ブロードキャスト「絶唱?」サウンドウェーブ「シンフォギアシステム?」 (164)

ここは、太陽系第三惑星「地球」。


豊富な資源と大いなるエネルギーに満ち溢れる星。


だが。


宇宙の宝石のようなこの星で。




コンボイ「―――メガトロン!今日こそ永い戦いに終止符を討つ時だ!!」


戦いの日々に明け暮れる。




メガトロン「―――それは余の台詞だなコンボイ、返り討ちにしてくれるわ!!」


二つの勢力があった。






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コンボイ「―――サイバトロン戦士!!」

メガトロン「―――デストロン軍団!!」










―――突撃(Assault)だ!!

―――攻撃(Attack) だ!!






これは、正義を愛する集団サイバトロンと。


悪の軍団デストロンとの。


何百万年にも渡る壮絶なる戦いの記録。


その一幕。


……の、筈だった。



アイアンハイド「撃て、撃て!デストロン共を物言わぬ鉄の塊に変えてしまえ!!」


ワーパス「敵は俺っちの戦車砲で粉みじんにしてくれるぜ!!」


ランボル「おっとワーパスさんよ、この俺の獲物も少し残しといてくれよな!」


クリフ「ちょい待った!先陣は俺の筈だろ!俺にやらせてくれよ!!」


パワーグライド「俺っちの爆撃援護も忘れないでチョーダイよー?」


インフェルノ「本来俺は消火する側だが、デストロンの外道には遠慮はしない!火達磨にしてやる!!」




―――ズドドドドドド……!!!





