男「女体盛り専門店だと!? 行くっきゃねえだろ!」(30)

― 会社 ―

男「あー……やっと明日の会議で使う資料ができたよ」

友「オレもだぁ~」

男「おっ、だったらちょうどいい。二人でどこかでメシ食ってから帰らないか?」

友「そうだな、そうするか」

男「どこ行く?」

友「居酒屋はこないだ行ったし、食堂やファミレスってガッツリって気分でもないなぁ」

男「なんかこう……新しい店に行ってみたいよな」

友「――あ!」

男「なんだよ、いきなり?」

友「実はさ、このあたりにすごい店がオープンしたらしいんだよ」

男「なにが?」

友「……女体盛り専門店さ」

男「女体盛り専門店だと!? マジかよ!」

友「ああ、マジらしい」

男「お前、女体盛りって体験したことあるか?」

友「あるわけないだろ。お前はどうなんだ?」

男「もちろんない」

友「どうする?」

男「行くっきゃねえだろ!」

― 女体盛り専門店 ―

男「ここか……ずいぶんひっそりした場所でやってるんだな」

友「そりゃそうだ。大っぴらにやれる商売じゃないしな」

男「ハハハ、たしかに」

男「じゃ、入ってみるか」

友「おう」

男「お邪魔しま~す」ガラッ

老婆「イッヒッヒ、これはこれは……いらっしゃいませ」

男「あ、どうも、こんばんは」

友「こちらの店では、女体盛りを味わえるって聞いたんですけど」

老婆「ええ、そのとおりでございますよ」

友「では、えぇと……お願いします」

老婆「イッヒッヒ、それでは奥の部屋へどうぞ」

老婆「うちの店ではお一人様につき、一つ注文していただくことになります」

老婆「1万円コース、5千円コース、3千円コース、2千円コース、1千円コースがございますが」

老婆「いかがいたしますか?」

男「――どうする?」

友「うーん、最近金下ろしてなくて、財布の中あまり入ってないしな……」

友「オレは3千円で!」

男「同じのじゃつまらないし、だったら俺は5千円で!」

老婆「かしこまりました……」

老婆「では少々お待ち下さいませ」

男「いやー、ホントに頼んじまったよ! 楽しみだなー!」

友「ああ、なんかワクワクしてきたぜ!」

男「いったいどんな感じなんだろうな、女体盛りって!」

友「そりゃもう、とびきりの女性の裸体に刺身が盛り付けてあるんだろうよ!」



老婆「イッヒッヒ、お待たせしました」

老婆「まず、3千円コースでございます」



友「あ、オレです!」

老婆「どうぞ」

メスゴリラ「ウホッ! ウホホッ! ウホウホッ!」





友「……は?」

友「あの……なにこれ?」

老婆「女体盛りですが」

友「いや、そうじゃなくて、このゴリラはなんなの?」

老婆「メスゴリラでございます」

友「いや、そうじゃなくて……」

老婆「それじゃ5千円コースもすぐにお持ちいたしますので」



男「えええ……」

男(3千円がゴリラなら……5千円は人間だよな!? な!?)

老婆「どうぞ」

メスゾウ「パオオオォォォォ~~~~~~ン!」





男「アハハハ……」

メスゴリラ「ウホホッ! ホッホッ! ウホホッ! ホウッ!」

メスゾウ「パオオオ~~~~~~ン!」



友「なんだよ!? なんなんだよこれ!?」

男「俺に聞くな! こっちが聞きたいわ!」

老婆「イッヒッヒ、どうされました?」

男「どうされましたじゃねーよ! なんなんだよ、このゾウとゴリラは!?」

老婆「女体盛りでございます」

友「それは分かってるけどさぁ……ていうか、これ動物虐待にならないの!?」

老婆「なりませんとも。なぜなら彼女たちは望んでああなっているのですから」

友「ホントかよ……」

男「うわぁ~……二頭とも仰向けで腹に刺身が盛られてやがる……」

男「ま、いいや……とりあえず食おうぜ」

友「え!? 食うの!?」

男「腹は減ってるしさ……」

男(5千円は痛いけど、食うもん食ってとっととこの店出たいって気持ちのが大きいし)

男「いただきます」パクッ



男「――お!」

男「このゾウの腹に乗ってるマグロの刺身……おいしい! ……イカもうまい!」

友「え、マジで!? じゃあオレもゴリラに盛りつけられてるアジを食ってみよう!」パクッ

友「――お、いける!」

友「さっぱりしてておいしい!」

男「な?」

男「ゾウの上に盛ってあるから面食らったけど、この刺身超一流じゃん!」パクッパクッ

友「やべえ、どんどん箸が進むよ!」パクッパクッ

男「ふぅー、食った食った!」

友「結局全部食っちまった!」

男「おばあさん、ご馳走様! お会計を頼むよ」



老婆「いや……どうやら……」

メスゾウ「パォォォォン……」シュルルッ

男「うわっ!? 鼻が俺に巻きついてきた!」



メスゴリラ「ウホォッ!」ガシッ

友「え、なに!? なになに!? 抱きついてきた!」





老婆「お客さんたち、彼女らに気に入られちまったようですねえ……イッヒッヒ」

男「気に入られたってなに!? どういうこと!?」

友「刺身は全部食べたじゃん! あれでもう終わりじゃないのかよ!」

老婆「それじゃあんたたち、もっと奥の部屋に行きな」

メスゾウ「パオン!」

メスゴリラ「ウホォッ!」

男(ひいい、この鼻、とんでもない力だ!)グッグッ…

友(このゴリラ、思い切り殴ってもビクともしねえ! むしろ喜んでやがる!)ガッガッ

男「あの……つかぬことをうかがいますけど……」

男「これから俺たちはどうなるんですか?」

老婆「そりゃあ、男と女が一対一でやることといえば、決まってますわねえ」

男「ハハハ……アハハハ……」

友「そ、そんな……」

老婆「それじゃ楽しんでおいで」







メスゾウ「パオォォォォ~~~~~~~ン!」

メスゴリラ「ウホッ、ウホホホッ! ウッホホッ!」



男「いやぁぁぁぁぁっ!!!」

友「誰か助けてぇぇぇぇぇっ!!!」

……

……



男「いやー……よかったなぁ……」

友「ああ……動物ってのもいいもんだ……」

男「人間の女に比べてパワフルでさ、ワイルドでさ、無駄がなくってさ」

友「それでいて、動物の本能っていうのかこっちの気持ちいいとこグイグイ責めてきやがる」

男「新たな境地を開いちまったなぁ……」

友「ああ……」



老婆「イッヒッヒ、お楽しみいただけたようでなによりです」

男「ところで、おばあさん! 残りのコースはどんな内容なの?」

老婆「1千円コースはハムスター、2千円コースは犬か猫を選べます」

友「ほぉ~」

男「ぜひとも味わってみたいもんだ!」

男「それで……残る1万円コースは?」

老婆「それはもちろん……私でございます」

男「おおおっ!」

友「今度はぜひ、1万円コースを体験させてもらうよ!」





おわり

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