凛「卯月、未央、今日も1日よろしくね」 (20)

凛「2人ともおはよう」

卯月「はい、おはようございます」

未央「おっはよー! 今日は朝からスケジュールみっちりだから未央ちゃん気合入ってますぞー!」

卯月「午前はラジオの収録ですね」

凛「その後、午後から衣装合わせとレッスン。卯月、未央、今日も1日よろしくね」

未央「よーし、はりきっていこー!」

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………
……


未央「――そんなわけで、次のライブでは新しい私達をアピールするから、来てくれるリスナーの皆もそこんとこよろしく!」

卯月「ファンのみなさんと一緒に、笑顔になれるように頑張ります!」

凛「うん、いい感じ」

未央「じゃあ次は新コーナーいっちゃおう!」

卯月「未央ちゃん、新コーナーって?」

凛「私も知らないんだけど……」

未央「ほら、前回のフリートークで事務所にいたしぶりんの行動が可愛かったって話をしたじゃん? 反響が物凄くてさー」

凛「え!」

卯月「このメール全部? 凄い量ですねぇ」

未央「みんなも気になるだろうし、『今週のしぶりん』ってコーナー作ったらいいんじゃないかなってさ」

卯月「わぁ、良い考えですね!」

凛「卯月までなに言ってるの!?」

未央「でしょでしょー! じゃあ早速今週のしぶりんは……前にしぶりんと一緒の車で移動中に、カーラジオから自分の曲が流れてきて――」

凛「カット! このコーナー丸ごとカットでお願いします!」

………
……


未央「しぶりーん、機嫌なおしてってばー!」

凛「やだ」

卯月「結局、スタッフさんたちには大うけしてましたからね……」

未央「本人の希望だから勿体ないけど使わないとは言ってたからさ! ね、だから許してよー!」

凛「プリン」

未央「へ?」

凛「さっきコンビニで昼食買ったときに、デザートで買ってた新発売のプリン」


未央「う……わ、わかったよー! どうぞお受け取りくださいませ……」

卯月「未央ちゃんそんなの買ってたんですね」

未央「あはは、美味しそうだったからつい」

凛「これから衣装合わせなんだから、食べ過ぎはよくないよ。私が責任もって食べる……うん、美味し」

未央「むー! 終わったら絶対買って帰る!」

卯月「美味しそう……私もそうしようかな……」

………
……


凛「それが次のライブ衣装だけど、とりあえず着てみてどう?」

卯月「今回もとっても素敵です!」

未央「うんうん、良い感じだねー! サイズもバッチリ!」

凛「2人ともよく似合ってるよ」

卯月「えへへ、ありがとうございます♪」

未央「そう言うしぶりんこそ、その恰好よく似合ってるよねぇ」

卯月「わかります! 凛ちゃんのクールな感じが引き立ちますよね!」

凛「ちょっと待って、普通に恥ずかしいから……」

………
……


トレーナー「――よし、そこまで」

未央「はぁ、はぁ……今回の曲、ダンスきっついよぉ……」

卯月「いつもより、ステージを、広く、使いますからね……ふぅ」

凛「最後の振り、未央が少し早かったかな。卯月は歌に集中すると動きが小さくなってるよ」

トレーナー「ふむ、渋谷の言う通りだ。言われた箇所を意識して、もう一度通しでやるぞ」

未央「しぶりーん! 自分だけケロッとした顔してるからってそりゃないよー!」

卯月「また通しで……が、頑張ります!」

………
……


凛「ただいま戻りました」

未央「はぁー終わったー!」

モバP(以下、P)「おう、おつかれさん」

卯月「おつかれさまです、プロデューサーさん」

未央「なーんか久しぶりに見た気がするね」

凛「新しい担当の子はどう?」

P「頑張ってるよ。初々しくて最初の頃のお前たちを見ているようだ」

凛「ふふっ、それ何年前の話?」

未央「あーなんか懐かしいねぇ」

P「3人とも20歳超えたって、月日の流れは速いよなぁ」

卯月「こうしてプロデューサーさんの担当が変更になったり、そもそも事務所のアイドルも抜けたり新しく入ったりですね……」

P「そうだな……ま、アイドルは可能性のひとつだ。本人が進みたい道を見つけたなら、俺はそれを応援したいかな」

未央「いや~、プロデューサーは担当思いですなぁ」

凛「うん、ほんとに……」

P「よせよ、こんなおじさん褒めてもいいことないぞ」

卯月「おじさんなんて、そんなことないですよ」

P「いや、最近目が覚めると枕から親父の匂いがしてな……」

未央「おっと、意外と本気で気にしてらっしゃいますなぁ……」

P「それより、もう遅いから用がないなら帰っとけよ?」

卯月「あ、はい。凛ちゃん未央ちゃん、帰りましょうか」

凛「ごめん、私はやることあるからもう少し残るね」

未央「あ、そっか。じゃあしまむー、プリン買って帰ろっか!」

卯月「そういえばそんなこと言ってましたね。ふふ、じゃあ一緒に買っていきましょう」

凛「じゃあまた明日ね。おつかれさま」

卯月「はい、おつかれさまでした」

未央「プロデューサーもね! お先失礼しまーす!」

………
……


凛「はい、コーヒー飲むでしょ?」

P「俺の分まで悪いな、サンキュー」カタカタカタ

凛「ついでだからいいよ。さてと……」



凛「……」カタカタカタ

P「……」カタカタカタ

凛「あれ……?」カタ…カタ……

P「……」カタカタカタ

凛「あの、プロデューサー?」

P「んー? ヘルプが必要か?」カタカタカタ

凛「うん……ここなんだけど、どうしたら上手くまとまるかな? 」

P「どれどれ……あぁ、これはこっちのキーを押しながら選択してやれば、と」カチカチ

凛「あ、そうか……」

P「あとは、ここにこいつを入れてやれば、もっと見やすくなるかな」カチカチカチ

凛「なるほど……うん、ありがとう」


P「なに、いいってことよ、新米プロデューサーくん」

凛「もう、すぐにそうやって茶化すんだから」

P「それにしても、凛がプロデューサーに転向したいと言い出した時は驚いたよ」

凛「いろいろ迷惑かけたよね」

P「さっきも言ったが、本人が進みたい道を見つけたら応援するさ。アイドルからプロデューサー……業界でも前例はあるしな」

凛「うん。それでもありがとう」

P「それで、プロデュースする側になってみての感想は?」

凛「想像以上に大変だけどやりがいはあるよ。私も、自分で育てたアイドルという花を、ステージいっぱいに咲かせてみたい。それに……」

P「それに?」



凛「プロデューサーと同じ目線に立てたのが、ちょっと嬉しいかな。これからもよろしくね、先輩?」

りっちゃん以外にもプロデューサーを志そうとするアイドルがいてもいいじゃないか。
ここまで読んでくださった方に、名刺だけでも。

ラジオ出てたってことはニュージェネアイドル兼任Pみたいなやつだな
続きはよ

>>16
凛Pはブースには入らずガラスを隔てた調整室で見守りながら相槌をうってるイメージです。描写不足ですみません。

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