魔王「よぅし、安価で最高の魔界を創るぞぉ私は」 (25)

魔王「ふっふっふ、遂に私はやったぞ……」

魔王「邪神に魂を売り力を得るという、禁忌を犯した……!」

魔王「おかげで後五年くらいしか生きられぬ身になってしまったが、そんなものはこの強大な力の前では些末な代償よ」

魔王「この『望めば邪神が出来る限りであれば何でもやってくれる力』の前ではな……!」

魔王「どれ、手始めに >>2 をしてもらおう」

魔王「ちなみにこの力は万能ではない」

魔王「例えばそうだな、邪神は魔界の神だからなぁ、人間界には一切干渉できない……誠に残念ながらな」

魔王「ま、人間界をどうしようという気は一切ないが」


現在の状態
住所 【ボロ小屋】
魔王軍 【一人】
魔王 【すごい元気】


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側近雇う

魔王「やはり魔王と側近はカレーと福神漬けのように絶対的なセット……」

魔王「側近が居なければ何もかも始まらないだろう!」

魔王「と、いうことで」

魔王「天にまします我らの父よ、今ここに理想の側近を召喚したまえぇ!!」

ボフンッ

魔王「おお、さすがは邪神だ! 願って四秒で出てきおった!」


どんな側近が出てきた? ↓直下

魔王「……こほんっ」

魔王「我こそはいずれこの魔界に大変革をもたらし、魔族の発展に多大な影響を与える存在となる魔王であるッ!」

魔王「そしてお前はこれより私の側近として働いてもらうッ!」

魔王「ほれ、黙ってないで返事せぇ」

側近「……」ムスッ

魔王(何だこの側近は……本当に私の部下か?)

魔王「感心しないな、私に対してその態度は」

魔王「小綺麗な格好をしているところから、どこか高貴の家の者とお見受けするが……」

魔王「私によって召喚された瞬間からそんな身分など剥奪された! さあ、現実を受け入れて私に忠誠を誓え!」

側近「……なに? さっきからうるさいよ、おじさん」

魔王「おじっ……!?」

側近「はあ、何このボロ小屋は。いつの間にこんな所に連れ去られたんだろ」

魔王「なっ! ここは魔王城であるぞッ!」

側近「あの、さっきからその魔王って何? 『王』の名を冠してる者が住むにはこの家ってちょっとアレじゃないかな?」

魔王「む、むぅ……!」

側近「ま、どうでもいいけど。早く帰してよ」

側近「僕が居ないと知ったら、お屋敷の者が心配しちゃう」

魔王(何じゃあこのガキィ!! 腹立つのう!!)

魔王(こうなったら私の力を見せつけてビビらせてやらにゃ、魔王の尊厳が失われてしまう……!)

魔王(よし、↓ をして驚かせてやろう!)

魔王「さあ、悔い改めろ小童ッ!!」

側近「はぁ?」

魔王「……天にまします我らの父よ、この者に死よりも恐ろしい苦痛を与えたまえぇ!!」

側近「急に何を言って……あぐうぅ!?」

ギチギチギチ…

側近「頭が締め付けられてるように痛い! 痛いよぉ!!」

側近「あ、えっ……? その手に持ってるノコギリを、ど、どうするつもり……?」

側近「い、いやだっ! 来ないで! パパーッ! ママーッ!」

側近「いやあああああああ!!」

魔王「……馬鹿め、それは幻覚だ」

魔王「なーんて、今のこやつには届かぬだろうな」

魔王「しばらく放置しておこうかのぅ」

側近「うわああああああああ!! 腕ぇ!! 僕の腕ぇ!!」ショワアァ…


数時間後


魔王「そろそろいいだろう」

魔王「やあ、起きてるか側近よ。返事をせえ」

側近「ッ!」ビクッ

側近「は、はいぃ……!」ビクビク

魔王(おっ効いとる効いとる! 抜群だな)

