理樹「な、なんだか身体能力が随分と高いぞ!?」 【リトルバスターズ!】 (16)

理樹「やっぱ昼休みに駅前のパン屋までパン買いに行くなんてムチャだったんだよ!」

謙吾「くっ!抜け出したことがバレたら停学まであるぞ!」

真人「うおおおおお!まだ、まだだ!俺の筋肉はもっと速く走れる!」

恭介「くそっ、正門まで回ってる時間はねえ!この塀を乗り越えるぞ!」

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謙吾「しかし、この高さは!」

理樹「どうすれば……」ドクン

(理樹くん、垂直な壁はこうやって登るのよ!)

理樹「!?」

理樹「(どういうわけか、壁の登り方が分かる……。それに成功する気がする)」

タッタッタッタ ガシッ グイッ

謙吾・真人・恭介「!?」

真人「げっ!あの塀に乗りやがった!」

謙吾「なんだと!?」

恭介「すげーぜ理樹!そこから俺たちを引っ張ってくれ!」

理樹「うん。任せて!」

………………
………


理樹「ふう、なんとか間に合った」

謙吾「凄いじゃないか理樹。いつの間にあんな芸当を」

理樹「う、うん。僕も不思議なんだ、前はあんなこと出来なかったはずなのに」

謙吾「そうか。不思議なこともあるものだ」ハッハッハ

理樹「まったくだよ」アッハッハ

恭介「いやっふー!待ちに待った放課後だぜ!」

恭介「今日の遊びは……こいつだ!」

理樹「これは、エアガン?」

恭介「そうだ!サバイバルゲームってやつをやろうと思う」

謙吾「防具無しでか?」

恭介「ああ。グラサンはあるぜ?」

真人「筋肉が防具ってわけか。へっ、悪くねえ」

理樹「いやいや危険だよ!」

恭介「だがな、仮にもスパイになろうって奴がガッチガチの防具つけてたらダセーと思わねえか?」

理樹「いやいやいやいやいやスパイ目指してないから!」

謙吾「まあ、すこし痛みを伴った方がスリリングではあるな」

理樹「謙吾まで……」

恭介「なーに、心配するな。100円のエアガンじゃ痛みが出るほどバネが強くない」

理樹「うん……」

恭介「ってことで、チーム分けはこのリボンで行う!赤いリボンはスパイ!青いリボンは闇の執行部だ!」

真人「なんだそりゃ?」

謙吾「おおかた恭介がハマっているマンガの設定だろう」

恭介「リボンは他人に見られんなよ!これはスパイゲームでもある。誰が敵かわからない状態でゲームスタートだ」

恭介「よしっ、全員リボンを取ったな?左手首に常に付けておけよ。外すことは許されないからな」

真人「おう」

恭介「それじゃあ、始めるぜっ!」

理樹「それにしてもエアガンか……。こういうの初めてだから良く分かんないんだよね」

理樹「僕は赤リボン……スパイ側か」ドクン

(ゲームスタート!)

理樹「!?」

理樹「なんだ?今のは……」

ガサッ

理樹「誰っ!」

恭介「俺だ。協力しないか理樹?」

恭介「ほら赤リボンだ」

理樹「(そう言って恭介は右手に赤リボンを持って大きく掲げた)」

恭介「実は最初に理樹が赤リボン取ったのがチラっと見えちまってな」

理樹「ええ!?でも恭介が仲間なら心強いよ」

恭介「ふっ、そうか」スッ

理樹「(恭介は不敵な笑みでエアガンを取り出した。その時、"左手首"に青リボンが見えた)」

理樹「しまった!」

恭介「へっ、もう遅いぜ!謙吾!」

謙吾「ああ!」ガサッ

理樹「くっ!あの赤リボンは真人の……!」

理樹「(背後から出てきた謙吾と、正面にいる恭介が同時に攻撃してくる)」

理樹「マズイっ!」ドクン

(12時!6時!)