スタースクリーム「ちっ、どうにも旗色が悪くなってきやがった……!」

スタースクリーム「メガトロン様、今回の作戦指揮官は貴方なんですよ?どうにかしてくれませんかねぇ―――」

スタースクリーム「(ガツッ!)―――痛うっ!?何すんです!!」


メガトロン「いつもいつも口から文句しか出さんで、偶には自分で動いて見せたらどうだニューリーダー(自称)!!!」

メガトロン「ええい、もう貴様など当てにせんわ!」


メガトロン「サウンドウェーブ!役立たず共に替わって貴様がなんとかしろ!」

メガトロン「カセットロン部隊を出せ!奴等に埒を空けさせろ!!」



サウンドウェーブ「…リョウカイ メガトロン サマ」

サウンドウェーブ「コンドル、ジャガー、バズソー、ランブル、フレンジー イジェ~クト!×5 ア、タ~ック!!!」



ラジカセに変形(トランスフォーム)する、デストロンの情報参謀「サウンドウェーブ」の得意技は。

胸のカセット挿入口から射出される小型兵「カセットロン」部隊だ。




ジャガー「ガアアアアアアアアアアアアッ!!」

コンドル「クエエエエエエエエエエエエッ!!」

フレンジー「へへえ!やっちゃるかんねー!!」




ランブル&バズソー「「うおおおおおおおおお存在感が無いだなんて言わせねええええええ!!!」」





バンブル「あ、ありゃマズい、ジャガーとコンドル、フレンジーに……後、誰だっけ?」


マイスター「ランブルとバズソーだ、忘れてやるなよ……敵は少数精鋭でこちらを霍乱する気だな」


ハウンド「そりゃ確かにマズい、司令官はメガトロンにかかりきりだし、ここを突破されでもしたら……」


ギアーズ「こりゃダメかもわからんね……」


トラックス「ボヤいてる暇があったら撃ちまくれよ!ここは何としても死守するぞ!!」


スモークスクリーン「……!だ、駄目だ、動きが早すぎて当たらない……!」




???「―――へへへ、皆様揃って情けないこってすなまったく♪」



リジェ「!……君は……!」


ゴング「そうか、お前の技なら……そんじゃいっちょ頼むぜ!」


トレイルブレイカー「俺、耳塞いでるから早いトコ頼むよ」


グラップル「信頼はしてるんだけど、ちょっとなあ」


アダムス「ずんぐりむっくり野郎とか言われたトラウマを思い出す……」





???「―――ちぇっ、言ってくれんじゃないの。ま、そんじゃリクエストにお答えしましょ……っと!」




~~~~♪


~~~~♪


~~~~♪



ビーチコンヴァー「嗚呼……始まってしまったか」


アラート「あぐぐ、この間損傷した神経回路が……また鬱病になりそうだ……」


シースプレー「俺、デストロンの前にコレにやられそう……」ゲンナリ


マイスター「そうかい?ゴキゲンで良い音楽じゃないの!」




突如、戦場に流れたのは軽快なリズムの音楽。

だがただの音楽ではない。




ジャガー「がる……るるるぅ……」

コンドル「くえ……えええぇ……」

フレンジー「なんだいこりゃ……動きが……取れなく」



ランブル&バズソー「「うおおおおおおおお出番これで終わりなんてやだああああああ!!!」」



たちまちそれはカセットロン達の動きを鈍くし、行動不能に陥らせた。





メガトロン「何だ、一体どうしたというのだ!!」


サウンドウェーブ「コレハ……マサカ……!」



???「―――ちょっち俺っちのイージーリスニングでカセットロンの命令系統を狂わせてやったのよ♪」

???「―――結果はちょ~じょ~大成功~♪ってやつね、グーよグー♪」



サウンドウェーブ「ヤハリ キサマカ ―――!」



サウンドウェーブが視線を向けた先には。


二足歩行で動く、奇妙なラジカセが一台。


否。


「彼」こそカセットロンを無効化した立役者。





サウンドウェーブ「イカレサウンド ノ ブロードキャスト メガ ……!!」







ブロードキャスト「―――はいは~い!声援に答えてブロードキャスト様只今参上~♪」トランスフォームッ!




歌と踊りを愛する、サイバトロンの通信兵「ブロードキャスト」であった。



ブロードキャスト「どうだい?俺っち特性の霍乱音波の味は、デストロンなんかにゃ聴かせるのはちょ~っと勿体無かったかね?」



サウンドウェーブ「ダマレ メザワリナ イカレサウンド メ ケッチャク ヲ ツケテヤル……!」


ブロードキャスト「そいつぁこっちの台詞だって~の!サウンドシステムの面汚しが!!」


サウンドウェーブ「キサマ ハ ハナカラ キニ クワナカッタ!」グワッ


ブロードキャスト「この野郎!遠距離じゃ叶わないと見て肉弾戦か!おっもしろい受けてたってやろうじゃないの!!」


サウンドウェーブ「オレ ノ ニバンセンジ メ カイゾクバン ハ オトナシク セール サレテイロ」ボカスカ


ブロードキャスト「言ってくれんじゃねえか!この世の中人気が総てだっつーの!!お前みたいな根暗陰険野郎よりオレの方が何百倍もイカすね!!!」スカボカ


サウンドウェーブ「ジッシャエイガニモ コエガカカラナイ ブンザイデ」


ブロードキャスト「お前!言ってはならないこと言いやがってもう許さん!!!」





メガトロン「ええい、何を遊んでおるか!!そこをどけ!ワシの融合カノン砲でそのイカレ野郎を粉々にして―――ぐうわっ!」ゴン


コンボイ「余所見をしている暇があるのかメガトロン!お前の相手は私だ!!」


メガトロン「ぐっ、コンボイめえ!!」

メガトロン「おい、誰か加勢せんか!!!」



スカイワープ「……で、今回俺達は何をやってたんだっけか?」


サンダークラッカー「いや、いつも通り出撃っつわれたから出ただけでよ……詳しい事はあんまり、お前は?」


ラムジェット「俺に聞いたってわかんねえよ」


ダージ「右に同じ」




スタースクリーム「は~あ。揃いも揃って情けないジェットロン共だぜ、俺様が説明してやるからよ~く聞けよ?」

スタースクリーム「こいつは"ワールドチェンジャー"と言ってな、簡単に言ってしまえば俺達が良く使っている"スペースブリッジ"の応用版だ」

スタースクリーム「この"世界"というのは俺達の目に見えているモノだけが総てじゃない……こことは違う、けれども良く似たいくつもの世界が網目状に広がってる」

スタースクリーム「それを"平行世界"と俗に言っている」

スタースクリーム「で、だこの機械を上手く使えばこことは違う別の世界からエネルギーを、それも半永久的に搾り取れるという優れモンってワケだ」



アストロトレイン「ほー成る程な、流石元科学者(笑)」


ブリッツウイング「俺、スタースクリームの野郎がこんな知的な台詞を言ってるの初めて見たかもしれねえな」


スタースクリーム「あんだとお!?そりゃどういう意味だ!馬鹿にしてんのか、貴様……!」

スタースクリーム「(ズドン!)―――痛"えっ!?」




メガトロン「"馬 鹿 に し て い る の か" は ワ シ の 台 詞 だ この大馬鹿者メガ!!!!!」

メガトロン「早い所、コンボイの奴を―――痛っ!―――なんとかせんかあ!!」





スタースクリーム「へいへい、しょうがねえなあ」

スタースクリーム「気がのらねえがボスの言う事だ、一応従ってやりましょうかねえ」

スタースクリーム「物共行くぞ!サイバトロン共を蹴散らせ!!」

スタースクリーム「の、前に機械を待機モードにしとかねえと、エネルギーが逆流して大爆発しちまうんだった……」

スタースクリーム「おいスラスト!そこのステイシス(停止)ボタンを押しておけよ!」


スラスト「えっ、ボタンって何処のボタンだよ??」


スタースクリーム「右だ、右!間違っても左を押すんじゃないぞ!機械が臨界に達してドカンだからな!!」


スラスト「……は?右?ええっと……」

スラスト「俺の方を向いているスタースクリームが右っつったから……」

スラスト「……………………」

スラスト「こっちか」ポチッ





機械「―――――――――、」


機械「メイレイヲ ウケツケマシタ コレヨリ ゲート ヲ ヒラキマス」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。




スラスト「あれ?おっかしいなあ?」


スタースクリーム「何が"おっかしいなあ?"だこの馬鹿野郎が!!見ろ、辺り一面吹っ飛んじまうぞ!!」




見る見る内に膨らむエネルギーの塊!




メガトロン「何をしておるかこの愚か者メガ!!」ガツン!!


スタースクリーム「痛い"っ!!??ち、違いますメガトロン様、スラストの奴が……」


スラスト「言うに事欠いてトンでもねえ野郎だ!右っつったのはお前だろうが!!」


スタースクリーム「俺はお前から見て右っつったんだこの宇宙的馬鹿野郎が!!」


スラスト「だったら色で言えよ、色で!!」



ガ ツ ン !




スタースクリーム「―――――痛ぅっ!!!」
スラスト「―――――――――痛ぅっ!!!」




メガトロン「醜い争いも大概にせんか!」

メガトロン「兎に角今はこの場を引く事が先決だ」


スタースクリーム「へ!サイバトロンを前にしてノコノコ尻尾を捲るんですか!?ソレで良くデストロンのリーダーが……!」


メガトロン「……ならお前だけこの場に残して事態の収拾に当たらせてもいいのだぞ?」ギロッ


スタースクリーム「いや、私は戦略的観点から意見を申し上げただけで……ブツブツブツ……」




メガトロン「―――デストロン軍団!直ちにこの場を撤退するぞぉ!基地に帰還せよ!!」






そして、サイバトロン側も!





バンブル「司令官!奴等逃げて行くみたいですよ!!」


コンボイ「そのようだな、バンブル―――見ろ、奴等のあの装置を!」




膨れ上がったエネルギーは逃げ場を無くして暴走状態にあった!


爆発まで、後僅か!



パーセプター「ありゃ、解除も無理というもんですな」


ホイルジャック「こうなったら我々も三十六計逃げるにしかずという形ですかね?」


プロール「動けなくなったヤツは俺と―――」


ラチェット「―――私達で運ぼう。さあ、司令官」




コンボイ「ああ。サイバトロン戦士―――撤退だ、総員トランスフォーム!!」




こうして両軍共に撤退が開始された。


だが。




バンブル「ちょい待ち、ブロードキャストが居ないよ!?」


マイスター「何だって……そういえば、確かに!」




スタースクリーム「あん?そう言やサウンドウェーブの野郎はどうした?」


スカイワープ「いや、俺は拾って無えぞ?」


サンダークラッカー「俺もだ」


スタースクリーム「ちっ、あの野郎時間が無いってのに……何処で道草食ってやがる……!」




その噂の二人は。





サウンドウェーブ「ウレタ オモチャ ノ ソウスウ デモ オマエ ハ オレ イカ ダ」


ブロードキャスト「うるせえ!それを言うな!!全部大人の事情ってやつが悪いんだよ!!」


サウンドウェーブ「ジッシャ"5" デモ ドウセ オマエニハ コエ カカラナイ」


ブロードキャスト「お前なんてくたばっちまってるじゃんか!!」


サウンドウェーブ「ゲーム プライム アニメイテッド デバンナンテ イクラデモ アル」


ブロードキャスト「くあああああ……何かめっちゃやるせない気分になってきたあああ……!!」



未だ、熾烈な戦いの真っ最中だった!



しかも!



爆発寸前の機械の前!






コンボイ「ブロードキャスト!戻って来るんだ!!メガトロンが造った装置はもう限界だ!」


メガトロン「サウンドウェーブ!何をしておる!そんなヤツは放っておけ!!早いとこ逃げんと爆発するぞ!!」




だが。



二人の言葉も空しく。



―――3。



ラチェット「いかん、エネルギーの余波がこっちまで来た!早く逃げなさい!!」




―――2。



パーセプター「ありゃ駄目だ。装置は中枢部をやられた、きっと爆発してしまうな!」



―――1。



ホイルジャック「みんな下がれ、早く!コンボ……じゃなかった、敵の装置が爆発する!!!」






機械「―――――――――、」


機械「エネルギー リンカイ ハイネツ フノウ キケン キケン」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。




―――0。



機械「 ☆   爆   発   ☆ 」



機械「ホワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」









サウンドウェーブ「――――――ハ?」

ブロードキャスト「――――――え?」






瞬間。


眩い輝きが辺り一面を覆った。






バンブル「ブロードキャスト!ブロードキャストォ!戻って来るんだ、早く!!」


マイスター「バンブル止めろ、もう無理だ…!」


バンブル「でも―――」




続いて始まった連鎖的な爆発は。




スタースクリーム「くそっ―――あれじゃどうやったって収容は無理ってもんだ……!」

スタースクリーム「センチメンタルは柄じゃねえが……カタキぐらいはとってやるさ……」



両軍の勝敗を。


おいそれとは判定出来ない物とした。


そして。


爆心地に居た、ブロードキャストとサウンドウェーブの両名は。


果たして。


一時中断します、再開は午後辺りになります。
ディセップ?オートボット?オプティマスプライム?何のこったよ(すっとぼけ

プライマス「おおブロキャ&サウンドよ、死んでしまうとは情けない」

…嘘です。
ですがサイバトロン&デストロンの出番はこれでしばらくの間(終わりだぁ!)
なのでサイバトロンはプロローグで出せるだけ出したのですが、欠けがあったらすみません。

え?ダイノボットとオメガスプリームとプロテクトボットとエアーボットが居ない?
…作画ミスです。嘘ですすいません。
それでは短い間ですがお付き合い願います。

遅くなってスミマセンでした。>>1です。
うわあ…感想ありがとうございます、嬉しいなあ…
そう言えばレジェンズを忘れていた無能、そしてブロキャ復活俺得、絶対見よう。

>>スキッズ
……あ、はいすんません(震え声

それでは続きをば。

…………。



……………………。



………………………………。






始まりは暗黒。


次に、光が差し込む―――。



暗幕が翻ると、物語が代わり、"キャスト"も一新される。


そして。


戦場に、新たな歌("サウンド")が流れる。


だがそれは。


始まりを祝福する歌声なのか。


それとも。








―――ううううううあああああああああああああああああ…………っ!!!!!




それは身を刻むような悲痛な叫び。


魂の歌。




―――死なせない……!死なせない……!



―――死なせ……ない……!



―――私の目の前で……これ以上……誰も……!



しかし。





強襲型ノイズA「BUBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
強襲型ノイズB「BUBAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」




彼女の歌を嘲笑うように。



翼「―――奏ぇっ!!!」



奏「わ、私は……まだ……!!」



響(幼少)「……っ……っ!!」ブルブル



運命は。



奏「(生きる事を―――諦め―――)」



バキッ!バキンッ!!



奏「(しまった!鎧が……!!)」



響(幼少)「あ―――!」



かくも残酷に人を翻弄する。


尤も。






―――バチッ!



―――バチ、バチバチバチバチン!!!





カエル型ノイズ「Vi―――?」



人型ノイズ「ViVi―――?」





―――バキイイィィィイイイィィィン!!!!







ブロードキャスト「―――うおわああああああああああああ!!!」ゴロンゴロン

サウンドウェーブ「―――ウエアアアアアアアアアアアアア!!!」ゴロンゴロン






嘲笑うのは、人間の神か。

それともトランスフォーマーの神か。

この時ばかりは誰にも全く予想出来ない事であった!






奏「――――――はあ?」

翼「―――――――え?」




突如。


赤と黒の塊が、空中から飛び出たと思いきや。


それらは物凄いスピードで小型ノイズの群れを蹴散らし。


そして。



響(幼少)「――――――へ?」



少女に襲い掛かる筈だった破片を弾き飛ばし。


弾き飛ばし……?



ヒュウウウゥゥゥン……―――コツン!




響(幼少)「―――痛いっ!?おでこに何か……!」



痛みを押さえて上を見れば。


打ち上がった破片が。



ヒュウウウウゥゥゥゥン……―――スポッ!



響(幼少)「んぐっ―――!?」



――――――ゴクリ。



響(幼少)「!?!?……ケホケホッ!な、何か口に入っちゃった……うえぇ~……」

響(幼少)「……え?」



見れば。

自分の目の前に、塊となった青と赤の何か。




ブロードキャスト「痛てててててててててて……あれ?ここは誰?俺は何処?」ピヨピヨ


サウンドウェーブ「ジョウキョウ フメイ メガトロン サマ オウトウセヨ」プシュー


ブロードキャスト「確か俺達取っ組み合いしてて、それからピカっと光って……?」

ブロードキャスト「……ん?」



響(幼少)「……………………。」ポカーン


ブロードキャスト「……………………」ジ~


響(幼少)「…………………………。」ドキドキ


ブロードキャスト「……………………」ジ~


響(幼少)「…………………………。」ハラハラ


ブロードキャスト「……………………」







ブロードキャスト「――――ニコッ♪」

響(幼少)「――――――――ッ!?」ビクッ





ブロードキャスト「はぁいカワイコちゃん、俺っちサイバトロンのブロードキャストって言うんだけど、お近づきの印にキュートな君の名前も聞いておきたいなって思うんだけど、え?何だってまだ早い?参っちゃうな俺的にはカワイコちゃんとは名前を取替えっこした上で徐々にお近づきにならなきゃって真摯な教育を受けてるもんでついでにここがどこだか知りたいって気持ちも勿論あるのは否定できないけどね。あ、君サイバトロンって知ってる?勿論ご存知だと思いたいね何しろテレビで結構有名だからさ―――」ペラペラペラペラ


響(幼少)「……ッ!……ッ!!」ビクビク


ブロードキャスト「いやいやいやそんなに怯えなくてもだいじょーぶイージーイージーベリーイージー!俺っち君を取って食おうとかそんな気持ちは微塵も無いぜ!ただここは心と心が通じる知的生命体同士の清いお付き合いを―――」


響(幼少)「―――"の"」


ブロードキャスト「??―――の?」


響(幼少)「"ノイズ"……!」


