みりあ「ねーねー!見て見てー!!ポッポ、ゲットしちゃったー!!」
莉嘉「えー、いいなー、でも、アタシさっきあそこでニョロモ見つけたよ!」
みりあ「えー!!どこどこ??」
モバP「こらー!!お前ら!!歩きスマホは危ないだろ!!」
莉嘉&みりあ「はーい!!ごめんなさーい!!」(走り去る)
モバP「ったく…、本当にわかってるのかな…」
ちひろ「すごい人気ですねぇ、ポケモンgo」
モバP「ええ、ウチのアイドルでやってない奴居ないんじゃないですかね??」
モバP「杏なんて普段のぐうたらがどこへやら、自転車で街中走り回ってて、
きらりが目の玉丸くさせながら、必死に付いて行ってますよ」
ちひろ「いつもと逆ですねぇ」
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ちひろ「そんな訳で人気にあやかってウチでも位置情報ゲームを開発してみましたよ」
モバP「そんなんこっそり開発してたんですか……。
さすちひ、儲け話の有りそうな処への嗅覚は凄まじいですな。」
ちひろ「ほっといてください。秋葉ちゃんと泉ちゃんとマキノちゃんが三日でやってくれました」
モバP「理系酷使しすぎだろ…、で、何て名前なんですか、このアプリ??」
ちひろ「その名も『デレステgo』です!!」
モバP「おい、大丈夫か。 訴えられたら負けるんじゃないのか」
ちひろ「まぁまぁ、自信作なんですよ、とりあえずやってみてくださいな」
モバP「まあ問題になったら美城専務に丸投げするか…どれどれ」(アプリ起動)
『ちひろ「デレステgoの世界へようこそ!!まずは社員証を発行しますので、あなたのデーターを入力して下さいね!!」』
モバP「おお、ちひろさんだ」
ちひろ「まあ、アシスタントと言えば私ですからね!」(ふんすっ)
モバP「えーと、生年月日に現住所…勤務地まで入れるんですか??」
ちひろ「ええ、まあ後々必要になってきますので」
モバP「はいはい…この女子寮って何ですか??」
ちひろ「所属するアイドルが暮らしている設定の場所ですね、自宅と同じ場所に設定しておけば楽ですよ」
モバP「いいのか、それ。…妄想が捗るなぁ」
ちひろ「現実でやったらアウトですからね??」
モバP「はい、登録完了しました…お、何か三人のアイドル選べって言われましたよ??」
ちひろ「いわば御三家ですねぇ」
モバP「さくら、泉、亜子…ニューウェーブなんですね…、敢えてニュージェネじゃない理由は何なんですか??」
ちひろ「ニュージェネは三人中二人シンデレラガールですからねぇ…
最初から伝説ポケモンがパーティーに居たら萎えませんか??」
モバP「なるほど、確かに」
モバP「初代に例えると、未央がファイヤーですよね」
ちひろ「酷い事言うな。…第二世代からは強いんですよ?? ファイヤー」
モバP「泉で始めてみました。」
『私、大石泉。私がアイドル…キャラじゃないけど、面白そうだから良しとしますか。モバP、よろしく』
モバP「はい、存じ上げております」
モバP「ところで課金要素は何処にあるんですか??ちひろさんの事だからエグイの設定してるんでしょ??」
ちひろ「私を一体何だと思ってるんですか…スタドリの値段上げますよ??」
ちひろ「なんとこのアプリは完全無課金なんですよ!!一切の課金はありません!!」
モバP「はぁああああああああああああ!? そんな馬鹿な!!お前誰だ!?
