【モバマスSS】フルカラー妄想劇場 (34)
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『妄想してください』
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P「ん毎日、まいにち、おいらは事務仕事~」
P「書類に、囲まれて、嫌んなっちゃうよ~……っと」
P「……はぁ~」
P「出社して、外回りして、アイドル連れて戻ってきたら、溜まっている事務仕事を片付けて」
P「人並み以上に給料が出るとはいえ、こう毎日まいにち当たり前のように忙しいとやっぱり辛い」
P「あーあぁ……どっかに癒しが落ちてないかなぁ~。癒してくれる人でもいいから~」
P「例えばそう、ここで事務所のアイドルの子なんかがさぁ」
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P「Pさん、疲れてるんですか? 私に何か、お手伝いできることありますか? (裏声)」
P「……なーんて言って来てくれたら」
P「心配しなくっても大丈夫。俺はまだまだ全然、バリバリ仕事をこなせるさ! (イケボ)」
P「……って返してぇ」
P「そんな……無理してるのがバレバレですよ! 何だったら一緒に、お菓子でも食べて休憩しましょう! (裏声)」
P「いや、しかし、……まだ仕事がだな(イケボ)」
P「んもぅ、それがよくないんですってば! 休むのも仕事の内です! ほら、こっちこっち! (裏声)」
P「あ、無理やり腕を引っ張らなくても……! (イケボ)」
P「ほら、早く早く! (裏声)」
P「……ふぅ。やれやれ、仕方がないなぁ(イケボ)」
P「ところで……そうやって無理やり腕を組んでるから、
さっきからお前の胸、俺の腕に当たってるぞ(チャオ☆)」
P「んでもって、『きゃあ!』なんて顔を赤くした彼女の反応が初々しくってまた……! むふっ、むふふっ――はっ!?」
ペロ「…………」
P「…………」
P「な、な、なっ……!」
P「「なーんつって! なんつってなっ!!」」
ペロ「っ!!?」
P「いやっ! 何だかなー雪美の奴も!
談話室に行くならペロも連れてってやればいいのになぁー! はははははーっ!」
P「ははは、はは……」
ペロ「…………」
P「…………」
ペロ「……な~ご」
P「…………」
ペロ「にゃー」
P「……あい、癒されました」
P「そりゃね、確かに猫ちゃんは可愛いさ」
P「愛らしくてふわふわで、甘えた声で擦り寄られたりなんかした日にゃもう」
P「「いやっ! きゃわわわわわわっっ!!!! Pちゃんハッピー☆ハッピーなりよっ!!?」」
ペロ「みゃッ!!?」
P「――なーんてテンション、間違いなし、うん。……あ、ごめんなペロ。驚かしちゃって」
ペロ「……!? ……!」
P「でもなぁ、この年になって猫見て癒されるかっつーと」
P「じー……」
ペロ「…………にゃぁ」
P「うん、……やっぱ無いな。ナシナシ、癒されん」
P「――あぁ、別にペロが可愛くないってわけじゃないぞ? ただなぁ、そうやって転がってるのを見てるとさぁ」
P「こっちは仕事で忙しいってのに、お前はのんびりできてて羨ましいなぁーなんて」
P「妬ましいなぁ、憎らしいなぁ……なんて考えちゃったりする自分が割と危ないヤツに思えてきたりして……」
P「つっても、そんなこと猫に言ったって駄目だわな! はっはっはっはっはっ!」
ペロ「にゃ~……」
P「ダメだダメだっ! ホントーにダメだっ!! はぁーはっはっはっは! ひぃーひっひっひっひ!」
ペロ「…………」
P「がーはっはっは――がはっ! げほっ!」
P「ごほ、ごほっ! ……うぇぇぇ」
ペロ「にゃー……」
P「ごふ、おふっ……ぜ、ぜぇ、はぁ……はぁー」
P「……ふぃー、まったく……可笑しすぎるぜクソッたれ。仕事のしすぎで妙なテンションになってらぁ」
ペロ「……にゃ」
P「おっ、どうしたペロ? 急にこっち寄って来て」
ペロ「くるるるる……」
P「…………っ!」
P「こ、これはっ! 甘えた声で……すりすり……!」
P「ぺ、ペロ! もしかしてお前、俺の言ったことを理解して……
疲れ切ったこの心を、癒してくれようとしてるのかっ!?」
ペロ「にゃーん♪」
P「なんてこった……そんなことされちゃあ、俺、俺……お前のことを――」
P「三味線にするって決心が今ついた」
ペロ「……に゛ゃ?」
P「おらぁっ!!」
ペロ「ぶみゃっ!?」
P「捕まえたっ! 暴れんなっ! 観念しろこの猫又めっ!!」
P「前々から怪しいとは思ってたんだよ! 黒いし! 猫だし! 小倉[ピー]みたいな声で突然喋りだしそうだったし!」
P「雪美といつもくっついてるし! 雪美と一緒の布団で寝てるし!
