ガールズ&パンツァー 紅蓮篇 (46)
実はタイトルに特に意味はない!
ひたすら西住殿のキャラが熱血馬鹿にしてるだけのノリと勢い任せのSSだ!
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みほ「黒森峰からやってきた西住みほだ! よろしく頼むぜ!」
沙織(赤いグラサン!?)
華(なんて存在感を放つお人なんでしょう……)
なんだかんだで打ち解けて
沙織「みほはさーなんで大洗に来たの?」
みほ「んー? ああ、俺の家は戦車道の家系なんだがな、もちろん前の学校で戦車道をやってたんだけどよ、全国大会の決勝戦で水没しそうになった仲間を助けに行ったら負けちまったんだ」
華「ふむふむ」
みほ「負けのは俺の所為だっておふくろが責めるもんだから、頭に来てな 一発ビンタかましたら勘当された」
沙織「ええ!? 叩いちゃったの!? お母さん」
みほ「俺は間違ったなんて思ってねぇ! 全国優勝なんかより仲間の命の方が大切に決まってんだろ!」
華(素敵です……その熱さ)
沙織「それで戦車道がない大洗に島流しになったって事?」
みほ「まあ、そんな感じだ」
螺巌篇は劇場版でやる予定だ!
沙織「なるほどねー、もう戦車道はやる気ないの?」
みほ「ないってわけじゃねぇけど、高校にいる間は無理だろうなぁ」
杏「そんな君に朗報ー」
みほ「うおっ!? 誰だアンタ!?」
杏「私は生徒会長の角谷杏、いやぁ君は実に運がいいよ うんうん」
桃「今年からわが校では戦車道が復活する」
みほ「なんだと!?」
杏「もちろんやるよね?」
みほ「あったりめぇだ! 転校早々運がいいぜこりゃ!」
華「あのー私も参加してもいいでしょうか?」
沙織「私も私も! なんか面白そうだし!」
杏「おっけー」
そして戦車道開始から初日
みほ「で? どこにあるんだ? 俺たちの戦車は?」
杏「これ一両しかないよー、この学園のどこかにあるから皆で探してねー」
沙織「えーっ……そんなぁ」
みほ「面白れぇ……自分の戦車は自分で見つけろって事か……燃えてきたぜ!」
華「燃えてますね、西住さん」
沙織「まあ仕方ないね……どこから探す?」
みほ「その前に……おい! そこでコソコソ見てるやつ!」
優花里「!?」ビックゥ
みほ「そんなコソコソやってても面白くねぇだろ? 一緒に探そうぜ」
優花里「いっ……いいんですか?私なんかで?」
みほ「いいか、お前を信じるな!」
沙織「へっ?」
みほ「俺が信じるお前を信じろ! 俺はお前を信じる! 名前はなんつーんだ?」
優花里「秋山……秋山優花里です!」
みほ「よし、いくぞ優花里!」
優花里「はい!」
戦車発見
みほ「Ⅳ号戦車か、なかなか渋いじゃねぇか!」
華「他のチームの皆さんも戦車を見つけたようですね」
みほ「よっし!チーム大洗団の誕生だぜ!」
沙織「大洗団って……」
桃「明日は戦車道の教官がお見えになられる! 戦車を綺麗にするんだ!」
みほ「よっしゃあ!優花里、気合で綺麗にすっぞ!」シャァァァアア!
優花里「はい! 姉貴!」シャァァアァアァ!
華「まるで姉妹みたいですねあの二人」
沙織「ってあの二人にばっかやらせるわけにいかないよ!」
翌日
みほ「やっべぇ!寝坊した!」だだだだだだだ
麻子「うーっ……」フラッ、フラッ
みほ「ん?おい!大丈夫かよ!?」
麻子「辛い……だが行かねば……」
みほ「はぁ……しょうがねぇな……」ガシッ
麻子「?」
みほ「行くぞ!」ダダダダダダダ!
