村長「そうだよ。勇者様は知らなかったんか」
勇者「あ、ああ、初耳だよ。――で、今度は一体どんな魔王が現れたんだ?」
村長「魔王? 魔王は勇者様が倒してくれたろ」
勇者「ん? いや、戦争が続いてるってことは、また魔族と戦ってるんだろ? だったらそれを率いてる魔王がいるはずでしょ」
村長「あー、違うよ勇者様。魔族と戦ってるんじゃなくて、人間同士の戦争だよ」
勇者「人間同士?」
村長「そうだよ。北にある……なんて言ったかな、なんとか王国と――」
勇者「雪の王国」
村長「そうそう、そこと海辺連合とが戦争しているんだ」
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勇者「ど、どうして。あそこは仲よかったはずだぞ」
村長「そうかい? 二、三年前からよくない噂はあったけどなぁ~」
勇者「よくない噂って?」
村長「んー、まあ噂っちゃ噂だから本当かどうかは知らんが、なんか土地の利権を巡ってなんちゃらかんちゃら…‥」
勇者「……」
村長「あ、もうそろそろ行かなくちゃだ勇者様。はなれの婆様方が首長くしとる」
勇者「あ、そっか。わざわざありがとう。今日もこんなに頂いちゃって」
村長「いいんだよ~。勇者様のおかげでみんな楽しく過ごせてるんだ」
勇者「いやいや、こちらこそだよ」
村長「じゃ、行くね。女従者ちゃんにもよろしくね~」
勇者「うん、気をつけて」
バタンッ
勇者「……戦争、それも人間同士……」
女従者「ただいま戻りました、勇者様」バタンッ
勇者「あー、おかえり」
女従者「……どうかなさいましたか? そんな深刻な顔して」
勇者「いや……そういえばさ、女従者は北と海辺が戦争してるの知ってたか?」
女従者「ええ。つい最近のことですよね」
勇者「そうなのか? いつ頃からだ?」
女従者「ええっと、一ヶ月とちょっとぐらい前だと思いますが……」
勇者「そうか。じゃあもう一ヶ月は続いているんだな」
女従者「はい、そうなります。――あの、どうかなさちゃんですか?」
女従者「ただいま戻りました、勇者様」バタンッ
勇者「あー、おかえり」
女従者「……どうかなさいましたか? そんな深刻な顔して」
勇者「いや……そういえばさ、女従者は北と海辺が戦争してるの知ってたか?」
女従者「ええ。つい最近のことですよね」
勇者「そうなのか? いつ頃からだ?」
女従者「ええっと、一ヶ月とちょっとぐらい前だと思いますが……」
勇者「そうか。じゃあもう一ヶ月は続いているんだな」
女従者「はい、そうなります。――あの、どうかなさったんですか?」
勇者「いや、ちょっとな。女従者、突然で悪いが出掛けるぞ」
女従者「え……はい、わかりました。ただいま準備いたします」
今日はここまで
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