。奥さんが亡くなってからは奥さんのサポートをしていた神崎さんがデザインを引き継いだの。でもずっと変わらなかったツリーまで変えちゃうなんて」
コナン「奥さん事故で亡くなったって言ってたけど、どんな事故だったの?」
松崎「去年、奥さんがツリーの飾りつけをしていた時に誤ってはしごから落ちてしまったの。その衝撃でツリーが奥さんの上に倒れてきて駆けつけた人には奥さんが見えなくて・・・発見されたのはそれから1時間後。もっと早く病院に運ばれていたら助かっていたらしいわ・・・」
コナン「そうなんだ・・・奥さんがはしごから落ちた時、他に人はいなかったの?」
松崎「それがね・・・神崎さんも一緒にいたらしいの」
コナン「え、神崎さんが!?」
松崎「ええ・・・奥さんよりツリーを心配していたんじゃないかって噂されていたわ・・・会長はそんなことはないって言ってたんだけど」
松崎「奥さんが亡くなった時、楓さんもだけど沖田さんもとても悲しんでいたわ・・・沖田さん、若い頃から奥さんにお世話になっていたみたいで」
コナン「へぇー・・・ありがとう!お姉さん!」ダッダッダ
コナン(神崎さんは本当に奥さんがツリーの下敷きになっているのを知っていたんだろうか・・・もしそうなら会長も何か知っていそうだな・・・)
歩美「あ!コナンくーん!」
光彦「やっと見つけましたよ!」
元太「どこ行ってたんだよ!」
コナン「あ、ああちょっとな」
博士「犯人はわかったのか?」
コナン「いや、手掛かりはいくつか集まったんだけどな」
光彦「何ですか!?手掛かりって!」
元太「俺たちにも教えろよ!」
コナン「だめだ、犯人はまだ爆弾を持っているかもしれねぇしな」
歩美「でも、コナン君1人じゃもっと危ないでしょ?」
光彦「そうですよ!僕たちにも何か協力出来ることがありますよ!」
コナン「ったく、しょうがねぇなー」
灰原「そんなことより、そろそろパーティー始まるんじゃない?」
元太「あ!本当だ!もう俺腹ペコペコだぜ」
博士「話は会場についてからで良いじゃろう」
―パーティー会場―
蘭「コナン君!博士たちと一緒にいたの?」
コナン「あ、うん!トイレに行ってたらたまたま会って」
蘭「もう、すぐどっか行っちゃうんだから!」
コナン「ごめんなさーい・・・おじさんは?」
蘭「目暮警部たちと一緒よ」
園子「それより蘭、料理取りに行こう!」
蘭「うん!」
元太「うっひょー美味そうなもんがいっぱいだ!俺たちも行こうぜ!」
光彦「ええ!」
歩美「うん!」
博士「これこれ、走ると危ないじゃろ」
コナン「殺人事件が起きたっていうのにのんきな奴らだぜ」
灰原「一流ホテルのパーティーなんて滅多に来れないんだし、良いんじゃない?」
博士「さて、わしも料理を」
灰原「博士の分は私が取ってくるわ」スタスタ
博士「とほほ・・・」
警官「目暮警部!」
目暮「ん?どうした」
警官「神崎氏の部屋の前にこんなメモが・・・」
目暮「!!なんだと・・・」
高木「どうしました?警部」
目暮「このメモが神崎さんの部屋の前にあったそうだ」
小五郎・白鳥・佐藤・高木「!?」
小五郎「こ、これは・・・」
―――――――
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| あと2人 |
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―――――――
佐藤「今すぐパーティーを中止させましょう!」
目暮「そうだな」
会長「中止はせんと言っただろう!」
目暮「ですが、こんなメモまで見つかりましたし」
会長「ただのいたずらの可能性もあるだろう。ゲストの方々もパーティーを楽しんでおられる。今のうちにあなた方が犯人を捕まえれば良いだけの話だ!」