ブロードキャスト「"ノイズ"(雑音)だって!?そりゃあ酷いな、こう見えても俺は音声回路とサウンドシステムの手入れは欠かした事は無いんだぜ―――」



サウンドウェーブ「―――オイ イカレサウンド」


ブロードキャスト「何だよ根暗!こっちはこれから心温まるハートフルなストーリーが……」

ブロードキャスト「………………、」






強襲型ノイズ「「――――――――――――、」」

人型ノイズ「「「「―――――――――、」」」」

カエル型ノイズ「「「「「――――――、」」」」




ブロードキャスト「………………、」


ブロードキャスト「君の言う"ノイズ"って、コイツらの事?」


響(幼少)「―――!!―――!!」コクコクコクコクコク!!


ブロードキャスト「そっかー……」




強襲型ノイズ「「――――――――――――、」」

人型ノイズ「「「「―――――――――、」」」」

カエル型ノイズ「「「「「――――――、」」」」





サウンドウェーブ「ミチ ノ エネルギー ハンノウ カクニン ユウコウテキ トハ オモエナイ」


ブロードキャスト「……んなもん見りゃ一発だろうがよ」


サウンドウェーブ「ナラ ドウスル? イカレサウンド」


ブロードキャスト「決まってんだろうが……!」グッ



強襲型ノイズ「「――――――――――――!」」

人型ノイズ「「「「―――――――――!」」」」

カエル型ノイズ「「「「「――――――!」」」」



ブロードキャスト「―――やあやあやあ!これまた皆さんお揃いで今日もゴキゲンなこって!!」ニッコニコ



奏「………………、」
翼「………………、」

響(幼少)「……、」



サウンドウェーブ「………………、」



ブロードキャスト「ゴキゲンな天気にゴキゲンな風景……とはいかないみたいだけど、ここは一つ両者が出合った記念を祝して俺から一つメロディちゃんをプレゼント―――」



だが。






強襲型ノイズ「「――――――――――――!!」」

人型ノイズ「「「「―――――――――!!」」」」

カエル型ノイズ「「「「「――――――!!」」」」



ブロードキャストの行動が引き金になったかは解らない。

解らないが、突如ノイズと言う怪物達は。

一斉にブロードキャストとサウンドウェーブに襲い掛かった!



ブロードキャスト「―――な、何でえええええええええええええええええ!!!???」


サウンドウェーブ「―――ウエアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!???」



果たして。

未知の生命体に強襲された、二人の運命は!


プライマス「(別の次元に)ボッシュートでございます!」デレッデレッデ~ン

だいじょーぶ、SG世界とかじゃないからへーきへーき(白目
奏さん生存√、やったぜ。

イカれサウンドと根暗ウェーブ、これからはこの二人が主役です。
そういうお話です、短いですが何卒よろしくお願いいたします。

それでは。

遅くなりました、続きを投下します。

怪物達の行動が、先に戦っていた彼女達はいつでも倒せると踏んだ上での計算か。

正体不明の闖入者を片付けようとした打算であるのかは窺い知れない。

だが。




ブロードキャスト「うわああああああ!気色悪い!!おい!これは何かの冗談なんだよなああああああ!?」


サウンドウェーブ「ヨルナ、サワルナ……!ウワ、ウワア……ウワアアア……!!」




計算か偶然か、どちらにせよ無数のノイズに押さえつけられる二人のトランスフォーマー。

危うし!ブロードキャスト!

どうなる!?サウンドウェーブ!



奏「あ、あいつら……」フラッ


翼「奏、何をするの!?」


奏「何だか解らないけど、助けてやらないと……痛っ!」


翼「無理よ!その怪我じゃ、もう……!」


奏「だからって、このまま放っておけってのか!?」


翼「だったら……私が!」ジャキッ



その時だった!

突如、彼等を包囲していたノイズの一角が。



人型ノイズ「Vi―――――――――ッ!?」

カエル型ノイズ「ViGi――――――ィ!?」



弾け飛び、そこから飛び出して来たモノ達が居た!





ジャガー「ガウルルルルルルルルルルルルルルルルルゥ!!!」

コンドル「クエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!」

フレンジー「なぁんだこりゃ!一体全体どーなっとんのさ!?」


バズソー「(ヨッシャデバンフタタビー!!!!!!)キエエエエエエッ!!」

ランブル「ウオー!コロセー!!トドメヲサセー(?)!!!」





サウンドウェーブ「ジャガー、コンドル、フレンジー、バズソー、ランブル、イジェクト!イジェクト!!イジェクト!!!イジェクト!!!!イジェ~クト!!!!!ハイジョセヨ」




更に。





スチールジョー「ガウウウウウウウウウウウウウウッ!」

アムホーン「何だこいつら、デストロンじゃないのか?」

リワインド「敵には違いないだろうが!イジェクト、準備はいいか!」

イジェクト「ファストレイク(奇襲)成功!勿論OKさ、行くぞ!!」




ブロードキャスト「スチールジョー!アムホーン!!リワインド!!!イジェクト!!!!君等に決めた!……なんつって♪」




ブロードキャストの胸部から射出されたのは、彼が所持するミニボット部隊「カセットボット」である。





奏「なっ………!」

翼「…………!!」




二人が面食らったのも無理は無い。

彼女達の"敵"は普通であれば傷をつけるだけでも多大なる力が必要である筈なのだ。

それを。




コンドル「クエエエエエエエエエッ!!」バッバババ!!

ランブル「フゥーハハハハァー!いいぞベイベー!!逃げる奴はサイバトロンだ、逃げない奴は良く訓練されたサイバトロンだァー!!」ズバババ!!

リワインド「言ってる事は全く解らんが兎に角撃ちまくれ!」

イジェクト「これだけ密集していれば目を瞑ってても当たるぜ、タッチダウンだ!!」





人型ノイズ「――――――!!??」ゴボッ

カエル型ノイズ「――――!!??」ピギッ





撃ち抜き。





スチールジョー「ガルルルルルルルルルルル!!」

ジャガー「グルルルルルルルルルルルルルル!!」

アムホーン「おっとどいたどいたぁ!俺の体当たりの犠牲になりたいやつぁどいつだい!?」

バズソー「(実は肉弾戦も出来ます!コンドルとは違うんです!!)キシャアアアア!」




人型ノイズ「――――――!!!!」ドゴッ

カエル型ノイズ「――――!!!!」ブチブチッ




引き裂き。





フレンジー「さぁてお立ち合い!フレンジー様のハンマーアームの破壊力とくとご覧あれ~!!」



"ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!"




ノイズ群「Vigigigi―――!?」ヒュウゥゥゥゥゥゥ!!!




叩き落した。

さて。


そんな中、渦中の二人は。




ブロードキャスト「―――おい、面汚し!」バキッ!!


人型ノイズ「ViGi―――!!」ジュッ!!



サウンドウェーブ「―――ナンダ、イカレサウンド」ドガッ!!


人型ノイズ「―――!?」ボシュウッ!!



ブロードキャスト「コイツら本当何なんだ、デストロンの新兵器じゃないだろうな!?」


サウンドウェーブ「シラン、サイバトロン ノ イカレカガクシャ ガ ツクッタノデハ ナイノカ」


ブロードキャスト「そんなわけ―――!無くも無い、ってところが悲しいなチクショウ!」






―――ぶうぇっくしゅん!!!!!





ホイルジャック「……はて?誰かが我輩の噂でもしたのかな??」グシュッ


ラチェット「研究で根を詰めすぎたんじゃないかホイルジャック、何なら一度ホーバーホールでも行おうか?」


バンブル「もー!そんな事より今はブロードキャストの行方の方が大事でしょうが!!」


パーセプター「いや待ちたまえバンブル。こういう事は焦ってもしょうがないんだ、じっくりと考えるとしようじゃないか」





――――――…………。



ブロードキャスト「―――ぶうぇっくしょん!!!」

ブロードキャスト「……何だ、カワイコちゃんが俺の噂話でもしてんのかな?」グシュッ


サウンドウェーブ「タタカイノ サイチュウニ ノンキ ナ ヤツダ ジリツカイロ ノ ジュミョウ デハナイノカ」


ブロードキャスト「ハッ!古ぼけた誰かさんと違ってこっちのパーツはどれもまだ新品なんでね!」

ブロードキャスト「……クソッ!まだ来るのかこいつら!!」



ノイズ群「「「"""ViGiGiGiGiGiGiGiGi……!!!"""」」」



ブロードキャスト「いい加減……この、しつっこいんだよ!!」バキッ!!



戦いは、両者に戦力差こそあれど。

地力ではブロードキャスト達が優勢であった。

だが。



"バキッ!!!"


人型ノイズ「ViGi―――っ!…………、」

人型ノイズ「!!!!!」グオッ!!


フレンジー「おっと危ねえ!」ヒョイッ!

フレンジー「な、何だ?こいつら急に硬くなっちまったぜ?」



その違和感は、気のせいではなかった。





コンドル「?????」

ジャガー「?????」


コンドルも、ジャガーも。



スチールジョー「―――?―――??」

アムホーン「どうしちまったってんだ、攻撃がすり抜けっちまうぞ?」


スチールジョーも、アムホーンも。



リワインド「確かにさっきまでは一撃だったんだ……!」

イジェクト「まるでスルーパスを食らった気分だぜ……!!」


リワインドも、イジェクトも。



人型ノイズ「……!……!!」ボカボカボカボカ!!

ランブル「艦首に被弾、右舷に被弾、左舷に被弾、弾薬庫被弾、主砲大破、甲板大破!!!!」ヘブシッ


バズソー「(へ、へへ……ボク実は君を尊敬してるんだ、仲間にしてくんない?)」ヘコヘコ

カエル型ノイズ「……、」ダガコトワル

バズソー「アァオォォォォォォーッ!!??」


ランブルも、バズソーも。



そして。

当の本人達も。



ブロードキャスト「どうなってんだ?拘束から脱出する時は確かな手応えを感じてたのに…―――おっと!」ヒョイッ!

ブロードキャスト「今はまるでゼリーでも殴ってるような奇妙な感覚だぜ」バキッ!


人型ノイズ「―――!…………、」グニン

人型ノイズ「ViGiiiiiii!!!!」


サウンドウェーブ「ダメージ カクニン シカシ スグ シュウフク スル」

サウンドウェーブ「……イヤ コレハ モシヤ」


"ある事"に思い至ったサウンドウェーブは、体内のセンサーを切り替えた。



サウンドウェーブ「ヤハリ カ」


ブロードキャスト「何が"ヤハリカ"だ!一人で納得してないで説明しろよ陰険腹黒根暗!!」


サウンドウェーブ「イカレサウンド、センサーモード ヲ ハンシャモード ニ キリカエテミロ」


ブロードキャスト「何だって?よし……(カチッ)……うわ!何だこりゃ!?」




通常、生物や物体に音をぶつければ一定の周波で音が跳ね返り。

その音響で大体の大きさ、構成している物の硬さなどが解るのだ。

だが。


ブロードキャスト「なんなんだこいつら……こんな波形パターンは初めて見るぞ!」


サウンドウェーブ「ツウジョウ ノ ブツリホウソク デハ アリエナイ ハンノウダ」


ブロードキャスト「攻撃が通らなくなって来てる理由はコイツか!」

ブロードキャスト「……あん?待てよ??だったら先刻までは何で攻撃が通ってたんだ?」


サウンドウェーブ「オソラク、コイツラ ノ ハッセイシテイル ハケイガ ナンラカノ リユウデ ツウジョウニ モドッテイタ モノト スイソクスル」


ブロードキャスト「"何らかの理由"って何だよ?」


サウンドウェーブ「………………、」


ブロードキャスト「そこでダンマリかよ!肝心な所で役に立たねえなお前は!!」


サウンドウェーブ「ダマレ ヒトニ タヨルマエ ニ キサマ モ カンガエロ イカレサウンド」


ブロードキャスト「言ってくれんなチキショウ!」

ブロードキャスト「とは言っても、何だ?俺は一体何をしたっけか……考えろ、考えるんだブロードキャスト……」

ブロードキャスト「……待てよ」


ブロードキャストは辺りを見回した。

すると。




スチールジョー「ガルルルルルルゥ……」モウオテアゲニャス

アムホーン「こうなったらちょこまかと動いて霍乱するしか手は無いぜ全く……」ズドドドド…!!


人型ノイズ「ViGi―――!」マテー

カエル型ノイズ「―――!」マテマテー



スチールジョー達の攻撃はもう殆ど効いて無いのに対し。



ブロードキャスト「おりゃあっ!!」バキッ!


人型ノイズ「―――Gi!」グギャッ!!


自分の攻撃はまだノイズとかいう怪物に届いていた。

それは。



サウンドウェーブ「ヨルナ サワルナ ヒッツクナ」バキッドカッ


人型ノイズ「――――――!」イヤン!!

カエル型ノイズ「――――!」ツレナイヒト!!



サウンドウェーブも同じであった。





ブロードキャスト「(カセットボットやカセットロン達は駄目で、俺やサウンドウェーブがOKな理由?)」

ブロードキャスト「(……それは……)」



ブロードキャストは思い出していた。

拘束から逃れる際、カセットボットを射出しようとして。

手を滑らせて、それから……。



ブロードキャスト「(だが、仮にそうだとして)」

ブロードキャスト「………………………………、」

ブロードキャスト「(……マジかよ……)」ゲンナリ



この事態を収拾する方法を思い立ったブロードキャストは。

最初こそ苦々しい顔をしたが。

やがて断腸の思いで。



ブロードキャスト「……おい、サウンドウェーブ!!!」


サウンドウェーブ「―――?」


ブロードキャスト「ちょっと閃いた事がある……"協力しろ"!」






ブロードキャスト「―――"私にいい考えがある!"ってヤツさ♪」ニヤッ!







―――ぶうぇっくしゅん!!!!!




コンボイ「…………?」グシュッ!!


アイアンハイド「コンボイ司令も風邪ですか?」


ホイルジャック「いけませんな、トランフォーマーが風邪だなどと。よろしい、この私がとっておきの発明品で風邪の菌を―――」


マイスター「いいから早くブロードキャストを救出する装置の開発に取り掛かってくれないかホイルジャック」




――――――…………。





果たして、ブロードキャストの試みは。


成功するのだろうか?

今回はここまでです、それでは失礼致します。

すいませんちょっと短いですが、出来た分投下致します。



サウンドウェーブ「……ナルホド、タシカニソレナラバ コイツラ ヲ ドウニカデキル カモシレナイ」

サウンドウェーブ「ダガ コトワル」ピシャァン!


ブロードキャスト「なぁんでだよっ!!??」



サウンドウェーブ「キサマ ノ ヨウナ イカレサウンドト ハチョウヲ アワセラレルカ チョウカクカイロ ガ クサル」


ブロードキャスト「馬っ鹿!んなこと言ってる場合じゃ……!」






"GiGiGiGiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!!!"






サウンドウェーブ「……!」

ブロードキャスト「な、何だ!?」


その時。

静観をしていた巨大なノイズが吼えた。

すると。



人型ノイズ「――――――――!」ウゾウゾウゾ……

カエル型ノイズ「――――――!」ゾロゾロゾロ……



それに呼応するかのように小型ノイズの集団が巨大ノイズの足元に集まり。


そして。












合体ノイズ「――――――GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」










ブロードキャスト「こ、こいつ……!」

サウンドウェーブ「ガッタイ シタ……!?」





合体ノイズ「GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」ブンッ!!!



ブロードキャスト「げっ―――!!」

サウンドウェーブ「ウオッ――!!」





アムホーン「―――あぶねえ、ブロードキャスト!!!」





"バキィィィィィィン!!!"





アムホーン「ぐはあっ……!!」

スチールジョー「…………!!」



サウンドウェーブ「アムホーン!スチールジョー!!」



地面に叩き付けられ、ピクリとも動かなくなるカセットボット達。

更に。



コンドル「――――――!」ズキュズキュズキュ!!

ジャガー「――――――!」ズダダダダダダダダ!!



コンドルとジャガーによる両面攻撃も。



合体ノイズ「――――――、――――――、」



効果は無い。

それ所か。



合体ノイズ「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」ブンッ!!



"バキィィィィィィン!!!"



コンドル「!!!!!!!」グフッ!!

ジャガー「!!!!!!!」ゴハッ!!



サウンドウェーブ「コンドル、ジャガー!」



返り討ちである。





合体ノイズ「………………………………、」



"ビシュン!ビシュシュン!!"



合体ノイズ「―――――――――!」




リワインド「おらおら、こっちだこっちだデカブツ!」

イジェクト「ジャイアントキリングにゃ程遠いが、時間稼ぎぐらいならな!!」

フレンジー「この化物が!俺っち特製のハンマーアームを受けてみやがれ!!」ズドドドドドド!!!



合体ノイズ「―――――――――」シーン…



フレンジー「あっ駄目だこりゃ、デカすぎて効いてね―――」




" ズ ゴ ン !!!"




フレンジー「どーも失礼しましたアァーッ!!??」ヒュウゥゥゥゥゥ……

リワインド「ぐわああああああああああああっ!?」

イジェクト「がはっ、すまない……これにて退場みたいだ……!」ガクッ





ブロードキャスト「……くそっ!これで後は俺達―――」

ブロードキャスト「…………………………、」チラッ





ランブル「――――――――――――、」シンダフリー

バズソー「(しんでいる、ただのしかばねのようだ…)」カンバンモチー





ブロードキャスト「俺達だけになっちまったな……!」


サウンドウェーブ「…………………………、」


ブロードキャスト「おい、意地張ってる場合かよ!!このままじゃ二人とも……!」



合体ノイズ「―――――――――!!」ブンッ!!!



ブロードキャスト「うおっと―――!!」

サウンドウェーブ「――――――――!」




"ッズ ゴ オ ォ ォ ォ ォ ォ ン ! ! !"





ブロードキャスト「クソッ、無茶苦茶しやがる!!」

