暗黒卓球少女(『それでも町は廻っている』から)(20)

●「それでも町は廻っている」の『暗黒卓球少女』回冒頭からのSS

●それでも町は廻っている本編と、実在する「卓球」とは一切関係ありません。







日本


一見、平和に思えるこの国で、闇を蠢くとある組織がいた…

それは全国の「卓球部」を制圧・支配していき…年々勢力を拡大させて行った。


その闇の組織の名は…
『暗黒卓球会』



この物語は、闇の暗黒卓球会に挑む七人の卓球少女の闘いの記録である。


『暗黒卓球少女』

第1話
「その名は紺双葉」

南第三中学

カアアアンッ!!

カアアアンッ!!!

少女「ぐはあ!!」
ドサッ

キル崎「ヒャッハアアアアア!!!これでお前を倒せば南第三中学も私達のものよーーー!!!」

デス山「大人しく観念しなさあああい!!!」

少女「くそ…っ、このままでは南第三中学が…奴等の手に堕ちてしまう!!」フラッ


トコトコトコ…


少女「は!待て!そこの通りすがりの二年生!!」

双葉「え…私、ですか?」ビクッ


少女「見ての通り2対1なんだ…卑怯だと思わないかい!?」

双葉「はあ…まあ…」

少女「私と組んで共に戦ってくれ!!」

双葉「でも私、卓球したことないし…」

少女「お前からデケェ卓気を感じるんだ!!いいからラケットを握ってみてくれ!!」

双葉「う、うん…」トコトコ

少女「器具庫のどっかにあるはずだ!」

双葉「えーと、ラケット、ラケット…」オロオロ

双葉「こほっ!こほっ!ないなぁ…どこだろ」ガサガサ

双葉「あっ」


古びたラケット


双葉「あった。ちょっと埃かぶってるけど」パッパッ

カアッ

双葉「え!?」

卓球選手の幽霊「君…俺の姿が見えるのか!?」

双葉「だ、誰ですか!?」

卓球選手の幽霊「かいつまんで説明すると俺は、試合前に無念の事故死を遂げた卓球選手の霊だ」

双葉「霊…」

卓球選手の幽霊「俺の姿が見えるという事は、君はかなり強い卓気を持っていると見た」

双葉「はあ…」

卓球選手の幽霊「君の名前は?」

双葉「紺双葉です」

卓球選手の幽霊「俺に再び卓球をやらせてくれ、双葉!という訳で君に俺の力を与えよう!」カアッ!!

双葉「え~~~!?」

カアアアンッ!!!

キル崎「オホホホホ!貴女の相棒も逃げ出したみたいねえええ!!!」

デス山「これでゲームセットよおおお!!!」ズゴオオオッ

少女「ぐふっ!!!」ドサッ

少女「くそ…ここ、まで…か…」


双葉「…」ザッ

少女「!!危ない!!!」

カアアアンッ!!!
ギュルルルルル!!!

少女「う、受け止めた!!?」


双葉「ゲームセット?…いや…」

双葉「もうワンゲームだ!!!」ドンッ!!

デス山「わ、私のスマッシュを受け止めたですってえええ!!?」

キル崎「た、たまたまよ!!たまたま!!」



双葉「返すっ!!」
ブオンッ


ズギュウウウゥゥッ!!!


デス山「ひっ!!?」

ボコオオオオオッ!!!

少女「…!!?」

デス山「ひ…ひえ…っ」

シュウウウウウ…

キル崎「壁に、穴が………」

少女「す、凄いぞ君!期待以上だ!!名前は何と言うんだ!?」

双葉「紺双葉」ドンッ

キル崎「聞きなれない名ね………この卓気計測器『タックン』であの子の卓気を測ってやるわ!!」バッ

双葉「…」

ピピピピピ…

『紺双葉』480卓気

キル崎「よ…480卓気ですってぇ!?」

デス山「何デスって!?あの卓球王様で1000卓気なのに…その約半分も!?」

少女(私でも310卓気なのに!?この子…何者!?)


双葉「さあ…まだ、続けるか?」ニヤッ

デス山「この…調子に乗るんじゃないわよ!!」

キル崎「私とデス山ちゃんはそれぞれ350卓気…二人合わせれば700卓気よ!!勝てるわ!!!」

双葉「はっ…単純な足し算で勝てりゃ小学生でも勝てるよ」ククッ

デス山「この…っ!!」ブチッ

キル崎「いつまでも調子こいてんじゃねえわよおおお!!!」スコオオオオオンッ

ズギュウウウゥゥッ!!!

少女「キル崎の必殺スマッシュだ!!ヤバイぞ、早く避けろ君!!!」

双葉「大丈夫だよ、下がってな先輩」ザッ

少女「!?」

双葉「わざわざ球を早くしてくれるなんてありがたい…そのまま打ち返してるよ」

キル崎「や、やってみゃああれゃああおああらあああ!!!」(訳:やってみやがれオラ)

少女「おい、危ないぞ!?」

ズギュウウウゥゥッ!!!

双葉「必殺!!フタバ・スマッシュ!!!」ギンッ

双葉「はあああああああああ!!!!!!」ガキイイイイイイイインッ

キル崎「にいっ!!?」

デス山「キル崎ちゃん!避けて!!」

キル崎「だめ、早くて逃げられな…」

ギュルルルルル!!!!!!



ボコオオオオオッ!!!!!
デス山「って、当たるの私かい!!!」

キル崎「デス山ちゃあああん!!!」


少女「す、すごい………なんて一撃だ……」

双葉「今日もつまらぬ球を打ってしまった…」ザッ

少女「決め台詞もあるの!?」

デス山「くっ、今日のところは見逃してやるわ…!!」フラッ

少女「あいつもあいつでバカみたいにしぶといな」

キル崎「また来てやるからね!覚えてらっしゃい!!」

オホホホホ………
ダッダッダッ…

少女「…帰ったか…君、ありがとう…」

双葉「…」フラッ

ガクッ!!

少女「おい!大丈夫か!?」ザッ

双葉「はあ…はあ、だ、大丈夫です…ただ、すごく…疲れました……」

少女(む、雰囲気が最初の頃に戻った)
少女(先程のは卓球本気モードの姿という訳か…)


双葉「先輩こそ、怪我が酷いじゃないですか…」

少女「問題ない。いつものことだよ」

双葉(普段からどんな卓球をしているんだろう…)


双葉「あ、そう言えばまだ名前を聞いてないですね…」

少女「私はナリコ…ザ・ナリコとも呼ばれる。まあ、気軽にザナリとでも読んでくれ」

双葉「もう、何がなにやらさっぱりです」

ザナリ「…双葉…私と一緒に、暗黒卓球会に挑まないか?」

双葉「え…?」




ゴゴゴゴゴ…

暗黒卓球会



キル崎「すみません…とんだ失態を…」

デス山「お許しください、卓球王様!!」


ゴゴゴゴゴ…
卓球王「ふむ………480卓気の少女か…まあ、今回は仕方がない。特別に許してやろう」


デス山・キル崎「は、ははあ!!」

卓球王「ふふふ、それに、こちらも…強力な潜在卓気を秘めた少女を見つけたのだ…」

デス山「え!?」

キル崎「その少女とは!?」


卓球王「その突如現れた強力な卓気の持ち主にはその少女を向かわせよう。その名は………」


卓球王「岩崎春香だ」


春香「…」


第1話 おわり

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