目暮「しかしですなぁ・・・」
小五郎「大丈夫ですよ警部!この名探偵毛利小五郎が事件を解いて見せます!」
佐藤「とにかく、あと2人の犠牲者になりうる人を考えないと」
高木「神崎さんと深い関わりのある甘木会長、社長の楓さん、沖田さん、松崎さんの誰かの可能性が高いですね」
白鳥「全員が集まるパーティー中に犯行を狙っているでしょうし」
目暮「ああ、その4人は今何を?」
高木「甘木会長は楓さんと一緒にゲストの方々に挨拶をして回っています。沖田さんは厨房で調理を。19時30分頃には挨拶のために会場に来るそうです。松崎さんはステージで司会をしています。」
小五郎「同時に2人・・・ということでしたら会長と楓さんが危ないですな」
目暮「ああ、松崎さんはステージから離れられないだろうし、沖田さんが会場に来てから2人を殺害する可能性もあるな」
佐藤「逆に会長と楓さんのどちらかが犯人で片方を殺害する可能性もありますね」
松崎「皆さんお待たせいたしました!只今よりクリスマスプレゼント抽選会を始めさせていただきます!」
目暮「抽選会だと!?」
高木「あ!会長と楓さんがステージの方に!」
松崎「抽選は3回行います。会長と社長に3つの数字を選んでいただき、今配っている抽選券の数字と一致しましたら・・・3等甘木リゾートショッピングモール商品券10,000円相当!2等甘木リゾートホテルスウィートルームペア宿泊券!1等豪華年越し温泉旅行ペア宿泊券2枚をプレゼント致します!」
元太「すっげー!」
歩美「商品券で可愛いお洋服いっぱい買いたーい!」
光彦「スウィートルームで休日を楽しみたいです!」
松崎「では、3等からまいります。番号は・・・486!486番です!」
歩美「あー外れちゃった」
元太「俺もだぜー」
光彦「僕もです」
松崎「続きまして2等は・・・141番!」
博士「なかなか当たらんのぉ」
コナン「500人以上いるんだ・・・そう簡単に当たるかよ」
松崎「そして!1等は・・・054番!054番です!」
蘭「・・・え?」
園子「ちょ、ちょっと蘭・・・!」
歩美「わー!蘭お姉さん当たってる!」
光彦「本当です!」
コナン「ま、まじ?」
松崎「おめでとうございます!3名はステージまでお越しください!」
小五郎「ら、蘭のやつ!当たってやがる!」
高木「へぇー!すごいですね!」
佐藤「あ!沖田さんが会場に入りました!」
目暮「4人から目を離すなよ」
白鳥「この後、4人がステージに上がるそうです」
目暮「我々もステージの前まで行くぞ」
小五郎・白鳥・佐藤・高木「は!」
松崎「続きまして、我が甘木リゾートの会長甘木総一郎、社長の甘木楓、シェフの沖田大和よりご挨拶をさせて頂きます。」
コナン(ん?おっちゃんたちがステージの方に・・・何かあったのか?)ダッダッダ
歩美「あ、コナン君!」
光彦「どうしたんでしょう」
元太「食いもん取りに行ったんじゃねーか?」
灰原(まだ何か起こるのかしら・・・)
コナン「おじさん!何かあったの?」
小五郎「あの4人のうちあと2人が殺されるかもしれねーんだ!ガキはすっこんでろ!」スタスタ
コナン「(何!?)高木刑事、何があったの?」
高木「神崎さんの部屋の前で“あと2人”って書かれたメモが見つかったんだよ」
コナン(なんだって!?)
松崎「それでは甘木会長、ご挨拶をお願いします」
会長「えー皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。我々甘木リゾートも今年で10周年を向かえ・・・
バアァン!ドカァン!!
コナン(爆発!!上の階か!?)
小五郎「な、なんだ!?」
白鳥「どこかで爆発が起きたようです!」
目暮「4人は無事か!?」
グラグラ・・・ガシャーン!!