ブロードキャスト「―――!」


響(幼少)「あ……!」



ブロードキャスト「(岩が……!)」

ブロードキャスト「させるかよ、クソッタレ!!」ダッシュ!!


"ゴギャッ!!!!"


響(幼少)「…………ッッッ!!」

響(幼少)「……あ、あれ?私……」

響(幼少)「―――あ」



ブロードキャスト「―――ぎ、ギリセーフ……!」ゼェゼェ



ブロードキャスト「よっ、カワイコちゃん。怪我は無いかい?」



響(幼少)「えっ、あ……は、はい……」

響(幼少)「でも、あの、その……ろ、ロボット?さんは……」


ブロードキャスト「俺?こんなんへーきへっちゃらだいじょーぶ!」

ブロードキャスト「イージーイージー、ベリーイージーってなもんさ!」




ブロードキャスト「んで、"向こう"は……」




奏「…………!」

翼「あ………!」


サウンドウェーブ「……………………、」ムスー


翼「あ、ありが……」

サウンドウェーブ「―――"ダマレ"」

翼「…………!」ビクッ


サウンドウェーブ「……ウシロ デ ノビテル コンドル ト ジャガー ノ タメダ」




コンドル「―――、」キュゥ

ジャガー「―――、」モーシワケナシ




サウンドウェーブ「オマエラ ニンゲンノ タメデハ ナイ ハキチガエルナ」ギロ

翼「…………ッ」




奏「……突然出てきて、好き勝手な事言ってくれんじゃないのさ……」フラッ

翼「奏……ッ!」


奏「逆を言えば、コレはアンタ達の戦いじゃないって事でもある」

奏「アンタ達が何者かなんてアタシにはどうでもいいこった、助けてくれた礼は言ってやるからとっとと下がんな」

奏「ノイズは……あの化物共はアタシの獲物だ……!」ジャキッ


翼「奏!だから貴女はもう……!」


奏「私からコレを取ったら、何も残らないの……知ってるだろ?」


翼「―――ッ!」


奏「それに、アタシ達には切り札がある」

奏「それを使えば、幾らあのデカブツでも……!」


翼「―――"絶唱"を使う気!?そんな事をしたら……!!」


奏「―――"解ってるさ"」

奏「でもね、翼……アタシ達"奏者"はいつかはこうなるのが定めかもしれない」

奏「それが、偶々今日だったってだけの事さ……」


翼「駄目……駄目だ、奏……!」



サウンドウェーブ「…………………………、」




サウンドウェーブ「(オイテキボリ ニ サレテイルノカ イマ……)」ポツーン




少女が命を燃やす決意をした。

正にその瞬間であった。





ブロードキャスト「うおおおおおおおおりゃああああああああああああ!!!!」グオッ!!





奏「―――!」
翼「―――!」


サウンドウェーブ「イカレサウンド……!」




ブロードキャストは、空手で自らの身体より遥かに大きい怪物に殴りかかる。




合体ノイズ「――――――!!!」ブオッ!!!




だが当然、僅かなダメージしか与えられない。

すぐに豪腕による反撃が来る。





ブロードキャスト「うおっ!あぶねえ!掠った、今確実に掠ったよなあ!?」



奏「なっ―――何やってんだ!下がれって言っただろうが!!」



ブロードキャスト「はーい!ハイカラ(死語)なカワイコちゃん!しっかりと聞いたけどその頼みは俺的には聞けまっせんね!!」

ブロードキャスト「(ブオン!)……っと!おらデカブツかかってこいやあ!!!」



奏「…………ッ!」ギリッ

奏「おい、アンタのツレだろう!アイツを下がらせたらどうなんだ!?」


サウンドウェーブ「バカヲイエ アンナ イカレサウンド ドウナロウト シッタコト カ」


奏「このままじゃ勝ち目が無いってのは解ってるだろう!?」

奏「アタシなら何とか出来るんだ!だったらアタシがやるのが筋ってもんだろ、ええ!?」

奏「だのに何で……!」


サウンドウェーブ「…………オソラクハ」




サウンドウェーブ「オマエノタメ ダロウ」





翼「―――――え?」

奏「―――はあ!?」



サウンドウェーブ「オマエ ガ イウ キリフダ ガ ドウイウモノカ ハ ワカラン」

サウンドウェーブ「ワカランガ スイソク グライハ デキル」

サウンドウェーブ「ソノ オンボロ ナ ボディ デ ナニヲヤルノカハ シラン」


奏「―――、」ボロッ


サウンドウェーブ「ダガ ヤレバ タダデハスマナイ ソウイウモノ ダロウ」

サウンドウェーブ「ソレガ アノ イカレサウンド ニハ キョヨウデキナイ トイウワケダ」


奏「な、何で……!何でだ!?」

奏「アタシはアンタ達とは今始めてあったばかりの縁も縁も無いヤツだぞ!なのに……!」



サウンドウェーブ「シルカ アノ イカレサウンド ニ キケ」



サウンドウェーブ「(マッタク アマチャン ゾロイ ノ サイバトロン メガ……)」





サウンドウェーブ「…………!!」


奏&翼「「―――あ!」」



合体ノイズ「GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」ブン!!!


ブロードキャスト「うおおおおおおおおおおおおっ!!??」



遂に。

合体ノイズの豪腕に捉えられ、吹き飛ばされるブロードキャスト。

だが。



ブロードキャスト「ッ―――!まだまだだああああっ!!!」



踏ん張り、再び拳を握って巨大ノイズに立ち向かう事を止めようとはしない。






ブロードキャスト「はあ……ッ、はあ……ッ」ボロッ

ブロードキャスト「("知らねえな"……理由なんてくだらないこと、"考えた事もありゃしねえ")」




ただ。





―――ブロードキャスト。



スパイク『確かに、キミとボクは機械と生身で大きな隔たりがあるかもしれない』

スパイク『だけど、こうして音楽を通して心と心が通じ合えるんだもの!!』

スパイク『だから、キミとボクは友人さ!』



スパークプラグ『わしゃ、お前さんの音楽というのはどうも性に合わん』

スパークプラグ『だが、息子のスパイクがあんなに楽しそうにしとるのを見るのは初めてだ』

スパークプラグ『だからお前さんは信用出来るんだよ。"ひとりの人間として"な』ニッカリ



ラウル『よおブロードキャスト、いつぞやはどうもってやつさ』

ポップロック『またトラックスと一緒にダンシトロンに来てくれよな!アンタなら顔パスさ!』

ロックステディ『んでイマい音楽でまた踊ろうや!スタッフ連中も皆アンタ達が好きなんだよ』




―――……。





ブロードキャスト「(ずっとそうしてきた……コンボイ司令の命令ってだけじゃない……)」

ブロードキャスト「(自分の意思で……最初っからな……!)」



だから。





ブロードキャスト「サウンドウェーブ!テメエいつまで棒立ちしてやがる!!この臆病モンのエセラジカセが!!!」


サウンドウェーブ「―――ナニ?」


ブロードキャスト「こんな雑魚のっぺら一匹にいつまでも時間なんざ賭けてらんねえんだ!!」

ブロードキャスト「それとも何か?ブルッちまってお得意のサウンドシステムもガラクタ同然か?」


サウンドウェーブ「ナンダト……!」


ブロードキャスト「違うってんならいつまでもぐじぐじしてねえでとっとと手を貸せ!!」

ブロードキャスト「こういう手合いはしつけえぞ!ここでやっとかなきゃ二人ともお陀仏だ!」

ブロードキャスト「そうなったらお前、メガトロンのヤツにも二度と会えねえんだぞ!それでもいいのかよ!!」



サウンドウェーブ「…………メガトロン サマ…………」




ブロードキャスト「解ったか!解ったんならさっさと―――……」フラッ

ブロードキャスト「……やべ……足にきちまっ……」



合体ノイズ「GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」グワッ!!



ブロードキャスト「……あ」



翼「――――――――――!」

奏「――――――マズい!!」



響(幼少)「―――ロボットさん!?」



迫り来る巨人の腕(かいな)を。

避けるだけの体力はもうブロードキャストには無い。

だが。




サウンドウェーブ「……………………………………………………、」

サウンドウェーブ「……!」ダッ





顔を上げたサウンドウェーブは不意に走り出す。

その目的は。















バズソー「(―――――――――え?オレっすか??)」クエッ?










サウンドウェーブ「………………、」ガシッ!


バズソー「(エッ!?ちょ、ちょっとご主人何を……!)」





倒れていた(?)バズソーを不意に掴んだと思いきや。

片足を大きく上げ。

そして!



サウンドウェーブ「"バズソー"」


















サウンドウェーブ「イジェ~~~~~~~~~~~~~~~~~クト!!」ブオン!!










バズソー「(え、あのオレもう外に出てるっていうか―――)」

バズソー「(うおああああああああああああああああああ!!???)」



見事な投球フォームよろしく。

思い切りぶん投げた。


その目標は勿論。




"ズ ゴ オ ォォ ォォ ォォ ォォォ ン!!!"







ブロードキャスト「………………、」




ブロードキャスト「あれ、俺っち潰れて無い?……ってか空、飛んでる!?」




ブロードキャスト「……あ!」






















バズソー「(あああああああっぶねええええええー!!ギリギリでセーフ!!!)」オゥライッオゥライッ!!















それは、ブロードキャストを回収したバズソーであった。

彼は急旋回で自らの主の元へ戻ると。

その足元に無事持って来た「荷物」を放った。



ブロードキャスト「(ドサッ!)―――痛えっ!!!お前、着地すんならもうちょっと優しくだな―――!」


サウンドウェーブ「―――"イッカイ" ダ」


ブロードキャスト「……あん?」


サウンドウェーブ「……"イッカイダケ" オマエ ノ クダラン サク ニ キョウリョク シテヤル」


ブロードキャスト「…………。」

ブロードキャスト「へ、素直じゃねえなこの野郎は」


サウンドウェーブ「ダマレ イカレサウンド ヤルナラ サッサト ヤレ」


ブロードキャスト「おうよ、やらいでか!」

ブロードキャスト「の、前にサウンドウェーブ!お前さんのサウンドプログラムチップを俺に寄越しな!」


サウンドウェーブ「…………………………、」ブスー


ブロードキャスト「露骨に嫌な顔すんなよな!こっちだって本当は願い下げなんだっての!!」


サウンドウェーブ「………………ホレ」シブシブ


ブロードキャスト「そんじゃ、俺のチップは……ほら、お前に渡しとくぜ」






ブロードキャストが考えた作戦はこうである。





ブロードキャスト「いいか?一度しか言わないから良く聞けよ」

ブロードキャスト「俺とお前、"二つのサウンドシステムをリンクさせて、増幅した音波をあいつにぶち当てる"んだ」



ブロードキャスト「但し、どっちかの波長が少しでもずれたり力加減を間違えたりすれば……」


サウンドウェーブ「ガラクタ ニ ナルノハ コチラノホウ カ」



ブロードキャスト「その通り。んで、アイツに聴かせるミュージックなんだが―――」























ブロードキャスト「―――モチのロンで、ポップでロックでハードにキュートなイカすサウンドな!」ゴーン

サウンドウェーブ「―――モチロン ソウゴン ナ ハーモニー ノ クラシックサウンド ダ !」ドーン


























ブロードキャスト「………………………………、」イラッ
サウンドウェーブ「………………………………、」ギリッ






前途多難であるこの作戦。


果たして、本当に成功するのだろうか!



今回はここまでです。
ブロキャ(とトラックス)の友達「ラウル」はTFG1第37話。「ロックステディ」と「ポップロック」は第52話にて登場しております。
特に52話はブロキャとサウンドの因縁(?)の対決なので必見です。
地球人に寄り添い生きる親愛なる友人、トランスフォーマー。(ただし、実写映画以外)


マイスター「私達は別に神様じゃないがね、勿論助けてあげるとも!」

(↑※ある惑星の原住民から助けを求められて)これも大好きな台詞でがす。


それではこれにて失礼します。

次回、「魂で謳え」。

音波「アムホーン!スチールジョー!!」

伝統の作画ミス

>>69>>70の間。




ブロードキャスト「("何で"か……)」


彼の脳内回路で、少女の言葉がリピートしていた。

確かにそうだ、自分達は急にここに現れて訳も解らず怪物と戦っている。

そんな必要は本来無い。

すぐにここから逃げ出したって良い。

投げ出してしまったって誰が彼を責められるだろうか?

それなのに彼はここに残る以外に考えが及ばなかった。


他の何者でもない―――。




響(幼少)「…………ッ!」





同族ですらない"人間"の為に。


>>1です。
すみません見直していた所上記の部分が抜け落ちておりました。
>>84における音波の作画ミスといい、詰めが甘すぎましたすみません。

次からは気をつけますです……では。

本日分、投下しますです。

※今回は演出の関係上、クドい表現が多くなっております。
>>1の表現力不足です、見づらい解り難いという事になった場合は、本当にすみません……。



ブロードキャスト「お前の感性について今つらつら言ってる暇はないんだよ……なんで、間を取って……コレでどうだ?」


サウンドウェーブ「ナンダ コレハ コミックソング デハ ナイカ」


ブロードキャスト「うるっさいな……それしかなかったんだよ、そーごんなハーモニーってヤツがリクエストピッタリだろうが」


サウンドウェーブ「シカタガ ナイ ガマン シテヤロウ」ハァー…


ブロードキャスト「何これ?こんな時でも上から目線??やっぱりトコトンお前とは合わ―――」





合体ノイズ「―――GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」ブンッ!!!








ブロードキャスト「―――おっと!」ヒョイッ
サウンドウェーブ「――――――!」バッ




ブロードキャスト「へっ、敵さんまだまだやる気満々って感じだな」

サウンドウェーブ「サウンドシステム ノ リンク ハ カンリョウ シテイル イツデモ ハジメラレル」




ブロードキャスト「オーケーオーケー。そんじゃ、始めるとしますか」

ブロードキャスト「会場はズタボロ、観客も極少数」

ブロードキャスト「おまけに超特大のクレーマーも居ると来たもんだ」

ブロードキャスト「だけんど全部ひっくるめて聴かせてやるとするかね」















―――今宵限り、一世一代のデュエットライブってヤツをさ。






―――………。



奏「はあ……っ、はあ……っ」


翼「(活動限界によるギアのバックダメージで奏の身体はもう限界にきている……)」

翼「(引くのなら、今しかない)」

翼「(けど、剣として私は、そして奏は、許容出来るというの?それ(撤退)を……)」




――――――♪

―――――――――♪




翼「……?」

翼「(何、この"音"は……)」


奏「――――――、」ボソッ


翼「奏?今、なんて……?」


奏「―――う、た―――」



奏「うた、が……」









―――歌が、聞こえる……。




突如戦場に鳴り響く"歌"。

否。

果たしてコレは、歌と呼べるべき物であるのか。

音程はバラバラ、メロディラインの均整もロクに取れていない。

強弱ですらも曖昧となったそれは、唯の雑音と言って差し支えないかもしれない。


その出所は、勿論……。




合体ノイズ「GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」



"バキッ!! バギン!!!"



ブロードキャスト「うご……ぐぐぐ……!」

サウンドウェーブ「……!……!……!!」



両者の表情が苦悶に歪む。

だがそれは、絶えず彼等を攻撃している合体ノイズによる物ではなかった。



ブロードキャスト「(か、身体が……バラバラになっちまいそうだ……)」



衝撃と轟音、二つの本流に晒され中枢回路すら焼かれかねない程だ。

その原因は他でもない、彼等の内部より流れ出るサウンドにあった。





ブロードキャスト「お"い"……根暗野郎……!もっと出力を上げろ……!このまんまじゃ中からイカれちまいそうだ……!」

サウンドウェーブ「ウルサイ キサマ コソ モット オンイキ ヲ サゲロ ガイブソウコウガ バラバラニ ナル……!」



合体ノイズ「GAGAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」バキッ、バキン!!




音が作り出す防壁により、合体ノイズの攻撃は彼等にダメージを与えるまでには至らない。

だがそれが、逆に逃げ場の無い力場を形成し二人を襲う。



ブロードキャスト「あ……ぐ……!」

ブロードキャスト「(やっぱ、無茶が過ぎたかよ……!)」



同じサウンドシステムを使用しているとて。

ブロードキャストとサウンドウェーブは端から敵同士。

主義主張も合わなければ音楽性もまるで違う。

そんな二人が即席のチームワークで、しかも敵を倒せる程の音域を作り出さなければならない。

更に言うのであれば、この作戦が敵に致命傷を与えられるという保証もない。

刻一刻と、時間が過ぎる度に、彼等のボディは軋みを上げ限界に近づいてゆく。




合体ノイズ「GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」




そんな状態である事を知ってか、知らずか。

合体ノイズは攻撃の手を毛ほども緩めない。

それが彼等の"本能"から根ざす行動故か、それとも。

ここでブロードキャスト達を倒してしまわなければ。

"恐ろしい事になる"と確信したが故か。





ブロードキャスト「あ……が……!!」



身体が、内部から弾け飛びそうだと悲鳴を上げる。




サウンドウェーブ「ウググ…………!!」



内部機構を覆っている装甲に、外側から圧がかかる。




しかしそれでも。

彼等は"音"を流す事を止めない。

これ以外、ブロードキャスト達には手はないのだ。



ブロードキャスト「(だ、駄目だ……視界が……霞む……)」



絶えず浴びせられる衝撃に内部機構が破損したのか。

センサーに靄がかかったような錯覚に陥る。

自分がかき鳴らしている音が高音か低音かも解らない。

ひたひたと、意識が暗く深い奥底に沈みそうになる感覚と共に。

絶対的な負けを確信する―――。







―――正に、その時だった。