麻子「えっ……ちょま」
みほ「よっしゃあ!セーフ!」
麻子「」死ーん
そど子「ギリギリよ、もっと早く来るようにしなさい!……あら?冷泉さん?」
みほ「ああ、なんか死にそうに道歩いてたからおぶってきたんだよ」
そど子「今にも死にそうに見えるんだけど……まあ遅刻してないし、いいか」
麻子(よっ……よくない)
みほ「じゃあな!また機会があったら会おうぜ!」
麻子(酷い目にあったが遅刻は避けた……借りができてしまったか」
蝶野「私が教官の蝶野よ!初めての人が多いって聞くけど、みんなで頑張りましょう!」
沙織「騙された……イケメンって言ってたのに」
蝶野「あら? もしかして西住師範の娘さんでは?」
みほ「あっちはもう娘だと思ってないと思うぜ」
梓「あのー西住師範って?」
蝶野「西住流って言う戦車道の由緒ある流派があるのよ」
エンヴィル「と言う事はその流派の跡継ぎ!?」
みほ「いや、俺はもう西住の家とは関係ねぇ、ねえちゃんが居るから跡継ぎはもともとそっちだしな そんな事よりさっさと訓練を始めようぜ」
沙織(みほ……やっぱ家の事はあんまり話したくないんだね)
蝶野「そうね……ならさっそくバトルロワイヤルの実戦と行きましょう!」
柚子「いきなりですか!?」
みほ「いいねぇいいねぇ!わかりやすくて助かるぜ!」
試合開始
沙織「うわぁ!撃ってきた!」ドォーン!
優花里「いきなり狙われてます!どうしますか?姉貴!」
華「どこに動かせばいいんですか!?」
みほ「落着きやがれてめぇら!」
三人「!!」
みほ「いいか?相手はまだまだ素人だ、そう簡単には弾は当たりはしねぇ、さっさと動いて距離をとるんだよ、あっちに行くぞ!」
華「はい!」ブロロロロロ!
みほ「ん? あれは……華! ストップだ!」
麻子「zzzzzzz」
みほ「おい、なにやってんだ! こんなとこで寝てたらあぶねぇぞ!」
沙織「あれ?麻子じゃん」
みほ「知り合いか?」
沙織「うん、幼馴染」
みほ「まあいいか……しかたねぇから乗れ!」
優花里「先には橋……ですか」
みほ「よし、渡るぞ」
沙織「ええ!?無茶だよ!」
みほ「馬鹿野郎! 無茶を通して道理を蹴っ飛ばすんだよ! 頼むぜ、華!」
華「はい!」
沙織「うわぁ~橋渡ってる最中に撃ってきたぁ!」
優花里「しかもそのショックで五十鈴殿が気絶しましたぁ!もうだめです!」
みほ「馬鹿野郎!簡単にあきらめんじゃねぇ!」バキィ!
優花里「あっ……アネキ!」
みほ「まだ俺達は負けちゃいねぇ!勝負はこれからだろうが!」
麻子「熱血ドラマ中に悪いが私が操縦しよう」
みほ「できるのか!?」
麻子「気合で覚えた」
沙織「流石学年主席!」
みほ「よっしゃあ!反撃開始だ!優花里!砲身をさっきから撃ってる連中に向けろ!」
優花里「はい!」キュラキュラキュラ
みほ「撃ちやがれ!」ドォン!
優花里「Ⅲ号撃破!」
みほ「次ぃ!隣の八十九式に撃て!」ドォン!
優花里「撃破!」
みほ「ようし、これで残りは38tとM3リーだぜ!」
桃「ふっふっふ……ここが貴様らの死に場所だ!」ドォン!
みほ「……撃て」ドォン!
