みほ「バンド道です!」 (18)

大学選抜後――――


桃「季節は九月。わが校の文化祭もあと一か月を切った」

みほ「文化祭……楽しみだなぁ」

沙織「みほはウチの文化祭初めてだもんね」

華「美味しいものがたくさん食べれます♪」

桃「そこで会長の発案で、戦車道チームから軽音バンドが一組、出演することが決まった」

ケイオン? ヒイタコトナーイ イッカゲツカ

桃「うるさーい!」

杏「まぁー、志願者がいないなら自動的にあんこうチームってことになるね」

あんこうチーム「ええっ!?」

桃「この計画はもう決定事項だ」

みほ「あ、あの私、楽器経験なんてなくて……」

優花里「私もです!」

麻子「同じく」

華「昔、箏を少々やったくらいで……」

桃「期日は文化祭当日。軽音楽部の後のステージ、いわゆるトリだ」

みほ「責任重大……」

桃「一曲演奏するだけでいい、ジャンルは問わん!」

杏「やってくれるよね?西住ちゃん」

みほ「わ、わたしこの学校には軽音楽部がないって聞いてここに……」

柚子「今年から復活したの。もう部員は200人を超えているわ」

杏「じゃぁ、よろしくねぇ」

桃「解散!」

みほ「…………」

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ミポリン、ミポリン――――――
――――――――
――――
―――
――
「みほ!!!」

みほ「ひゃっ!」ビクッ

沙織「大丈夫?保健室行く?」

華「バンドのことですよね」

みほ「うん……」

沙織「やっぱり断ろっ!こんなの生徒会の横暴だよ!」

華「そうですね、無理に弾いた楽器に美しい旋律は奏でられないはずです」

みほ「い……いや、私やるよ!バンド道やります!」

沙織「ええっ!?本当に無理してない?」

みほ「うん、もうバンド道から逃げたくない!」

沙織「みほ……」

華「善は急げ、ですね」

みほ「はい!あんこうチームパンツァーフォー!」

ガレージ


みほ「私のために……ありがとうございます」

優花里「水臭いですよ、西住殿!」

麻子「夜のステージなら大丈夫だ」

沙織「じゃぁさっそく楽器決めちゃおー!」

華「そういえば、沙織さんは楽器経験は?」

麻子「私の知る限りないはずだが」

沙織「ふっふーん、甘いよ麻子!私は」

沙織「バイオリン、ピアノ、フルート、カスタネット、リコーダー、ウクレレ、テルミン……」

優花里「おお……!」

沙織「全部、挫折した!!!」

麻子「だと思った。おおかた男子にモテたいためだな」

沙織「ぎくぅ!だって『けいおん!』の子たち世の中の男たちに超モテモテじゃん!」

華「ではなぜバンド楽器をやらなかったのですか?」

沙織「だって難しそうだったんだもん!」

麻子「楽器に難しいも簡単もない」

みほ「あはは……」

優花里「楽器もを軽音部の方たちが快く貸してくれましたね」

みほ「まずは適当に音を出してみましょうか」

沙織「ドラム……モテるかな?」

華「エレキギター、興味があります」

優花里「おぉー軍隊用のトランぺットもあります!」

みほ「軽音にトランペットは……」

優花里「そ、そうですよねすみません……」シュン

みほ「そうじゃなくて……こ、これは優花里さんにピッタリじゃない!?」

ピロリロピラリロファファファーンピープロピュロファーン!!


「「「「!?」」」」

華「ま、麻子さん!?」

みほ「すごい、キーボードをこんなに使いこなすなんて!」

沙織「どうしたの!楽器経験なかったんじゃないの!?」

麻子「今覚えた」

優花里「さすがです……」

ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコシャンシャンバァーーン!!

沙織「麻子には負けないんだからぁー!」ホアチョー!

優花里「迫力があります!」

ギャアアアアァァァァァァン!!!!!!!!!ジョワァァァアアアアン!!!!!!!

優花里「うわぁ!?」ミミフサギ

みほ「華さん!?少し音量を下げてください!耳を傷めちゃいます!!」

キイイイイィィィーーーーーーーーーーーーン

華「………………」












華「ジンジンします……!!」

杏「そど子もしかして手、上げようとしてたー?」

そど子「は、はぁ!?あんな風紀を乱す軽音楽なんてこっちから願い下げよ!」

杏「ふぅ~~~ん?」

そど子「な、なによ!?」

杏「音響整備よろしくねぇ~風紀委員」

そど子「会長……」

担当楽器

みほ  ボーカル

沙織  ドラム

華   ギター

優花里 アルトサックス(ベース)

