【艦これ】提督「最高練度に達した艦娘が、本気を出すそうだ」【軽空母勢】 (39)

不作法があれば、ご指摘ください。

【艦これ】提督「最高練度に達した艦娘が、ことごとく無気力になっている」の設定を使用しています。

設定の矛盾は気にしないでください。しないでね!ほんとに。

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龍驤「なんやコレは・・・」

提督「・・・」

秘書艦専用の机に着き、業務を始めようとした龍驤は愕然とした。
初めての任務だ。

うまくやれるか不安だった。
大淀の開催した”秘書艦セミナー”にも参加した。
テキストもしっかり読んだ。

龍驤「こんなアホなことが・・・!」

提督「・・・」

ありえない。
とても、信じられない。

龍驤「することが無い!」

提督「えへへ」

秘書艦の仕事。
前日の遠征・演習・任務・攻略の報告のまとめ。
当日の遠征・演習・任務・攻略の指示。
装備の申請・開発。
部隊の編成。
その他、提督の補助。

龍驤「報告はともかく・・・、指示や装備の計画は向こう半年までカッチリ埋まっとる」

提督「すごいよねぇ」

龍驤「大淀さん、すごいわぁ」

暇にあかせて大淀が組み上げた各予定。
予定表を見るだけで、その日誰が何をするのかがハッキリわかる。

龍驤「秘書艦どころか、提督もいらんやん・・・」

作戦行動中はともかく。

提督「そんなことはないよ!」

提督は必死に否定する。
その存在意義を賭けての、全力だ。

提督「遠征帰りを出迎えたり、おやつを用意したり」

龍驤「やっぱ要らんやん!」

やっぱり、することなさそうだ。

さすがに前日分の報告のまとめはある。
とはいえ、午前中のうちに。

龍驤「すること無くなったわー」

だからと言って、真面目な龍驤にサボるという選択肢は無いわけで。

龍驤「紙人形でも作るか」

紙人形に念を込める。
支給されたそのままでも運用できるが、事前に念を込めることによってその効率はわずかだが上がる。

提督「龍驤だけが紙人形だったよね」

龍驤「他の子は、みんな矢やね」

龍驤から軽空母に受け継がれ、新型空母に至る、陰陽術。

龍驤「・・・何、してるの」

提督「にんっ!」ビシッ

紙人形を手に、提督がかっこいい(自称)ポーズをとる。

提督「急急如律令!」ビシッ

更にポーズ。

提督「艦載機出ないんですけどー。 不良品じゃないですかー?」

龍驤「出るかっ!」

搭載機の少なさ。
それをどうカバーするか。

努力した。練度を上げた。
改装によって、搭載数は倍増した。
それでも足りない。

自分では無理だと思った。
だから、正規空母を頼んだ。

それでも、提督は許してくれなかった。

「龍驤と鳳翔さんが行ってくれないと、安心できないよ」

あの言葉。
”戦力以上”を求められた。
報いたい。
応えたい。

その結果が、地力以外を鍛えること。
紙人形に一手間。
矢に一手間。
少しでも、早く、遠く、強く、精確に。
ほんの少しでも。

この人のために。

提督「ちょっと聞きたいんだけど」

提督の声色が変わる。
僅かだが、いつも聞いているから、わかる。

龍驤「どないしたん?」

昔はずっとこうだった。
自信がない、不安げな声。

提督「龍驤はさ、ここで、どう思う?」

龍驤「どう、とは」

まわりくどい。
迷っている。

提督「不満とか、ね」

龍驤「不満かぁ・・・。 そうやなぁ」

そういうことか。

龍驤「うちの力じゃ、あんまり奥まで進めんけど」

悔しいが、こればかりは仕方ない。

龍驤「特殊任務をせえへんのは、物足りんって思うことはあるかな」

提督「そっか」

参加の決定権を提督に委ねた、大規模作戦。