沙織「どこに撃ってたのかな、あれ」
優花里「さあ? まあとにかく38t撃破!」
みほ「さぁって残りは……履帯外れてんじゃねぇか……」
蝶野『そこまで、Ⅳ号以外の戦車の行動不能を確認!Aチームの勝利!』
優花里「勝った!勝ったんですね!?」
みほ「ああ!俺達の勝ちだ!」
華「え?え?」キョロキョロ
沙織「今起きたんだ……試合は終わったよ」
麻子「疲れた……寝たい」
蝶野「グッジョブベリーナイス!これだけ動かせれば上出来よ!」
みほ「よくがんばったなお前ら!」
優里花「いえ、アネキのあの一喝とパンチがなかったらどうなっていたか……」
沙織「いいの入ってたよね……」
みほ「それでえーっと麻子だったか?お前には俺達の戦車の操縦手をやってもらいてーんだが」
麻子「断る……と言いたい所だが、朝の借りがあるしな……もう少し付き合ってやる」
みほ「よろしくな!」
沙織「なんかさ、強引だけど嫌いになれないよねみほって」
華「カリスマと言うのでしょうか?人を引き付ける力を感じます」
沙織「かなぁ、優花里なんてもうみほに夢中だし」
みほ「おーおー……なかなか派手に決めてるじゃねえかどいつもこいつも!」
沙織「金ぴかに文字書いたり旗つけたりなんでもありだねぇ……」
華「個性的……というべきでしょうか?」
優花里「あー……三突がM3リーが別のなにかにぃ!」
みほ「ほんとに戦車好きなんだなお前」
優花里「……やっぱり変ですかね、戦車オタクだなんて」
みほ「全然!むしろ胸を張れ!お前の戦車への情熱が俺達に勝利をもたらすかもしれないんだぜ!」
優花里「アネキ……」
みほ「よっしゃあ!練習するぞてめーら!」
杏「いいねぇこの流れ……あれやっちゃうかぁ」
桃「はっ!すぐ手配します」
柚子「あれってなんですか?」
杏「まーまーすぐにわかるよ」
みほ「練習試合ぃ!?」
桃「今週の土曜の朝6時だ、相手は聖グロリアーナ女学院」
優花里「聖グロリアーナは全国大会で準優勝の経験を持つ強豪校です!」
沙織「いきなり全国トップクラスとやるの!?」
みほ「いいじゃねぇか!雑魚相手にしても面白くねぇ!強い奴らとやるのが楽しいんだよ!」
麻子「それよりも朝6時に起きるとか無理なんだが……」
優花里「いえ、6時に試合ですから起きるのは5時とかになるかと」
麻子「なおさら無理だ、短い間だったが世話になった」
みほ「馬鹿野郎!やってみねぇとわからねぇじゃねえか!気合で起きてみろ!」
麻子「いや……流石に」
沙織「いいの!?みほに借り作りっぱなしで!」
麻子「!!……わかったできるかぎりやってみよう」
優花里「モーニングコールしに行きますね!」
リーダー達による作戦会議
桃「聖グロリアーナの固い装甲を生かした戦術をやぶるためには、戦車1両を囮にして待ち伏せによる集中攻撃を……」
みほ「駄目だな」
桃「なんだと!?」
みほ「そんな簡単な作戦、敵が気づかないわけがねぇだろ、まじめに考えたのかお前」
桃「先輩に向かってなんだその口のききかたは!そんなに偉そうな事言うならお前が考えてみろ!」
みほ「なら俺がこのチームのリーダーってことで文句ねぇな?」
桃「はぁ!?」
杏「いいよー」
桃「会長!?」
杏「もともと経験者の西住ちゃんに頼む予定だったしねー」
みほ「ならこの大洗団のリーダーは俺が引き受けたぜ!」
桃「むう……それで、お前はどんな作戦を考えるんだ?」
みほ「とりあえずお前の作戦でやってやるよ」
柚子「えっ!?」
カエサル「どういう意味だ?」
みほ「もしかしたら上手くいくかもしれねぇからな、それならそれでよしだ、駄目だったら俺が作戦を考える」
梓「そんな適当でいいんですか!?」
みほ「適当に生きる方が人生楽しいんだぜ、後輩!」
杏「よーし明日勝ったら干芋3日分、負けたらあんこう音頭でどう?」
みほ「乗った!」
あんこう音頭×あんこう踊り○
沙織「あんこう踊り!?みほ、あんこう踊りって何か知ってるの!?」
みほ「いや、全然」
優花里「あんなの踊ったら一生ネタにされますよ!」
みほ「負けなきゃいいんじゃねぇか、簡単だろ?」
華「それはそうですが……」
沙織「よしわかった!負けたら私も踊るよ!みんなで踊れば恥ずかしくないかもしれないし!」
優花里「私もです!恥をかくならアネキと一緒にかきます!」
華「わたくしも踊ります!」
みほ「お前ら……流石大洗団のメンバーだぜ!」
沙織「それよりも明日麻子がちゃんと起きるかのほうが心配だよ……」
みほ「安心しろ、俺に作戦がある」
試合当日
沙織「やっぱり起きないー!」
麻子「zzzzzzz」
優花里「どうしましょう……ん?外に戦車が?」
みほ「撃ちやがれ!」ドォォォォン!