コナン「な・・・!!」
松崎「き、きゃーーーー!!!」
佐藤「会長の上から照明機材が・・・!」
目暮「今の爆発で落ちたのか!」
コナン・小五郎「くそっ!!」ダッダッダ
小五郎「だめだ、もう息はねぇ・・・」
コナン(偶然なのか?・・・いや、直前の爆発を考えるとこれも仕組まれたもの)
目暮「佐藤、高木!爆発元を探せ!!」
佐藤・高木「は!」
コナン(は!この紙は・・・)
―――――――
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| あと1人 |
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―――――――
小五郎「こいつは・・・」
目暮「くそっ!防げなかったか・・・!」
コナン(床には3人分の立ち位置がバミってあるな・・・なんだ?あの汚れ・・・それにあの人なんで・・・)
コナン ピシュンッ(あ、あれは・・・!でもどうしてあの人あんな動きを・・・)
コナン「松崎さん!会長さんたちって昨日はここに泊まったの!?」
松崎「え、ええそうよ」
コナン「なら、靴とかも昨日のままだよね?」
松崎「そうだと思うわ」
コナン「ありがとう!」
コナン(頼む!まだ残っていてくれ!)ダッダッダ
光彦「あ!コナン君!」
歩美「どこに行くの?」
コナン「イルミネーションの広場だ!そこに証拠が残ってるかもしれねぇ!」ダッダッ
博士「なんじゃと!?」
元太「俺たちも行こうぜ!」
歩美・光彦「おー!」ダッダッダ
灰原「私たちも行ってみましょう」スタスタ
博士「あ、哀君まで」
園子「か、会長・・・死んじゃったの・・・?」
蘭「そうみたいね・・・どうしてこんなことに・・・あれ?コナン君たちがいない」
園子「外に行ったみたいよ。博士も一緒みたいだし、大丈夫じゃない?」
蘭「う、うん・・・」
―甘木リゾートショッピングモール イルミネーション広場―
博士「それじゃあ、昨日の20時から20時30分の間に誰かがここに爆弾を仕掛けに来たんじゃな?」
コナン「ああ、それが可能なのはアリバイのない甘木会長、楓さん、沖田さんの3人」
元太「おいコナン!証拠ってなんだよ!」
コナン「これだよ。そい、まだ湿っているな」
光彦「土・・・ですか?」
コナン「ああ、ステージの上にあったんだよ、犯人の靴の裏についていたぬかるんだこの土がな」
灰原「ぬかるんでいたって?」
コナン「昨日の19時30分ごろに通り雨が降ったんだ。水はけの悪い土だから今でも湿っているんだろう。そして、ステージにいた4人の中の誰かが雨上がりのぬかるんだ土を踏んでいたということは・・・」
灰原「爆弾を仕掛けにここへきた犯人・・・」
コナン「ああ、そうだ。しかもその靴跡、ステージ上でバミっている位置より少し後ろにあった。会長の上から機材が落ちてくるって知っていた証拠だよ」
博士「ということは犯人は・・・」
コナン「ああ、あの人で間違いねぇぜ!(・・・でも、“あと1人”っていったい誰なんだ?)」
―甘木リゾートホテル―
目暮「それではお3方、パーティーを中断して事情聴取をさせて頂きます」
松崎「わ、わかりました。すぐに手配をさせてきます」
楓「すみません、少しお手洗いよろしいでしょうか」
沖田「わ、私も厨房に指示を」
松崎「ゲストの皆さんにお知らせ致します。今回のパーティーは中止いたします。お近くのスタッフの指示に従ってご退場ください」
蘭「中止になっちゃったわね」
園子「とにかく、おじさんのところに行ってみようよ」
蘭「うん・・・あ、楓さん!」
楓「蘭さん・・・ごめんなさいね、こんなことになってしまって」
