【ガルパン】みほ「シンデレラです!」 (38)
昔々あるところに、ミホデレラと言うそれはそれは可愛らしい女の子がおりました。
可愛らしいミホデレラは、その可愛らしさから......
沙織「みぽりーん、おやつ食べる?」
麻子「家庭教師は任せろ」
華「うふふ、お掃除手伝いますね」
三人の姉にとても大切にされておりました。
みほ「みんなが優しくて幸せだなぁ」
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しかし、優しい姉とは違い、母親はとても厳しい人でした。
しほ「ミホデレラ、お掃除はもっとテキパキと、お勉強もしっかりもっと成績をあげなさい。おやつは三百円までバナナは含みません」
とても厳しい人でした。
みほ「え?でも、戦車道の家元の方はもっと......」
厳しい人でした!
しほ「お風呂では肩まで浸かって100数えるのですよ」
ある時、近くのお城からぶとう会が行われると言うお手紙が届きました。
『近くお城のお妃様を決めるためのぶとう会が開かれます。ダンスパーティーです。我こそはという方はこぞって参加してください。おやつは三百円まで』
しかし、厳しい母親のしほはミホデレラの参加を許しません。
しほ「私の可愛いミホデレラをどこの馬の骨ともしれない王子に渡せるものですか!」
なので、ミホデレラはお留守番となり、母親のしほと三人の姉だけがぶとう会へ行くことになりました。
沙織「怪しい人が来てもドアを開けちゃダメだよ」
麻子「手や口や鼻が似ていても開けてはダメだ」
華「危なくなったら大時計の中に隠れるんですよ」
みほ「それじゃあ別の話になっちゃうよ」
ミホデレラは健気に笑顔で送り出します。
みほ「はぁ、でもわたしもぶとう会へ行ってみたかったなぁ」
一人になったミホデレラはそっとため息をついて呟きました。
優花里「可哀想なミホデレラ。わたしがぶとう会へ連れて行ってあげましょう」
そんなミホデレラの前に一人の魔女が現れました。
みほ「あ、魔女役は優花里さんなんだ」
優花里「えぇ、本当は王子役で出たかったんですが、なにぶん激戦区でして」
優花里「こほん、それでは、まずお召し物を......」
みほ「待って、一応聞いておくけど、迷彩柄だったり、タンクジャケットだったり、軍服だったり優花里さんの趣味を反映させたものじゃないよね?」
優花里「......」
優花里「そんなはずないじゃないですか。武部殿プロデュースです」
みほ「それはそれで不安な気もするけどよかったぁ」
優花里「それでは、パンツァーフォー」
魔女が呪文を唱えるとミホデレラの服はみるみるモテカワなドレスに変わっていきます
みほ「わぁ、すっごく可愛い!」
優花里「次は移動手段ですね。このカボチャを......パンツァーフォー」
魔女が再び呪文を唱えるとカボチャはみるみる素敵な馬車に......
