まほ「皆、ご苦労だった。各自ゆっくりと休んでくれ」
黒森峰生「はい!」
まほ「しかし、今日も暑い。少し喉が渇いたな」
黒森峰生「そうですね」
まほ「わたしはこのまま飲み物を買ってくる。各車長は体の手入れを行ったあとミーティングを行う旨を伝えておいてくれ」
黒森峰生「はい!」
黒森峰生「......はぁ、隊長ってやっぱりかっこいい///」
エリカ「隊長ー」
黒森峰生「あ、副隊長!お疲れ様です」
エリカ「お疲れ様。隊長はどこ?」
黒森峰生「先ほど飲み物を買いにお出かけに」
エリカ「な、なんですって?!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470489188
エリカ「隊長は誰かと一緒に出かけたのよね!」ユッサユッサ
黒森峰生「ひ、ひぇ」
エリカ「早く答えなさい!」
黒森峰生「い、いえ、一人でお出かけに......」
エリカ「そ、そんな!!あなた!なんで一人で行かせたの!!」
黒森峰生「え?その、飲み物を買いに行くだけと言っていたので.....」
エリカ「っっ!これだから一年は!」
黒森峰生「ひぃっ!」
エリカ「小梅、聞こえる?緊急事態よ!SSのメンバーを集めて!」
小梅『.....!?分かりました。至急集めて捜索に向かわせます!』
黒森峰生「......え?」
まほ「日差しが強いな。熱中症で体調を崩す者がいなければいいけれど.....」
まほ「学園艦を離れ、地元熊本とはいえ慣れない演習場。隊員の体調管理も気を配るべきね」
まほ「さて、最寄りのコンビニは......山を下った先、15kmくらいかしら」
まほ「早く戻らないとエリカが心配する。少し急ごう」
まほ「とはいえ、走っては危ないから徒歩で」
小梅「まほSS隊集めました!すでに数名は捜索に向かわせています!」
エリカ「いい、隊長が飲み物を買いに行かれたわ。一人でっ!」
ザワッ
エリカ「静まりなさい。おそらく向かった先は、バスで見かけた麓の町のコンビニ!演習場内の自販機に向かったことを信じたいけれど期待は出来ないわ」
小梅「移動手段にバスを使用した可能性は?」
エリカ「考慮してバス会社に連絡済みよ。けれど、戦車を降りている以上移動手段はおそらく徒歩!」
エリカ「事態は一刻を争うわ!速やかに捜索、わずかな痕跡も見逃さないこと!」
SS隊「ヤー!」
まほ「うん、やはり山はいい。空気が澄んでいて風も心地いい」
まほ「学園艦の海風も好きだが、やっぱり山の空気ね。今度みほとハイキングに行きたいわ」
まほ「?」
まほ「分かれ道.....来る時にはあったかしら?」
まほ「そうね、棒の倒れた方に進もう。きっとコンビニがある」
まほ「コンビニはすごい。どんな場所にもあっていつでも営業している。艦の上にもあるくらいだ」
まほ「コンビニで買えば間違いない。みほが教えてくれた通りだったもの」
まほ「ふぅ、少し疲れたな。休憩にしよう」
まほ「あぁ、木の揺れる音が聞こえる。やはり森に来て良かった」
???「そうだね、風はいつでも大切なことを教えてくれる」ポロローン♪
まほ「キミは継続高校の」
ミカ「風に誘われたのかい?普段見る表情より優しく見えるよ」
まほ「あぁ、コンビニに行く途中なんだ」
ミカ「自分を離れて自分を見つめ直すことは大切だからね。人はいつだって自分の役割ばかりを見つめて本当の姿を失ってしまう生き物なのさ」
まほ「そうだな。きっと皆もこの自然の中で大いに成長してくれると思う」
~その頃~
エリカ「隊長ぉ!」
アキ「ミカぁ!」
小梅「そっちはどう?」
ミッコ「ダメ、足跡すらない!」
エリカ「隊長ぉ!」
ミカ「風がよぶこえがする。行こう」
まほ「そうだな。それではまた」
ミカ「あぁ、風の巡り合わせに期待しよう」
ペーンペンペンペーンペン♪
まほ「......互いの戦車道についてつい熱く語り合ってしまった」
まほ「また戦うこともあるだろうが、いつかはともに闘いたいものだ」
まほ「さて、コンビニを目指そう。どちらから来たか忘れたが、くだれば麓に着くだろう」
まほ「そうだ、山を抜ければ近道できるな」
小梅「道沿いの捜索に出た隊員から連絡が!麓に着いたそうですが、見つけられなかった、と」
エリカ「最悪の状況じゃない!各員に告ぐ、虎は森の中に入ったわ。アイン隊は引き続き道沿いを捜索、ツヴァイ、ドライ隊は山狩よ」
黒森峰生『ヤー』
小梅「隊長、無事でしょうか?」
エリカ「無事よ!西住流がこの程度でどうにかなるなら隊長はすでにこの世にいないわよ!」
小梅「そうですよね」