麻子  キーボード

戦車喫茶ルクレール




沙織「決まったねぇ―楽器!」

華「これからどうするんですか?」

みほ「演奏曲決めですね」

優花里「雪の進軍などどうでしょうか!?」

沙織「ゆかりん、それはちょっと……」

華「筝曲の『さくら』のバンドアレンジはどうでしょう?」

沙織「和風すぎるよ!」

麻子「4分33秒」

沙織「頑張って!!」

華「そういう沙織さんは演奏したい曲はあるんですか?」

沙織「えーーー……と」

沙織「UVERworldのなんか!!!」

優花里「なんでしょう……武部殿の未来にV系のダメな彼氏が見えます……」

麻子「私も見えた」



「あら、元副隊長?」

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「まだバンド道をやっているとは思わなかった」

優花里「恐れながら!あの黒森峰学園艦ライブでの西住殿の判断は間違ってなかったと思います!」

エリカ「部外者は口を出さないで」

優花里「ぐぬぬ……」

エリカ「今度の大洗の文化祭でライブをやるらしいじゃない。精々無様な醜態をさらさないようにね」

沙織「なにその言い方!」

華「ひどすぎます!」

エリカ「学園艦ライブはね、弱小校が開いていいものじゃないのよ」

麻子「もし上手かったら観客を取られてしまうからな」

エリカ「なんですって……!」

まほ「もういい、エリカ行くぞ」

エリカ「一応見に行ってあげるわ(認めないんだから!)」

まほ「私も見に行こう(やべ、超楽しみ)」


沙織「ひどくない?」

華「絶対ライブで見返しましょう!」

翌日 


みほ「決めました、この曲で行きます!」

沙織「うん、いいと思う!」

華「優花里さんの負担が少し大きいように感じますが……」

優花里「心配ご無用です五十鈴殿!」

麻子「私が担えるパートもありそうだしな」

みほ「それでは練習を始めます。パンツァーフォー!」

優花里「うぅ、この裏打ちが難しいであります……」

華「つんのめってしまいます」

みほ「なら私がそこで息を吸います」

沙織「合図ってことだね」

優花里「それなら行けそうです」

麻子「ちょっとアレンジしていいか?」

みほ「はい、譜面に起こしてもらったらみんな把握しやすいと思います」

麻子「合点」

沙織「腕がつる~~~~」

みほ「げほっ、ごほっ」

「「「「!!!!」」」」

優花里「だ、大丈夫ですか!?西住殿?」

みほ「う、うんちょっと喉を使いすぎちゃったみたい」

沙織「はい!はちみつのど飴」

みほ「あ、ありがとう」

華「すこし休憩いたしましょうか?」

麻子「賛成!」

ライブ一週間前には聖グロリアーナと合同練習もさせていただいて
ダージリンさんからはピックセットも貰っちゃいました。
聖グロは好敵手と認めたバンドにしかピックセットを贈らないと聞いていたので
とっても嬉しかったです!

そして……






ライブ当日





杏「はいはーーいチケット一枚五百えーん。買ったー買ったー」

桃「一人二枚までだ!押すな!ちょ、そんなに強く押さないで……あっ」

柚子「桃ちゃん……」

あや「梓ー隊長どんな曲弾くんだろうね?」

梓「うん、J-POPかな?」

優季「ヘビメタかも~」

エルヴィン「五十鈴に似合うギターは……レスポール!」

おりょう「フェンダージャパンぜよ」

左衛門佐「Ibanez」

カエサル「ポール・リード・スミス」

「それだっ!!!」

沙織「ゆかりん、みほって黒森峰でどんなことしちゃったの?」

優花里「え、言っていいのでありますか?」

みほ「うんお願い」

優花里「でしたら……西住流バンド道は子々相伝のメタリカコピーバンド。黒森峰の軽音部に入ったものはみな総じてメタリカの曲を演奏します」

沙織「なにそれ!無理やり決められちゃうの!?」

華「ロックじゃないですわ」

優花里「そうなんです。そして去年の黒森峰学園艦ライブで事件は起こりました……」

みほ「うぅ……」

優花里「湖の前でライブは行われました。そして西住殿がボーカルを務めるバンド「BOCOS」のギター担当、赤星小梅が曲の中盤に……」

沙織「う、うん」

優花里「突如演奏を中断しスモークオンザウォーターのリフを弾いて、湖に飛び込んでしまったんです!」

みほ「小梅さん……!」

優花里「西住殿は赤星殿に被害が及ばぬよう、アイオブザタイガーのリフを口で演奏し、注意をそらしたんです!」

みほ「いやぁ……!!!」

沙織「も、もういいよ!ゆかりん!」

優花里「は、エキサイトしてしまったであります!そして、西住流家元は激怒し西住殿を破門にしてしまったのであります……」

華「戦車道ならずもバンド道まで……!」

沙織「絶対おかしいよそんなの!」

華「そうです!」

みほ「うん、今日で小梅さんが正しかったんだと証明して見せる!」

「BOCOBOCOS~~~~パンツァーフォー!!!」

「「「「「おおーー!!!」」」」」

ダージリン「来てしまいましたわ」

オレンジペコ「楽しみですね」

ダージリン「あの合同練習以来ペコはBOCOBOCOSのファンですものね」

オレンジペコ「そういうダージリン様はどうなんですか?」

ダージリン「あら、私も楽しみよ」

オレンジペコ「なら……聖グロもビートルズ以外の曲も許可していただけないでしょうか……」

ダージリン「何か言った?」

オレンジペコ「い、いいえ」



そど子「あ、あーただいまより戦車道バンド『BOCOBOCOS』の演奏を始めます」

ガーーーーーーーーーーー

みほ「一か月の集大成見せつけましょう!」

―――カッカッカッカッ










エリカ「す、すごい……」

まほ「あの時のみほは間違っていなかったのかもな」

エリカ「た、隊長!?」

まほ「無論、西住流が劣っているわけではない……みほ、見つけたんだなお前のバンド道」




BOCOBOCOS「ありがとうございましたーっ!!!!!」


















ちなみにBOCOBOCOSが演奏した曲はこれです。

https://www.youtube.com/watch?v=89Hje1ixKlk

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