まほ「みほ警察だ!!!」 (32)
優花里「え?あ、、はい......」
まほ「秋山優花里だな。何をしている」
優花里「何をと言われましても、西住殿にお借りした作戦ノートでせんじゅつの勉強を.....」
まほ「......はぁ」
優花里「なんでしょうね、突然自宅に現れて大きなため息をつかれた理由をお伺いしても?」
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まほ「君はそれでも『西住みほの忠犬』か?」
優花里「理解が追いつかないので順を追って説明いただけますか?」
まほ「君はみほから作戦ノートを借りて真面目に戦車道をやっている場合ではない」
優花里「西住流次期当主の言葉とはとても信じられません!?」
まほ「今君が読むべきノート、それはこれではないだろうか?」
優花里「なんですか?それ......ポエムノート?」
まほ「そうだ。みほの書いたポエムノートだ」
優花里「え?あ、本当だ、西住殿の名前が......」
まほ「ちなみにわたしの私物だ」
優花里「え?」
まほ「いや、黒森峰にいた頃は簡単に手に入っていたが、転校した後はなかなか読めなくてな。ようやく大洗でのポエムノートを手に入れた」
優花里「そうですか......」
まほ「しかし、大洗の忠犬のざまたるや戦車にうつつを抜かし、ポエムノートを手に入れようともしない」
優花里「あの、そんなノートがあることすら知りませんでしたし、何よりそういったものは大抵秘密にしておきたいものでは?」
まほ「そこだよ」
まほ「このノートにはみほの秘密が詰まっている。ここまで言えばわかるな?」
優花里「分かりかねます」
まほ「いいか、みほの秘密を知る。それこそが君にとって大切なんだ」
まほ「つまり、みほの秘密を知る。誰も知らないみほを知ることで誰よりもみほと息の合うものになる」
まほ「よってみほの作戦への理解が深まりより一層戦車道を極めることができる!」
優花里「な、なるほど?」
まほ「君にはもっとみほを知ってほしい。そしてあわよくばわたしにもみほの秘密を教えてほしい」
まほ「それは君にしかできないことなんだ」
優花里「わたしにしか、できない......」
まほ「そういうことだ。では、みほのことをよろしく頼む。大洗のみほの理解者よ」
優花里「......」ペラ
優花里「......西住殿、わたしはどうすればいいのでしょう?」
まほ「みほ警察だ!!!」
梓「きゃ、きゃぁああああ!!!」
まほ「君は澤梓だね。何をしている?」
梓「こ、こっちのセリフです!なんで西住隊長のお姉さんが大洗の更衣室に?!」
まほ「君が手に持っているもの、それはみほのタンクジャケットだね」
梓「あ、いや、これは、その.......」
まほ「それを抱きしめて匂いを嗅ぐところまでしっかり見ていた!」
梓「きゃ、きゃぁああああ!!!」//////
まほ「ははは、恥ずかしがることはない。わたしも一緒に住んでいた頃は同じことをしていた」
梓「西住隊長のお姉さんも.......?」
まほ「そうだ。しかし、君はそれで満足すべきだろうか?」
梓「え?」
まほ「君はみほの後輩だ」
梓「はい......」
まほ「そして次期大洗の隊長の座に最も近い後輩でもある」
梓「そ、そんな、恐れ多いです」
まほ「だからこそ、タンクジャケットの残り香で満足しているべきではない」
梓「どういうことですか?」
まほ「みほの匂いを知る。それは西住みほを知ることでもある」
まほ「つまり、みほの匂いを知れば知るほど君はみほの戦車道を知り車長としての実力も上がりるということだ!」
まほ「そのためには、もうみほ本人の匂いを堪能するしかない」
梓「え?本人って....そんな」
まほ「なに、簡単なことだ。みほの胸に飛び込み抱きしめて、顔を埋めればいい」
まほ「君は真面目ないい子だ。自分一人で抱え込みそうな危うささえある」
まほ「もっと、甘えてもいいんだよ?」
梓「あまえても、いい」
まほ「そうだ。邪魔をしたな。わたしは君たちを応援している」
梓「......」
みほ「さ、澤さん!何かあったの?!悲鳴が聞こえたけど」
