八幡「3年になって以来、依頼がない。なんちゃって」 (33)


奉仕部


八幡「暇だ、座って勉強してるだけなんて」


雪乃「あら?いいことじゃない」


結衣「うんうん。依頼がないっていうのは平和な証なんだしさっ!」


雪乃「それもあるけど、こうして3人でゆっくりした時間を流すのも悪くないでしょう」

結衣「それもそうだね」


雪乃「由比ヶ浜さん、お茶のおかわりはどう?」

結衣「えっと…もらえるかな、ゆきのん」

雪乃「ええ、わかったわ。あなたは?」


八幡「俺も貰えるとありがたいが…」

雪乃「どうしたの?」

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八幡「なんか飲み物がどんどん増えて行くな…オレンジジュースとか」

結衣「だよね~。でもいいジャン別に」


八幡「学校的にはNGじゃないのか?トクホとかのペットボトルまであるし」

雪乃「一色さんが差し入れで置いて行くわね」

八幡「あいつは何を考えてるのかわからんな」



結衣「ヒッキーそんなこと言ったら駄目だよ。きっと感謝の気持ちなんだからさ」

八幡「飲み物で感謝の気持ちね」

雪乃「あら、キスでもしてほしかったの?一色さんに」

結衣「え?ヒッキー本気っ?」


八幡「勝手に話を進めんなよ、そんなわけあるか」

雪乃「気持ち悪いわね、比企谷くん…」

八幡「おい、決めつけんな。違うって言ってんだろ」

結衣「ヒッキー、さいて~っ」


八幡「もうなんでもいい…」



雪乃「でも、こっちのオレンジジュースや炭酸水は一色さんの差し入れじゃないわね」

結衣「そっちはね、優美子たちの差し入れだよ」

雪乃「あら?意外ねそれは」


結衣「そんなことないよ~、優美子あれでもこの前のバレンタインとか感謝してるんだよ?」

雪乃「そうなの?まあいいけれど、お礼に飲み物の差し入れなんてしそうにないから」


結衣「優美子は照れ屋だから言葉では表しにくいだけだよ」

八幡「しかし、三浦の差し入れはいいとして…奉仕部に飲み物が貯まって行く光景が不気味だろ」

雪乃「そうね…なんとも言えない不気味さがあるわね」

結衣「ん~じゃあ、もう飲んじゃおうか?」

八幡「今からか?」


結衣「うん、いいじゃん。せっかくもらったんだし、あたし達で消費しないとさ」

雪乃「そうね、せっかくだしお茶ではなくて、こちらを頂きましょうか」

八幡「じゃあ、どれにするんだ?オレンジ、コーラ、炭酸、トクホ他…やたらあるけど」


結衣「オレンジジュースかな~」

雪乃「では私は炭酸水をもらえるかしら?」

八幡「じゃあ俺は…トクホにするか」


結衣「そこでトクホを選ぶヒッキーって渋いね」

結衣「あなた体型は問題ないように思えるけど」

八幡「いや、たまたま目に止まったからだよ、変な意味はない」

雪乃「えっと…どうしようかしら?」

八幡「そんなもん、各々飲めばいいだろ」ゴクゴク


結衣「あ~っヒッキーってばノリ悪いよ~」

八幡「ただ飲むだけでノリとかあんの?」

結衣「いやほら、せ~のみたいなさ」


八幡「よくわからん」


雪乃「まあいいわ、いただきましょうか」

結衣「うん」

ゴクゴク


雪乃「ふう…それにしても」

結衣「え?なに、ゆきのん?」

雪乃「私達3人が奉仕部に在籍して丁度一年になるのね」

結衣「あ…もうそんなになるんだね、そっか~」

八幡「そうだったな…丁度一年前の雪ノ下は冷酷無比に俺の心をえぐってたからな」

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        /白木屋 \  
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    |       ,ノ(、_, )ヽ    |
     \     -=ニ=-   /
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        /白木屋 \  
.      /  ─    ─ \ お前居酒屋だろ  
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     \     -=ニ=-   /
    ノ            \
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雪乃「そうだったわね、目つきの悪い不審者が部屋に入って来るんだもの」

