精霊「勇者よ……目覚めなさい」 (16)
少年「う、うう~ん?」
精霊「目覚めなさい。勇者よ」
少年「だ、誰?」
精霊「私はこの世界を作り、あなたたち人間を作り、そしてこの世界の行く末を見守りし精霊……」
少年「は、はぁ……?夢かなぁ……。その精霊様が僕に何のご用でしょうか」
精霊「夢ではありません。あなたにはこの世界を救うという天命が下ったのです」
少年「ええ!?僕にそ、そんな大変なことできませんよ!」
精霊「無理もありませんね。でもやるのです。あなたが立ち上がらなければ、この世界は荒廃し、やがて死に至ることになりましょう。あなたの愛する人も」
少年「そんな、ひどいことが……お父さん……お母さん……お姉ちゃん……」
少年「……わかりました!できるかわかりませんが、僕やります!!」
精霊「その言葉を待っていましたよ」
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精霊「では、まず町の酒場へ向かいなさい。そこで、仲間を集めるのです」
少年「はい」
精霊「次に、幼馴染の家に向かいなさい。きっと貴方の力となってくれることでしょう」
少年「わかりました!早速行ってき」
精霊「そして、町の『へんくつじいさん』に話しかけなさい。旅に必要なものを授けてくれることでしょう」
少年「あ、はい……」
精霊「あと、町の外には魔物が満ち満ちています。草むらを進むときは十分に注意してください。特に!赤いビックリマークが出たときは強敵が出たサインです。時には逃げるのも勇気です。打倒には町の東の武器と防具の店を利用すると良いでしょうね」
精霊「そして、町の南の壊れかけた吊橋を慎重に渡って隣町へ向かうのです」
少年「わかりま」
精霊「隣町には、占い師『カズコ』がいます。彼女は占いに使う特別な宝珠があしらわれたタロットカードを盗賊団に奪われています。隣町の東にある山間の盗賊団のアジトに向かい奪還してください。旅の助けになる占いをしてくれることでしょう」
少年「」
精霊「占いによれば、世界を支配する力を持つという9つの秘宝が魔王の手によって奪われていることが判明します。世界を支配する儀式の前に、世界中に散らばった9つの秘宝を奪取するのです」
精霊「1つ目の秘宝は『威厳のルビー』。火炎スキルが強化される他、仲間たちの信頼度が向上します。隣町から出てすぐの大砂漠の最奥部に潜む怪物……あ、氷属性が弱点です。が隠し持っています」
精霊「2つ目は『知能のエメラルド』。知識が上がりやすくなり、魔術のコストが1/4減ります。これは西の大都市にいる大金持ちに扮した物真似妖怪が守っています。『誠実の盃』をかざして正体を暴いてください。誠実の盃は町の井戸の底のダンジョン最奥にあります。道中では危険な『井戸の守』がいるので気をつけてください。火属性がよく効きます」
少年「ちょ」
精霊「あと大都市では移動用の魔法生物が入手できます。でも、その時点では仕様上貯められないような金額なので、お金の上限が開放される後半までもう少し待ってくださいね」
少年「仕様上」
精霊「さて、3つ目の秘宝は『』」
精霊「あと大都市では移動用の魔法生物が入手できます。でも、その時点では仕様上貯められないような金額なので、お金の上限が開放される後半までもう少し待ってくださいね」
少年「仕様上」
精霊「さて、3つ目の秘宝は『希望のトパーズ』。装備者は戦闘中に命が失われても、一度だけ復活できます。これは奇跡的に魔王の手先から、東の泉近くに住むエルフの一族が奪還してくれています。彼らの出す課題……死の森の亡霊討伐をクリアしたら入手できます。あ、物理攻撃は無効なのでご注意を」
少年「物理無効」
精霊「ええ、それで5つ目なのですが、エルフの一族の里のさらに東の『火山』に隠してある『誓いのラピスラズリ』です。これは戦闘中に『宣誓』コマンドを使うと全バラメータが一定時間上昇する代わりに、戦闘後にHPが1になってしまいます。溶岩龍『ボルケーノドラゴン』の額に埋め込まれています。氷結が効きそうですが、騙されてはいけません。龍属性が最も効きます」
少年「龍属性」
精霊「4つ目が飛んだのに気付きました?実は4つ目の『強運のターコイズ』は大都市で仲間になったはずの『魔法使い』の胸飾りだったのです。通りで道中の魔法使いは運がいいことが多かったのです。それを指摘すると、正体を表して『誠実の盃』の効かない上位物真似妖怪と戦闘になります。戦闘後、魔法使いは帰ってこないので、下手にバラメータ上昇の宝珠は使わないようにしてくださいね」
少年「裏切り」