この鎮守府は、それに参加したことは無い。
戦力が足りない、それもある。
が、一番の理由は提督が尻込みするからだ。

龍驤「正規空母か?」

提督「・・・さすがだね」

最強のハリボテ艦隊。
あんなド田舎に、なんで最新の空母が居るんだ。

提督「いろんなところから、皆をよこせって言ってきてね」

赤城。加賀。翔鶴。瑞鶴。
怪我をして戦力の低下している赤城と加賀もだが、
翔鶴と瑞鶴はどんな鎮守府でも即、空母機動艦隊の中核となれるだろう。

龍驤「こんな辺境じゃ、その力を発揮出来ひんってか」

提督「そうだね」

不安は、わかる。
全力を発揮するような、力を尽くすような戦場を与えられない。
戦う宿命を背負った艦娘に対しては、”安全第一”など侮辱になりかねないのでは。

この優しい提督は、ここにいて欲しいという自分の望みと、戦うという艦娘の望みの間で迷っているのだ。

提督「もし、彼女達が、望むなら、私は」

龍驤「提督」

最後まで、言わせない。
言わせたくない。

龍驤「うちらは、みんな、望んでここに居る」

そうやって、迷うなら、

龍驤「気になるんやったら、特殊任務に参加してもええんやで?」

皆、喜んで向かう。
それが貴方の功績にもなるのだから。

龍驤「だから、気にせんでええ」

発破をかけるか。

龍驤「それとも、うちらがおらんようになってもええんか?」

提督「それは嫌だ」

即答。
そうくるとわかっている。
わかっているが、それでも嬉しい。

龍驤「それでええやん」

嬉しいから。

龍驤「だから、うちらは、ここに居るんや」

龍驤「なんや、嫌な夢でも見たんか?」

提督「まあ、ね」

龍驤「・・・しゃあないなぁ」

椅子に座ったまま、提督に両手を広げる。

提督「・・・何でしょうか」

龍驤「仕事中やし、添い寝はあかんけど」

おいで、と。

龍驤「抱っこくらいやったら、したるよ」

提督「いいの、かな」

龍驤「ええから、はよ」

提督がひざをつき、龍驤の胸に顔を預ける。

龍驤「薄っすい胸で悪いんやけど」

提督の頭を抱える。

高雄と愛宕の胸に埋まってた提督を思い出す。
ぐぬぬ。
こういうとき、憎しみはどこに向けるべきだろうか。

提督「いいんだ」

龍驤の細い腰に腕を回す。
強く、しがみつくように。

提督「龍驤の、胸が、いい」

龍驤「そっかぁ」

愛しい、愛しい。
その想いを込めて、ゆっくりゆっくり、提督の髪を撫でる。

龍驤「迷ってもええ、悩んでもええ」

龍驤「その結果に、うちらはついていくだけや」

龍驤「もちろん、間違ってたら叱るけど」

提督「うん」

提督「ありがとう・・・」

龍驤に甘えた数十分。
気恥ずかしいが、それでもスッキリした。

龍驤「明石んトコに寄ってくるな~」

開発計画書を持って、龍驤が工廠に向かう。

「ふんふふ~ん ふ~ん ふふ~ん♪」

これ以上ないご機嫌で、踊るように廊下を歩いていく。

提督「やってしまった」

なぜか、龍驤には甘えてしまう。

提督「まあいいか」

  『それでええやん』

あの声を聞くと、安心する。
迷いを受け入れて、決断を受け入れて。

提督「それでいい、か」

安心させられるように。
提督として、男として。

提督「よっし!」

頑張ろう。

龍驤さんはここまでです。
いってみよう!を聞くためだけに出撃してもらってます。
続きはまたです。

不作法ではないし無くてもいいんだけど続編をこれからも書くだろうしトリップをつけたらどうかなと思った

◆トリップ(酉)に関して

 名前欄に#(半角シャープ)と適当な文字や数字を入れるとトリップ、いわゆる酉が表示されます。
 例 #SS速報VIP → ◆82qWBuLEU6
    #123    → ◆TJ9qoWuqvA

