メイド「お帰り、ご主人」(21)

男「……」

メイド「……?」

男「あのさ」

メイド「どうかした?ご主人?」

男「誰?」

メイド「メイド」

男「私の家にメイドがいた覚えがないんだけどさ」

メイド「まあ実際いなかったし」

男「不法侵入?」

メイド「合法侵入」

男「許可出した覚えが」

メイド「事後承諾でお願いね」

男「いや通報するけど」

メイド「あーあー!待ってご主人!」

男「なら私の部屋から出ていけって」

メイド「ごめん冗談」

男「メイドじゃないのか」

メイド「それは真実!」

メイド「ちゃんと許可はもらってるから大丈夫!」

男「は?誰に」

メイド「ご主人の御祖父様に」

男「いやもう逝っちゃってるんだけど」

メイド「だから、亡くなられる前に頂いたんだって」

男「なんで」

メイド「お金欲しさに決まってるでしょ」

男「はあ……」

メイド「というわけでご主人の身の回りの世話は私の役目だよ」

男「いまいち話が繋がってないけど……」

メイド「なんだっていいのっ」

男「もういいよ、わかったよ」

メイド「よし!じゃあ寝床も用意してよご主人」

男「は?」

メイド「あ、ちゃんと布団は持ってきてるから添い寝とか考えないでね?」

男「もはや何も考えられないよ」

メイド「ご主人は何も変わらない生活をすればいいよ」

メイド「ただ私が身の回りの世話をするだけ」

男「変わるんだよなあ」

~翌朝~

男「ふぁ……」

メイド「あ、おはようご主人」

男「朝早いね」

メイド「まあメイドだからね」

メイド「あっそうだ、朝ご飯できてるよ」

男「まだ朝5時なのにもう作ったの?」

メイド「メイドは仕事が早いのだ」

男「早いなあ」

メイド「まずはご主人、顔を洗って」

男「……ねむい」

メイド「それなら私がご主人の顔を洗わせてもらおうかな?」

男「待って」

男「悪かったね、あんな狭いキッチン使わせて」

メイド「一人暮らし用の部屋だし仕方ないよ」

メイド「ささ、どうぞ召し上がれ!」

男「いただきまーす」

メイド「献立は味噌汁、白米、卵焼き、焼き鮭、マカロニサラダ!」

男「はいはい……」

男「ん、この味噌汁は舞茸が入ってるのか」

メイド「舞茸は口に合わなかった?」

男「好きだよ」

メイド「私も好き」

男「……うん、ダシも取れててうまい。一番だしかな?」

メイド「あ、それ味の●だからダシは取ってないよ」

男「ええ……」

男「鮭もちょうどいい塩加減で、ご飯に乗せて食べたくなる」

メイド「皮まで食べちゃって~」

男「魚の皮って美味しいの?」

メイド「種類にもよるけど一般的に食べられてる魚は大抵美味しいよ」

メイド「特に鮭の皮は私のイチ押し!」

男「それは知らなかった……」

メイド「鮭の皮は食べやすいしね」

男「語るなあ」

メイド「だって好きだからね」

男「私も好きだ」

男「ん、この卵焼き甘いね」

メイド「ふふ、実はそれ砂糖ほんの少ししか使ってないんだよ」

男「魔剤?」

メイド「……魔剤って何?」

男「間違えた。マジ?」

メイド「マジのマジだよ」

メイド「多分ご主人の感じてる甘味は卵本来のものだね」

男「卵ってこんな味になるのか……」

男「どうでもいいけど、私は白い部分が多めの卵焼きが好きなんだよね」

メイド「ご主人の好み、覚えなくてはね」

男「いやそっちが作りたいように作ればいいぞ?」

男「マカロニサラダから家庭的な味がする……!」

メイド「ご主人さっきから毎回感想言ってるね」

男「市販のサラダとはまるで違う愛の味……」

男「うぅ……」

メイド「ちょ!?ご主人、泣かないで!」

男「ありがとうメイド……ありがとうマカロニ……」

メイド「ご主人しっかりしてー」

男「凄く美味しいよ」

メイド「うわ突然正気に戻ると逆に怖い」

男「多少傷付いたよ」

メイド「あ、ごめんね」

男「ふう……ごちそうさま!」

メイド「お粗末様ー」

男「君料理かなり得意なんだね」

メイド「メイドなら当然!」

男「さすがメイド……あっ」

メイド「ご主人?」

男「そういえば、名前聞いてなかったな」

メイド「あー……私のことならメイドって呼べばいいよ?」

男「でもそれってなんか変だよね」

男「例えるならペットの犬を『犬!』って呼ぶ感じ?」

メイド「それなんか違う」

男「名前、教えてよ」

メイド「えー、ひみつ」

男「ぐぬぬ……」

メイド「それよりご主人、学校はいいの?」

男「あ……そろそろ出発しなきゃ」

メイド「はい、食器は洗っておくからね」

男「頼りになる!」

メイド「今日は雨が降るかもしれないから傘持っていきなー」

男「お母さんかな?」

男「よし、じゃあ行ってきます」

メイド「行ってらっしゃい、ご主人♪」

メイド「……さてと!掃除でもしようかな」

書き溜めとかしてないので早速ネタ切れしてしまった……
書いてほしいネタとかお題とかあれば言ってほしいデス

メイドと男が過去に繋がりがあるならその回想話

>>14
了解だよご主人
今から後付けするので期待せず待ってください

~昼~

男「ただいまー」

メイド「あれ、ご主人……お帰り」

男「ん、どうかした?」

メイド「今日は午前授業なんだね」

男「あー、言ってなかったっけ」

メイド「ごめんねご主人、今からお昼用意するから……」

男「ありがと、メイドさん」

メイド「30分くらいで用意できるから、待っててね!」

男「わかったよ」

男「……あれ」

男「メイドさんが何か落として……」

男「何の紙だろ」

男「……」

男「これ、写真だ」

男「……」

男「この写真をさっきメイドさんは見てた……?」

男「勝手に見ちゃっていいものか」

男「……」

男「気になる」

男「ごめん、ちょっと見るだけだから……」

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