蘭「いえ、それより大丈夫ですか?お父さんまで・・・」
楓「ええ、大丈夫よ・・・背中を押されたから・・・」
蘭「え?」
園子「誰かに励まされたってこと?」
蘭(・・・バーーーローー)
―甘木リゾートショッピングモール―
プルルルプルルル
コナン「ん?(バーーーローーの携帯・・・蘭からだ!)」
コナン「俺ちょっとトイレ行ってくるから!お前らはそこにいろよ!」
※バーーーローーがバーーーローーになっちゃった
変声機バーーーローー(tel)「おお、蘭。どした?」
蘭(tel)「あ、バーーーローー?私今、甘木リゾートにいるの・・・実は殺人事件が起きて・・・」
バーーーローー(tel)「ああ、さっきニュースで見たよ。怪我はねぇか?」
蘭(tel)「うん、私は大丈夫・・・それで、なんだか胸騒ぎがするの・・・楓さんが言ってた言葉・・・」
バーーーローー(tel)「ん?楓さん?」
蘭(tel)「殺された甘木会長の娘さんなんだけど、お父さんを亡くされて、大丈夫ですか?って聞いたら“大丈夫、背中を押されたから”って・・・コナン君もホテルの外に行っちゃったし」
コナン ピシュンッ(そうか、わかったぞ!もしかしたら最後の1人って・・・)
バーーーローー(tel)「蘭!お前のおかげでわかったぜ!お前はそこでじっとしてろ!」ブツッ
蘭「あ!バーーーローー・・・わかったって?」
歩美「コナン君、このツリーに何かあるの?」
コナン(俺の感が正しければ・・・あった!爆弾だ!)
コナン「おい、お前ら!ホテルに戻れ!」
元太「おい、どうしてだよ!」
コナン「爆弾だ!おれは今から解体して爆発をとめるから、お前たちはホテルに戻って警部たちにこの事を知らせてくれ!」
元太「ば、爆弾!?」
光彦「わ、わかりました!行きましょう!」
灰原「気を付けるのよ」
コナン「ああ」
コナン「よし、博士にもらったハサミ付きメガネを使って・・・」
コナン「スイッチを押したら時限爆弾が作動する仕組みだな・・・時間は10分」
コナン「結構構造は簡単だな・・・これなら・・・」
―甘木リゾートショッピングモール ツリー前―
黒い人(ハァッハァッハァ・・・)ピッ
黒い人(あれ?爆弾が作動しない・・・?どうして!)
コナン「無駄だよ・・・さっき解体したから」
黒い人「!?」
楓「ええ、そうよ・・・ずっと憎んでいた父親にあんなことをされるなんて思ってもみなかったわ・・・」
コナン「きっと会長さん、自分が殺されるってわかっていたと思うよ・・・あなたにね。奥さんを見捨てたこと、あなたから母を奪ったことを後悔してたんだと思う。だからって、許されるわけじゃないけどね」
楓「ええ、私も・・・私もあの2人一緒。この手を血に染めちゃったわ・・・」
コナン「自主しなよ・・・お母さんとお父さんのためにも、自分のためにもね」
楓「・・・あなたのような広い心の探偵さんに出会えてよかったわ」スタスタ
>>59は見なかったことにして
コナン「昨日の夜爆弾を設置して今日神崎さんを殺害し、甘木会長の上に照明機材を落として殺害した・・・そして、最後にここで爆発に巻き込まれて死ぬ気だったんでしょ?・・・甘木楓さん」
楓「フフッ何を言っているの?コナン君・・・私はただツリーを見に来ただけよ」
コナン「証拠ならステージの楓さんの立ち位置に残ってたよ、靴の裏に残ったイルミネーション広場のぬかるんだ土が」
楓「!?」
コナン「しかも立ち位置の目印のテープより少し後ろの会長から離れた位置に立っていた・・・知ってたんでしょ?会長の上に機材が落ちてくるって」
楓「・・・」
コナン「あなたの動機は母親を見殺しにされ、母親のデザインを消し去った復讐・・・」
楓「ええ、母が死んだ日、神崎は・・・」