麻子「!?!?!?」
みほ「どうだ?目冷めただろ?」
優花里「おはようございます!アネキ!」
みほ「おう、おはようさん さっさと乗り込みな!」
移動中
沙織「そういえばみほってまだ大洗の町に来たことないんだよね?」
みほ「ああ、転校してきたばっかだからな」
華「試合が終わったら案内しますね」
みほ「ああ、楽しみにしてるぜ」
華「あれが聖グロリアーナの戦車ですか……」
みほ「ビビんなよ、この試合勝つぞ!おめぇら!」
全員「はい!」
桃「こっちからの急な申し込みに関わらず、受けてくれて感謝する」
ダージリン「かまいませんことよ、それにしても……個性的な……!?」
みほ「ん?俺の顔になんか付いてるか?」
ダージリン(赤いサングラスに赤いマント!?まるで紅蓮の炎のようなこの人は一体!?)
桃「というか西住!なんだその恰好は!?」
みほ「ああ、やっぱこの大洗団のリーダーとしては派手にいかねぇと思ってな」
ダージリン「あなたがこのチームのリーダー……?」
みほ「おうよ!生まれたばかりの大洗団!紅蓮の魂背中に背負い、不撓不屈の鬼リーダー!西住みほ様たぁ俺の事だ!」
ダージリン「西住……みほ?」
みほ「んじゃ今日の試合はよろしく頼むぜ、ダージリンさんよ」
ダージリン(どうやら……油断していると痛い目に合いそうね……)
みほ「ちくしょおぉぉぉぉぉぉ!」
『勝者 聖グロリアーナ!」
ダージリン(危なかった……最後のあの追い上げ……もしあの一撃がまともに当たっていたらおそらく負けていたのは……)
ダージリン「あなた、もしかして西住流の?」
みほ「会うやつ会うやつ同じこと聞いてくんな……もう破門されてっから関係ねぇんだよ俺は」
ダージリン「そうね……あなたのお姉さんとは大違いね」
みほ「喧嘩売ってんなら買うぞ?」
ダージリン「いい意味で、よ」
みほ「ふん……この借りは全国大会で返してやるよ」
ダージリン「楽しみにしてるわ、鬼リーダーさん?」スタスタ
みほ「次はぜってぇ勝つ!」
杏「まーさらに気合が入った感じでよかったよかった」
桃「じゃあ約束通り、やってもらうぞ、あんこう踊り」
みほ「俺に二言はねぇ!やってやろうじゃねぇか!」
杏「まーまー、連帯責任ってことでさ」
柚子「会長!?まさか!?」
みほ「おらぁ!もっと気合入れて踊れ!」アアンアンアン
優花里「はぃい!」
沙織「うう……人の目が辛い」
みほ「恥ずかしいと思うな!思ったら負けだ!」
優花里「はぃい!」
華「気合ですね!気合!」
杏「意外と楽しいねこれ」
桃「なんで私達まで……」
あんこう踊り終了
みほ「すまねぇなお前ら……俺がもっとちゃんとやってりゃ……」
優花里「そんな!アネキの所為じゃありませんよ!」
沙織「そうそう、それよりもこれからの事を考えようよ」
麻子「私はおばあに顔見せに行ってくる」
沙織「じゃあ私達で買い物いこっか」
みほ「よっしゃ、行こうぜ!」
みほ「おっ、人力車たぁ風流じゃねぇか」
華「あれは……」
新三郎「お嬢!」
みほ「誰だ?」
華「家に奉公に来ている新三郎です」
新三郎「お嬢がいつもお世話になっています」ペコッ
みほ「とするとあれに乗ってるのが……」
百合「華さん」
華「お母様!」
百合「よかったぁ……元気そう……こちらのみなさっ!?」
みほ「ん?」(赤いグラサンに赤マント)
百合「華さん!こんな危なそうな人とおつきあいをっ!?」
華「お母様!みほさんは危ない人ではありません!熱く激しい魂の持ち主です!」
優花里「そうです!今回の戦車道の試合だって見事な大活躍を……」
百合「戦車道?華さん、どういう事?」
華「……」
百合「花を生ける繊細な手で戦車に触れるなんて……」フラッ……