あまつさえ飼い猫の立場を良いことに、雪美と一緒にお風呂までっ!!」
P「そのうえ人語まで解せるだとぉっ!? そんなの立派な物の怪じゃねぇか! これでハッキリとした!
今回の件だって、お前が怪しげな妖術使って、雪美をマインドコントロールでもしたんだろっ!!」
P「じゃなきゃ、まだ誰も足跡をつけてない積雪みたいに真っ白だったあの雪美が事務所に戻るなり俺に向かって――!」
雪美『…………』
雪美『……P』
雪美『これから……は、……私の……近く……、余り、寄らない……で?』
雪美『最近……困ってる。……Pの顔……近いと……わた「な、何だっ!? どうしたんだ急にそんなこと……!」……の』
雪美『……だから、……一緒に……部屋……いられない』
P『ゆ、雪美!? 待つんだ! 待ってくれ!』
雪美『……ごめん、なさい』
P『あぁ! 雪美っ! ゆぅきぃみぃーーっっ!!!?」
P「……と、言った具合で」
P「今思い出しただけでも、さっきと同じく悲しみの叫びを抑えられない俺がいる……!」
ペロ「にゃーっ!! にゃーっ!!」
P「『必勝! 君でも出来るパーフェクトコミュニケーション』のDVDだって買って見てるし!」
P「『事務員は見た! 噂の敏腕Pがアイドルを落とすまで!』って実録本だって愛読してるのに!」
P「そんな俺が心血注いでプロデュースしてる、可愛いカワイイ自慢のアイドルが!」
P「あんな衝撃的な告白残して部屋から出て行くなんて――――ありえないっ!!!!」
ペロ「フゥゥーッ!」
P「なんで! どして!? 俺担当してるアイドルに、なんか間違った接し方してたかなぁっ!?」
P「この前だって仕事帰りに一緒に猫の雑貨買いに行って! 前川お勧めの猫カフェ行ってパフェ食って!