八幡「おい…誰が不審者だ」

結衣「ゆきのん、それは言い過ぎだよ」


八幡「お前の毒舌はあの時から変わってないな」


雪乃「そんなことないわよ、あの時よりは…その」

八幡「ん?」

雪乃「あなたのことを不審者とは感じなくなったわ…」

八幡「……」

結衣「むっ…ヒッキー、顔が緩んでない?」

八幡「いや、気のせいだろ」

結衣「そうかな~?」


八幡(別に毒舌が治ったわけじゃないよな、これって…この一年過ごしてきたわけだから当たり前と言うか…)

雪乃「あの後すぐに由比ヶ浜さんが入部して…色々あったわね」

結衣「あったね~あははははっ、ほらあたしがさ~」


雪乃「なに?」


結衣「ゆきのんとヒッキーが付き合ったと勘違いしちゃったこととかさ~あったよね」

雪乃「…そんなこともあったわね…そういえば」


八幡「んな不服そうな顔すんなよ…お互い様だろ…」


雪乃「まったく、なぜあんなことになったのかしら」


八幡「よく考えたらすぐわかることだしな」


雪乃「ええ、あの時は比企谷くんと会ってまだ間もないのよ?そんな短期間でありえないでしょう?」

結衣「ゆきのん、それって…」

雪乃「え?なにかしら?」

結衣「なんか今だったらありえるって聞こえるよ?…ほら、知り合って長くなってるわけだしさ」


雪乃「それは…言葉のあやよ…違うわよ、バカな事言わないで」


結衣「う~ん…」

八幡「どうした?由比ヶ浜?」


結衣「そうだよね…ゆきのんもヒッキーと仲良くなってるもんね」

雪乃「な、なにを言い出すの…?」


結衣「う~ん、去年末のディスティニーランドでもいい雰囲気だったみたいだしさ」

雪乃「あれは…たまたま二人で遅れてしまっただけでしょう?別にどうということは」


雪乃「それに、それを言うなら由比ヶ浜さんもあの時親しくしていたように見えたけれど?」


結衣「え?あ、あたし…?」

八幡「おい…本人を前に二人で話進めるなよ…なんなんだこれ?」


雪乃「どうなの?二人で話していたでしょう?」


結衣「あ、あはははっそういえばそんなことあったね~」


雪乃「ほ、ほら…そうでしょう?」


結衣「う、うん…あたしはヒッキーと…仲良いのは認めるよ」

雪乃「あら?意外にあっさりね」

結衣「だって番号交換もしてるし…ね、ヒッキー?」

八幡「あんま電話しねぇだろ」

結衣「そうだけど、あたし基本番号男子に教えないし」


八幡「お、おう…そっか」


雪乃「なに狼狽えてるの?気持ち悪いわよ、比企谷くん?」

八幡「狼狽えてねぇよ…」(ちょっと驚いただけだ…これは特別か?いやどうだろうな)

結衣「…ヒッキーはさ、どう思ってるの?その…」

八幡「え…?な、なに言ってんだ…?」


結衣「えっとさ…」

八幡(おいおい、なんだよこの告白の流れ。いや違うけどなんか告白みたいじゃねぇか)


結衣「あたしとヒッキーもさ、仲良くなってるよね?」

八幡「…そりゃ去年の今頃と比較したらな」

結衣「えへへ、だよね。よかった」

八幡(…まあ、こんなもんか?ベターな返答ができたかな)