新三郎「奥様!?」
華「お母様!?」
華宅
優花里「すいません……私が余計な事を言った所為で……」
華「そんな……私が母にちゃんと言ってなかったのがいけなかったんです……」
みほ「…………」
新三郎「お嬢、奥様が目を覚ましました、お話があるそうです……」
華「わたくし……もう戻らないと……」
新三郎「お嬢!」
みほ「華」
華「みほさん……」
みほ「今回の件は俺にも責任がある、だからこそ言わせてくれ、お前の想い、ちゃんとおふくろに伝えてやれ」
沙織(そっか……みほも……)
優花里(いいんですか?覗いちゃって)
沙織(偵察よ偵察……華の横にみほが居るのが怖いし)
百合「あなたを呼んだ覚えはないのですが?」
みほ「華が戦車道をやってるのは俺にも責任がある、だから来ただけだ、口を出すつもりはねぇ」
華「みほさん……」
百合「華さん、どうして?華道が嫌になったの?」
華「そんなことは……」
百合「なら……どうして?」
華「わたくし……生けても生けても何かが足らないような気がするんです」
百合「そんなことはないわ、あなたの花は可憐で清楚、五十鈴流の花そのものじゃない!」
華「でも、もっと力強い花を行生けたいんです!そんな時でした……みほさんが転校してきたのは……」
百合「この人に?」
華「真っ直ぐで力強い炎みたいなこの人といれば……この人と一緒に戦車道をやったら何かを掴めるかもしれない……そう思ったんです」
百合「そんな……素直で優しい貴方は……どこに行ってしまったの?」フラッ
華「……」
百合「これも戦車道に……その人に出会った所為なの?戦車なんて野蛮で不格好でうるさいだけじゃない!」
百合「戦車なんて、皆鉄屑になってしまえばいいんだわ!」
優花里(鉄屑!?)ギンッ
華「ごめんなさいお母様……でもわたくし、戦車道はやめません!」
百合「……わかりました、だったら家の敷居は……またがないでちょうだい」
新三郎「奥様!それは!」
百合「新三郎はお黙り!」
みほ「話は終わりだな?華行くぞ」スクッ
華「はい……失礼します」
みほ「あ、お母さんよ、話は終わったから言わせて貰うんだがよ」
百合「なんですか?」
みほ「俺は華と出会ってそんなに長くもねぇがな、昔の華が素直で優しいってんだったら今も変わってないぜ?」ガラッ
百合「……」
沙織「うおう……」
みほ「なんでぇ、覗いてたのかよ」
華「帰りましょうか」ニコッ
沙織「いいの?これで……」
華「いつか、お母様を納得させられる花を生ければきっとわかってくれる……きっと生けてみせます!」
新三郎「お嬢……!」
みほ「お前ならできるぜ!いいか?お前を信じるな!」
華「お前を信じる俺を信じろ!……ですね?」
みほ「……ああ!」
麻子「……遅いぞ」
みほ「夜は元気なんだな……」
そど子「出港ギリギリよ」
みほ「間に合ったからok!」
梓「西住たいちょ……リーダー」
みほ「ん?お前ら一年の……」
梓「戦車を放り出して逃げたりして、すみませんでした!」
一年「すみませんでした!」
あゆみ「先輩達かっこよかったです!」
あや「私達はすぐに逃げたのに……先輩達があきらめないで戦う姿に感動しました!」
優季「次は絶対に逃げません!」
佳利奈「絶対に頑張ります!」
みほ「期待してるぜ」
一年「はい!」
杏「作戦はこれから西住ちゃんに任せるよ」
桃「会長!?」
杏「あとこれ聖グロリアーナから」
みほ「紅茶のセットに……手紙?」
『今日はありがとう、とても熱くて楽しい戦いだったわ、公式戦で戦えるのを楽しみに待っています』
優花里「凄いです!聖グロリアーナは好敵手と認めた相手にしか紅茶を送らないとか!」