たまたまオフで居合わせた、不審者みたいに完全防備な留美さんからかって!」
P「怒った留美さんが傷物にされたから責任とれとか言い出して! 雪美がそれ聞いて『Pは渡さない』って張り合い出して!」
P「『おいおい両手に花じゃないか、困ったなぁ』なんていつものノリで騒いでたら、
店から追い出された挙句、俺らを紹介した前川まで巻き添え食って出禁くらってさ!」
P「それでも笑って『賑やか……楽しい』なんて言ってくれたあの雪美がだよ!? ここに来て突然の手のひらクルーですよ!」
P「にゃんで!? にゃんでよっ!!? いつも雪美が言ってるけどさ! ペロ! お前雪美とお話できるんだろぅっ!!?」
P「なら俺にもお話してくれよ! 雪美がどーしてあんなこと急に言い出したのか! その理由を教えてくれよぉぉぉっっ!!」
ペロ「フシャアアアッ!!」
P「ギャアァーーーッ!!?」
ペロ「シャーッ!!」
P「痛いっ! 痛いってば――うごっ!?」
ペロ「にゃっ!?」
P「――――」
ペロ「…………」
ペロ「……………………」
ペロ「……ふぃー」
ペロ「足を滑らせ頭をぶつけて……ようやく大人しくなったか」
P「う、うぅ~……ん」
ペロ「まったく……疲れてるんだか何だか知らんが、いい加減にしろっていうんだよ。力任せに振り回しやがって、このアホが」
ペロ「そのうえ俺を三味線にするなんて言いだして、一体全体何を考えて――」「……ペロ?」
ペロ「っ!」
ペロ「……ゆ、雪美! どうした? Pが居るから、この部屋には近づけないんじゃ無かったのか?」
雪美「……うん。……だけど……」
雪美「……大きな音……Pのこと……心配」
ペロ(あー、派手な音立てたもんなー……)
雪美「…………ねぇ」
雪美「……どう、だった? ……P、……元気……でた?」
ペロ「あ、あぁ! それな! うん、勿論だとも……ほら、この通り」
P「うぅ……後、五分……」
ペロ「なっ?」
雪美「……本当。……P、寝てる」
雪美「最近……P、忙しい。私も、……お手伝い、したい」
雪美「けど……私が、Pに近づくと……」
雪美「……胸が、…………どき、どき、……する……から」
ペロ「ちょい待ち。なのに、今は平気なワケ?」
雪美「…………」
雪美「今は……、Pが目……開けてない」
雪美「真っ赤になった顔……見られないから、……平気♪」
雪美「……恥ずかしく、……ないよ?」
ペロ「…………」
ペロ「あー、なるほど。うん、分かったわかった」
ペロ「ならさ、その兄ちゃんに毛布の一枚でもかけといておやりなよ。ついでに、ソファの方に移動もさせてさ」
雪美「……あっ。……そう、だね。……ペロ、偉い」
ペロ「よせやい、褒めたって毛玉しか出ないぞ」
雪美「……ふふっ。じゃあ、……えいっ」
雪美「それから……」
雪美「私も、……勇気、出して……頑張る……!」
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P「――う、うぅ……! うぅぅぅぅ……!!」
P「ち、ひゃ、冬は毛が伸びて……息苦し、く……っ!」
P「ッ!!?」
P「な、何っ!? あれっ!? えっ? えっ!?」
P「俺寝てたっ!? 仕事の途中でっ!!?」
P「や、やべーよやべーよ! 時間は、時計は――あっ!!」
P「……つ、机の上が……綺麗に整理整頓されてる……!」
P「おまけに溜まってた書類仕事まで終わってるぞ……一体、誰が?」
P「ま、まさか、これが世に聞く噂のぷちデ「……P?」
P「おわあぁっ!!?」
雪美「きゃっ!?」
P「ゆ、雪美かっ!? あれ? 談話室にいたハズじゃ……」
雪美「…………!」
雪美「お、お仕事、……終わった?」
P「あっ? あ、あぁ!」
P「仕事は――うん。とりあえず……終わった、かな?」
雪美「……そう、なんだ。……良かった……ね」
P「お、おう」
P「……けど、それが不思議でさ。やった覚えのない仕事まで、いつの間にか終わってるだよなぁ」
P「気がついたら、ソファの上に転がってたし。おまけに毛布まで……」
雪美「P……お昼寝、……してたの?」
P「ま、まさかっ! ちょっと休んでただけ、休憩だよ、きゅーうーけーいー!」
P「……おほんっ」
P「でも……他の人には内緒な? 俺と雪美だけが知ってる、ここだけの秘密にしておいてくれ」
雪美「……秘密」
雪美「…………」
雪美(二人だけの……秘密♪)
P「けど、どうしてここに? さっきは、あんなに……」
P「そうさ、あん……なに、……あれぇ?」
雪美「どうか……した?」
P「いや、それが……どうも事務所に戻って来てからの記憶があいまいで……」
P「おっかしいなぁ? ……ん~」
雪美「…………」
P「…………」
雪美「…………」
P「でもまぁ……」
P「いっか!」
雪美「……!」
P「……毎日こんなに忙しいんだ、物忘れする日だってたまにはあるさ!」
P「幸い仕事は片付いてるし、休んでたからか体も軽いし!」
P「きっと修羅場になると現れるっていう、妖精さんが俺の仕事を手伝ってくれたんだな! うん!」
雪美「……ふふっ」
P「おっ! どうした雪美。今の俺、何か面白かったか?」
雪美「ねぇ、……P」
雪美「疲れたら……私のこと……いつでも……呼んで、いいよ……?」
雪美「そうしたら、私……『お疲れさま』、魔法をかける……から♪」
ペロ(おーおー。恥ずかしがり屋が、強がっちゃってまぁ)
ペロ(離れた場所から見てると、足が震えてるのがモロバレだよ? お嬢ちゃん)
ペロ(……でもまぁ、猫のオイラにゃ関係ないが……
お嬢ちゃんが幸せそうなら、こっちだって体を張ったかいがあったってもんよ)
ペロ(うーん、俺様渋い! まさに、飼い猫の鑑だね……って、おぉぅっ!?)