みほ「馬車?」
優花里「カボパンツァーIV号です」
あんこうの描かれた魔砲の戦車に姿を変えました。
みほ「すごい、履帯が透明で綺麗......」
優花里「ガラスの履帯です。アメリカ軍でも使用される特殊な防弾ガラスでできています」
素敵な戦車とドレスに身を包み、ミホデレラはお城へ向かいます。
ミホデレラがお城へ着くとぶとう会はすでに始まっていました。
みほ「警備の人の取り調べすごかったね」
優花里「乗っているのが戦車というだけで完全に不審者扱いでしたからね。これにはこちらもパンツァーフォーですよ」
危ないところを魔法で乗り切りミホデレラは会場へ向かいます。
優花里「それでは西ず.....ミホデレラ殿、頑張ってください」
その頃お城の中の会場では王子様が退屈そうに舞踏会の様子を眺めていました。
カエサル「何故わたしが......」
沙織「あれ?すっごく意外かも」
華「王子様はカエサルさんなんですね」
カエサル「王子役の立候補者が誰も譲らなくて、折衷案でわたしに」
麻子「だろうな」
エルヴィン「似合ってるぞカエサル」
おりょう「さながら沖田総司ぜよ」
左衛門左「いや、森蘭丸だな」
華「そのままカエサルでよいのでは?」
一同「「「それだ!!!」」」
皆、わいわいと盛り上がっていましたが、ミホデレラが会場に入ると同時にしんと静まってしまいました。
みほ「え?あれ?」
急に静かになった会場にミホデレラは戸惑います。
「おぉ」
「美しい....」
「いや、なんて愛くるしい」
「誰だあの娘は」
「ご存じ、ないのですか?!」
一人、また一人とその姿を褒め始め、会場がざわめきます。
カエサル「なんて可愛いらしい方はなんだ!」
王子様がミホデレラに近づき手を取ります。
カエサル「わたしと踊っていただけませんか?」
ミホデレラは照れながらも肯定の返事を
???「まっ↓たー↑」
カエサル「誰だ!」
まほ「隣国、クロモリミネ帝国から来たまほ王子だ!ミホデレラはわたしと踊ってもらう」
カエサル「え?そんなの台本には.....」
ありません。
まほ「人生に台本などないんだ。自分の人生は人生で演出する!」
エルヴィン「それわたしのセリフ!!」
まほ「さぁ、みほ。わたしと共に来なさい!」
???「まっ↓たー↑」
まほ「誰だ!?」
カチューシャ「隣の国のプラウダ連邦の王子、カチューシャ様よ!ミホーシャは渡さないわ!」
まほ「プ連だと!」
カチューシャ「その略し方やめて!」
カエサル「なんだまた増えたぞ」
カチューシャ「まぁいいわ、ミホーシャ、わたしとプラウダ連邦に来なさい!」
???「まったー
カエサル「今度は誰だ?!」
カチューシャ「この声は!?」
愛里寿「みほさんは島田流キングダムの王子であるわたしと結婚するのよ!」
みほ「あ、愛里寿ちゃん」
まほ「島田流が何の用だ!大学はどうした!」
愛里寿「自主休講よ!」
まほ「島田愛里寿!君は大学を自主休講してみほ争奪戦に参加している場合ではない!」
愛里寿「ふん、外野はほっといて、みほさん一緒にボコランドに行きましょう?」
みほ「え?」キラキラ
カチューシャ「しまった!ミホーシャがボコにつられてしまう!」
まほ「ええい、こうなったらみほに決めて貰おう!」
みほ「あの、わたし今ミホデレラで......」
カチューシャ「ミホーシャ!誰を選ぶの?」
愛里寿「さぁ!みほさん!」
三人「「「ずっと好きでした!わたしときてください」」」手を伸ばしてお辞儀
???「こんな言葉を知っているかしら?『恋ほど素晴らしいものはないわ。』」
まほ「ダージリン!!?」
ダージリン「聖グロリアーナ及び西呉王子グローナ連合の王子、ダージリンです。お見知りおきを。そしてさようなら」
みほ「きゃあ!」
カチューシャ「ミホーシャが攫われたわ!」
愛里寿「みほさぁん!」
ダージリン「生憎、恋と戦争には手段を選びませんの。このままみほさんと添い遂げさせていただきますわ。聖グロリアーナで!」
みほ「あの、このお話でという事ですよね?」
ダージリン「あら?お姫様は唇を塞がれるのがお望みかしら?」
みほ「ひぃ、これガチのやつだよぉ」
まほ「みほ(の貞操)が危ない!」