理樹「(考えるより前に体が動いていた。謙吾と恭介の攻撃を最小限の動きでかわし、二人に1発ずつ弾を撃つ)」スッ パンパン

謙吾「なにっ!?」バシッ

恭介「嘘だろ!?」バシッ

理樹「僕の……勝ちだ!」

恭介「くっそー!なんだよあの動き!反則だぜ!」

謙吾「来々谷なみの……いや、それ以上の動きだったな」

真人「すまねえな理樹、早々にやられちまった。筋肉勝負だったら負けなかったんだが」

理樹「仕方ないよ。相手はあの二人だし」

謙吾「ここでそう言われても嫌味にしか聞こえないな」ハッハッハ

恭介「まったくだぜ」ハハハハ

理樹「(バトルの時間だ)」スッ

マスクザ斉藤「……ウマウー」

理樹「っ!?」

理樹「お前は現ランキング1位の謎の仮面!男か女かも分からない!その仮面の下は誰も知らない!最強の存在!マスクザ斉藤!!!」

理樹「都市伝説かと思ってたよ……」

マスクザ斉藤「はーれほーりゃウマウー!」

理樹「バトルか……。いいよ!受けて立とう!」

理樹「(僕の武器はガムテープ。マスクザ斉藤はペットボトル)」

マスクザ斉藤「はっ!ほっ!ウマウー!」バキャバキャ

理樹「(ペットボトルをボコボコ潰しての騒音攻撃!)」

理樹「くっ、手強い!」

理樹「(僕はペットボトルの騒音攻撃に倒れそうになるのをすんでの所でこらえた)」ドクン

(今よ!一気に距離をつめなさい!)

理樹「(っ!?まただ……これは一体?いや、今は気にしてる場合じゃない!)」

理樹「今だ!」

理樹「(僕はマスクザ斉藤の腕にガムテープを貼り、一気にはがした!)」

マスクザ斉藤「ほぁっ!」バタン

理樹「(マスクザ斉藤は腕毛が抜ける痛みで倒れた)」

理樹「やったぞ!」

……………
………


恭介「凄いじゃないか理樹!あの斉藤を倒したんだろ?」

理樹「うん!……ところで恭介、腕が真っ赤だけど大丈夫?」

恭介「あ、ああ……。気にするな」

恭介「よーし!野球の時間だ!」

真人「おいおい、今日は随分と少ねえな」

謙吾「俺たち4人だけか」

理樹「ピッチャーが居ないね」

謙吾「俺が投げよう」

恭介「今日は100コンボ狙うぜ!」

真人「へっ、任せときな」

謙吾「よし、行くぞ!」バシュ

カキーン

恭介「おっと、そんなにコンビニのおにぎりの海苔だけ食いたいのかい?球筋に出てるぜ」バシッ

カキーン

恭介「また、コンビニのおにぎりの海苔だけかい?」バシッ

カキーン

恭介「理樹はコンビニのおにぎりの海苔が大好きだなあ。球筋に出まくりだぜ!」バシッ

カキーン

恭介「おいおい、コンビニのおにぎりの海苔はもういいだろ?せめて米も食えよ」バシッ

カキーン

理樹「はは、止まらないや!」

恭介「どれだけ運動神経良いんだよ、お前」バシッ

カキーン

真人「うりゃああああああーー!」カキーン

カキーン

謙吾「まーん!」バシッ

カキーン

理樹「奇跡を!」

カッキーーーン

100COMBO

恭介「おいおいホームランかよ!」

謙吾「凄いじゃないか!」

真人「今日の筋肉MVPは理樹に譲るぜ!」

理樹「僕、ボールを探してくるね!」

恭介「ああ、伝説のボールだからな!俺たちも手伝うぜ」

謙吾「じゃあ、俺は向こうを」

真人「俺はあっちだな」

………………
………


「きゅう……」

理樹「(ボールに当たって気絶してる女の子がいた。金髪の綺麗な……)」

理樹「(金髪?何を言ってるんだ僕は、この子は黒い髪じゃないか)」

理樹「って、そんな場合じゃなかった!た、大変だ!」

理樹「(なぜか僕は彼女を抱っこして運ぼうとしていた。普段なら真人か謙吾を呼ぶのに、自分でも不思議だった)」

理樹「よっと」

理樹「(や、柔らかいし、良い匂いが……)」

理樹「って、変態か僕は!」

………………
………


保健室の先生「うん。とりあえず大きなケガもないし大丈夫そうね」

理樹「よかった」ホッ

保健室の先生「でも、これからは気をつけるのよ!」

理樹「は、はいっ!」

恭介「おいおい、どこ行ってたんだ」

理樹「いや、実は~~~~~~」

恭介「……なるほどな」

理樹「(恭介はいつになく真剣な顔で考え込んでいた。自分たちの遊びでケガをさせてしまったことに責任を感じてるのかもしれない)」

理樹「(すこし考えた後、恭介は満面の笑みで言った)」

恭介「よし、理樹。彼女をリトルバスターズに入れるんだ!」ニッ

理樹「えっ!?」

恭介「なんだ、嫌なのか?」

理樹「ううん!なぜか分からないけど僕もそうするべきだって思ってたんだ!」

恭介「そうか」

恭介「それじゃあ、ミッションスタートだ!」

理樹「うんっ!」

理樹「(なんだか、これからは楽しいことだらけな日々が待っている気がした。僕は全速力で彼女に会いに行く)」

誤字脱字と文章の拙さはともかく、描写にミスはありません
ありませんったらありません

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