あの銭ゲバの鬼悪魔がそんなアプリ作る訳がないだろ?!馬脚を現したな!?正体を現せ!!」
ちひろ「値段上げます。三倍な」
モバP「勘弁してくだしあ」(土下座)
モバP「それにしても無課金て…、どうやってこのアプリの開発費や維持費捻出するんですか…??」
ちひろ「スポンサーを募るんですよ♪ 丁度お昼ですね、アプリの泉ちゃんをお昼に誘ってくれませんか??」
モバP「はいはい…、あ、近所のファミレスとかの名前が出てきた」
ちひろ「じゃぁそれ選んでください…そうそう、では移動しましょうか」
モバP「え?リアルに??」
ちひろ「ええ、リアルに」
~近所のファミレス~
モバP「おお、すげぇ、入店したら実際にグラフィックが変わった」
ちひろ「位置情報ゲームの醍醐味ですねぇ」
『モバPさん何食べる??』
モバP「おお、ちゃんと席に座ったグラになるんですね…じゃぁドリアでも頼もうかな」
『じゃぁ、私も同じの頼むね』(ピローン)
モバP「おお、好感度が上がった!!」
ちひろ「こう言う提携したショップを全国に広げて、そこからスポンサー料を頂く形です、
ウチはスポンサー料入りますし、お店は御客増えますし、winwinですよ、winwin!!」
モバP「コレはハマる人増えるかもなぁ…」
ちひろ「将来的にはカメラを連動して、食べ終わった皿を映して認識させて、食べ終わったタイムで
早いよ、もっとゆっくり食べなよ、とか、残した野菜を注意してくる、とかそんな風にしたいですねぇ」
モバP「まさに実際ランチデートしているみたいな感じにするんですね、夢のようですね…」
ちひろ「さて、アプリの中の泉ちゃんはレッスンに行きました」
モバP「はい、俺たちもレッスン場に行くんですか??」
ちひろ「それも考えたんですけど…それをやったらサービス開始した後、
無数のプロデューサー達がレッスン場や仕事場に詰めかける事になるじゃないですか……??」
モバP「おおぅ…集団ストーカー…」
ちひろ「なので、レッスン等には触れられない仕様にしました」
モバP「んでは、この時間は何も出来ないんですか??」
ちひろ「いえいえ、この時間はスカウトタイムです」
モバP「スカウトタイム??」
ちひろ「ええ、全国に散らばったポケモ…アイドルを探してスカウトするんです」
ちひろ「アイドルは比較的地元の方が出やすい傾向なんで、旅をして集めるのもアリですね」
モバP「ふむふむ…蘭子や美穂が欲しいなら、熊本まで旅行するのが一番、と」
ちひろ「そういうことです。ちなみに旅行会社とも提携してますよ」(獣の眼光)
モバP「さすちひ。……でも、ナターリアとかヘレンの入手難度が跳ね上がった気がするんですが、それは」
ちひろ「…そこは愛を見せてくださいとしか……」(目を逸らし)
モバP「まだ見ぬ同僚たちよ…頑張れ…」
~翌日~
モバP「おはようございまーす」
ちひろ「おはようございます、今日は早いですね、モバPさん」
モバP「ええ!凄いですね、このアプリ!!時間になったら泉が起こしてくれましたよ!!」
ちひろ「遅刻しそうになったら一緒に走ってくれる機能付きなんですよ」
モバP「やっべ、これ絶対売れるわ、此処だけでもバンナム辺りに持ち込みましょうよ、欲しいわ」
ちひろ「(チッチッチ)ダメダメ、小さい、小さいですよ、モバPさん…」
ちひろ「このアプリの本当の狙いは何だと思いますか??」
モバP「本当の狙い??」
ちひろ「私たちの本当の仕事は何ですか??何でお金を稼ぎます??アプリを売ることですか???」
モバP「えー?? アイドルをプロデュースして、ライブをやって…ハッ!!」
ちひろ「そう…仕事場やレッスン場に詰めかけられたら困りますが、
詰めかけられても一向に困らない場所が在るじゃないですか・・・そう!ライブ会場!!」
ちひろ「ライブ会場では好感度大幅アップ!! しかも好感度に応じてイベントも盛り沢山!!
更に好感度に応じて物販優先販売もアリ!!買えるアイテムも好感度で大幅に違うシステムにします!!」
モバP「無課金とはいえ莫大な金額が動きますね…、しかも顧客の満足度も満たされる…」
ちひろ「でしょう??何百万ものプロデューサーがこのアプリを登録しますよ??
その中で生み出される消費、雇用は莫大なモノに。そして我が社はこの利権を元に天下を取ります!!」(グッ)
モバP「お、恐ろしい…、ちひろ、アンタがこんなに恐ろしいと思った事はないぜ…」(ゴクリ)
ちひろ「ちーひっひっひ!! …それで、つきましてはこのアプリの完成度を高めるために、一週間ほどモバPさんに
テストプレイをして欲しいのですが、構いませんかね??」
モバP「俺がですか?? わかりました、デカいプロジェクトになりそうですからね、光栄ですよ」
ちひろ「一週間ほどしたらレポート提出して頂きますので、それまでよろしくお願いしますね」
モバP「了解しました!!」
~一週間後 ちひろ部屋前廊下~
ちひろ「フンフンフーン♪ そろそろモバPさんから報告が上がる頃ですかね~??」(ドアガチャ)
【室内には大勢のアイドルと美城常務がおこ顔で勢揃い】
ちひろ「はれ…?? みなさんお揃いで…どうしました??」
凛「どうもこうもないよ!何なのあのアプリ??アレ使い始めてからモバPがおかしくなったんだけどっ」
ちひろ「えっ!? おかしく…??」
凛「この間なんて…」
~回想~
卯月「あ、モバPさーん!!」
未央「やっほー!!」
モバP「おう、お前ら、元気そうだな」
凛「お昼休みに皆でランチ行くんだよ、モバPも一緒にどう??」
モバP「ああ、すまんな、ランチは泉と一緒に行く約束してるんだ、じゃぁな!!」(手を振りスタスタと立ち去る)
卯月「あっ…」
凛「何あれ…」
未央「いずみんと一緒なら私たちも一緒に連れてってくれればいいのにね…最近なんだかモバPさん冷たいよ…」
卯月「私たち邪魔だったからでしょうか…? まさかお付き合いしてるとか…」
未央「そんな…」
凛「……」
~回想終了~
凛「とか」
泉「その後誤解とくのに大変だったんですからね!!