―楓 回想―
神崎「奥さん!ツリーの下にいるんですか!?・・・(も、もし奥さんがいることを誰にも教えず、もう仕事ができないような怪我を負えば・・・俺のデザインが使われる・・・!)」
楓「神崎をイルミネーションの広場へおびき出すときにあの噂に鎌を掛けたらたらあっさり吐いたわ・・・父の事もね」
―回想―
プルルルプルルル
神崎(tel)「はい、ああどーも・・・え?」
楓(tel)「私は母が死んだ日の真実を知っているわ」
神崎(tel)「ど、どうしてその事を!会長に聞いたのか!?」
楓(tel)「やはり父も知っていたのね・・・」
神崎(tel)「あ、ああ・・・会長も奥さんがいるのを知っていたんだ・・・でもその頃売り上げが下がっていたから、経営方針でぶつかっていた奥さんに嫌気がさしていたって後日言ってた・・・」
楓(tel)「そうだったのね・・・バラされたくなかったらイルミネーションの広場へ行きなさい」
神崎(tel)「こ、[ピーーー]つもりはなかったんだ!ちょっと怪我をさせてやろうと思って!」
楓「許せなかったのよ・・・そんなしょうもない理由で母を見捨てたあの2人が・・・!」
コナン「でも、自殺はやめたんでしょ?今はこの神崎さんがデザインした星を爆発しに来ただけ・・・」
楓「ど、どうしてわかったの?」
コナン「不思議だったんだ、まるで誰かに押されたような靴跡が残っていたから。押されたんでしょ?会長さんに背中を・・・蘭姉ちゃんから聞いたよ。背中を押されたって言ってたって。怪我させないために会長さんはあなたを押したんだ。機材からあなたを守るために」
楓「ええ、そうよ・・・ずっと憎んでいた父親にあんなことをされるなんて思ってもみなかったわ・・・」
コナン「きっと会長さん、自分が殺されるってわかっていたと思うよ・・・あなたにね。奥さんを見捨てたこと、あなたから母を奪ったことを後悔してたんだと思う。だからって、許されるわけじゃないけどね」
楓「ええ、私も・・・私もあの2人一緒。この手を血に染めちゃったわ・・・」
コナン「自主しなよ・・・お母さんとお父さんのためにも、自分のためにもね」
楓「・・・あなたのような広い心の探偵さんに出会えてよかったわ」スタスタ
蘭「コナンくーん!か、楓さん!?」
楓「ボウヤが心配で来てみたの・・・あとはよろしくね」スタスタ
蘭「は、はい・・・もうコナン君!博士たちから爆弾があるって聞いて、でもコナン君いなくて・・・すっごく心配してたんだからね!」
コナン「ご、ごめんなさい」
蘭「でも、壊されないでよかった・・・」
コナン(広くなんかねぇよ・・・俺はただ、守りたかっただけさ・・・このツリーを・・・あいつとの約束をな)
♪きっと忘れない/ZARD♪https://www.youtube.com/watch?v=DTxCEe55wco
蘭「お父さん!早く支度して!お母さん待ってるよ!」
小五郎「ったく・・・なんで大晦日に旅行なんか・・・しかも英理もかよ・・・」
蘭「だってーせっかく当たったんだもん!この前のクリスマスパーティーの温泉旅行券!」
コナン「ハハ・・・また何かありそうだぜ・・・」
劇場版名探偵コナン 聖夜の約束(スウェアー)
―完―
次回作お楽しみください!
なんで頑なにバーーーローー?
>>66
1です携帯から
しんいちって打ったらバーローになるみたい
>>66
しんいちって打ったらバーローになるみたい
メール欄にsagaを入れないからや工藤
>>69
初めてスレ立てたからわからなかった!ありがとう
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