 これを使うと作者本人の証明となり、他人になりすましをされる危険性もありません。
 ただし、既に他の誰かが同じトリップを使っている可能性もあるため、一度そのトリップで検索することをお勧めします

#のあとの文字は長く複雑な方がいい

>>8
提督がひざをつき、龍驤の胸に顔を預ける。

提督がひざをつき、龍驤の胸に頭を預ける。

>>9
「ふんふふ~ん ふ~ん ふふ~ん♪」

龍驤「ふんふふ~ん ふ~ん ふふ~ん♪」

鎮守府から数キロ離れた町の片隅に作られた、小さな店。
提督はこの町に、小料理屋と野外ステージを作った。

小料理屋 ”鳳翔”。

鳳翔が料理をつくり、駆逐艦が交代で接客を手伝う。

客は町の漁師たち。
武装を全くしない状態で町をうろうろする艦娘に、すっかり慣れている。
初めて彼女たちを見た時、不審がるどころか、不安げに提督にしがみつく駆逐艦を励ますほどだった。
自分の孫ほどの小さな娘が怯える姿を見て、放ってはおけなかったのだ。

>>23
自分の孫ほどの小さな娘が怯える姿を見て、放ってはおけなかったのだ。

自分の孫ほどにも見える小さな娘が怯える様を、放ってはおけなかったのだ。

もう何ヶ月も前。

「小さなお店でも開きたいですね」

提督との雑談で、鳳翔が何気なく話した将来の夢。

それを聞いた提督に、

提督「明日、皆の前でもう一度この話をしましょう」

とても真剣な顔で、頼まれた。
次の日、言われた通り、話した。

空気の変化。
驚き。
艦娘の皆が、絶句している。

提督「皆、びっくりしてるよね」

提督はこの驚きをわかっていたようだ。

提督「戦いが終わった後。 それを考えてる者はいるかい?」

沈黙。

提督「この戦いに勝つ、それしか考えていない。
   …艦娘にとっては、とても大事なことなんだろうね」

提督「失礼だけど…、この戦いの中で死ねたら、って思ってる者もいると思う」

高雄と愛宕の顔色が変わる。
戦場で、華々しく、最期を。
思っている。願っている。

提督「それを否定することは、私の立場から言えない」

提督「でも、私個人としては、それは、絶対認められない!」

絶対に、と繰り返し。

提督「どうか、生きてほしい」

提督「戦いの後も、考えてほしい」

戦いの後。

敵と、味方と。 提督しかいない世界。

敵がいなくなれば?
きっと、味方もいなくなる。
提督も、いなくなるかも知れない。

何も出来ず、立ち止まってしまわないように。
ひとりでも、生きていけるように。

選択肢を持ってほしい。
できることを、増やしてほしい。
戦うだけじゃなく、それ以外を。

その一歩目は、桜を植えることだった。

提督「来年咲くか、皆で確かめよう」

来年の春。
当たり前に訪れる季節だが、それを待っている者はいなかった。
提督は、それを考えて欲しかった。

そして、店を作った。
さらに先、違う未来を探すために。

>>23>>25の間に以下が入ります。

「霞ちゃん、酒もう一本おくれよー」

霞「あんたもう三本飲んでるでしょ!」

「そう言わずになー」

霞「だ、め、よ!」

「まーた叱られちったよー」

「あっはっは、霞ちゃんを誤魔化せるわけないだろ」

交代で手伝う駆逐艦だが、なぜか霞に叱られて喜ぶ漁師が多い。

大潮「おまたせしました!」ドーン!

「たのんでないよー」

「大潮ちゃん、こっちこっちー」

大潮「はい!」ドーン!