~~~~~~~~~♪

~~~~~~~~~♪

~~~~~~~~~♪






ブロードキャスト「(な、何だ……)」

サウンドウェーブ「コレハ…………!」




最初、それは自分達が鳴らしている"音"だと思った。

だが。

システムダウン寸前の、機体そのものに染み渡るように響くソレは。


ブロードキャスト「……"歌"?」










―――歌が、聞こえる……。






奏「――――――~~~~~~~~~♪」


翼「………………か、奏………………?」





奏「~~~~~~♪―――♪―――……………………ぐっ!!!」



"―――ゴホッ!ゴホゴホゴホッ―――!!"



奏「カッ、ハァッ……ゼェッ!ゼェッ……!!」ヒューヒュー


翼「―――奏ッ!!」



戦友を心配して駆け寄ろうした彼女を。



奏「――――――!!!」バッ!!



翼「………………ッ!!」



来るな、と片手を上げて静止させた。




奏「……………………、」スゥ……

奏「――――――♪――――――~~~~……♪……♪」



そして再び、彼女は声を上げる。

掠れた声、張りのない音、不安定なメロディ。

聴く者が聴いても、その総てが。

この歌声が、今をときめくトップアーティストが歌った物だとは到底信じないであろう。

無論、ノイズを倒す力など絶対に在り得ない。

にも関わらず。



奏「――――――……♪……♪」



彼女は、歌う事を止めない。

それは。

他が為の"歌"なのか。




ブロードキャスト「…………こ、れは…………」

サウンドウェーブ「ウツクシイ……ハーモニー ダ」



その歌とも言えない歌は。

確かに彼等に届いていた。

幻聴ではない。

しかもそれは。

得も言えない感情……聴いているだけで痛みも無くなる様な感覚すら覚える程に。


美しいメロディとして。






ブロードキャスト「(一体……)」

サウンドウェーブ「(ナンダ コレハ……)」



―――これが、歌さ。



ブロードキャスト「…………!」

サウンドウェーブ「…………!」


センサー類が全く利かなくなった漆黒の闇の中で。

その声だけが確かに両者の耳朶を打った。



―――歌ってのはね、腹の底から擦り切れるくらい力強く叫ぶのさ。



ブロードキャスト「(腹の、底、から……)」



―――そうさ。何だって精一杯出し切ると、気持ちがいいもんだろう?

―――その気持ちの良さを、相手に伝えたい。余すことなく伝えたい。

―――いい感情も、悪い感情も全部ひっくるめて。





サウンドウェーブ「(ナゼ……ワレワレ ニ ソレ ヲ ツタエヨウト スル ソレヲシテ オマエ ニ ナンノ トクガ アル……?)」



―――理由?理由なんてありゃしないさ。

―――ただそこに、勿体無い"歌"があったから。

―――つい口を出したくなっちまったってだけ。


―――…………、いや。


―――ちょいと嘘だね。



ブロードキャスト「…………?」


―――こうやってギリギリの状態で歌ってると、なんていか……。

―――自分の死期ていうかさ……もうダメなんだなっていうのが解っちゃって。

―――それなら最後に思い切り唱ってやろうじゃんかって覚悟したのにさ。

―――どっかの誰かさんが邪魔してくれたから、全部ご破算だよ。



ブロードキャスト「(あー……そりゃ、悪うござんした……)」




―――あっはっは!そんなマジになって謝んなくったっていいよ。

―――だから、これはちょっとしたお礼ってヤツさ。

―――友達と、もうちょっとだけ居られるようにしてくれた。

―――名無しの権兵衛さんがたに向けた、ね。



ブロードキャスト「("ブロード……キャスト"……)」


―――?


ブロードキャスト「(俺っちの名前……ブロードキャストってんだ)」

ブロードキャスト「(ゴンベエだなんてイモい名前で呼ばれるのはあんまりじゃん?だから本名言っておく)」

ブロードキャスト「(で、で?そういうカワイコちゃんは何て名前なワケ?是非私めにその美しいお名前を紡がせて戴きたいモンですなあ)」


―――…………。


サウンドウェーブ「(キサマ ジョウキョウヲ リカイ シテ イルノカ イカレサウンド……!)」

ブロードキャスト「(あー、こっちの陰険で根暗で腹黒さ満点な野郎は"サウンドウェーブ"ってんだけど忘れてくれて全然OKよOK)」



―――…………。



――――――プッ!。


――――――アハ、アハハ……アハハハハハハハハハ……!!





ブロードキャスト「(え、え?何で笑うの何で笑うの??)」

サウンドウェーブ「(アキレラレテ イルダケダ コノ バカ メガ……!)」



―――――フフッ……アハハハハハハ!……あー、笑った笑った。


―――………。



―――"奏"。



―――"天羽 奏"ってんだよ、アタシの名前。




ブロードキャスト「("カナデ"か……!よっしゃ、これが終わった是非今度一緒にデュエットでもしたいと思うんだけど、どうかな?)」キラーン

サウンドウェーブ「(…………モウ スキニ シロ…………)」





―――ありがとうよ。

―――だけどさ、正直そろそろ無理っぽいんだよね。



ブロードキャスト「…………?」



―――会ったばかりで申し訳ないんだけどさ。

―――一つ……いや二つか、頼みを聞いてくれるかい?



ブロードキャスト「(あん?いや、俺っちで良ければそりゃ喜んで)」



―――アタシの相棒のこと。

―――"翼"ってんだけどさ、外面は一見キリッとしてるように見えて意外と内面がぐにゃぐにゃでさ。

―――アタシが居なくなったらどうなるか、考えるだけで危なっかしいから。

―――出来るだけでいい……気にかけておいてくれないかい?







ブロードキャスト「(………………。おい、そりゃ一体どういうこったい……?)」



―――もう一個。

―――アンタが助けてくれた"あの子"なんだけどさ。

―――こんな事に巻き込まれちまって。

―――最後まで面倒見れればいいんだけど、どうにもね。

―――だから、それもアンタにお願いする事にする。

―――そうすりゃ、アタシは何の後悔もなく……。



ブロードキャスト「(おい……!何か発言が色々と不穏当なんだけどよ……)」

ブロードキャスト「(やめろよな……カワイコちゃんがそういう遺言めいた事なんか言うもんじゃないぜ!)」



―――あの子に伝えておいてくれないか?