エリカ「わたしたちも行くわよ!」
小梅「はいっ!」
まほ「木漏れ日が綺麗......まるでこの世じゃないみたいね」
まほ「この先を抜ければ.....やっぱり、くる時に見た道だ」
まほ「しかし、また分かれ道か。まぁいい、ちょうど建物がある。ここで道を聞こう」
まほ「ごめんください」
老婆「はーい」
まほ「麓のコンビニに行きたいんですが」
老婆「おや、黒森峰の生徒かい?訓練大変だねぇ」
まほ「いえ、それほどでもないです」
老婆「流石だねぇ。コンビニならこの右の道をずっと歩いたとこだよ」
まほ「ありがとうございます」
老婆「喉乾いたでしょう。お茶を飲んで行きなさい」
まほ「これはわざわざ申し訳ない」ゴクゴク
まほ「助かりました。それでは」
老婆「気ぃつけてねぇ」
まほ「いや、親切なご婦人だった。喉も渇いていたし助かったな」
まほ「さて、コンビニまでもう少しだ。コンビニで.....はて、何を買うんだったか?まぁいい、皆の差し入れにお菓子でも買おう」
まほ「しかし、山道は大変だ。タンクジャケットが汗ですっかり重くなってしまった」
まほ「少し脱いで涼むか.....」
エリカ『いいですか、隊長!絶対に!絶対に!外でタンクジャケットを脱がないでください!絶対にですよ!』
まほ「......そうだった。エリカと約束したんだった』
~その頃~
エリカ「やった!GPSがようやく反応したわ!」
小梅「かなり下ってますね。やっぱり森の中を抜けたんだ.....」
エリカ「隊長、わたしの言いつけ、守ってくれたんですね!」
まほ「ん、ようやく町が見えてきたな。しかし暑かった。急がないと日が暮れてしまうな」
まほ「しかし、森を抜けた後だと町には町の良さがある。それにここはのどかでいい」
まほ「よし、コンビニに着いたぞ」
コンビニ店員「いらっしゃいませー」
まほ「冷房が気持ちいい、が少し寒いな。早く買い物を済ませて帰ろう」
まほ「......しまった。財布を忘れてしまった」
まほ「困ったなぁ」
まほ「そういえば、困ったときに使えとエリカが......」
まほ「あった!5千円札だ。エリカは頼りになるな。やはり次の隊長はエリカに任せよう」
店員「ありがとうございましたー」
エリカ「隊長ぉ!」
まほ「ん?この声はエリカか」
エリカ「良かった。もう!心配したんですよ!怪我はありませんでしたか?変な人に声かけられませんでしたか?」
まほ「ははは、ちょっとコンビニに行ったくらいで心配しすぎだよ」
エリカ「そうですね!ちょっとコンビニですよね!隊長にとっては!!」
まほ「あぁ、そうだ。財布を忘れてしまってな。内ポケットのお金を使ってしまったんだ」
エリカ「そうですか。それじゃあ新しいのを入れないと行けませんね。GPSももっといいものにしないといけませんし」
まほ「そうなのか。機械には疎くて」
エリカ「とにかく帰りましょう!みんな待ってますよ!」
完全に徘徊老人と介護の世界やんけ……
まほ「そうだエリカ、下山中に継続高校の隊長にあったんだ」
エリカ「!?どこでですか?」
まほ「あれはどこだったかなぁ」
小梅「大丈夫です。合流済みの連絡がありました」
エリカ「そう。向こうも大変ね」
まほ「ん?ひょっとして迷子だったのか?」
エリカ「えぇ、そうですね。そうかもしれませんね」
まほ「そうだったのか....一緒に行動すべきだったなぁ」
エリカ「やめてください!」
エリカ「はぁ、大変な1日だったわ......」
小梅「お疲れ様です。何とか無事にミーティングと練習後のバーベキューが開けましたね」
エリカ「本当に肝が冷えたわ。あー、ビール美味しい」
小梅「あ、ノンアルコールビールのおかわり持ってきましょうか?」
エリカ「えぇ、あとお肉も......ん?隊長は?」
小梅「え?」
黒森峰生「隊長ならさっきノンアルコールビールの買出しに......」
エリカ「何人で?!どこまで?!!」
黒森峰「ひ、一人で麓のスーパーまで.....」
エリカ「隊長ぉ!」
※出発前にSS隊に保護されていました
終わりです。HTML依頼出してきます。
カッコいいお姉ちゃんを描こうとしたら数行でこうなりました。ミカかこの人......
エリカはいつかカッコいい隊長のそばに置きたいです。
>>16
それだ!
今更見てる人がいるかは分からないですが一つだけ。
お姉ちゃん微塵も迷子じゃないんです!目的地にたどり着いてるし、ちょっと乳幼児並みに目が離せないだけなんです!
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