精霊「ひどい話ですよねまったく。6つ目は『創造のオパール』。錬金レシピが大幅に増加する他、消耗品の錬金が完成したときに出来あがる品の数が増えます。港町を覆う霧魔法を操る黒魔法使いを撃退するのです。また、財布の上限開放されるのもこの町の銀行です。一度大都市に戻ってもいいかもしれませんね」
少年「錬金」
精霊「7つ目、8つ目は港町から北へ北へ向かった『凍てつきの洞穴』に住む双頭龍がひとつずつ守っています。あ、名前は『高潔のサファイア』と『完璧のクリスタル』。前者は装備すればレベルの低い魔物を一切引き寄せません。後者は死を除いたすべての状態異常を打破してくれます。双頭龍を中央の柱を使ってうまいこと仲間割れを誘ってください。スキが生まれたらすかさず頭部を疾風属性で攻撃してください」
少年「な、仲間割れ」
精霊「はい。いよいよ危機を感じた魔王は手先の暗黒司祭を差し向けてきますが、これはかなり強敵です。『凍てつきの洞穴』近くの『鋼鉄の塔』のみで出てくる『メタル』属性の敵を倒して十分なレベル上げを図ってから挑んでくださいね」
精霊「いよいよ9つ目は暗黒司祭の口から魔王城にあると判明します。魔王城へは、『地獄の階段』を探さねば行けません。これは、意外にもエルフの里近くにあり、門番との戦闘に勝たなくてはなりません。最後の秘宝である『永遠のダイヤモンド』は装備すれば全バラメータの大上昇、戦闘中に使用で時間を停止させることが出来ます(停止時間はHPとMPの残高に依存。概ね最大12秒)。魔王は全属性に対して耐性があるので攻撃力の高い武器を装備していくと吉、です」
少年「時間停止」
精霊「はい。進退窮まった魔王は、宇宙へと逃走します。この時、泥棒鼠型モンスターに秘宝が奪われ、魔王が邪神へと姿を変えます。宇宙へは『満月の谷』へと赴いて『スペシュームエネルギー』を練られるよう修行を重ねる必要があります。大体下下上上○△□○△□のコマンドをしてれば練られます」
少年「スペシュームエネルギー」
精霊「いよいよ邪神戦です。これまでの総力をぶつけてください。エルフの里でもらった『祈りの冠』を使用すれば邪神の『流星群』を回避できます」
精霊「それを倒すとあなた方の手に戻ると思われた秘宝は飛び去ります。そして私の手にやってきます。そして、この汚れにまみれた世界は再び私の手によって作り変えられるのです、ぐへへへへ」
精霊「あっ」
少年「ん?」
精霊「というわけで、出かけるのです!勇者よ!」
少年「……なんかもう、いいです。お腹いっぱい」
精霊「な、なぜ!?わかりやすく、ナビゲートするのが近頃の流行りでしょうが!」
少年「やりすぎは違うと思うんですよ」
精霊「そ、そうてすか?ではこういうのはどうでしょう」
精霊「行くのです!勇者よ!そして、魔王を倒すのです!例え、最愛の人が死に、邪神とともに1000年ものの間封印されることになろうとも!」
少年「わざとですか」
精霊「え?」
少年「ネタバレやめてくださいよ」
精霊「でも、ボカしたらなんか言われちゃうでしょう」
少年「ボカしてくれた方がマシです」
精霊「ですが」
精霊「ピーのです!ピーよ!ピーを倒し、ピーを救うのです!」
精霊「と、放送禁止用語を話している人みたいになってしまいます」
少年「ピーで隠さなくていいんですよ!もっと、こう普通にお願いします!」
精霊「行くのです!勇者よ!その身に勇気の力が宿らんことを!!」
少年「それそれぇ!その感じぃ!やればできるじゃないですか!」
精霊「プークスクス」
少年「なんでだ!」
精霊「フワッとし過ぎでしょなんすかこれ」
少年「えぇ~」
精霊「勇者は魔物に勝つ。だがそれはすべての始まりにすぎなかった。
父親から逃げる勇者。精霊の傲慢は、自分が彼を救おうと決心させる。
次回、「見知らぬ、天井」。この次も、サービス、サービスゥ!」
少年「やめてください。丸パクリの上に内容全然違います……もう帰ってください」
精霊「オッス!オラ精霊!ひゃあ~!とんでもねぇやつらが攻めて来やがったぞ!……特にあの真ん中のヤツ!へへっ!オラワクワクしてきたぞ!次回!ドラゴぐふぅ」
少年「やめなさいって言ってるでしょ!いい加減に真面目に話してくださいよ!魔王とか!」
精霊「はーい」
少年「全く……」
精霊「あ、魔王とか勇者とか全部嘘ね」
少年「帰れー!!」
おわり
依頼出してきます。
過去のやつです
榛名「鼻毛提督」
榛名「鼻毛提督改」
初霜「提督が基地航空隊につきっきりです」
男「異世界来た」
男「ツイてない」
異星人「今からあの惑星『地球』を破壊します」
男「カゲロウ」
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