―――"生きる事を……諦めるな"って。

―――そうすりゃ、辛い事、苦しい事にぶち当たっても、いつかきっと道は……。

―――私にとっての翼が、そうだったから……。




ブロードキャスト「(―――おい!!!)」





―――最後にさ。


―――もう一度だけ、歌う時のコツを、教えとく、よ……。






―――音に、魂を乗せて、声で、運ぶのさ……。






―――アンタ達にならきっと、それが出来るから……。


―――アハッ、なんか、偉そうな事、言っっちゃった、けど……。


―――終わりが近いと、そういうことが、解っちゃう、もんだなって……。


―――今更みたいに……言える……ん……。


―――…………。





―――嗚呼、歌った後は。


―――すっごい、お腹が、減るんだなぁ……。






―――………………………………。


…………………………………………………………。







ブロードキャスト「(………………。嘘だろ…………)」

サウンドウェーブ「(……………………………………)」




ブロードキャスト「(……………………………………。)」



"歌ってのはね、腹の底から擦り切れるくらい力強く叫ぶのさ"




ブロードキャスト「…………………………………………う」



"音に、魂を、乗せて―――"




ブロードキャスト「……………………うお――――――」















ブロードキャスト「――――――うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!」









その時。


"ガチリ!"と。


歯車が噛み合った音がした。




そして。










合体ノイズ「GAGAAAAAAAAAAAAA!!!―――、―――」


合体ノイズ「――――――?」ピタッ!






~~~~~~~~~~~~~~♪


~~~~~~~~~~~~~~♪


~~~~~~~~~~~~~~♪


~~~~~~~~~~~~~~♪






戦場に音が鳴り響く。

そしてそれは、"雑音"等では無い。






翼「―――これは―――!」



"歌"だ。

今度こそ紛れもない。

美しい音程が乱れ飛ぶ、ハーモニーが重なった。

正真正銘の―――歌。



翼「…………"奏"?」



少女には、どうしてかその歌声が。

傍らに居る戦友のモノと錯覚して。

声をかけた。

だが。






奏「…………………………………………………………………………、」






翼「……かな、で?」




もう一度声をかけるが。

戦友はピクリとも動かない。

ただ、じっとそこに立っているだけだ。

静かに閉じられた瞼と。

満足しきったような笑みを浮かべながら。






~~~~~~~~~~~~~~♪


~~~~~~~~~~~~~~♪


~~~~~~~~~~~~~~♪

~~~~~~~~~~~~~~♪




音が鳴り響く、歌が踊る。

メロディの本流が、白い輝きを放って戦場を包み込む。

歌が力となって形を成し、音がそれを相乗して増幅させて行く。




ブロードキャスト「―――うううぅぅぅぅぅ雄雄雄々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々!!!」
サウンドウェーブ「―――ああああああああ亜亜亜々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々!!!」




歌う。

腹の底から、魂を搾り出すように。

歌う。

サイバトロンとデストロン。

異なる二つの"魂"を重ねて。

"魂"の力は、やがて。




―――ドクン!!!


響(幼少)「―――"熱い"ッ……!!!」

響(幼少)「(何……?急に、"お腹が熱く"……!)」


ある者には、力を。




奏「―――――――――、」


ある者には、安らぎを。




そしてある者には。





合体ノイズ「―――HAAAAAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO…………!」シュオォォォォォ!!






―――滅びを。


「?????」





―――"アウフヴァッヘン波形"、確認。


―――"フォニックゲイン"パーセンテージ、急速上昇。


―――臨界点突破、未知のエネルギーを確認。


―――研究班は直ちに解析を終了し、すぐにその場より退避……。


瓦礫に埋まった機械類が。

無感動に数値の羅列を歌い上げ。



???「……これは……!!!」



巨大な瓦礫を素手で叩き壊していた、とある人物は。

その報告を信じられないといった表情で見ていた。



「?????」




???「―――何だ?アレは……?」



廃墟と化したライブステージの片隅で。

"巨大なオブジェ"を抱えた金髪の美女は。



???「"鎧"の回収ついでに、地表がどうなっているかを見に来てみれば……」


音による波動で、肌がヒリつく。



???「"誰"だ?風鳴翼か、天羽奏か……」

???「―――いや、"違う"」

???「この肌に感じる"波形"は、どちらのものでもない」

???「ならば、一体誰がコレを引き起こしたというのだ?」

???「これでは、まるで―――」








翼「――――"絶唱"――――」





絶唱。

本来自分達にのみ許された力、その最たるモノの一つ。

それを、突然現れた二体の正体不明の者達が繰り出した。

風鳴翼の頭の中は、疑問符で一杯だった。

だが。

それよりも彼女の心の大半を占めるモノがあった。

それは。



翼「なんて……綺麗な……」



―――"歌声"なのだろう。




限界を超えて引き絞られた歌は。


ふつりと切れた一本の線のように。


突如鳴り止み。


続いて広がった輝きが。


総ての視界を真白に染めた。



そして……。





戦いは、ここに終わった。

1、何処に居ようとブロキャはブロキャ。
2、生存ルートって言ってたじゃないですか、やだー!!
3、翼さんはこの時点ではまだまだまだまだSAKIMORI語を習得してないので抑え気味で。

というわけで今日はここまででございます。
本当なら実際のBGMを提示したかった所なんですが、80年代でそれっぽい歌が見当たらなかったので、該当コミックソングは読み手の皆様の脳内補正にお任せします。

それでは失礼します。

次回、「おいでませ、特異災害対策機動部二課」

残業はもう嫌でござる……。
本日分投下致します。

戦い終わって、全力を尽くした二人。

ブロードキャストとサウンドウェーブ。

その今は。




―――………。

――――――…………!

―――――――――…………い……!




――――――お――――――………………い!




―――お――――お――お―――い!……………………。






"ガチャ! ガチャガチャガチャ……!!!"




"ガ チ ャ ン ! ! !"




"バン!バン!!バン!!!"
























ブロードキャスト「―――おおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~~~~い!!!」バンバンバン!!!

サウンドウェーブ「―――………………………………………………………………………。」










ブロードキャスト「誰か!何とか!言ってくれよおおおおおおおおおおおお!!!」ガチャガチャン!!










窓も無い完全なる個室において。













ブロードキャスト「これは!何かの!!冗談なんだよなああああああああああ!!??ってさっき言ったなこのネタ!」ガチャガチャ!!

サウンドウェーブ「……………………………………………………………………………。」ムスー



手錠をかけられ。




ブロードキャスト「頼むからさあ―――!!」




















ブロードキャスト「 早 く こ っ か ら 出 し て く れ ええええええええええええええええええええええっ!!!」







―――幽閉の身となっていた。




さて。

ここから少し時間を巻き戻すとしよう。

彼等が魂をこめ歌った。

あのスタジアム跡から。



―――。


―――――――――。


―――――――――――――――。




ブロードキャスト「……………………。」

サウンドウェーブ「………………………」




―――う、ううう……ん。




ブロードキャスト「……いっ―――てぇ……」ムクリ


ブロードキャスト「生き…………てんのか、俺…………?」イテテ


ブロードキャスト「…………ん?」




サウンドウェーブ「……………………………………………………」シーン



ブロードキャスト「!!おい、サウンドウェーブ!」



サウンドウェーブ「……………………………………………………」シーン






ブロードキャスト「クソッ!根暗で、陰険で、腹黒で、心の底から性根の腐った野郎で、くたばれデストロン野郎、といつも思ってたけどよ……いざこうなると……寂しいもんがあるなぁ」ウルウル


サウンドウェーブ「キコエテイルゾ イカレサウンド」ムクッ


ブロードキャスト「……あ、なーんだ。くたばってなかったのな」


サウンドウェーブ「ナイブキカイ ガ サイキドウ デ トマッテイタ ダケダ ザンネンダッタナ」


ブロードキャスト「はいはい、残念無念の極みで涙(オイル)がちょちょ切れちまうよ」

ブロードキャスト「……で、だ」





ブロードキャストが辺りを見回すと。

そこは、一面の廃墟。

ひび割れた地面、砕けたドームの一部があちらこちらで瓦礫の山と化していた。






ブロードキャスト「……コレ、俺たちが……やったん、だよな……」

サウンドウェーブ「アノシュンカン モノスゴイ パワー ノ ハドウ ヲ カンジタ」

ブロードキャスト「ああ……元々あったサウンドシステムがオーバーロードを起こしただけなのか、それとも……」


ブロードキャスト「……ん?」




響(幼少)「………………………………。」グッタリ




ブロードキャスト「あの子は……!」ダッシュ



ブロードキャスト「―――おい!無事か、カワイコちゃん!」



響(幼少)「………………………………。」



だが揺すっても、少女はぴくりとも動かない。






ブロードキャスト「しっかりしろよ!今すぐ病院に連れてってやるから―――」





―――申し訳ありませんが。

―――その心配には及びません。





ブロードキャスト「なぁにが、"心配には及びません"だよ!女の子がぶっ倒れてるんだぞ―――(ガチャリ!)―――それを……!」

ブロードキャスト「って、"ガチャリ!"……?」

ブロードキャスト「なっ…………!!??」


音がした方を見れば、手錠らしきモノが片腕に嵌められていた。

更に。

手錠はもう片方の腕をを引き寄せるように動いたかと思いきや。

たちまちに両腕が拘束されてしまう形となった。



ブロードキャスト「な、何だいこりゃ一体……!!」




―――貴方の身柄を拘束させて戴きます。




ブロードキャスト「はあ!?何言って――――――」

ブロードキャスト「…………………………。」




黒服A「………………………………。」
黒服B「………………………………。」
黒服C「………………………………。」
黒服D「………………………………。」
黒服E「………………………………。」





ブロードキャスト「……おたくら、どなた……?」



いつのまにそこに立っていたのか。

全身黒服、サングラスの集団がブロードキャストをぐるりと取り囲んでいた。


彼らは一瞬でブロードキャストに近づくと、その腕に手錠をかけたのだ。

そしてそれは。




サウンドウェーブ「―――ハナセ、ナニヲスル!キサマラ……!!」ジタバタ




サウンドウェーブも同様だ。












ブロードキャスト「――――――、」

ブロードキャスト「な、なんだこりゃああああああああああああああああああああああああああああっっ!!??」





現状に思考が追いつかず、つい叫んではみたものの。

その問いに、答えをくれる者は。

誰も居なかった…。



そして、現在。



ブロードキャスト「―――ぜえーっ……ぜえーっ……」グッタリ



サウンドウェーブ「………………………………………。」ムスー



ブロードキャスト「おい!何くつろいでんだよ!!"ワタシ シリマセーン"なんて面してないでお前もこの状況をどうにかしようとぐらいしろ!!!」


サウンドウェーブ「…………、ツウシン ハ ボウガイ サレテイル トランスフォーム モ フカノウ ダ」


ブロードキャスト「だったらお得意のコンドルなりジャガーなりで……!」


サウンドウェーブ「ソウイウ キサマ ハ ドウナンダ イカレサウンド」

ブロードキャスト「………………、」カチリ


ブロードキャスト「……ダメだ、カセットボットの誰も反応しねえや」


サウンドウェーブ「カキカンセイ システム モ マッタクハンノウ ガ ナイ」

サウンドウェーブ「オソラク ハ コノ テジョウ ノ セイダロウ イマイマシイ コトダ」ジャラリ


ブロードキャスト「……つまり?」


サウンドウェーブ「ナニヲシヨウガ スベテムダ トイウコトダ オトナシク ネテイロ エネルギー ガ モッタイナイ」ゴロン


ブロードキャスト「……あー、あー。さいですかよ!ったく……」ゴロン




ブロードキャスト「……………………。」

サウンドウェーブ「……………………。」


ブロードキャスト「…………なあ」

サウンドウェーブ「ナンダ」


ブロードキャスト「俺達これからどうなんのかねえ?」

サウンドウェーブ「シラン」


ブロードキャスト「"ノイズ"とか言ってたっけか、あの怪物共……」

サウンドウェーブ「……………………。」



ブロードキャスト「機械植物だとか、隕石に擬態した卵だとか、土星の原住民だとか電気を喰ういたずら生物だとか……」

ブロードキャスト「これまで色んな連中を見て来たけど、あんなもんは初めてだ」

ブロードキャスト「なあ、お前さんはどう思うよサウンドウェーブ」


サウンドウェーブ「サアナ」





ブロードキャスト「テレトラン1に解析を頼めば、何か解るかもしれないけんど……これ(手錠)じゃあな」

ブロードキャスト「あーあ、せめてサイバトロンの皆に通信……いや信号の一つでも送れればなあ」

ブロードキャスト「妨害されてんじゃそれも無理、か。通信員の名が泣いちまうぜ、ったく……」

ブロードキャスト「嗚呼ダメだ、こんな辛気臭い空気俺耐えられねえや。何か音楽でもかけるか」

ブロードキャスト「リスナーのサウンドウェーブ君、何かリクエストあるかね?」


サウンドウェーブ「クラシック」ダレガ、リスナーダ



ブロードキャスト「んなイモい音楽入れてねえよ、ロックとかパンクとかならあるぜ」


サウンドウェーブ「ナラバ イラン ケイハク ナ オト デ ミミガ クサル」


ブロードキャスト「おい、そりゃ聞き捨てならねえな……!ロックの何処が軽薄だってんだよ、お前だって以前ダンシトロンでノリノリの音楽かけてた癖によ!」※G1第52話参照。