雪乃「まったく比企谷くんは…」

八幡「なんだよ?」

雪乃「別に、なんでもないわ」

八幡「?」

雪乃「比企谷くん」


八幡「なんだ?」


雪乃「いつか私を助けてね?約束したでしょう?」

結衣「え?」

八幡「…なんで今言うんだ…?」


結衣「え?なんのこと?約束?」

雪乃「確認よ確認、ただのね」

八幡「なんか悪意感じるんだが…」

雪乃「きっと気のせいね」

八幡「そもそもあれって約束だったっけ…?」



結衣「あ、あの…ヒッキー、なんのこと…?そんなのあったっけ?」

八幡「え…あ、いや…」

雪乃「ふふ」

結衣「ヒッキー…もう…」

結衣「な、なんだかわかりあってるし~っ」

雪乃「まさか、分かり合ってなんてないわ」


八幡「由比ヶ浜、この状況をどう見たら分かり合ってるって思うんだ」


結衣「そうかもしれなけどさ…う~ん」ゴクゴク


雪乃「でも、考えてみると別に私と比企谷くんは友達でもないのね」

八幡「そりゃあな。由比ヶ浜ともだけどな」

雪乃「そういえばそうね」


結衣「えっ?ヒッキーひどいしっ!」


八幡「事実だろ」

結衣「ヒッキー相変わらず捻くれてるし、もう細かいこと気にせず友達でいいじゃん」

八幡「…友達、ね」


結衣「ま、まあ…それが嫌なら別のでもいいけど…」

八幡「別の?なんだ?」

結衣「だ、だからさ…えっと…」

結衣「や、やっぱりなんでもない…!」

八幡「なんだよ、途中でやめんなよ」


結衣「いいのっ!」


雪乃「なんだかあなた達見てるだけで面白いわね」


八幡「勝手に第三者視点で話さないでくれますかね」


雪乃「第三者ではないわ、むしろ当時者よ。バレンタインの時の…ほら、あれよ…」」

結衣「えっと…だ、だよね…」

八幡「急にどもるなよ…気になるだろうが」


「……」


八幡(なんか変な空気になったな…さっさと話題変えるか)


結衣「でもさ…」


八幡(あれ?まだ続くのか?)

結衣「奉仕部はこのままがいいねって言ってたあたしが言うのもなんだけどさ…」


結衣「このままで終わるのも嫌かな…なんてさ」


八幡「おいおい、いきなりだな」

結衣「う…ごめん…」


八幡「別に責めてるわけじゃねぇけど」

雪乃「奇遇ね、私もそう思ってたところだから」

八幡「雪ノ下もかよ」

雪乃「やっぱりなにもないまま終わるのは…さみしいと思うわ、今まで何回も依頼こなしてきて…」

雪乃「それでお互い感情をぶつけ合って、一度は崩壊して…それでもなんとか解決してきたでしょう?」


八幡「そりゃそうだけど」

雪乃「なにかほしいと思うのは普通じゃないかしら?」

結衣「うん、そうだよねっ!なにかほしいよねっ!」


八幡(なんで二人とも俺を見るんだよここで…)

雪乃「でもそうなると…偶然だけどよかったのかもしれないわね、あれは」

結衣「あれって?」


雪乃「文化祭に出店するっていう話よ」

結衣「ああ~なるほど、確かに…丁度いい機会かもしれないよねっ」


雪乃「私は正直ノリ気ではなかったのだけれど」

八幡「俺もだ、面倒くせぇし…」


結衣「半分強制だったもんね」

八幡「平塚先生の独断だからな」

雪乃「なにをやるのかしら…」


ガラガラ


平塚「すまない、お邪魔するぞ」

八幡「あれ?先生」

平塚「全員揃ってるな、よかったよ」


雪乃「どうかしましたか?」

平塚「いや、文化祭のことなんだが、少し話しておこうとね」

雪乃「文化祭といってもまだかなり先だと思いますが」

平塚「まあ準備は早いに越したことはないだろう?それに手伝ってくれる者もしるしね」


雪乃「手伝いですか?」


三浦「…あーしだけど」

雪乃「あら」

結衣「優美子っ?」

八幡「…マジか」

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