杏「公式戦は勝たないとね」
みほ「ああ!この借りは十倍にして返してやるぜ!」
沙織「公式戦?」
みほ「決まってんだろ!全国大会だ!」
全国大会抽選会場
みほ「おりゃあ!」引き抜き
『大洗女子学園!8番』
沙織「みほ……こんな会場でもあの格好なんだ……」
優花里「それよりも、1回戦の相手は優勝候補のサンダースですよ!」
柚子「初戦から強敵ですね……」
桃「どんなことがあっても……負けられない!」
杏「まあ……うちの鬼リーダーさんは負けるなんて全然考えてなさそうだけどね」
みほ「なんだよ……黒森峰か聖グロとやりたかったんだけどな」
戦車喫茶
みほ「すげぇな……」
華「はい、なにからなにまで戦車ばっかりですね」
みほ「いや、そうじゃなくて 華の胃袋だよ、よくそんな食えるな」
華「え?普通の量ですけど?」
みほ(ケーキ何個頼んでたっけこいつ……)
沙織(まあ初めて見るとこんな感じになるよね……)
エリカ「あら?副隊長……ああ元でしたね」
まほ「…………」
みほ「ねぇちゃん……と誰だっけ?」
エリカ「おいっ!エリカよ逸見エリカ!忘れるの早すぎるでしょうが!」
みほ「ジョーダンだジョーダン、でなんか用か?」
エリカ(これじゃダメよ!いっつもこいつのペースに乗せられてるんだから!)
まほ「……まだ戦車道を続けているとは思わなかった」
みほ「別に、あっちが首にしただけで、俺はやめるなんて言ってないぜ?……なあ一つ聞いていいか?」
まほ「なんだ?」
みほ「小梅……元気にしてるか?」
まほ「……それは試合で直接確かめたらどうだ?決勝までこれたらの話だがな」
エリカ「まあ、どうせサンダースに負けて終わりでしょうけどね」
みほ「負けねぇさ、俺を誰だと思ってやがる」
まほ「ふっ……行こうエリカ」
エリカ「せいぜい頑張る事ね」フンッ
みほ「さあて、ケーキ食おうぜ」
沙織「決勝って……」
優花里「アネキが前にいた高校……黒森峰は去年は準優勝、それまでは9連覇を達成していた最優勝候補です」
沙織「え?そんな凄い所にいたの!?」
みほ「で、あの無口なのが俺のねぇちゃんで隣でツンツンしてたのがエリカ、たぶん今は副隊長やってんじゃねぇか」もぐもぐ
華「あ、ケーキまた頼んでいいですか?」
みほ「もう食ったのか!?」
麻子「もう2つ頼んでいいか?」
甲板
みほ「ふう……」
優花里「寒くないですか?アネキ」
みほ「ああ……全然大した事ねぇよ」
優花里「全国大会……絶対に勝ちましょう!」
みほ「あたりめぇだ……なあ優花里」
優花里「なんですか?」
みほ「俺は……お前らに感謝してんだ」
優花里「え?」
みほ「黒森峰を首になって……戦車道もないこの大洗でやっていけるのか、俺を変えないで行けるのか……正直不安だった」
みほ「でもな、お前らが居てくれたんだ、沙織が、華が、俺と友達になってくれて、一緒に戦車道をやるって言ってくれて、そしてお前や麻子と出会って……」
優花里「アネキ……」
みほ「お前らが居るから俺は前に進める、お前らの為にならいくらでも頑張れる、だからもう一回聞かせてくれ、俺を信じてくれるか?」
優花里「もちろんです!アネキを信じた私を、私を信じたアネキを、信じます!」
みほ「……ありがとよ」
杏「私も信じるよー」
みほ「うおっ!?」
杏「きっと西住ちゃんなら優勝させてくれる、私はそう信じてるよ」
桃「というか絶対に優勝させろ!」
みほ「へっ!あったりめぇだ!俺を誰だと思っていやがる!」ビシッ
みほ「優花里の奴……練習サボってなにしてんだ」
沙織「携帯にかけても圏外だし……」
みほ「しゃーねぇ……ちょっと家にでも行ってみっか」
秋山宅
沙織「へぇ……床屋さんなんだ」