サウンドウェーブ「アレ ハ サクセンコウドウ ノ ケッカ ダ オレ ノ シュミデハナイ」


ブロードキャスト「はっ、気取りやがっちまってまあ!俺っちの音楽がケーハクならお前の音楽なんてカビの生えた時代遅れじゃねえか!」


サウンドウェーブ「…………ナンダト?」ムクリ



ブロードキャスト「……こうなりゃどっちの音楽がイマいかこの場で決めるか?ああん??」


サウンドウェーブ「ケッチャクヲ ツケルカ イカレサウンド」




ブロードキャスト「――――――!」グッ

サウンドウェーブ「―――――!!」ギロッ




ブロードキャスト「…………………………」

サウンドウェーブ「…………………………」




ブロードキャスト「やめやめ、馬鹿らしくってやってらんねえよ」

サウンドウェーブ「……………………、」フー



喧嘩を止め、備え付けられたベッドに横になる。




ブロードキャスト「…………………………」

サウンドウェーブ「…………………………」




ブロードキャスト「……皆、今頃どうしてんのかねえ?」

サウンドウェーブ「………………………………………、」


ブロードキャスト「俺たちの事、探してくれてんのかな?」

サウンドウェーブ「………………………………………、」


ブロードキャスト「……おい、幾らなんでも無視するこたねえだろう?」

サウンドウェーブ「……………………………………」


ブロードキャスト「電源切(眠って)ってやがるし……」


ブロードキャスト「考えても仕方ねえか、俺っちも一眠り―――」



"カン……カン……カン……"



ブロードキャスト「……あん?」







黒服「――――――お加減は如何ですか?」






ブロードキャスト「……あー、グーよグー。強いて言えば電話か何かあれば尚グーかなあ、夜遅くなると親が心配するんで」


黒服「申し訳ありません、上の意向でそれは出来かねます」



ブロードキャスト「……さいですか」

ブロードキャスト「(黒色ってのは冗談が通じなくなる成分でも混じってんのかね)」ジロッ


サウンドウェーブ「…………………………」グー




ブロードキャスト「なあ」

黒服「なんでしょうか?」


ブロードキャスト「俺っちのツレ今こんなん(休眠中)だから、良ければ話し相手になって欲しいんだけど?」

黒服「私で良ければ」


ブロードキャスト「あ、そ。じゃあ少し質問したいんだけど、いいかな?」

黒服「私に答えられる範囲でなら」


ブロードキャスト「じゃ遠慮なく」

ブロードキャスト「あの"ノイズ"とかいう化物は一体何モンなのさ?」


黒服「私からはお答え出来ません」





ブロードキャスト「(オイィ、早速会話が終了しちまったぞ!?)」ガボーン






ブロードキャスト「……悪かった。そんじゃ質問を変えよっか」






ブロードキャスト「―――ここは何処なんだ?」

黒服「私からはお答え出来ません」



ブロードキャスト「―――あれがらどんぐらい経った?」

黒服「私からはお答え出来ません」



ブロードキャスト「―――あのハイカラなカワイコちゃん達(奏)は何者なのさ?」

黒服「私からはお答え出来ません」



ブロードキャスト「―――倒れてた小さなカワイコちゃん(響)はどうなった?」

黒服「私からはお答え出来ません」



ブロードキャスト「―――……俺達いつまでここに居ればいいわけ?」

黒服「私からはお答え出来ません」



ブロードキャスト「―――トランスフォ…………"サイバトロン"ってご存知?」

黒服「私からはお答え出来ません」






ブロードキャスト「……………………、」

黒服「……………………………………、」


ブロードキャスト「…………、(無言で顔面に手をやる)」



ブロードキャスト「(何これ、イヤガラセ?イヤガラセってやつ??)」ズーン…




黒服「ですので―――」


ブロードキャスト「?」



"カチャリ!……ギイィィィィ……!"



ブロードキャスト「……!(扉が……開いた?)」












黒服「―――どうぞ、我々の責任者が貴方がたと面会を希望しております」




牢屋?のあった地下より上へ上がり。

長い、長い廊下を三人で渡る。




ブロードキャスト「……なあ」

サウンドウェーブ「ナンダ?」


ブロードキャスト「何か見た事も無い機械で埋め尽くされてるんだけどよ」

サウンドウェーブ「ソウダナ」


ブロードキャスト「俺達とんでもない所に来ちまったみたいだけんど、ここは本当に地球なのか?」

サウンドウェーブ「メノマエ ノ コイツ(黒服) ガ シャベッタ コトバ ハ チキュウ ノ ゲンゴ ノ ヨウダガ」


ブロードキャスト「何処かの星に飛ばされたとかじゃないんだったら、せめてここが地球のどの辺りなのかだけでも解ればな……」

サウンドウェーブ「……、サテライト・コンパス ハ ツカエン ガ」


サウンドウェーブ「トコロドコロ ノ タンゴ カラ スイソクスル ニ キョクトウ―――ニホン ノ ヨウダガ」


ブロードキャスト「"日本"だって!?……余り良い思い出は無いんだよなぁ……」クレムジーク!!


ブロードキャスト「ん~、ちょっと待てよ?何で日本人が俺達を拘束なんてするんだ??」

サウンドウェーブ「……………………、」


ブロードキャスト「やっぱ何も解らねえんじゃねえか……」

サウンドウェーブ「ダマレ」


ブロードキャスト「……ん?」


歩いていく内に。

ブロードキャストの目にある光景が飛び込んで来た。



ブロードキャスト「……うわ、なんだよありゃ」



彼が思わず呟いたのも無理は無い。

それは、先程まで閉じ込められていた地下牢の方がまだ小奇麗に見えるほどの、破壊の後。

柱は倒れ、壁は砕け、露出したケーブルの束が未だに火花を挙げていた。



ブロードキャスト「こりゃ酷い、滅茶苦茶じゃないか」

サウンドウェーブ「ナニカ バクハツノ アト ノヨウニ ミエル ナ」

ブロードキャスト「爆発……ねぇ」


ブロードキャスト「………………、」


ブロードキャスト「なぁ、こうなったのって、俺たちの"アレ"が原因じゃあ無いよな?」

サウンドウェーブ「……………………。」



"アレ"とは言うまでもなく。

ブロードキャスト達がノイズを消滅させた"歌"のことだ。



ブロードキャスト「(なら、両腕のコレ(手錠)の説明は一応つくけどさぁ……)」



そうなると、事態は多分にややこしい事となる。





黒服「―――いいえ、それは違いますよ」


ブロードキャスト「あ、そうなの?」ホッ

ブロードキャスト「(ってか、それは答えてくれるのね)」

ブロードキャスト「……んん?じゃあ結局の所なんで俺達拘束されてんのさ」



思考回路が堂々巡りになりかけた所で。

黒服の足が、大きな扉の前で止まった。



黒服「…こちらに我々の責任者がおります。どうぞ、お入り下さい」スッ



ブロードキャスト「(いや、"お入り下さい"つっても……ねぇ)」



両腕が、モノの見事に手錠なのだ。

かと言って、このまま棒立ちでいるわけにも行かず。



ブロードキャスト「(ええい、ままよ……!)」



意を決し、扉に手をかけ。

思い切り開く。

すると!






"パパン!"


"パパパパパパパパパパパン!!!"




ブロードキャスト「おわ、何だ何だぁ!?」

サウンドウェーブ「――――――――!?」



鳴り響く、けたたましい炸裂音。

視界一杯に広がる、色とりどりの煙。

一体これは何なのか!




???1「―――異邦人の諸君」



???2「―――ようこそいらっしゃいませ♪」



















「「こちらが特異災害対策機動部二課・作戦司令室となりまぁす!!!」」パチパチパチパチ……!!










ブロードキャスト「……………………。」

サウンドウェーブ「……………………。」




???2「……あれ、おかしいわね?ウケてないみたいよ、"弦十郎"クン」


"弦十郎"と呼ばれた男「ふうむ……クラッカーより、くす玉の方が良かったか?」




ブロードキャスト「……………………。」

サウンドウェーブ「……………………。」


ブロードキャスト「……………………。」チラッ



"司令室"と言っていたが。

ここも先程の廊下と同じような破壊の跡があった。

それだけでなく、床にちらほら赤い染みも点在しており……。

にも関わらず、恐らくは突貫で作ったであろう "おいでませ、特異災害対策機動部二課" と手書きの垂れ幕が張られているのがいやにシュールであった。


故に。






ブロードキャスト「……………………。」

サウンドウェーブ「……………………。」




"弦十郎"と呼ばれた男「まずいな、彼らちょいと引き気味になってないか"了子"クン」ヒソヒソ

"了子"と呼ばれた女性「このもてなし方にしようって言ったのは弦十郎クンでしょ?」ゴニョゴニョ



ブロードキャスト「……………………。」






―――………。




―――何だよこれ?






投げやり気味に呟いた彼の言葉に答える声は。

やっぱり無かった。



今回はここまでです。ようやっと風鳴司令を出せた…。
恐らく単身でコンボイ司令官orメガトロンと殴り合いができて、しかも勝てる可能性があるお方。

後、どうしても冗長になってしまうので説明を省かせていただいたんですが…。


Q1、「何で人間の手錠で行動不能になってんの?」⇒
A1、「今は人間サイズの為(G1TFの一部は身体のサイズをある程度調節可能……という解釈)。更にはこの手錠、シンフォギア本編では"ある機能"があり、それが今のブロキャ達にクリティカルしちゃってます。コンボイ司令なら素でぶっちぎる(確信)」

Q2、「素手で牢屋壊せばいいじゃん(いいじゃん)」⇒
A2、「話によって(TFの)腕力はまちまちなんで……更に手錠の所為でステが下がっているという事で一つ」

Q3、「何で牢屋に入れたの?」⇒
A3、「時間稼ぎ。(ノイズに対する特防特効持ち、更には意思疎通も出来る上、自立行動可能。こんなん厄ネタ以外の何者でもない)」


あわやロストエイジ一直線。
でも弦十郎司令は人格者(OTONA)であらせられるから……。


次の投稿は少し遅くなります、それではこれにて。

次の投稿は少し遅くなる……すまんありゃウソだった。
夜勤の待機中は暇なんすよねえ……。





弦十郎「さて―――改めて自己紹介させて貰おうか。俺は、一応ここの司令を勤めさせて貰っている"風鳴 弦十郎"だ」キリッ





ブロードキャスト「(いや、"キリッ"ってな表情されてもねえ……)」



顔中に張られた絆創膏と頭部の包帯が痛々しい。

明らかに傷がついてからそう日が経ってない物だろう。

しかし、本人が平然としているのでそれ以上突っ込めず。



ブロードキャスト「あー……丁寧なご挨拶、誠に痛み入るんですがね、司令官殿」

ブロードキャスト「大変恐縮なんですが、よろしければ先にこの腕の物騒なモノ(手錠)をお外しくださりませんかねえ?」ジャラリ


弦十郎「おっと、すまないな……了子クン、頼む」




了子「―――その前に私も自己紹介させて貰うわよ?」



了子「"デキる女"と呼ばれ続けて幾星霜……特異災害対策機動部二課にこの人アリ!と言われた……!!」





了子「愛と勇気の"天才考古学者"―――"櫻井 了子"とは私の事!」ビシッ





了子「どうぞヨロシクね、ロボット(?)さん達」ウインク♪






ブロードキャスト「うわ~お、ゲキマブのカワイコちゃん♪」キュン!