カチューシャ「ミホーシャのファーストキスは渡さないわ!」
愛里寿「それはわたしのものよ!」
ダージリン「長居は無用ですわね。続きは帰ってからゆっくりと」
みほ「た、たすけてー!!」
優花里「パンツァーフォー!」
ダージリン「なんですのこの光は....あれ?みほさん??」
優花里「ミホデレラ殿!早く戦車に!」
みほ「う、うん」
四人「「「「しまった!待ちなさーい!!!」」」」
カエサル「え?これどうなるんだ?」
カルパッチョ「たかちゃん」
カエサル「ひ、ひなちゃん!」
カエサル「あ、なんて美しい方なんだ。わたしと踊っていただけませんか?」
カルパッチョ「はい、喜んで」
たかひな「「Yes,Folling Love!!」」
みほ「助かったよ優花里さん」
優花里「いえ、ご無事で何よりです」
優花里「と、言いますか、王子役の立候補者を見たときからこうなる事は薄々分かってましたし、それなら魔女役の方が上手く立ち回れるのではと」
みほ「優花里さん?」
優花里「そう!実は不肖秋山優花里!魔法の国の王女だったのです」
みほ「え、えぇ!!」
優花里「さぁ、西住殿!わたしと魔法の国で結婚しましょう!大丈夫、性別云々は魔法でどうにかなります」
まほ「待てー!」
カチューシャ「ミホーシャを返しなさい!」
愛里寿「みほさんは渡さないわ!」
ダージリン「止まりなさい!」
優花里「くっ、もう追っ手が」
みほ「あのね優花里さん」
優花里「なんですか、西住殿?」
みほ「わたしはみんなと結婚できないの」
優花里「ど、どうしてですか?」
みほ「わたしは実は月の国のお姫様だったの!」
優花里「え、えぇ!!」
みほ「わたしはもう帰らなくてはいけません」
優花里「そ、そんなぁ」
沙織「みぽりーん、迎えに来たよ」
麻子「早くこの羽衣に着替えるんだ」
華「お母様も心配していますよ」
みほ「あ、みんな」
優花里「って、これかぐや姫じゃないですか!タイトル詐欺だ!」
しほ「いつものことです。さぁみほ、どこの馬の骨とも知らない王子は放っておいて月に帰りますよ」
こうしてミホデレラは月の国へと帰って行きました。各国の王子も異変に気付きましたが、不思議な光と赤い宇宙生命体の前には歯が立たず見送ることしかできませんでした。
優花里「西住殿ぉ!」
優花里「うぅ、西住殿、西住殿ぉ......」
まほ「実はわたしも月のお姫様でミホデレラの姉だったんだ」
カチューシャ「何を今更」
ダージリン「許しませんわよ」
愛里寿「こ、これを見て!」
しかし、ミホデレラが去った後王子たちの前にはあるものが残されていました。
優花里「これは、ガラスの履帯です!」
そう、ミホデレラが乗っていたカボチャの戦車のガラスの履帯です。
まほ「しかし、履帯が残っているからなんだというんだ」
ダージリン「みほさんを思い出して辛いだけですわ」
カチューシャ「こんなものは燃やしてしまいましょう」
愛里寿「それならあの山がいいわ」
こうして王子たちはガラスの履帯を火山の火口へと運び燃やしてしまいました。今でもその山からは煙が立ち上り続けています。
この山は後にこの話を聞いた人たちが「あ、そ」としか返せないくらいオチがないため「阿蘇山」と名付けられ、今でも王子たちがミホデレラを求めて訪れているということです。
あと、たかちゃんとひなちゃんは結婚して幸せに暮らし強いローマ帝国を築き上げました。
FIN
終わりです。投げっぱなしジャーマンが決まりました。ごめんなさい
後半になって「あれ?タイトルパンツァー昔話にすればよくね?」と気付きました。時間を巻き戻せないことが恨めしいです。
赤い宇宙生命体......一体何ジュラなんだ......?
おまけ
アリサ「わたしも舞踏会に行きたい!」
ケイ「OK、アブラカタブラ!」
アリサ「ディ??ニーっぽい!素敵な衣装に!」
タカシ「なんて素敵な女性なんだ!」
アリサ「タカシ王子......//////」
タカシ「一緒に踊っていただけませんか?」
あの娘「はい、喜んで!」
アリサ「どうしてタカシはあの娘のことが好きなのよぉ!!」
終わり
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