みほ「うぃーす」カラン
秋山父「えーっと……」
みほ「優花里いるか?」
秋山父「あんたたちは……?」
みほ「優花里のダチだ」
秋山父「ダチって……友達!?」
みほ「他になにがあんだよ?」
秋山母「あなた、落ち着いて、いつも優花里がお世話になってます」
秋山父「おっ、お世話になってます!」土下座
秋山母「優花里、朝早く出てからまだ帰ってきてないんですよ、どうぞ上がってください」
みほ「すっげぇ……戦車ばっかだな」
秋山母「すいません、優花里の友達が来るなんて初めてなもので……いつも戦車、戦車だから気の合う友達もなかなかできないみたいで……戦車道の友達ができたのとても喜んでたみたいですよ」
沙織「そうだったんですか……」
秋山母「特に『一生付いていきたいアネキができました!』って一番嬉しそうにしながら教えてくれたんです」
みほ「へっ……!」ぽりぽり
麻子「なんだ?照れてるのか?」
みほ「!んなわけねぇだろ!」
秋山母「クスッ……それじゃあごゆっくり」
華「いいご両親ですね」
みほ「そうだな……」
優花里「よっと!」窓から参上
沙織「ゆかりん!?」
優花里「あれ?アネキ、それにみなさん!どうしたんですか?」
みほ「どうしたもこうしたもねぇよ!練習サボりやがって!」
華「連絡もないので心配して……」
優花里「すいません、心配かけて……でも、それだけの物をゲットしてきました!」
みほ「こりゃあ……」
優花里「サンダースへ潜入してきて、様々なデータなどを撮ってきました!」
みほ「なんでこんなあぶねぇ真似した!」胸倉グイッ!
優花里「あっ……アネキの力になりたかったんです!」
沙織「みぽりん!」
みほ「はあ……いやこのデータはありがてぇ、でもなこういう事やるなら事前相談しろ、心配するだろうが」
優花里「すいませんでした……」
みほ「だがこのデータがありゃ戦術を立てられる、ありがとな」なでなで
優花里「……はい!」
華「でも、怪我とかもなくてよかったです」
麻子「1回戦、なんとしても勝たないとな」
沙織「でも麻子さ、明日から朝練始まるけど大丈夫?」
麻子「……え?」
翌日
桃「今日の練習は終了!」
沙織「あー……疲れたぁ甘いものたべたぁい」
みほ「よっし、なんか食ってこうぜ」
華「沙織さん」グイッ
沙織「あ、ごめん 今日用事があるからさ、みぽりん先に帰っていいよ」
みほ「ん? そうか、ならそうさせてもらうぜ」
帰り道
みほ「あっちゃあ……作戦ノート教室に忘れちまった……しゃーねぇ、戻るか」クルッ
みほ「お、あったあった……ん? 沙織と華の鞄……あいつら」
沙織「9秒!さっきより早くなったよ!」
優花里「本当ですか!?」
華「次はもっと早く動いてみせます!」
みほ「なーにやってんだおめぇら」
沙織「あっ……」
みほ「俺そっちのけで特訓か?」
沙織「私達、みぽりんの足を引っ張らないようにしようって……」
優花里「アネキが信じる私達として、もっと強くなりたいんです」
みほ「へっ……なら、俺がなんかするのも野暮だな、だがな明日からもっと激しく特訓するぜ!」
沙織「望むところだよ!」
それから数日後、全国大会の日はやってきた
桃「よし、各自整備は終わったか?」
カエサル「準備完了!」
みほ「こっちもokだ!」
桃「よし、それなら試合開始まで待機!」
優季「あっ!砲弾の準備忘れてた!」
アリサ「呑気なものね、それでよくのこのこ全国大会にまで出てこれたわね」
優花里「ひっ……」
みほ「俺らになんか用か?」
ナオミ「試合前の交流もかねて、食事でもどうかと思いまして」
みほ「食事だぁ?」
沙織「すごっ……」
優花里「救護車にシャワー車、ヘアサロン車までありますよ!」