魔王「今のお前の立場、しかと理解したか?」

側近「!」コクコク

魔王「ならよい。改めて、これから宜しく頼むぞ」

魔王「……さて、側近の次は何を整えようか」

魔王「お前は何か意見はあるか?」

側近「あ、あの、↓とか……」

魔王「墾田かぁ!」

側近「!」ビクッ

魔王「確かに魔界は餓死する者が毎年多く出ているからな」

魔王「軍だの城だの言う前に、食糧事情を何とかせにゃいかん」

魔王「ここは側近の意見を採用としよう」

側近「あ、ありがとうごさいます……」

魔王「では、天にまします我らの(以下略)」

側近「……? 今ので何か変化が起こったのですか?」

魔王「ふふ、表に出て見てみるがええ」

側近「ッ!?」

側近「あんなに黒一色だった魔界の土地に、緑が……!?」

側近「それにあれは、本で見たことがある……」

側近「確か、田んぼ。まさかあれが……!」

魔王「ふっふっふっ、しかもこの魔界の田は変わっていてなぁ」

魔王「水、光が無くとも勝手に作物が育っていく吃驚仰天の代物よ!」

側近「それはどういう……」

魔王「ま、まあ、なんかこう、魔力的な何かが有機的に絡み合って作物が育っていくんだな」

側近「な、なるほど! これで餓死者も減ることでしょうね! さすが魔王様です!」

魔王(ま、全て邪神の力だがなぁ……)

魔王「もっと褒めよ、崇め奉れぃ!!」

側近「ははーっ!!」ドゲザー

魔王「さてさて、まだ変えるぞ! この魔界を!」

魔王「次は↓だ」

そう言えば人間界に干渉できなくて
魔王様は魔界の王様だから
側近ってどこの王族だ……?

魔王「(詠唱略)」

ボフンッ

スライム(クトゥルフのショゴス的な)「……」

側近「な、何か出たぁ……!?」ビクッ

魔王「うぉっほん! 我こそはお前の主である魔王」

魔王「これよりお前は私の手となり足となり……」

側近「手……!? 足……!? ひぃっ!?」ガクガク

魔王「……私に永遠に仕えることを誓ってもらう」

スライム「構いません」

スライム「俺のこの大きすぎる力は、誰かのために使われるべきだ」

スライム「貴方のような…大志を抱く者に……!」

魔王「お、おう」

魔王(邪神め、なんか変な奴を喚びおったな!)

魔王「……まあ良い。強い魔力を感じるし、実力は確かだろう」

魔王「これで武力は確保した」

魔王「だがまだ足りぬ。次は ↓ だ!」

側近「手……足……」ガクガク… ショワアァァァァァ…

スライム「この者はなぜ失禁しているのか……」

>>14 この魔王には(自称)がつきます。



魔王「次は工場でも建てようか。発展してる国にはこれがつきものだからな」

スライム「何を製造する工場を創るのですか?」

魔王「うむ、↓ とか ↓2 だ」

側近「なるほど、さすがは魔王様ですねっ!」ケロッ

スライム(あっ立ち直った)

側近「きらーまじんが? とは……」

魔王「キラーマジンガは機械の兵士だ。機械だからいくらでも替えがきく」

魔王「そして強い、飛べる、かっこいい(小並感)」

側近「わぁ、まるで特撮ロボですね……」

スライム「次に建築等に使用する石材ですか」

スライム「しかしこれは、魔王様のお力があれば必要ないのでは……?」

魔王「いや、そういうわけにもいかないのだよ」

魔王「邪神からLINEがきてな、短時間で酷使し杉と怒られてしまったんだ……」

魔王「さすがに全部邪神一人に任せるのはちょっとあれだろう?」

魔王「だから、な……?」

スライム「なるほど」

側近「たまーに建築は下っ端(キラーマジンガ)に任せるってことですね!」

魔王「そういうことだ」

魔王「では天にまします我らの父よ、キラーマジンガの工場と石材の工場を創造したまえぇ!!」


ボフンッ ボフンッ


魔王「これで、一日中動き続ける全自動キラーマジンガと石材製造工場ができたな」

魔王「さてさて次は……何かないか、スライムよ」

スライム「↓ とかいかがでしょう」

魔王「ほう、漁業か。お前は魚が好物なのか?」

スライム「は、はい」

魔王「よいよい。さくっと邪神に作って貰おうか」

魔王「あ、それ」

側近(ついに詠唱が消えた……)

ボフンッ

魔王「来たれいッ! 傀儡共よぉ!!」

キラーマジンガA「ここに」

魔王「石材で船を拵え、海に出て漁をやってこい!」

魔王「もちろん不眠不休でありとあらゆる魚を取りつくせ!」

キラーマジンガB「わかりました」

側近「はぇー……すっごい便利」

スライム「機械というのはかくも万能か」

魔王「まだまだ魔界の革命は終わらぬぅ! 日が暮れるまで発展させるぞぉ!!」

魔王「次は―――」


それからしばらく経って……。


a.側近の大規模な搜索が始まっていた。

b.人間側が魔界の異変に気付き始めた。

↓どっち?

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