全く身に覚えが無いのに謂れのない所で嫉妬の視線で睨まれるし、アプリのせいだって判明した後も、
まゆさんに「何で私のアバターが選ばれなかったんですかぁ…」ってネチネチ責められるし!!」
ちひろ「え、えと、それはね」
美城専務「それだけではないぞ」
ちひろ「せ、専務…??」
~回想~
(コンコン)
美城専務「入れ」
(ガチャ)
モバP「専務!素晴らしいアイドルをスカウトしてきました!!」
美城専務「ほう…君が言うのだ。期待しても良いのだろうな…?? 紹介してもらおうか、そのアイドルを」
モバP「京都まで行って見つけてきましたよ…、塩見周子です!!」
美城専務「………ハァ??」
モバP「いやー、なかなか見つからなくて困りましたよー、家出してる設定らしくて、夜にですね」
美城専務「いや、待て待て待て、塩見周子は既に我が社のアイドルだろう??しかも我がプロジェクト・クローネの一員だ」
美城専務「それをスカウトしてきたとはどういう事だ??」
モバP「あ、このアプリの周子ですよ!ほら見て下さい!!苦労しただけあって凄い能力なんですよ!!」
美城専務「…要するに…キミは……このオモチャのキャラをゲットする為に、
態々京都まで行った、と言うのか……??」(プルプル)
モバP「あっはっは!そういう事になりますかね!? あ、そうだ専務、今度はイヴ欲しいんでグリーンランドに海外出張
してもいいですかね?? クリスマスまで待てないんでwww」
美城専務(プチッ)
~回想終了~
美城専務「とか」
ちひろ「うわぁ……」
美城専務「とりあえずモバP君は今、謹慎の名目でスマホを取り上げて地下の座敷r…反省室に閉じ込めてある。
その際、激しく抵抗したので木場君と早苗君がダブルで制圧した」
ちひろ「は、ハァ…」(こ、この流れはヤバいッ!!考えろちひろ、モバPさんはともかく、
私だけは助かる方法をッ!!)
美城専務「で、だ。千川君、君への制裁だが」
ちひろ(ビクッ)
美城専務「減俸三か月、そしてあのアプリの開発は即刻中止、プロジェクトは永久凍結だ」
ちひろ「ゲーッ!!ま、待ってください!!開発費は自腹なんですッ!!
それに提携各社に違約金の支払いを求められたら、一体幾らになることか…っ」
美城専務「それは君の都合だ、当社は一切関知しない」
ちひろ「そ、そんな…私はよかれと思って…」(うっうっ…)
美城専務「あんな有能なPを一週間で廃人にするアプリ、一般人に配布出来る訳がないだろう…
情状の余地はあるから先方への詫びには私も付き合う、いいな??」
ちひろ「うう…わかりましたぁ……」
武内P「その後、千川さんは専務と提携先に頭を下げて回り、なんとか場は収まりました」
武内P「違約金は莫大なモノになり、千川さんがサービス開始から五年で稼いできた資金のほとんどが消えたそうです」
武内P「「また一からスタドリでやり直しです!!」とか言っているので、プロデューサー仲間の間では
どんな課金をさせられるのか戦々恐々としています」
武内P「目の色が全然死んでないので、また何かやらかしそうで怖いのですが…」
武内P「そして、モバP先輩も一月ほどで社会復帰出来るほどに回復し、全ては元に戻ったかのように見えました」
武内P「ですが…」
ちひろ「いやいや…酷い目に遭いました…」
ちひろ「表に回って稼ごうとするからあんな事になったんですねぇ、いい勉強になりましたよ…」
ちひろ「こんどは裏に回ってコレをアイドルの皆さんに売りさばきますかね…」
ちひろ「この『プロデューサーgo』をね……」
ちひろ「ちーひっひっひっひっ!!!!」
完
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