李衣菜「北条加蓮」泰葉「南国の姿」 (18)
―――夕暮れの浜辺
ざざーん
ざざーん……
加蓮「……はぁ。綺麗……」
加蓮(燃えるような夕焼け……。打ち寄せる波も、砂浜も、目に映る全部が夕陽に染まってる)
加蓮「2人にも見せたかったなー……」
加蓮(こんな素敵な景色、都会じゃ見られないよね……。まるで夢の中みたい)
加蓮「……夢」
加蓮「…………」ツネッ
加蓮「……痛い。ふふ、夢じゃない……♪」
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P「――加蓮。ここにいたのか」ザッ…
加蓮「あ……Pさん。もしかして探してた?」
P「ホテルの部屋にいなかったからな。もうすぐ日も落ちるし、迎えに来たんだよ」
加蓮「ふふ、ありがとね。帰る前にこの風景を目に焼き付けようかな、って思って」
P「そっか。たしかに綺麗な――」
P「いや、水着に着替える必要あったか?」
加蓮「え、……あ、あはは。ほんとはちょっとでも泳げるようにって……えへ」
P「まったく、こんな時間に1人で……。潮風も強いんだから、波に揉まれて溺れるぞ?」
加蓮「う、うん……さすがにヤバいと思ったからやめたよ。だからこうして夕陽眺めてるの」
P「賢明だな。良かった、見つけたのが海面にぷかぷか浮いてる加蓮じゃなくて」
加蓮「もーやめてよ~、シャレになってないからそれー。ふふふ♪」
P「今度2人と一緒にプールに行くんだろ? 焦ることないって」
加蓮「うん、浮き方からなにから全部教えてくれるって。楽しみー」
P「泰葉には気をつけろ……あの子はきっと指導に熱が入るタイプだ」
加蓮「あー、ぽい……」
P「いきなり『目標は50m』とか」
加蓮「そしたら李衣菜を盾にして逃げるから大丈夫!」
P「逃げ回ってるうちに泳げるようになったりしてな?」
加蓮「ふふっ、それはそれで理想的かも♪」
P「まぁ遊びなんだし、堅苦しく考えないで楽しめばいいさ。泳げる泳げない関係なくな」
加蓮「うん。今まで水着着る機会なかった分、これからたくさん思い出作るよ」
P「ん……そうか」
加蓮「……えへへ。この水着だって一緒に選んだんだよ。ショッピングも楽しかった」
P「うん」
加蓮「今回の撮影もね。まさか南の島だなんて……ほんとにありがと、Pさん」
P「……うん」ポフ ナデ…
加蓮「んっ……幸せだなぁ、私……♪」
P「まだまだ。ずっと続くよ、加蓮の幸せは」
加蓮「もちろん。せっかく手に入れたんだから、簡単には手放さないよ。……一生の宝物にするんだ」
加蓮「李衣菜に、泰葉に……Pさん、ちひろさん。みんなと出会ってから、今までのこと……全部。ぜーんぶね」
P「欲張りだな」
加蓮「欲張り上等。このサンセットビーチだって私のものっ♪」
P「ふふ……今度は3人一緒に来られたらいいな」
加蓮「そこはPさんの手腕次第でしょ? 待ってるから」
P「ああ。必ずまた連れてくるよ」
加蓮「うん、よろしく♪ ……早くて3日後かな? それとも1週間後? 少し我慢して1ヶ月っ?」
P「む、無茶言うなよ!? さすがにそれは無理だっ」
加蓮「あははっ♪ ウソウソ、1年でも2年でも待つよ。それまでもっともっと他にも思い出作るんだから!」
P「ったくもう……。ほら、そろそろホテルに戻るぞ。明日には帰るんだから」
加蓮「はーいっ。――あっ、見てPさんっ」
P「ん? どした」
加蓮「あっちは夕焼けで……こっちはもう星空が見えてる。李衣菜と泰葉みたい!」
P「どんなたとえだ……はは、加蓮の頭の中は李衣菜と泰葉でいっぱいだな」
加蓮「褒め言葉だよ、それ♪ さ、帰ろPさん。ちひろさんにもお土産買ってってあげないとね」
P「ああ、そうだな。なにがいいかな……」
加蓮「南国限定のカエルのマスコット売ってたよ。ゲコ太って言ったっけ――」
加蓮(夕焼けのオレンジと、星空の濃紺。大好きな2人の色……。2人を連れて、もう一度来るんだから!)
―――
――
―
―――後日、事務所
ちひろ「――長旅お疲れさまでした、プロデューサーさん♪」
P「あはは、結構楽しんで来ましたよ。ちひろさんも留守の間、ありがとうございました」
ちひろ「いえいえ♪ ふふ、ちょっぴり日焼けしました?」
李衣菜「泰葉、こっちは?」
泰葉「どれ? ……お尻が強調されすぎ。李衣菜、もう少し健全なのは無い?」
李衣菜「健全……んー、どれもセクシー過ぎなんだよねー。男子が黙ってないよこんなの」
泰葉「むー……。これは谷間が……さっきのはアングルが……」ピラッピラッ
李衣菜「うーーーん難しいなー……」ピラッピラッ…
加蓮「……なんでアンタたちが写真の選別してんの。私のグラビアなんだけど……ちょっと、ねぇったら」
ちひろ「李衣菜ちゃんたちに選ばせていいんです?」
P「ええ、良い写真を選んでくれるでしょう。加蓮の良いところは2人もよく知ってますから」
李衣菜「よっし、決めた! 泰葉、これならどう?」
泰葉「ん――うん、私もそれが一番素敵だと思う♪」
李衣菜「表紙だって飾れるよ、絶対!」
加蓮「はぁ、もー……。見せて、どれに決めたの?」
「「これ!」」
http://i.imgur.com/pib4iYv.jpg
加蓮「…………いいじゃん。分かった、それでいいよ。2人がそこまで推してくれるなら」
李衣菜「へへ♪」
泰葉「ふふっ♪」
加蓮「――えへへっ。選んでくれてありがとっ♪」
おわり
というお話だったのさ
アローラのすがたはサンドちゃんが好みです
ひとつ前のお話
モバP「だりやすかれんGO」
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