梓「隊長!不審者が!!」ダキッスンスン
みほ「ふ、不審者が?!」
まほ「みほ警察だ!!!」
桃「誰だっ!?」
まほ「みほ警察だ!!!」
桃「だから誰だ?!!」
まほ「河嶋桃ちゃんだな?」
桃「桃ちゃんと呼ぶな!お前が澤の言っていた不審者か?」
まほ「まぁ、そう構えるな。わたしは不審者ではない」
桃「不審者だろ!!その制服黒森峰....って、西住の姉の?」
まほ「まぁ、今はそんなことはどうだっていい」
桃「よくない!」
まほ「今君が見ていたのは優勝した時の集合写真だね?」
桃「だからどうした?」
まほ「しかし、君が見つめるべきは果たしてその写真だろうか?」
桃「はぁ?」
まほ「ここにみほの写真がある」
桃「西住の写真?」
まほ「君が見つめるのはこの写真だ」
桃「なぜ?」
まほ「君はよく冷静さを欠いて判断を誤ることがあるね」
まほ「しかし、冷静でさえいれば優秀であるとも聞いている」
桃「誰から?」
まほ「そこで、みほの写真だ」
桃「だから誰からだっ!後西住の写真に一体なにがあるんだ!」
まほ「みほは戦車に乗れば常に冷静だ」
まほ「つまり、みほの写真を見ることで冷静になることを思い出し、的確な判断能力が蘇り、結果戦車道においても優秀な君の力を発揮することができるのだ」
桃「なるほど、じゃない!わたしの話を聞けぇ!」
まほ「ふふ、写真はここに置いておこう。優秀な副官のいる大洗と是非一戦交えたい」
桃「......行ってしまった」
桃「西住の写真で冷静に.......意味がわからん」
まほ「みほ警察だ!!!
愛里寿「っ!西住流の......っ!」
まほ「さぁ、手に持っているそのみほのパンツ、こちらに渡して貰おうか?」
愛里寿「......嫌だと言ったら?」
まほ「力尽くて奪い、然るべき場所に戻そう」
愛里寿「ならその必要はないわ。然るべき場所、それはわたしのみほコレクションだから!」
まほ「違う、それはわたしのみほコレクションにふさわしい!」
まほ「だいたい、その下着をどうするつもりだ?」
愛里寿「教える必要はないわ」
まほ「ふん、大方被って楽しむのだろう、変態め!」
愛里寿「......フ」(鼻で笑う音)
まほ「なにがおかしい」
愛里寿「パンツを被る。それ以外を考えられないあなたの貧困な発想によ」
まほ「なんだと!」
愛里寿「パンツはかぶるもの。そんなのはもはや時代遅れ」
愛里寿「これが!今の時代!パンツはこう使う!!!」バッ
まほ「な、な、なん...だと......」
愛里寿「島田流と西住流、勝負は決したようね」
まほ「......シュシュ、そんな使い方が」ガクッ
愛里寿「おしゃれでありながら違和感を感じさせない。これが新時代のスタイルよ!」
まほ「......くく、ククク」
愛里寿「...なにがおかしいのかしら?」
まほ「確かに、おしゃれだよ。シュシュ」
まほ「しかし、島田愛里寿。あなたは大事なことを見落とした」
愛里寿「......負け惜しみ?」
まほ「違う。愛里寿、あなたはみほへの愛をおしゃれにしてしまった」
愛里寿「それが......ハッ!」
まほ「そう、それはあなたの愛がおしゃれ感覚程度のものだったということ」
愛里寿「違う!わたしはみほさんが.....っ!」
まほ「しかし、もはやあなたはファッションみほ二スト」
まほ「それは紛れもない事実よ!」
愛里寿「あ、あ、あ、うわあああああっっっ!!!」
まほ「だがしかし、あなたの愛が偽物であるとは思わない」
愛里寿「.....え?」
まほ「愛の大きさは違っても、みほへの想いは変わらず尊いものよ」
愛里寿「......次は負けないわ」
まほ「あぁ、わたしも負けないさ」
こうして、西住流と島田流の後継者は熱い友情の絆で結ばれた。
たとえ愛が二人を戦わせたとしても、それが二人を引き裂くことはありえない。
そう、それは戦車道の道を征くように.....
THE END
終わりです。HTML出してきます。
なんだろうこれ.....
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