ミスが多い大潮も、皆、笑って見ている。

客には「見習い」と説明し、協力してもらっているのだ。

閉店時間に、提督は迎えに来る。
手伝いの駆逐艦を寮まで送る為だ。

提督「こんばんはー」

「おー、お嬢ちゃんお迎えがきたよー」

霞「あんたたちも帰りなさいよ!」

「へいへい、またね」

大潮「ありがとうございましたっ!」

霞「ありがとうございました、・・・ちゃんと帰るのよ!」

\アイヨー!/ \マタクルヨー/

提督「じゃ、送ってきますね」

鳳翔「はい、いってらっしゃい」

霞「おつかれさま、先に帰るわ」

大潮「おつかれさまです!」

鳳翔「ええ、おつかれさま」

駆逐艦と手をつなぎ、夜道を寮へと帰る。
子供じゃないと反発する子もいたが、心配だからと困った顔をされると逆らえない。
今では、恒例の提督独占タイムとなっていた。

手伝いの駆逐艦と提督を見送り、看板の灯を消す。
さあ、あとは後片付けでお仕舞いだ。

鳳翔(提督、なんだかご機嫌だったみたい)

時折、悩んでいるように表情が翳っていた。

鳳翔(私に相談してもらえなかったのは、残念だけど)

それでも、悩みが晴れたのなら。

鳳翔(きっと、龍驤ね)

やきもち。 ちょっとくらい抗議してもいいだろうか。

鳳翔(あの人が褒めてくれた、卵焼き)

焦げないように、丁寧に焼き上げる。

鳳翔(あとは、残り物のお惣菜)

皿に盛り付けなおして。

鳳翔(熱燗を2本・・・、いいえ今日は3本かしら)

足音。
戻ってきた!

提督「ただいま、鳳翔」

鳳翔「おかえりなさい」

ここでだけ、鳳翔と呼んでもらう。
ふたりきりの、内緒の時間。

そして、また別の日。

龍驤「うぬぅ・・・、なんでうちが手伝いを・・・」

駆逐艦用の制服を着た龍驤が立っている。
なぜかサイズは直し要らずだった。

提督「仕方ないでしょー、急な遠征で皆、出払っちゃったんだから」

龍驤「あんな、うちは働くんが嫌や言うてるんやないで?」

提督「だったらなんで」

龍驤「この店はな、うちには完全アウェイなんや!」

提督「アウェイて」

来客。

「お、今日は旦那さん居るんだね」ゾロゾロ

鳳翔「いらっしゃいませ」

「女将さん、今日も寄らせてもらうよー」ゾロゾロ

龍驤「ぐぬぬ・・・、このセット感」

更に来客。

「んー?新しい駆逐艦の子かい?」ゾロゾロ

龍驤「駆逐艦ちゃうわ!」

更に来客。

「お、ラッキー旦那いるじゃん」

「旦那いると鳳翔さんご機嫌でサービスしてくれるんだよな」

鳳翔「うふふ♪」

龍驤「ぐぬぬぬ・・・!」

「駆逐艦ちゃん、名前なんてんだい?」

龍驤「うちは軽空母やー!」

ペチーン

「あっはっは蹴られてやがるよ!」


提督「龍驤、お客さん蹴っちゃダメだよ」

龍驤「お前も!鳳翔と甘々空間作ってるんやないでー!」

鳳翔「あらあら♪」

龍驤「ムキー!」

\チワゲンカカイー?/ \イイゾモットヤレー/

龍驤「やかましいわ!」

戦う。

艦娘として。

自分のため、そして提督のため。

でも、それ以外を。

戦う以外を。

日常をくれたことを、感謝したい。



龍驤「こんの甲斐性無し!さっさと指輪よこしやー!」フミフミ

提督「い、いま、貯金中でっ!
   鳳翔さん助けて!」

提督「え?助けない?指輪?待ってる?」

鳳翔「・・・」ニコニコ

提督「無言の笑顔が怖いよ!」



鳳翔「感謝はしますけど」

龍驤「それはそれ、これはこれ、や!」

終わりです。
軽空母はすばらしい。

補足です。
「人は艦娘を恐れる」という設定は生きています。
この町は提督ががんばったというお話をまた書ければと思っております。

>>21
ご指摘ありがとうございます。
今思いつかないので、必要ならまたにでも考えます。

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