近藤亜紗子「君はいいよね~いつも西山と一緒にいられて」 (20)

――教室――

双葉「いやー、今回の小テスト難しかったねえ」

照「あら、双葉はいつもヤマカンなんだから難しいも何も関係ないんじゃない?」

双葉「ははは、まあそれはそうだけどさー。葉山ちゃん何点だった?」

照「90点よ」

芹奈「あーら葉山さん、90点だったの?」

双葉「あ、西山さん」

芹奈「私の勝ちのようね。私は95点よ。一週間前から計画的に勉強してその成果が出たわ」

照「そう、それはよかったわね、西山さん」

芹奈「な、何よ。悔しくないの?」

照「たかが小テストの点数で一喜一憂できるなんて、西山さんは健気だなあって思って」

双葉「葉山ちゃん……」

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芹奈「た、たかが……って! 勝ちは勝ちなんだから!」

亜紗子「そうだよ! たかが小テストだし1問5点だし全問選択式だけど勝ちは勝ちだもんね。良かったね西山!」

芹奈「あ、あんたはー……」

双葉「まあまあー、近藤さんは何点だったの?」

亜紗子「私? 西山と同じ95点だよ」

芹奈「えっ」

照「あら、すごいわね。近藤さんも熱心に勉強したの?」

亜紗子「んー、別に普通かな。たかが小テストだし」

芹奈「ぐっ」

双葉「まあまあまあー、たかが小テストの話はこのへんにしておいて食べ物の話でも……」

芹奈「何よ! 小テストの話を吹っかけてきたのはあなたでしょ!」

照「突っかかってきたのは西山さんの方だけどね」

芹奈「あなたこそ何点だったのよ。小田切さん?」

双葉「え、いやー、私は……難しかったからカンで答案埋めて……そしたら」

芹奈「はっきり答えなさいよ」

双葉「……100点でした」

芹奈「」ガーン

照「双葉ってカンだけはいいわね。でも100点は凄いわよ」

双葉「まあ、今回は全問選択式だったし、たまたまなわけで」

芹奈「た、たまたまで……100点」

亜紗子「気にすることないよ西山! あんなに頑張ってたのに満点も取れなくてショックだろうけど」

亜紗子「そもそも、たかが小テストの話だし!」

芹奈「たかが……ね」

ガタッ

照「あら、西山さんどこ行くの?」

芹奈「別に!」

スタスタ

双葉「……」

照「……」

亜紗子「……」

双葉「西山さん、何か受験に落ちてガックリきたーって感じな顔してたね」

照「本当ね、どうしてかしら」

双葉「おいおい」

亜紗子「小田切さんに負けたのがそんなにショックだったのかなあ」

双葉「いやー、それよりも他に諸々の要素が絡んでるような気が……」

亜紗子「待ってよー、西山ー」


照「近藤さんって、本当に西山さん思いよねえ」

双葉「あー、うん。悪意はないんだろうけどね……」

――廊下――

芹奈(葉山のやつ葉山のやつ葉山のやつ……!)

芹奈(まったく気に食わないわね……いつもいつも)

芹奈(あら? あれは近藤と)


葉子「助かりましたわ、近藤さん。先生から教材を教室まで運ぶよう頼まれていたのですが、わたくし一人では抱えきれなくて」

亜紗子「いいっていいって、ちょうど手も空いてたし」

亜紗子「でも、こんなにたくさん運ぶなら、誰かクラスの人にでも手伝ってもらったらよかったのに」

葉子「手伝ってもらうといいましても……安易に頼める相手なんて」

葉子(辻さんにしても気軽に頼み事をできるほどの仲とは思えませんし)