サウンドウェーブ「…………。(マタ ハジマッタ という表情)」



了子「ありがとう♪……ゲキマブって表現は今時どうかと思うけど……」

了子「ま、それはおいといて……(カシャ、カシャン!)……はい、これでOK♪」



ブロードキャスト「ふぅ~、漸く窮屈さとオサラバだぜ!」スリスリ

サウンドウェーブ「……、ヤレヤレ ダ」ニギニギ



弦十郎「まずは、ここの責任者として君達を拘束した事を詫びさせて欲しい」ペコッ

弦十郎「我々は今非常に切迫した状況となっている為、あのような処置を取らざるを得なかった……許してくれ」



ブロードキャスト「いいってこってすよ♪お互いこうして話し合える機会を作って下さっただけでも俺っちは十分ありがたいってね!」

ブロードキャスト「おっと、お二人さん。こちらの自己紹介が遅くなっちゃってもーしわけないね!」






ブロードキャスト「俺っちは、"サイバトロン"所属の通信員―――"ブロードキャスト"!」

ブロードキャスト「特技は通信の発信から傍受までありとあらゆる電波に通じている事と―――」



ブロードキャスト「―――トランス・フォームッ!!」ギガギゴゴ






弦十郎「―――おおおっ!?」

了子「――――――……!!」



ブロードキャスト(ラジカセ)「こうやってラジカセに変形できる事!趣味は勿論……!」



"ズン♪ ズン♪ ズンダダ♪ ズンチャカ♪ ズンチャカ♪ ……"



ブロードキャストのサウンドシステムから流れる。

軽快な音楽!



ブロードキャスト「どうよ、このイカしたフォルムから流れるイマ~いサウンドは!もう最っ高だろう!!」ゴッキゲーン♪



だが。



弦十郎「…………………………………………。」
了子「……………………………………………。」



二人の反応は、ブロードキャストの思惑に反して。

微妙なモノだった。





ブロードキャスト「イエーイ!お二人さんノッてるか~!…………い?」

ブロードキャスト「あり?どったのお二人さん??」



弦十郎「…………………いや」

了子「なんて言うか……ねえ」



ブロードキャスト「……???」



了子「う~ん、ハッキリ言っちゃうと」













了子「今時、ラジカセなんて―――  古  い  わ  よ  ?」ズギャン!


















ブロードキャスト「!!!!!!??????」ガガーン!!











了子「というかラジカセ自体、今持っている人なんて殆ど居ないんじゃないかしら?テープだって今は希少でしょうし、録音は手間はかかる、ロールも絡まる、埃が溜まれば動かし辛くなる……エトセトラエトセトラ」


了子「それに音楽のチョイスも、その、余りメジャー所じゃないっていうか……」


弦十郎「――――――了子」ボソッ


了子「……………………?」



弦十郎「それ以上は、まあ、その、何だ…………」チョイチョイ
























ブロードキャスト「―――古い?……最新式ラジカセの俺っちが……イマドキじゃない……ダサい……時代遅れ……ディスコれない……ポンコツ……鉄クズ……ガラクタ……ジャンキオン……―――」ブツブツブツブツブツブツブツブツ……















了子「…………あら、どうしましょ」


弦十郎「あー……そ、そうだブロードキャスト!(でいいんだよな?)そんなに気落ちする事ぁ無い!俺が  子  供  の  頃  は近所の連中と一緒に良くラジオを聴いてたモンさ!いやぁ 懐 か し い !!」


ブロードキャスト「――――――、」グサッ!!


了子「そ、そうよね!それに今だからこそラジカセっていうのも味があっていいかもしれないわね、うん!  ノ  ル  ス  タ  ジ  ィ  に浸れるというかー、古き良き時代をしみじみ感じるというかー」


ブロードキャスト「―――、―――、」グサグサッ!!


弦十郎「よし!今度俺の家の蔵からとっておきのアクション映画主題歌のテープを……あ」

弦十郎「……すまん、この間の大掃除で全部捨てちまったんだった……感光してて 使 い 物 に な ら な く な っ た んでな―――」


ブロードキャスト「―――――――――!?!?」ブゴハァッ!!





ブロードキャスト「――――――――――――――――――」バタン……






了子「……あらー、煙噴いてひっくり返っちゃったんだけど……?」


弦十郎「おい、しっかりしろ!傷は浅いぞ多分!!古いと言われた程度で何だ、俺なんてこの間姪っ子にな―――!!」ユサユサ














サウンドウェーブ「……………………………………………………。」(※遠巻きに見ていた)









サウンドウェーブ「(……フルイ……ノカ ラジカセ……)」ショックウェーブ!





結局、精神的ダメージ(主にブロードキャストの)が癒えるまで更に数時間の時を要する事となった。

思わぬアイデンティティの危機となってしまったが。


挫けるな、ブロードキャスト。

負けるな、サウンドウェーブ。


G1時空では、君達はまだまだ現役だ!




弦十郎「……さて、話を進めさせて貰うが……その、大丈夫か?」







ブロードキャスト「―――……え~?何がでしょおか~……?」ズゥーン






弦十郎「いや、明らかに顔色が悪いんだが……」


ブロードキャスト「もうぜ~んぜん、いーじーいじーべりーいーじーっすよ司令サン~……今ならジェットロンにだって負けない気分でさぁ」ケタケタ


弦十郎「(ジェットロン?)……解った、ならいい。それで、ブロードキャスト。それと―――」チラッ


サウンドウェーブ「…………………………………………………………。」


弦十郎「失礼、まだそちらの名前を聞いてなくてな。良ければ―――」


サウンドウェーブ「―――ナゼ ニンゲン ゴトキ ニ ナノラネバ ナラナイ」ギロ



弦十郎「――――――、」

了子「ま、随分な言い草だこと」





ブロードキャスト「あーっとお二人さんゴメンねぇ~!この陰険野郎は余り気になさらず、どーしてもってんなら"サウンドウェーブ"って名前があるんで、どうか一つ穏便に」



弦十郎「―――"音波"?」

了子「すると、アナタもブロードキャスト君と同じで?」


サウンドウェーブ「……"ジダイオクレ"デ ワルカッタ ナ……!」ジロ



弦十郎「いや、俺達は別そんな……!」

了子「(意外と気にするタイプなのね……)」ムクチカトオモイキヤ




ブロードキャスト「……お前ねぇ、折角お二人さんがもてなそうとしてくれてんのにその態度は無いだろが」


サウンドウェーブ「ダマレ イカレサウンド ダレモ タノンデナド イナイ」


ブロードキャスト「―――(カチン!)―――おい、人が折角穏便に話を進めようと思ってんのに、台無しになったらどうすんだ」


サウンドウェーブ「ソノケッカ ガ アノザマ(時代遅れ) カ? ヤハリ キサマハ クチダケ ノ イカレサウンド ダ」


ブロードキャスト「はっ、イモいクラシックなんかより億倍マシだろ?」

サウンドウェーブ「……ダマッテイレバ クドクド ト……ツケアガルナ、イカレサウンド……!」

ブロードキャスト「それはお前だろうが!面汚し!!」



サウンドウェーブ「チョウドイイ コウソク モ ナクナッタ アラタメテ ケッチャク ヲ ツケルカ……!」
ブロードキャスト「上等だぜこのデストロン野郎が!!!」




ブロードキャスト「出ろ、アムホー――――――!!!」

サウンドウェーブ「コンドル、イジェ~――――!!!」




弦十郎「―――双方、そこまでだ!!!」ガシッ!!!





ブロードキャスト「―――――――!!!」
サウンドウェーブ「ナニ――――――!?」



弦十郎「お前達に、どんな因縁があるかは知らん。だが……」

弦十郎「ここの責任者は俺だ、俺の見ている前で無法を看過する事は断じて出来ない」

弦十郎「どうかここは、双方引いてはくれないだろうか?」



ブロードキャスト「(いや、引いてくれるかと言うかその前に……)」グググググ……

サウンドウェーブ「("ミエナカッタ" ダト……!?」ギギギギギ……



更に。

それよりも何よりも。

肩に添えられただけの弦十郎の手が、振り払えない。

大した力も入れていないだろうにも関わらず。

トランスフォーマー2体の膂力を、完全に押さえ込んでいた。





サウンドウェーブ「ナニモノ ダ キサマ……!」

サウンドウェーブ「ワレワレ トランスフォーマー ト キッコウスル ナド ナミノニンゲン ノ チカラ デハ―――」





スパイク『ようし喰らえジャガー!!車の高圧電力だ!!』ビリー


チップ『バイバイフレンジー、この谷底で眠っててくれよ!』ヒキニゲー


スパークプラグ『何だお前、この鳥の化けモンが!!』ボカー





サウンドウェーブ「ナミノ、ニンゲン、デハ―――」

サウンドウェーブ「………………………………、」



弦十郎「………………?」



サウンドウェーブ「……ニンゲン ハ アナドレン ト イウコトカ……」スゴスゴ



弦十郎「???……あ、ああ?」



ブロードキャスト「(何考えてんのか全くわかんねえけど、兎に角人間って凄いんだなあ……)」シミジミ



あわや戦いとなるかと思った空気を回避し。

弦十郎は、改めてブロードキャスト達に問う。



弦十郎「君達は先程、"トランスフォーマー"と言っていたがそれが君達の通称なのか?」


了子「見た目はサイエンスフィクションで良く見る"ロボット"と同じみたいだけど…」



ブロードキャスト「"ロボット"だって?おいおいそりゃ酷いぜお二人さん」

ブロードキャスト「そりゃ確かに俺達を構成している物質はボルトやネジ、多数の回路の集合体だけど」

ブロードキャスト「俺には痛みや感情、美しさや正義を愛する"心"があるんだ。余り他のロボットなんかと一緒にされたく無いね、酷い侮辱だ」

ブロードキャスト「と、いうか結局の所」



ブロードキャスト「―――"サイバトロン"ってご存知無い?結構俺達世界各地で活躍してるんだけどなあ」




弦十郎「………………。」
了子「…………………。」





弦十郎「我々、特異災害対策機動部二課は、大戦前に設立されたある諜報組織が発展を遂げたモノだ」

弦十郎「その現時点の長である俺からはっきりと言わせて貰えば」



弦十郎「そんな組織の名前は―――いや、君達のようなロボ……"トランスフォーマー"なるモノの活動は、全く聞いた事もなければ耳にしたこともない」



ブロードキャスト「あれ?おっかしいなあ??……おたくらの組織って実はあんまり大したこと無いんじゃ―――」

サウンドウェーブ「―――マテ、イカレサウンド」 ブロードキャスト「……?」



サウンドウェーブ「ニンゲン、ココノ オサ ダト イッタナ?」


弦十郎「……?ああ、そうだが」


サウンドウェーブ「―――イマ ハ セイレキ ナンネン ダ?」


弦十郎「………………。」



ブロードキャスト「オイオイオイ、吹っ飛ばされたショックでメモリーバンクがイカれちまったのか?そんなもん決まってるだろうが、今は―――」


弦十郎「―――2010年だ」


ブロードキャスト「……へ?」


了子「今は2010年、年が明けたばかりだから1月ね」



サウンドウェーブ「…………………………。」
ブロードキャスト「…………………………。」



弦十郎「どうか、したかね?」



サウンドウェーブ「―――"1985"」



弦十郎「――――――?」
了子「―――――――?」



サウンドウェーブ「ワレワレ ガ カツドウ シテイタ ネンスウ ダ」









―――ワレワレ ハ。






―――1985 ネン ノ チキュウ カラ キタ―――





Exciting! Transformers!! 2010(にーまるいちぜろ)※初代シンフォギアが2012年放映、そこから2年前の出来事なので2010年。

その当時ラジカセに変わる音楽機器がめまぐるしく出てくるだなんて誰も想像してなかったんだろうなあ、と思うと……。

ブロキャ&サウンドの明日はどっちだ。

それでは今回はこれにて。
次こそ本当に遅くなります、すみません。

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