華「本当にリッチな学校なんですね……」
優花里「あれ? アネキは?」
沙織「ゆかりん、あれ」ユビサシー
みほ「うんめぇ!なかなかやるじゃねぇかサンダースもよぉ!」モグモグ
優花里「さっそく楽しんでますね……」
ケイ「ヘーイ、アンジ―!」
柚子「角谷杏だからアンジ―……?」
桃「馴れ馴れしい……」
ケイ「なんでも好きなもの食べていって……るわねもう」
みほ「お前がサンダースの隊長か?」モグモグ
ケイ「そういうあなたは大洗の隊長?」
みほ「違うな」モグモグ
桃「はぁ?何を言っている?」
みほ「俺は、全国に大穴空ける大洗団、紅蓮の魂背中に背負い、不撓不屈の鬼リーダー!西住みほ様だ!隊長なんてちっちぇえ呼び方するんじゃねぇ!」骨付き肉片手に
ケイ「……あっはははは!okok!鬼リーダーね、覚えたわ」
みほ「それはそうと、この間は俺のの妹分が悪かったな」
ケイ「妹分? ああ、オッドボール三等軍曹の事? あれあなたの差し金?」
みほ「いや、独断だが妹分の責任は俺の責任だ、すまなかった」頭下げ
ケイ「彼女、怪我とかなかった?」
みほ「ん」優花里の方をくいっ
優花里「あ、はい……大丈夫です」
ケイ「またいつでも遊びに来て、ウチはいつだってオープンだから!」
優花里「はっ……はい!」
みほ「いいやつだな、あっちの隊長」モグモグ
麻子「フレンドリーだな」
みほ「まっ、どんなにいいやつでも勝負は勝負だ、手を抜かずに全力でやるのが礼儀ってやつだぜ」
優花里「はいっ!」
試合開始
みほ『いいかぁ!? 敵の戦力はこっちより遥かに上だ!絶対に止まるな!動いて動いて動き回って三突の前に引きずり込め!』
全員『はい!』
エリカ「始まりましたね」
まほ(さて……どうなるか)
みほ『ウサギは右方向!アヒルは左方向を偵察だ!』
梓『了解しました』
典子『こちらも了解!』
みほ『カバと俺達あんこうはカメを守りつつ前進!』
桃「あのネーミングはなんとかならんのか……」
杏「わかりやすくていいじゃん」
みほ『パンツァァァァ!フォオオオ!』
梓『シャーマン6両に包囲されました!』
みほ『んだとぉ!? とりあえず逃げろ!こっちから援軍送る! アヒル!こっちについてこい!』
典子『はい!』
ドォン!
みほ「!?」
シャーマン3両接近!
みほ「ちっ……囲まれたか!」
優花里「あっちに6両こっちに3両……凄い!全10両中9両この森に投入ですか!」
華「ずいぶん大胆な戦術ですね……」
みほ『ウサギ!このまま進むな!止まれ!』
ウサギチーム『無理でーす!』
沙織「6両に集中砲火浴びてるって!」通信中
みほ『それなら……ウサギ!アヒル!もうすぐ合流すっから、合流したら南東に行くぞ!』
梓『わかりました!』
合流!
梓「あっ、せんぱーい!」
みほ「とりあえず落ち着けおめーら! 退くぞ!」
あや「回り込まれた!」
みほ『全速力で突っ込め! 敵に混ざるんだよ!』
佳莉奈「マジっすか!?」
忍「了解!」
みほ『撃たれても気にすんな! とりあえず抜ける事を考えろ!』
危機脱出!
みほ「あー……危なかったぁ」
華「危なかったですね……」
みほ「ああ……まるで俺らの動きを知ってたみてぇな……あ!」上空確認
華「どうかしたんですか?」
みほ(通信傍受されてやがった)
華「えっ!?そんなのはn」ムグッ
優花里「確かに……ルールには通信傍受は禁止されてませんね……」
沙織「ずるいよこんなの!」
華「抗議しましょう!」
みほ「なーにいってんだ、聞きたいなら聞かせてやろうじゃねぇか」ニヤッ
全員「えっ?」
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