ペロ(ちょっ! まっ! アンタら二人とも急に何をおっ始めるかね!?)
ペロ(ここ事務所よ? いつ人が戻って来るか分からない事務所よ!?)
ペロ(あっ! ダメ、見てらんない。これ以上はちょっとペロ見てらんない!)
ペロ(でも見ちゃう! だって気になっちゃうんだもん……って、あー! あー!! そこまでするぅぅーー!!?)
ペロ(あーダメ、あぁーダメ。なんだか俺体が火照って来ちゃったわ。もぅ無理。あーもうミルク飲みたいっ!)
P「はぁ、はぁ、くっ!」
雪美「んっ、はぁ! はぁ……! あぅっ!?」
ペロ(いやー、見せらんない! 人にはちょっとこれ見せらんないわー!)
ペロ(でも俺は見ちゃうもんね! 俺がここでバッチリと見てること、お忘れなくってよお二人さん!)
雪美「んっ!? p、P――!」
P「もう、げ、限界だっ! ゆ、雪美っ!」
雪美「……あっ! だ、ダメっ……まだっ……!!」
ペロ(おっ!? おぉっ! おぉうおぅ、おぅっ!!?)
ペロ(まさかまさか、最後までやるの!? やっちゃうのっ!? やり切っちゃうつもりなのぉーーっ!!?)
ペロ(んもー! やっぱりこれ以上は見てらんない! あー! ここらが限界よ!
あ、あぁっ! ああ! あっ! んああぁぁぁーーーっっ!!?)
ペロ「んにゃー」
「むはっ!!?」
「あ? あ……?」
「あ、……ペロ……さん?」
ペロ「な~ご」
P「お? やっと起きたか……日菜子」
日菜子「え、えぇっと……P、さん?」
P「なんだ、寝ぼけてるのか?」
日菜子「あ、あはは……日菜子ったら……そんなに寝てました?」
P「おう、もうバッチリ。雪美が事務所に戻って来てから、ずっと寝てたぞ。お前」
日菜子「あー……ん~、……そう、ですか」
雪美「うん……Pの……言う通り。……ぐっすり、寝てた……」
日菜子「きゃっ!? ゆ、雪美ちゃんまで!」
雪美「…………?」
日菜子「あは、あはは……!」
日菜子(まさか、お二人の出る妄想を夢見てたなんて、言えませんよねぇ……最後の方は、内容も内容でしたし)
P「どうした日菜子。顔、赤いぞ?」
日菜子「い、いえ~! なんでも……なんでもないですよぉ~」
雪美「…………」
P「そうか? なら、いいんだけど」
日菜子(……とはいえ)
日菜子(あのシチュエーションを、今度は自分に置き換えてみれば~……)
日菜子「むふっ、むふふふ」
雪美「あ……また……始まった……」
日菜子(あぁ、ダメですよぅこんなところで~……ほら、ペロさんが見てる……むふっ♪」
ペロ「……にゃ~」
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