亜紗子「あ、そっか。西川さんってクラスに友達いないんだよね。ごめんねー」

葉子「いえ……気にしてませんから。お友達といいますと、近藤さんは西山さんと仲がよろしいですわね」

亜紗子「うん! 西山とは長い付き合いだねー」

葉子「西山さんってあんな性格ですから、お付き合いするのも気苦労が多いのではなくて?」

亜紗子「んー。確かに西山ってあんな性格だから、周りの人も一歩引いちゃうし、ほとんど友達いないんだよね」

葉子「ああ、言われてみれば」


芹奈「あんな性格ってどーゆー意味よ!」


葉子「あら、西山さん」

亜紗子「負けず嫌いでー、素直じゃなくてー、あとそれからー」

芹奈「列挙せんでいい!」

芹奈「私が友達いないって? それをいうなら近藤だってほとんど友達いないじゃないの」

亜紗子「私? 私は別にいいよ」

亜紗子「西山と一緒なら、それで十分だから」

芹奈「な……」

葉子「近藤さん」

芹奈「……そ、そう。勝手にしたら?」

芹奈「ほら。その教材、貸しなさいよ」

葉子「え?」

芹奈「半分持ってあげるわ。2組に運べばいいのよね」

ヒョイ

芹奈「さ、もうすぐ授業始まるから早く行くわよ」

スタスタ

葉子「……」

亜紗子「面倒見がいいのも、西山のいいところだよ」

葉子「そうですわね」


芹奈「もう、早く来なさいよっ」


亜紗子「今行くー」

葉子(近藤さんもかなり厄介なお方ですが、そういうところが西山さんとの関係ではうまくいっているのかしら)

――西山宅――

エル「ニャー」

ナデナデ

芹奈「よしよーし、お利口でちゅね~」

亜紗子「西山はほんとに動物に目がないよね」

芹奈「そうねえ。動物ってみんな可愛いけど、この子は特別よ。ねー、エルちゃん」

エル「ニャー」

ぴょんっ

芹奈「あ、こら~、逃げないで~」

亜紗子「……」

芹奈「最近、自作の野菜ジュースに凝ってるのよ。市販のは加熱処理してるから大事な栄養素が壊れちゃってるけど」

芹奈「自分で旬の野菜を用意してミキサーにかければ、栄養もしっかり取れるし手軽に作れるから一石二鳥だわ」

亜紗子「さっすが西山! 健康へのこだわりが人一倍だねー」

芹奈「当然よ」

亜紗子「ミキサーにかけるだけなら誰にでもできるし、料理の苦手な西山にもうってつけだね」

芹奈「ま、まあね。折角だから持ってくるわ。ちょっと待ってて」

芹奈(近藤っていつも一言多いのよねー)

トポポポ

芹奈(悪気はないってことは分かってるけど)

スタスタ


「君はいいよね~」「ニャー」


芹奈(ん?)

亜紗子「いつも西山と一緒にいられて」

エル「ニャニャ?」

亜紗子「西山にずーっと可愛がられて、なでなでされて」

亜紗子「いいなあ。私もネコになって西山に可愛がられたいなー」


芹奈「……へえ」

亜紗子「わっ! 西山……い、今の聞いてた?」

芹奈「近藤」

ナデナデ

亜紗子「~~~~っ」

芹奈「可愛いわ、亜紗子」

芹奈「良くも悪くも、そういうふうに素直に言えちゃうとこ、私は好きよ」

亜紗子「はぅ……」

芹奈「さ、新鮮なうちに飲みましょ。野菜ジュース」

亜紗子「……うん」

……


芹奈「あら、もうこんな時間。そろそろ寝支度しないと」

亜紗子「ええー、いいでしょ。明日休みだし、もうちょっと遊ぼうよ~」

芹奈「ダメよ。夜更かしすると生活のリズムが崩れるし肌荒れにもつながるわ。いいわね」

亜紗子「はーい」

芹奈「布団敷くから手伝って」

亜紗子「あ、うん」


……


亜紗子「……」

芹奈「……」

亜紗子「西山、もう寝た?」

芹奈「……寝てたら返事しないわよ」

亜紗子「また泊りに来てもいい?」

芹奈「別に断る理由もないわ。好きにしたら」

亜紗子「西山って、本当ひねくれてるよねー」

芹奈「怒るわよ?」

亜紗子「でも」

亜紗子「私はそんな西山が大好き」

芹奈「……」

もぞもぞ

芹奈「って! 何で私のベッドに潜り込んでるのよ。狭いわね」

亜紗子「だって、もっと西山のそばにいたいんだもん」

芹奈「あんたは猫か」

亜紗子「にゃ~~~」

芹奈「はー、まったく」

ぎゅっ

亜紗子「おやすみ、西山」

芹奈「おやすみ、亜紗子」



――――――――
――――



薗部「という夢を見たんですよー葉子様」キマシ

葉子「夢だったらキャラ崩壊していても問題ないわね」

山路「薗部さん、紛らわしいので勝手に夢を見ないでください」



                                      (了)


◇三者三葉のSSでした、念のため

◇西山さん×近藤さん。……需要は(あるか分から)ないです

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